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マレーナ・エルンマン・ファンクラブ会報 雛祭号

今回のファンクラブ会報は、女の子のお祭、雛祭にふさわしい話題で参りましょう。

マレーナ様といえば、「ポッペアの戴冠」でのネローネ、「アグリッピーナ」でのネローネ、「ヘラクレス」でのリカス他、長身を生かした凛々しいズボン役が有名ですが、彼女の声域はメゾとはいっても、アルトに近い声からソプラノまでこなせるほど広いので、女らしい女性役でも全く違和感がありません。化粧の映えるタイプなので、どんな役でも美しくこなせるのです。
5月のウィーンと9、10月のアムステルダムでの「ダイドー」では、ロングドレス姿で誇り高きカルタゴの女王を演じ歌います。12月のパリで演じた「ダイドー」の写真はあっても音源や映像が見つからないのが残念ですが、そこは辛抱強く待つことといたしましょう。

まずは、「アグリッピーナ」の映像をご覧ください。冒頭、後のほうにいる金髪ショートカットで「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の頃のブラッド・ピットそっくりさんがマレーナ様演じるネローネです。長いクリップですが、4分ごろから彼女の歌が聴け、ダンスが見られます。どうぞ、ご堪能くださいませ。



そして、次は、彼女の女性らしさを前面に出したクリップ「バルセロナ」です。
フレディ・マーキュリーとモンサラット・カバイエによるデュエットのカバーで、彼女はフレディのパートではなく、ソプラノのパートを歌っているのですが、高音にも全く無理が感じられません。



このように芸域・音域の広い彼女は、オペラのみならず、ポップス分野にも進出を目論んでいるようです。
ユーロヴィジョン・ソング・コンテストに出場するというニュースが断片的にはあるのですが、はたしてモスクワでの本選に登場するのか、これからまだスエーデン国内セレクションがあるのか、今ひとつ不明確で、これからも目が離せません。
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by didoregina | 2009-03-03 20:05 | マレーナ・エルンマン | Comments(7)

サラ・コノリーとFBOのコンサート@コンセルトヘボウ   私を泣かさないでください

憧れのコンセルトヘボウ・デビューである。いや、出演するのではなくアムステルダムのコンセルトヘボウでのコンサートに行くのが、はじめてなのだ。その記念すべきデビュー・コンサートがサラ様のであるというのは、運命的なものを感じる。気が高ぶり、表現が大げさになってしまうことに、ご容赦のほどを願いたい。

サラ様は、先週までバルセロナのリセウで「ポッペアの戴冠」でネローネ役を歌い演じていた。
長丁場のオペラであり、体力・気力ともに消耗したはずだ。その1週間後にアムステルダムでリサイタルを行うというのが心配の種だった。
2年前、あのマレーナ様も「ポッペア」のすぐ後に予定されていたリサイタルをキャンセルしてしまった、という苦しい経験を持っている。サラ様にはその轍を踏まないでほしいと毎日祈っていた。
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アムステルダムのコンセルトヘボウは中央駅から遠い。家から片道3時間かかるので日帰りは無理である。前半だけ聴いて帰るか、泊まるところを確保しなければならない。この件は、バロック好きのオランダ人の知人と同行しホテルの部屋をシェアすることで解決したが、これは大正解だった。コンセルトヘボウに程近い閑静な通りに面したホテルは、アムステルダムには非常に珍しくコスト・パフォーマンスが高かった。
そして、もし前半だけで帰っていたら、大変後悔したであろうことが当日になってわかったのである。

もう一つの心配の種は、着ていく着物である。
サラ様にはどちらかというと衣装の趣味がよろしくない、という定評がある。
あまり豪華な着物を着ていって釣り合いが取れなかったら、サラ様に恥をかかせることになる。
考えた末、白いホールの美しさに似合って、重ね着のできる着物を選んだ。黒の泥染め縞大島と白黒の弁慶格子の羽織の組み合わせに決めた。
これも正解であった。

伴奏を務めるのはフライブルク・バロック・オーケストラ(FBO)で、コンセルトヘボウのサイトに載っていたプログラムを見ると、ヘンデルの歌曲の合間に前奏曲などを入れて、後半にテレマンの「ターフェル・ミュージック」を演奏するかのような印象を与える。
しかし実際は、前半が「アグリッピーナ」と「ジュリオ・チェーザレ」、後半が「アリオダンテ」をメインとし、それらの合間に楽曲を入れているのだった。サイトを信じて、前半だけで帰ってしまっていたら、一生後悔してもしきれなかったであろう。
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「アグリッピーナ」を歌うサラ様の衣装には目を疑った。
胸のぐっと開いた黒のミニ・ワンピースの上に黒のミニ・トレンチ、その裾がバルーン状になっている。足元は黒のブーツである。
髪型は肩につかない程度で、軽やかに毛先を外向きにカールさせていて、全体的にシックなシティ・カジュアル・ルックでスタイリッシュと言ってもいいほどなのである。
L'alma fra le tempesteと Ogni ventoは、だから女性らしさのあふれる、しかし抑制の効いた身のこなしで歌ってくれた。熟女の貫禄・余裕である。ただ、高音になると弱音になりがちだった。

「アグリッピーナ」から2曲歌った後、サラ様だけ退場し、衣装を着替えて再登場。
宝塚のオスカル風に凛々しく変身したので、会場から思わず大きな拍手と歓声が出た。サラ様は胸に手を当てるしぐさの会釈で歓声に応えた。
ネービーブルーの胸もとまでぴっちりとダブルの金ボタンをかけた、膝丈のジャケットの下には、白とブルーのストライプのブラウス、ズボンに乗馬靴のようなブーツで、衣装から男性役になりきっているのだ。
髪型も、すこしサイドを後に流してフェミニンになるのを押さえ、真っ赤だった口紅はちょっとダークに落としてそのかわり、アイライナーできりりとした目を強調していた。
こんなディテールが分かる、かぶりつき真正面の席だったのだ。視覚的にはこれ以上は望めない位置である。表情の変化も全て見ることができる。
シーザーになりきってVa tacito e nascosto と Al lampo dell'armiを歌ってくれた。
最近の舞台や録音に多いスピードとは異なる、サラ様独特の緩やかなテンポである。力強さを女声で出すためにはテンポを速めたほうが手っ取り早いかもしれないが、威勢だけよくなってしまう。ゆったりと情感を込めるのがサラ流である。低音の魅力がほとばしる。

そして、休憩の後が、この晩のクライマックスであった。
「アリオダンテ」のScherza infidaは、イントロが長く、その間サラ様は役柄に入り込もうと表情を硬くして集中している。その蒼ざめたような表情を見ている私のほうもその世界に引き込まれそうなほどのすさまじい吸引力である。歌う前からこうなのであるから、歌を聴いたら、もう、彼女と私だけの世界に入っていた。
カサロヴァの歌う映像が英語訳の字幕つきなのでここで紹介したい。こういう内容をサラ様に歌われたらどのように感じるか、想像してもらいたい。
サラ様は歌う時に表情を崩さない。その端正な顔のままこの内容を歌い不実をなじるのだ。こちらは涙が出てきても仕方がない。



それから、Dopo natte, atra e funestaで速度を上げ一気にクライマックスであった。歌い終わったとたん「ブラーヴァ」の掛け声と心からの割れるような拍手に口笛で、聴衆は熱狂気味であった。

アンコールは、もしかしたらSe in fioritoじゃないかなあ、と期待していたのだが、このコンサート・レポをすでにアップされたMevrouwさんも書いている通り、「リナルド」から「私を泣かせてください」。
おなじみの曲なので、みんな大喜びである。しっとりとして余韻の残るアンコール向けのよい曲だ。

この晩のコンサートを一言でいうなら、サラ様「私を泣かさないでください」であった。
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by didoregina | 2009-02-22 11:05 | バロック | Comments(12)

マレーナ・エルンマン・ファンクラブ発足記念会報

マレーナさまファンの皆様、お待たせしました。記念すべき会報第一号をお届けします。

マレーナ・エルンマンの映像といえば、ヘンデル「アグリッピーナ」でのネローネ役が巷では名声を博しています。
これを見ただけでファンになっちゃう人もいるほどの素晴らしい歌声と演技ですが、ちょっとキワモノ的で、彼女の真価は、それだけではわかりません。

手っ取り早く別の映像を見ていただきましょう。ヘンデルの「ヘラクレス」でのリカス、召使なんですが、結構重要な役で出番も多く、長いアリアを歌うので彼女を初めて観る方・聴く方にはお勧めします。彼女出演の数少ない入手可能DVDのひとつで、演奏も演出も美しく完成度が高いのです。




長い金髪をきりりと後で三つ編みにしているのは、DNOアムステルダム歌劇場公演モンテヴァルディの「ポッペアの戴冠」でのネローネの時と同様ですが、「ヘラクレス」での彼女は、カジュアルなパンツ・スタイルで、中性的な若々しい魅力がいっぱいです。特に、ヘラクレスの妻で、夫の浮気に悩み嫉妬に苦しむ中年女性役がぴたりとはまっているジョイス・ディドナートとの対比が、ここでははっきりしています。

マレーナさまが手で絞ってくれたオレンジ・ジュースをもらう、デジャナイラ役のディドナートにわたしは嫉妬してしまいますが。。。。
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by didoregina | 2009-02-19 16:00 | マレーナ・エルンマン | Comments(10)

「ジェイムズ2世の戴冠式」@聖母教会

マーストリヒトの聖母マリア協会で、オランダ・バッハ協会による「ジェイムズ2世の戴冠式」ライブを聴いてきた。
1685年ウェストミンスター寺院で挙行された戴冠式のための音楽をオランダ・バッハ協会が演奏し、当時の年代記記述者による詳細な式典の記録を、NOS夜8時のテレビニュース(NHKニュースみたいなもの)アナウンサーのフィリップ・フレーリクスが読み上げるという、かなり変わったコラボ上演である。
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2009年1月28日
Onze Lieve Vrouw Basiliek in Maastricht

Programma
John Blow (1649-1708)
– God spake sometime in visions
– Let thy hand be strengthened
– Behold, o God our defender
– Let my prayer come up

Thomas Tallis (ca. 1505-1585)
- Come, Holy Gost, our souls inspire

Henry Purcell (1659-1695)
– My heart is inditing
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Georg Frideric Handel (1685-1759)
Coronation Anthems:
- Zadok the Priest, HWV 258
- Let thy hand be strengthened, HWV 259
- The King shall rejoice, HWV 260
- My heart is intiding, HWV 261

Uitvoerenden
De Nederlandse Bachvereniging
(koor en orkest)
Richard Egarr dirigent
Philip Freriks verteller

  
      聖母教会内部(祭壇)と教会外観


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夜8時半からの公演で開場が8時なので8時10分ごろ入場すると、出遅れもいいところで会場はもうほぼ満席。今回はバービーさんとマリーさん(どちらも日本人の奥様)もごいっしょだったので3人並んで座れて柱の陰にもならない席は、もう後から2列目しか残っていない。教会内部は寒いだろうと思ってわたしはパンツにダウンジャケットだったのに、バービーさんは感心にもキモノで来てくれた。ものすごく重ね着して、毛布のようなひざ掛けも忘れずに。



前半は、ジョン・ブロー、トマス・タリス、ヘンリー・パーセルの全6曲。

これらの曲間全てに、微に入り細をうがつという形容がぴったりの実況中継が入る。実際の戴冠式に臨めなかった聴衆にその様子を見てきたように全て聞かせちゃいます、というコンセプトなのだ。
どのくらい詳しいかというと、参列者の名前から大司教や王様のほぼ一挙一動・式次第全部を読み上げるのだ。その詳細さに辟易してきて、また、そのつど音楽が断ち切られるのがうっとうくなってきた。
フィリップ・フレーリクスは好きなニュース・アナウンサーなのだが、ここまでやらせるのは、聴衆・話者どちらにとっても酷だ。

後半は、ジョージ2世の戴冠式のためにヘンデルが作曲した「戴冠式アンセムス」だけで、実況中継は入らなかったので、音楽に没頭できた。
これで、ヘンデルの株がずっと上がった。前半の曲の作曲家はえらい迷惑をうけたものだ。

実際は、少年合唱団ではなかったが、曲目は同じ。Handel "My heart is inditing"
The Holland Boys Choir


聖母教会での音楽会に来たのは、パイプオルガン演奏会を除けば、初めてだ。
響きがよすぎて、合唱の声が溶け合ってしまうようで、歌がよく聞こえない。歌詞を聞き取るのは不可能だ。
合奏は、作曲家の技量に負うところか、耳が慣れてきたためか、終わりに近くなるほどよくなった。前半は、マイクを通した実況アナウンスで耳がおかしくなり、その合間の音楽はほとんど楽しむ余裕がなかったのが悲しい。

最後に、カッコよかったコントラ・バスの写真を撮らせてもらった。1750年ごろのオリジナルで、オランダ製。板がとても厚そう。でもそのせいでびんびん響きすぎというわけでもなかった。
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by didoregina | 2009-01-29 16:07 | バロック | Comments(0)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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名前:レイネ
別名: didoregina
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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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