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急告:Fred Luitenの2012年シーズン・バロック・コンサート

毎度お騒がせ呼び屋さんフレッド・ルイテンから、来シーズンのお知らせDMが届いた。

表紙にショッキンブ・ピンクで書かれた名前にドッキリ。なんと、デュモー選手ではないか!
(グラフィック・デザイナーの従兄弟の子によると、ロゴやタイポグラフィーに赤とかオレンジとか
ショッキング・ピンクを多用するのが、ダッチ・デザインの特徴だそうだ。長男の大学の教科書も
実際そうなのでびっくりしていた)

そしてその上に黒字で書かれた名前は、PJ様!

来年2月と3月のコンセルトヘボウでの日曜マチネ・コンサートだ。PJ様は、アムステルダムには
よくいらっしゃるが、いつも平日夜なので、一度もコンサートには行ったことがない。
それが、来年はわたしのため(?)に、日曜昼からの登場だ!なんと、うれしいこと。

1. Zondagmiddag 19 februari 2012: 14.15 uur, Concertgebouw Grote Zaal

FREIBURGER BAROCKORCHESTER [leiding: Petra Müllejans]
Philippe Jaroussky - countertenor

Onder voorbehoud: aria's uit opera's van G.F. Händel
G.F. HÄNDEL: 'Agitato da fiere tempeste' uit het Pasticcio Oreste (HWV A 11)
G.F. HÄNDEL: 'Ho perso il caro ben' uit de Serenade Il Parnasso in festa (HWV 73)
G.F. HÄNDEL: 'Se potessero i sospiri miei' uit de opera Imeneo (HWV 41)
G.F. HÄNDEL: 'Con lali di costanza'' uit de opera Ariodante (HWV 33)
G.F. HÄNDEL: 'L'angue offeso mai riposa' uit de opera Giulio Cesare in Egitto (HWV 17)
G.F. HÄNDEL: 'Mi lusinga il dolce affetto' uit de opera Alcina (HWV 34)
G.F. HÄNDEL: 'Ombra cara' uit de opera Radamisto (HWV 12)
G.F. HÄNDEL: 'Come nubbe che fugge dal vento' uit de opera Agrippina (HWV 6)

暫定プログラムではあるが、ヘンデルのオペラ・アリアをPJ様が歌ってくれる、すごいプログラムだ。
器楽演奏は、フライブルク・バロック・オーケストラである。


3月は、デュモー選手の登場だ。
先月のサラ様ダイドーと同様、ムジカ・アンフィオンの器楽演奏とコレギウム・ヴォカーレ・ゲントが
コーラスでサポート。その他のソリストは未定とのこと。

2. Zondagmiddag 18 maart 2012: 14.15 uur, Concertgebouw Grote Zaal

MUSICA AMPHION [leiding: Pieter-Jan Belder] en COLLEGIUM VOCALE GENT
Christophe Dumaux - countertenor
Overige solisten worden nader bekend gemaakt

A. VIVALDI: Gloria (in D, RV 589)
G.F. HÄNDEL: Dixit Dominus (HWV 232)
A. VIVALDI: Nisi Dominus (RV 608)
G.F. HÄNDEL: Concerto grosso op. 6 nr. 2 (HWV 320)

ばら売りチケット販売開始は7月1日からだが、今からフレッド・ルイテンにセット・チケットを先行
予約できる。
1と2のコンサート両方セットで129ユーロと、ばら売りより13%お得だそうだ。

そして、DMの下方にPSとして、追加コンサートのお知らせが載っていた。
今シーズンの終わり頃、2011年6月26日(日)にコンセルトヘボウで、デュモー選手がソプラノ
歌手と組んで歌う、ペルゴレーシの『スターバト・マーテル』コンサートが急遽決定したのだ。
器楽演奏は、ムジカ・アンフィオンで、前半のプログラムはヴィヴァルディの『四季』(えっ、
また。。。)
おお、デュモー選手が、今年もまた、日曜昼に歌ってくださるのが、うれしい。
コンセルトヘボウのサイトからチケット購入できる。当然ながら、まだまだいい席が沢山残ってる。
だれか、いっしょに行きたい方は手を上げて。
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by didoregina | 2011-02-26 18:00 | コンサート | Comments(6)

モネ&DNO共同プロ『ジュリオ・チェザーレ』キャストの謎

古い話を蒸し返して申し訳ない。
しかし、昨日TVで見たザルツブルク2006年の『イドメネオ』の舞台造形が、2008年にモネで
鑑賞した『ジュリオ・チェザーレ』のによく似ていたので、嫌でも思い出したのだ。どちらも演出・
舞台装置・衣装・照明の担当は、ウルセルとカール・エルンストのヘルマン夫妻だ。
嫌でも、というのは、ミヤ様キャンセル事件が心の傷として残っているからだ。

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アムステルダムでのキャストはDNOのアーカイブによると、以下の通り。

muzikale leiding René Jacobs
regie Ursel Herrmann Karl-Ernst Herrmann
decor / kostuums / licht Karl-Ernst Herrmann
dramaturgie   Klaus Bertisch

Giulio Cesare   Lawrence Zazzo 16 17 19 22 23 feb
          Sarah Connolly 20 feb
Curio        Lionel Lhote
Cornelia      Christianne Stotijn 16 19 22 feb
          Charlotte Hellekant 17 20 23 feb
Sesto Anna Bonitatibus 16 19 22 feb
Monica Bacelli 17 20 23 feb
Cleopatra Sandrine Piau 17 20 23 feb
Rosemary Joshua 16 19 22 feb
Tolomeo Tania Kross 16 19 22 feb
Brian Asawa 17 20 23 feb
Achilla Luca Pisaroni
Nireno Dominique Visse

orkest Freiburger Barockorchester

なんと、2月20日は、サラ様がチェーザレになっているではないか!これが、実際にそうだったの
なら、サラ様はすでにオランダでタイトルロール・デビューを果たしている!いや、オランダ・デビュー
だったかもしれない。
なんと、1日だけこういうキャストだったとは、意表を突いている。。。。
しかし、このアーカイブは実際当日のキャストを反映しているのだろうか、という疑問も湧いた。
というのは、DNOのサイトは統一の取れた実に見やすいレイアウトで、写真を探したりするのに
便利なのだが、上演予告としての情報を修正せずにそのまま残しているかもしれないからだ。

そこで、このプロダクションはモネとの共同だったので、モネのアーカイブも調べてみた。
ここのアーカイブは非常に見つけにくいのだが、作品、上演年、歌手などから調べることが出来、
上演日時毎に詳しいキャスト情報が載っている。
それによると、2月20日のアムステルダムでのチェーザレは、ミヤ様になっている。。。。
それだけでなく、2月17日と23日もクレジットはミヤ様で、DNOの情報と食い違っているではないか。

このプロダクションは、ブリュッセルとアムステルダムで1ヶ月続けてしかも一日おきくらい上演された。
それで、キャストはCTヴァージョンとアルト・ヴァージョンに分けられている。ややこしいのは、それが、
アムスとブリュッセルでは微妙に異なるのだ。
モネではCTヴァージョンの場合、ザゾのチェーザレ、ダニエルちゃんのクレオパトラ
タニア・クロスのトロメオ、ストテインのコルネリア、ボニタティブスのセスト
そして、アルト・ヴァージョンでは、ミヤ様のチェーザレ、ピオーのクレオパトラ、ブライアン・アサワの
トロメオ、ヘレカントのコルネリア、バチェッリのセストという配役だ。

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それが、モネのアーカイブでは単純化されて、アムスのキャストもモネと同じだったことになっていて、
一日おきにCTヴァージョンとアルト・ヴァージョンでの上演となっている。
これは、事実を反映していない。
ここで気になるのは、全てのアルト・ヴァージョン日程をミヤ様がこなしたかのような、これまた
事実とは異なる記載だ。彼女は1月公演は何回か務めたが、その後は降板したはずだ。
それを証明するのは、1月29日付けオランダのフォルクスクラント紙の批評記事だ。記者は、
「アンドロギュノスのようなマリアーナ・ミヤノヴィッチによるチェーザレ」と書いている。そして、
わたしは、その後、アムステルダム公演が近づいた頃、ミヤ様降板のことが書かれている記事を
NRC紙から切り抜いた。また、同紙には今回アムスではダニエルちゃんは出演しないと明記して
あったと思う。
この切抜き、探せば出てくるはずだ。

ところが、モネのアーカイブには、もう一つ衝撃の事実が隠されていたのだ。
ミヤ様は、お元気だったら、かなりの回数をこなす予定だったのだが、2月7日のキャストだけは、
チェーザレはHalew Hadarとはっきり記載されている!その日こそ、わたしがモネに行った日である。
えええ~、この日は当初からミヤ様が出ないと決まっていたのか?そんなはずはない、それだったら
別の日のチケットを買っているはずだが。。。ううむ、数年後に知ったこの事実は重い。
急に代役になったにしては、ミヤさまとは対照的な体型のこの無名女性歌手(ググッてもまるでヒット
しないから、その後全く活躍していないらしい、、、)のコスチュームは、ぴったり合っていたから、
きっと彼女用に最初から誂えてあったに違いない。なんたること。

さらに、もっと驚愕したのは、「1月26日は、セスト役は、演出助手のロジェ・ハルトマンが演じ、
歌はオーケストラ・ボックスからマレーナ・エルンマンが歌う予定」と書いてあることだ。
アーカイブにしては、未来形で書かれているので、実際そうだったのどうかかわからないという点が
弱いが、予定はそうだったのだ。
未来形というのが、このアーカイブがアップ・デイトされてない証明にもなるかもしれない。だから、
実際のキャストはアムステルダムもブリュッセルもどうだったんだろう、という疑問は疑問として
残ってしまうのである。

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このプロダクションは、2001年にもアムステルダムで上演されている。
その時のキャストがまた凄い。
オケは、ミンコフスキー指揮レ・ミュジシャン・ド・ルーブル
チェーザレは日替わりで、デビッド・ダニエルス、ナタリー・シュトゥッツマン、ミヤ様の3人から選べる。
セストは、なんとコジェナーとジョイス・ディドナートのダブル・キャスト。
そして、クレオパトラは、クリスティーネ・シェーファーとダニエルちゃんのダブル・キャストである。
ダニエルちゃんのクレオパトラは、伊達ではない、年季の入ったものなのだなあ、と見直した。
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by didoregina | 2010-12-01 10:47 | オペラ実演 | Comments(10)

ヘンデル『アドメート』@ゲッティンゲン・ドイツ劇場 

オペラ鑑賞は一期一会、というのがわたしの場合、基本である。
いかな、おっかけしている歌手の出演するオペラであろうとも、舞台は一回しか観ない。
それは金銭的な理由に尽きる。
そして、TV放映またはDVDでオペラ鑑賞の場合も、一期一会を大事にする。つまり、テンションを
高く保って見るには、一回こっきりだと思うのが最善なのだ、わたしの場合。

だから、DVDはマレーナ様出演作以外、ほとんど持っていない。それでも、繰り返し見ることはまず
ない。

『アドメート』は、Bravaではなく、日本でTV放映されたもののDVDコピーをようやく観た。
期待は大きい。なにしろ、主演はあの可愛いCTのティム・ミードだし、演出はドリス・デリエ女史である。

c0188818_3244020.jpgTim Mead (Admeto), Marie Arnet (Alceste), William Berger (Ercole), Andrew Radley (Orindo), David Bates (Trasimede), Kirsten Blaise (Antigona), Wolf Matthias Friedrich (Meraspe)
Gottingen Festival Orchestra, Nicholas McGegan

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      ティム・ミードのオフィシャル・サイトにあまたある顔写真から拝借。
      キュートなジンジャーで、ルックスに自信あり、が明白な眼差し。

演出のデリエ女史は、映画監督作品Cherry Blossoms (Hanami)でも、ブトーに傾倒する
人物を登場させたり、ブトーの舞台を見せたりしていたが、このオペラでも、ダンサーも振付も
本格的なブトーだ。(エンドウ・タダシとマム・ダンス・シアター)

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      病床のアドメートと、病魔を表現するブトー・ダンサー

ご存知のとおり、この舞台・衣装は日本的テーストになっていて、騎士たちは裃を着た武士風で、
相撲力士風のヘラクレスが活躍したり、お引きずりで花魁風の奥方やおかっぱ頭で着物姿の侍女
たちが登場する。

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      夫アドメートの病気回復のために自らの命を引き換えに捧げる
      アルチェステの自刎シーンは、蝶々夫人みたいだ。

舞台は、薄い幕を張った背景に、各々のシーンを象徴する色だけを投影したシンプルさ。
その色は、きれいなパステルである。

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      自害の後、舞台は床も赤になり、血の海。

その後、ヘラクレスが冥界に出向いてアルチェステを救いに行く。首尾よく救出するのだが、
地上では、病気が治癒して元気になったアドメートに思慕を寄せるアンティゴナが近づくから、
事態は複雑な展開になる。それまでがだらだらと長く感じられるのは、やたらとのんびりした
アリアばかりなのと、ストーリーも悠長でメリハリが少ないからだ。
後半になってから、愛憎関係が入り組んで来て、劇的になる。

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      アルチェステの死から最後までずっと、影のように彼女についてまわる
      なぞのブトー・ダンサーは貞子のパロディーか?
      途中でようやく、アルチェステの嫉妬を体現する怨霊なんだとわかる。
      六条御息所みたいなものだと思えばよい。

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      アドメートに恋するトロイの王女アンティゴナは、羊飼いに身をやつして
      近づく。羊役のダンサーたちがかわいい。

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      その中でもお気に入りの羊は、忠実な番犬のように、いつも
      彼女のそばに控える。このブトー・ダンサーもはいつくばって
      ばかりで大変だ。

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      夫の気持ちを確かめるため、冥界から帰ったことを知らせず、
      若武者風に男装して宮殿に入るアルチェステと侍女たち。

アルチェステの死を信じるアドメートがアンティゴナと結婚するというあわやの最後の段になって
アルチェステは身を明かし、アンティゴナも身を引く。これが、最後の数分に集中するから、
あっけない幕切れである。

アドメートは、自分の病気と引き換えに死んだアルチェステをあっさりあきらめて、若い異国の姫と
結婚しようとする、心身ともに弱い、どうしようもない王様である。
初演でのこの役は、人気沸騰のカストラート、セネジーノ。

夫のために自分を犠牲にして死んだのに、すぐに嫉妬に心を焼かれるアルチェステは、後半、
男装の若武者になってからの姿が凛々しくていい。そして最後には、嫉妬の化身を自ら追いやる
芯の強さを見せる。最初と後半に見せ場は多い。
この役は、ファウスティーナ・ボルドーニのため。

そして、途中からはアンティゴナが、ストーリーを展開させる大事な役割を担う。彼女が甘い声で
アドメートの肖像画(能面を大きく描いた薄い幕)に憧れるて身を焦がす歌も可愛くていい。
こちらは、ファウスティーナのライバル、フランチェスカ・クッツォーニのためのもの。

これら3人の花形歌手のために作られたようなオペラであるから、自慢の喉を披露するためのアリアの
配分がほぼ同等だ。だから、いったい愛の勝利を手に入れるのは誰なんだと、最後まで展開には
予断を許さないものがある。
しかし、やはり、ハッピーエンドになるのであった。

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       元の鞘に納まり、めでたしめでたし。
       白無垢の内掛けのようなガウンを羽織るアルチェステ。


このプロダクションでの主要歌手3人も、それぞれ個性的でなかなかよかった。
それ以外では、力士のヘラクレス役も上手かった。
あと2人CTが出てくるが、ちょっとイマイチなのと、音程が非常に不安定で声も出なくて酷いのがいた。
オケは可もなく不可もなくという程度で、印象に残らない。

すり足で進んだり、軽やかに裃風マントを翻して見得を切るようなアドメートの動作は優雅だ。
そして、力士風のヘラクレスが四股を踏んだりするのが、日本人には笑いを誘うというか、異様に
見えるのは否めない。ドリエ女史は大真面目だったろうに。
それ以外は、コスチュームもパステル・カラーの照明も、能面を肖像画に使うというアイデアも
スタイリッシュで気に入った。





      
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by didoregina | 2010-10-28 22:19 | オペラ映像 | Comments(14)

Bienvenue chez les Ch'tis ようこそシュティの国へ

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2008年 Dany Boon 監督作品

Kad Merad - Philippe Abrams
Dany Boon - Antoine Bailleul
Zoé Félix - Julie Abrams
Anne Marivin - Annabelle Deconninck
Line Renaud - De mama van Antoine



2008年に公開されて、フランスで観客動員数ナンバー1
になったコメディー映画である。
ようやく、昨晩TVで見ることができた。
なんで、いまさら、ではなく、ようやく、と力が入るのかと
いうと、この映画には、知る人ぞ知る悲しい思い出がつき
まとうからだ。


2年前の冬(2009年初頭)ヨーロッパは大雪に見舞われた。夜になると気温はマイナス20度
くらいまで下がるのだった。
そんな1月のある月曜日の晩、家族揃って映画を見に行くため、早めに夕食をすませた。
アートハウス映画館リュミエールでは、月曜夜と水曜昼は5ユーロ50セントで最新映画が見られる
からだ。4人ともなると割引だって馬鹿にならない。だからいつも月曜夜を狙うのだ。

すでにフランス語圏では大ヒットしたこの映画が再上演されるというチャンスを逃したくなかった。
あわただしく外に出て車に乗ろうとした。しかし、家族の誰もキーを持っていないことが判明するのに
1分とかからなかった。
玄関のドアは閉められ、家の鍵も車のキーも持たずに外に締め出されてしまった。

積もった雪が硬くなりはじめて、外気はいったいマイナス何度なんだろうと、考えるのも怖い。
澄んだ夜気に寒さがひときわ身にしみる。

さて、鍵がなければ車にも家にも入れない。徒歩15分くらいのところに住む叔父のところに寄って、
預けてある予備の鍵をもらってから、映画を見に行けばいい、どうせ通り道だし、と楽天的だった。

叔父の家に行くと、さっきまでお客様がいたらしく、おいしそうなオードブルとアペリティフが沢山
残っている。冷えた体を温めるため、遠慮なくいただくことにする。そうして、主人と次男が歩いて
家に戻り、予備の鍵で家に入り、車で迎えに来るという算段を立てた。
ところが、玄関の内側から鍵が穴にささったままなので、予備の鍵でも外からは開けられないことが、
それから30分後に判明した。
残る手段は、30キロ離れたところに住む義母に預けてある、裏口の鍵を使って家に入ることだ。
30キロは、雪道でなくても歩いては行けない。電車で行こうというわたしたちを不憫がって、叔父が
車を出してくれた。雪道だから、往復1時間はかかるだろう。映画は、もうあきらめるしかない。

こうして、家族揃って映画を安く見ようという思惑は、雪と共に潰えたのであった。
お互い責任をなすりつけ合ったが、悪いのは皆同じである。こんな風にけちがついた映画は、翌週
以降も見に行く気がしなくなった。いや、雪はますます深くなって、寒さはましに増し、夜の外出など
考えたくなかったというのが本当だ。


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       うらぶれた炭鉱町(作り物)を南フランスから来た局長の妻に
       案内するシーンは、『グッバイ・レーニン』を思わせた。
       他の地方の人が抱く偏見・期待を裏切ってはいけないのである。

ダニー・ブーン主演・監督のこの映画は、フランス語圏以外では、ちょっとウケにくいかもしれない。
フランスの北部ベルギーと国境を接するノール・カレー県のベルクという町を舞台に、その地方の方言
シュティ語を話す人たちと、南フランスから左遷されてきた郵便局長とで繰り広げられる涙と笑いの
人情コメディーである。
非常に単純な、大昔からありがちのストーリーだ。フランスの他の地域に住む人から見た、極寒の
未開の地方に住み、風習が異なり、粗野で話す言葉は訛がきつくて理解不可能、というステレオタイプ
の偏見をストレートにお笑いにしたもの。ダニー・ブーンはシュティの人である。

公開当時中学3年だった次男は、学校のフランス語の授業でこの映画の一部を見たという。
だから、別にフランス語が堪能でなくても、笑えることは笑える。

笑いをとるような方言や風習は、ベルギー国境地方が舞台だから、わたしたちには異色ではなく、
当たり前のことが多い。ジュネーヴァという強い酒を昼間から飲み、ポテト・フライが主食で、
豚肉のビール煮込みとかシコンのグラタン、くさいチーズを食べ、広場には教会とは別に鐘楼が立ち、
カリヨンの音が響く。そして町には運河が流れる。。。典型的なフランダースではないか。

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           広場で取る昼食は毎日ポテト・フライ

もともと、その辺りはフランスのフランダース地方なのだ。
現在のベルギーを南北に真っ二つに切る言語境界線は、昔ローマ人が作った、ライン川沿いの
ケルンから北海のブーローニュに繋ぐ道にほぼ重なる。
現在の北フランスの英仏海峡辺りまでは、フラマン語(オランダ語の方言)地方だったのだ。
それは、言葉にも風習にも人や土地の名前にも建築様式にもしっかり残って、今でもはっきりとわかる。


さて、アルチーナさんが、すごいニュースをキャッチして報告してくれた。
クリストフ・デュモーが、とうとう『ジュリオ・チェーザレ』のタイトル・ロールを歌うという。来年の5月、
場所は、指揮者マルゴワールの本拠地トゥルコアンである。
トゥルコアンとは、いったいどこにあるのか。探してみると、フランス北部、ベルギー国境に近いリール
と隣接している。
おお、ということは、映画のようにシュティ人の住む地方ではないか。なんという偶然。
ついでにグーグル・アースで市立劇場の辺りを写真で見ると、どうも華やかさが全く感じられない。
ネット・サーフすると、トゥルクアン出身のフランス人配偶者をお持ちという方のブログにいきあたったが、
犯罪多発ですさんだ雰囲気の町だそうである。
う~む、デュモー主演のチェーザレの舞台を見ることはわたしの悲願であるが、トゥルコアンは避けた
方がいいかもしれない。ランスやヴェルサイユでもやるから、そちらを狙うべきだろうか。
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by didoregina | 2010-10-09 21:52 | 映画 | Comments(10)

バルトリ姐とマレーナ様の『セメレ』@アン・デア・ウィーン

今年2度目のハイライトは、マレーナ様がイノー役で出演する「セメレ」だ。
主役はチェチリア・バルトリ、公演はたったの4回とあって、チケット争奪戦は熾烈を極めた。
しかし、奇跡のように、最前列の席がひとつだけ取れた。

Semele@ Theater an der Wien on 17 September 2010
Oratorium in drei Akten (1744)
Musik von Georg Friedrich Händel

Besetzung
Musikalische Leitung William Christie
Inszenierung Robert Carsen
Ausstattung Patrick Kinmonth
Licht Robert Carsen und Peter van Praet
Choreografie Philippe Giraudeau
Einstudierung Regie & Choreografie Elaine Tyler-Hall

Semele Cecilia Bartoli
Jupiter / Apollo Charles Workman
Cadmus/Somnus David Pittsinger
Ino Malena Ernman
Juno Birgit Remmert
Athamas Matthew Shaw
Iris Kerstin Avemo
Orchester Les Arts Florissants

アン・デア・ウィーンは、かなりこじんまりとしたつくりの劇場で、座席数は少ないがバロック・
オペラ上演には、この広さがちょうどいい。
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       国立歌劇場からほど近いアン・デア・ウィーン劇場の正面。
       向かいはナッシュマルクトで庶民的だ。

劇場の横側には、ベートーベンが住んでいたうんぬんのプレートがあり、もとは由緒ある建物
だったようだ。泊まったホテルは劇場から道一本隔てた隣で、その名も「ベートーベン・ホテル」。
dognorahさんと aliceさんお勧めのホテルで、とにかく劇場に近いだけでなく、全てが快適だし
従業員の対応が非常にきちんとしていて万事の処理が迅速で、気に入った。

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          劇場の横側の破風

ホテルの部屋はこの劇場横に面していて、ひそかに期待した通りのことが起った。
5時頃から、部屋で着物に着替えていると、向かいの楽屋窓から発声練習が聴こえてきた。
あの太くて温かみのある声は、マレーナ様に間違いない。幸先よろしい。

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          ホテル中二階のラウンジで。

今回は、ロンドンの椿姫さんとdognorahさんとご一緒のオペラ鑑賞である。
これがまた楽しいのである。始まる前、幕間、終演後、おしゃべりの話題も尽きず、団体行動
すればうれしいオマケがいっぱい出てくる。オペラは3人以上のグループで行くに限る。

『セメレ』のストーリーは大体知ってはいるが、初めて鑑賞するオペラだ。しかし、プロダク
ションも同じで主要歌手も今回と同じDVDはあえて観なかった。まっさらのままで、マレーナ
様に対峙したかったのである。

オケは、ウィリアム・クリスティ指揮レ・ザール・フロリッサン。マレーナ様がもっとも信頼を
寄せるピリオド演奏団体だ。最前列左寄りの座席だったので、溌剌として年齢からよりはずっと
若々しく、きびきびと細かくリードを取るクリスティーの指揮は、見ようと思えばよく見えるが、
視界にいつも入って邪魔ということはなかった。

カーセン演出の舞台は、ロング・ドレスとブラック・タイのガラ・パーティまたは舞踏会の
ような雰囲気でゴージャス。エキストラやコーラスの人々も若くて細くてきれいな人ばかり
だから華やかで、天上もしくは殿中というシチュエーション設定が視覚的に説得力を持つ。
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イノーは、ジュピターに見初められ天上界に上るセメレの妹だから、前半に出番が集中している。
しかし、姉妹という設定ながら、マレーナ様とバルトリ姐は、ルックス的には全ての面で対照的
である。
片や金髪・長身・筋肉質のノーブルな容姿で、セメレの方はキュートではあるが黒髪・小柄・
太り肉。
性格的にも、大人しくて控えめな妹と、セレブの仲間入りができてうれしくて仕方ないミーハーの
イモ姉ちゃんなのだ。

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オラトリオとはいっても、『セメレ』は、オペラ・ブッファによっぽど近い内容だ。
ジュピターの花嫁という玉の輿に乗って、舞い上がるセメレのわがままはどんどんエスカレート
する。
天上で物質的には贅沢三昧の生活を送るが、心の底から満たされることはない。正妻ではないし、
なにより人間のままであるという立場に我慢できないのである。不死の神に仲間入りできず、
欲求不満でヒステリーを起す。一般人から王室入りしたが、貴族的な振る舞いができずに孤立
するプリンセスみたいなものである。

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ジュピターの正妻ジュノーは威厳のある女王そのもので、イリスはその侍女のような立場だ。
このでこぼこコンビが、セメレ追放のための計をめぐらすのがコミカルで笑いを取る。しかし、
やりすぎない演出だからスマートだ。
天上に上ったセメレのロマンチックな心情を表すかのような舞台背景の星、それ以外は椅子、
ベッド、レッド・カーペット、玉座などのシンプルな小道具のみを使用しているが、効果抜群。

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舞台に傾斜があるため、セメレの婚約者アサマスは滑りそうになったし、不眠でイライラを
募らせるセメレはベッドから降りたとたん、アリアの最中にかなり激しくこけたが、コミカル
な歌と振りのためあまり目立たなかったのが幸いだ。バルトリはこけた拍子に、相当激しく
顔や体を打ったと思われるが何事もなかったかのように演技も歌も続けた。コロラッチュー
ラが噴火爆発のアリアの後は、いつも拍手喝さいで、さすがディーヴァの貫禄十分。
また、椅子が滑ってオケ・ピットに落ちそうになった時には、ヒステリーの演技のふりをして、
バルトリは上手く椅子を蹴っ飛ばして落下防止していた。よく気がつく人だ。

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メゾ・ソプラノが活躍するオペラで、セメレ、イノー、ジュノーと主要な歌手が三人いる。
ジュノーがイノーに化けてセメレを訪問し、ちやほやする場面が後半にあるから、ジュノーと
イノーを同一歌手で演じさせるという演出もあるようだが、その必要は特に感じなかった。
イノーと同じ鬘とドレスを着ているジュノーのほうがわかりやすいと思う。

今回は、女役のマレーナ様だが、清楚でおしとやかな役も予想以上にぴったり。
もしもマレーナ様がジュノーとイノーの二役を歌ったなら、と想像するのも悪くないが、
その二役の演じわけはかなり難しいのではないか。
神々しいばかりに美しい女役のマレーナ様は、イタリア人がグラマラスでゴージャスな女性を
褒めるのに使うという、まるでジュノーのよう、という表現がぴったりで、『甘い生活』の
アニタ・エクバーグを髣髴とさせた。

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      トレヴィの噴水での神々しいジュノーのようなアニタ・エクバーグ

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      筋肉質なのに胸も豊かなマレーナ様は、金髪大柄なスウェーデン美人
      だから、アニタ・エクバーグのイメージに近い。

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      激やせだった頃のバルトリ姐。アニタ・エクバーグばりのゴージャスな
      ショットだが、どうもイメージにそぐわない。

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      今はこのとおり、またころころとしてキュート。

夢のような舞台を、いずれ劣らぬ歌手の歌声や、オケの音が直接びんびん響くかぶりつき席で
鑑賞というラッキーなチャンスに恵まれ、夢見心地になったが、夢はその後、現実のことと
なったのだった。
詳しくは、ファン・クラブ会報としてレポしたい。
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by didoregina | 2010-09-20 10:23 | オペラ実演 | Comments(12)

ユトレヒト古楽祭のバロック・ジェスチャー・シンポジウム

8月27日から10日間にわたって開催中のユトレヒト古楽祭にでかけた。
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        今年で29回目の古楽祭はその世界では老舗。

弱冠38歳のベルギー人グザヴィエ・ファンダムがフェスティヴァル監督に就任して最初の
古楽祭は、通のための地味な音楽という従来のイメージを変えるのに成功したようだ。

まず、フェスティヴァル本会場として、町の中心に聳える、ユトレヒトのシンボルともいえる
ドム教会が使用されたことで、普通の観光客や一般市民にもPRが行き届いた。
教会の回廊には、インフォメーション・センターやケータリングが設置され、お祭りらしさを
盛り上げる。
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教会の回廊に囲まれた中庭には、ミニ・ステージが設置され、無料のフリンジ・コンサートも
開かれる。
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       多分日本人によるバロック・リコーダー演奏

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       皆、思い思いの場所で音楽を楽しむ。
       中庭や回廊には色とりどりのクッションが用意されていて、
       リラックスして音楽を聴くことができる。

私が聴きに行ったのは、28日午前のバロック・ジェスチャー・シンポジウムと、ラ・リゾナン
ツァとロベルタ・インヴェルニッツィのコンサートだ。

今年のテーマはずばり「ルイ14世」。フェスティヴァルのテーマをここまで限定したのは初め
ての試みという。だから、古楽祭だが、中世およびルネッサンス音楽は抜きである。しかも、
ルイ14世の時代の音楽にほぼ限ったプログラミングだから、おフランスものが中心となる。

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シンポジウムのテーマも「フランスのバロック・ジェスチャー」を掲げ、3日間その道の専門家
が相当濃い内容のレクチャー、討論会、ワークショップを繰り広げる。
初日午前の部は、一般の音楽愛好家向けの(といってもテーマがテーマだから濃い人が集まる)
イントロダクションだったが、やはりどうして、なかなかのものだった。

まず、バーゼルのスコラ・カントルム教授のシャロン・ウェラー女史による講義では、キケロ
から19世紀にいたるまでの様々な文献からの引用を元に、舞台でのジェスチャーの基本(意味や
様々な約束事やタブー)を教わった。
その引用文献の量には、素人をたじたじとさせるほどすさまじいものがあったが、レクチャーは
ユーモアを交え堂に入ったもの。パワーポイントで文献の挿絵も見せてくれるが、壇上に今年の
シンポジウムの元締めジェド・ウェンツを招き、口授で実際に彼に動きをさせてみせる。
しかし、内容が広範囲に及ぶので、少々単純化・凝縮されすぎ、という感じだった。

その次のレクチャーのほうが、よっぽど面白かった。
デン・ハーグ王立音大でも教鞭をとるバロック・ダンス研究家でもある演出家、シグリッド・
トホーフト女史による実地レポである。
何のレポかというと、なんと昨年ヘンデル・イヤーのためにカールスルーエのバーデン州立
歌劇場で上演された、ヘンデル「ラダミスト」の演出覚書および裏話なのであった。

この「ラダミスト」で、トホーフト女史は果敢にも、レギー・テアターが王道であるドイツの
オペラ界にその対極である歴史的上演形式(HIP)で乗り込み、その演出を世に問うたのだった。



ヒップと連呼するから、最初は何のことかと思ったが、このHIP形式での演出は、別の意味でも
実にヒップ(流行先端)だと言える。
以下、女史の講演内容から、重要なポイントを抜き書きする。

●衣装は、ヘンデルの時代に活躍したベルトッリのものを元に新たに創作。当時の銅版画を元に
デザインを起こした。登場人物の衣装の白黒で善悪を象徴させた。これはバロック時代にはシン
ボル化されていなかった近代的アイデアだが適用した。
●出来上がった衣装の色は奇抜な原色で、電灯の下では派手すぎるように感じ歌手も引けたが、
実際に舞台にかけると(ろうそくによる照明のため)実に落ち着きを見せた。
●舞台背景画は、屏風のような可動式パネルで、シートをはずして早変わりも可能。
●舞台照明は、405個のろうそくのみ。シャンデリアは普通のろうそくで、床には液体パラフィ
ンを充填した容器を置きそのガスによる光で、電気照明は使用しないこととする。(実際には、
カールスルーエ歌劇場の舞台幅が広すぎて、中央に影ができるので、そこだけ電気の照明を補った)
●HIPで重要な所作は、バロック・ジェスチャーの伝統にのっとったが、最終的には歌手の自然な
動きを重視した。歌手のほうも、所作の特訓を受けるうちに、意識しないでも歌の内容に即した
動きが自然に出てくるようになったという。
●通常、歌手が歌いながら行う所作がバロック・ジェスチャーだが、その後ろに控えるダンサーや
脇役にも音楽や歌の内容にあわせた所作を集団でさせることで、感情表現を増幅させた。

演出上、ラッキーだと思えたことは、

●カールスルーエ歌劇場は、コンクリート建築で木材はほとんど使用されていないモダンな建物
なので、ろうそくを大量に使用しても防火上の問題がほとんどない。
●フェスティヴァル用に一時的に別の建物を使用したわけではないので、歌劇場のインフラ(設備、
アトリエ、オケ、練習場)が最大限に有効活用できた。
●歌手のキャスティング以外は、すべて任せられたので、自分が思い描くトータルなHIP上演が
可能になった。
●練習場は、実際の劇場舞台と面積が同じで、練習中の小道具も本番と同じものが使用できた。
●HIP上演でろうそくの明かりだけだと、なにごとかと観客も息を詰めるように真剣に鑑賞する
ようで、客席から伝わる熱気が異なる。
●ヘンデルがロイヤル・シアターで上演した当時の「ロダミスト」プロンプトが残るので、
それを資料としてHIPが再現できた。

逆に困った点としては、

●やはりレギー・テアター全盛のドイツでは、HIPに対する一般の関心が少ないため、全編の
ヴィデオ撮影がされなかった。記念的上演なのだから、映像として残してDVD販売すべき。
(しかし、つい先だって、このプロダクションの2012年再再演が決定。次回は録画が期待される)
●チケットは、年間通しの一部として売り出されたので年間会員が優先になったため、ばら売り
チケットは少なく、ヘンデルおよびHIPに興味のあるフェスティヴァル観客には、チケット調達
が難しかった。
●組織上芸術監督の権限が大きく、指揮者と演出家の上に立つという図式のため、キャスト決定
権が指揮者と演出家にはまったくなかった。そのためバロック・オペラ専門の歌手が外部からの
2人のみと少なく、練習に骨が折れた。
●通常のオペラ上演の合間を縫って歌劇場で舞台装置を製作したため、時間上および空間上の制約
が出て、当初のプランどおりには出来上がらなかった。

結論として、

●HIPが予想外の好意をもって出演者および観客側から受け入れられたので、劇場も再再演を決定
したのは非常に喜ばしい。


四国の金丸座で、歌舞伎の金毘羅芝居を観たことがある。歌舞伎にはもともとHIPな要素が多いが、
谷崎潤一郎も「陰翳礼賛」で言うように、近代の歌舞伎座においては人工的な光を多用している
ため影の部分が少なくなり、舞台がのっぺりして見え、奥行きに欠ける印象だ。
それが、金丸座では、奉書を通したろうそくのような光を使っているので、情緒のあることこの
上ない。出し物はどうせドサ周りだし田舎の観客相手だからと馬鹿にしたような内容だったが、
劇場の雰囲気には酔えた。

ああ、2012年のカールスルーエが待ち遠しいではないか。HIPによるバロック専門歌手を取り
揃えた上演が待たれる。
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by didoregina | 2010-08-29 20:34 | バロック | Comments(12)

「タメルラーノ」は、ファンタスティック・オペラ

ドミンゴ先生がバヤゼット役の「タメルラーノ」@テアトル・レアル・マドリッドのTV放映を鑑賞した。
さほど期待していなかった、というより、はっきり言って、ドミンゴ先生が朗々と艶のある、もしくは
悲劇性を強調するあまりしゃがれたような声でバロック・オペラを歌うのは、どうも似合わないような
気がして、積極的に観たいと思っていなかったのだ。
しかし、これは、とんでもない偏見であることがわかった。

Tamerlano by Handel@Teatro Real Madrid
Dirección musical:Paul McCreesh
Dirección de escena:Graham Vick
Escenografía y figurines:Richard Hudson
Coreografía:Ron Howell

Tamerlano:Monica Bacelli
Bajazet:Plácido Domingo
Asteria:Ingela Bohlin
Andronico:Sara Mingardo
Irene:Jennifer Holloway
Leone:Luigi De Donato



第一幕では、こちらもまだ色眼鏡で観ていたせいか、耳になじみが悪かったが、二幕目からは
ドミンゴのバヤゼットも、いいではないか、と思えるようになり、特に先生が登場する場面はさほど
多くないためか、彼の存在など気にならないようになって、ひたすらファンタスティックなオペラ世界に
はまり込んでしまった。やはり、彼の歌い方も声もテクニックも、ヘンデルのバロック・オペラには
不釣合いであった。先生、許して。


このオペラをファンタスティックと呼びたいのは、まず、その簡潔なステージ造形の美しさによる。
円と丸をモチーフとした舞台背景は白と黒とグレーで統一。この円と丸が衣装のターバンの
造形にも使用されていて、モノトーンなのにロマンチックな表情を作り出す。

半円形に作られたステージの天井から大きな玉が下がり、その上に大きな足。
敵方タタールのタメルラーノの圧制に喘ぐオスマンのバヤゼットとその娘アステリアは白服姿で、
重いくびきの下に置かれていることが一目でわかるような登場の仕方だ。

ストーリーはたわいないもので、捕らわれのオスマン王バヤゼット、敵方の王タメルラーノが惚れて
いじめるオスマン王女アステリア、タメルラーノに邪険にされて傷つく許婚イレーネ、アステリアが
好きだが気の弱いアンドロニコなどが、皆各々の思惑と邪心でくっついたり離れたりするが、
バヤゼットの死によって、敵対関係も愛憎関係も清算される、という話だが、オペラ展開は悠長だ。

登場人物のキャラクターは、清廉な善人Vs馬鹿で権力を振り回す悪人という単純な二極に分かれる。

しかし、衣装や振付も含めた統一感が素晴らしく、圧倒的な様式美で、とにかく視覚的に楽しめる
オペラだった。過剰も無駄もなく、美的均整がとれて素晴らしい舞台は、夢幻の世界のようだった。

以下、写真で追ってみよう。

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          存在自体がジョークのようなタメルラーノと
          そんな変態王に惚れられて困ってるアステリア

虐げられた境遇のバヤゼットが歌うアリアは、常に重苦しく悲劇の調子を帯びる。
背後に控える宦官みたいな兵士達の踊りも、だから静的でミニマルな振付で効果的だ。

それに対して、タメルラーノは、粋で洒落た格好で、権威を傘に振りかざして好き勝手の馬鹿王。
そのキャラクターを表現する歌も軽薄そのものである。
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           この衣装、特にターバンが最高。被ってみたい!        
           でも、このタメルラーノ、どうしても男性には見えない。
    
主役のバチェットは、顔が女優のエマ・トンプソンそっくりのオバサン顔で、体格も貧弱なので
全然、エキゾチックな王には見えない。どんな表情の演技をしても、ヒステリックな中年女の地が
出てくるだけ。
ここは、やはり、マレーナ様にこの役デビューをしてもらいたいものである。

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          この衣装と鬘を着けたマレーナ様を想像してもらいたい。
          失神するファン続出、必至である。

善人アンドロニコも、衣装はカッコイイ伊達姿だ。
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           サラ・ミンガルドの男役は、まだしも見られる。でも、衣装負けしてる。
           なんだか声に艶がなくてがさがさしているように聞こえた。
           声が小さいから、無理に音を補強するような録音にしたためだろうか。

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           ステージ背景がモノトーンでシンプルなので、
           原色でポップな大道具が映える。しかし過剰ではない。

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           タメルラーノの許婚イレーネは、カラフルなサリー姿。
           女性は皆、頭にストールを真知子巻きして登場する。
           そのパシュミナ風のストールが、とってもいい。

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           イレーネ役のジェニファー・ホロウェイは、割と好きな声。
           顔と体型は料理研究家のナイジェラ・ローソン似。

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            こちらは、本物のナイジェラ・ローソン。

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            派手なピンクのタメルラーノと清楚な白いインド風衣装のアステリア。
            インゲラ・ボーリンは、姿が可憐で歌も演技も上手くて、役にぴったり。
            彼女とマレーナ様だったら、お似合いカップルなのに。。。。

結局、ドミンゴ先生以外の登場人物は、ほとんど全て女性が歌っているので、ドミンゴ先生の男ぶりが
いやでも映える、という仕掛けになっている。上手く考えたものだ。
ズボン役の二人が冴えないのだけが問題だった。これは、マレーナ様がタメルラーノ、アンドロニコ役に
デュモーで、あとの歌手はそのまま残して、このプロダクションで上演したら最高だと思う。
(今季、LAでB.メータがタメルラーノを演る。マレーナ様のブログにつぶやきによると、先日彼女は
LAでオーディションを受けたらしい。もしかして、タメルラーノ役ではないのか、と予想したのだが)
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by didoregina | 2010-08-18 16:33 | オペラ映像 | Comments(13)

デュモーが歌う「オルランド」

日本では発売が延期になってしまったらしい、マルゴワール指揮でデュモーがタイトルロールを歌う「オルランド」が、ドイツアマゾンから速攻で届いたのは、もはや2週間近く前である。
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なかなかレビューが書けなかったのは、この盤にはイタリア語の歌詞も英語その他言語の対訳も全く付いていないからだ。レーベルのサイトからダウンロードできるとジャケットには書いてあるが、ダウンロードできるのは今のところ写真のみ。ためしに他のCDをクリックすると、歌詞がダウンロードできるものがあるから、もしかしたら「オルランド」は対訳が出来上がっていないのではないか。それで、日本発売が遅れているとか?ううむ、着々と進みつつあるらしいヘンデル対訳プロジェクトに、「オルランド」もぜひ入れてもらいたいものだ。

いずれにせよ、わたしにとってこのCDは、デュモーがタイトルロールを歌うという点が最重要ポイントである。
なぜかというと、彼がトロメオ・イメージ脱却を図るには、この「オルランド」は、まことに的を得た役柄とアプローチであるからだ。
それでは、まず、トロメオとオルランドのキャラクターを比較してみよう。

トロメオといえば、権力志向、ずる賢く卑怯で、奸智に長けるが、どこか間が抜けていて、結局のところ甘やかされて育ったボンボンなのだ。皇太子の弟、みたいな感じで、帝王としての教育がイマイチ徹底されていないから、のんびりおおらかなところもあり、基本的に楽天的である。物事の見極め方が甘い。だから、その両極端の性格が内面でせめぎあい、一種独特のキャラクターを形成している。
そういうヒステリックでエキセントリックなトロメオを演じ歌ったデュモーは、嫌なヤツとしてのトロメオを印象付けるのに成功した。

一方、オルランドのほうは、エキセントリックという点では、トロメオに負けてはいないかもしれない。しかし、それは彼の育ちや本性からくる性格ではなく、彼にとってあまりに厳しく不利な状況の産物なのである。
辺境の地での異教徒との戦いという使命によって、見も心も疲れ果てていたであろう。もともとロマンチストでメランコリックな性格だったとも思える。愛か騎士としての使命かの板ばさみに悩んでいた。しかし、決定打は、何と言っても愛する人の裏切りである。自分は悪いことをしていないのに、愛するアンジェリカは、別に男を作って駆け落ちをしようとしている。それがきっかけで、欝が狂気に変貌した。

その場面は、ミヤ様「オルランド」の動画がわかりやすい。


ミヤノヴィッチ演じるオルランドは、舞台が精神病棟というせいで、最初から狂という病状が明らかにされている。騎士としての使命か愛を取るかというロマンチックな悩みというより、欝と躁との間を行ったり来たりしている。
ただ、このアリアを歌うミヤ様の声には、なぜか精彩さが欠ける。特にコロラッチューラに滑らかさがなくブツ切れの音の連続だ。リズム感が悪い。細すぎて体力のない彼女には、この役は重すぎたのか。

上記を踏まえたうえで、デュモーによる同じアリアを聴いていただきたい。


どうだろう、この力強い躍動感と歯切れのよさは。騎士としての本領は失わずに、嫉妬に狂う男を見事に表現している。さすがアスレート系のデュモー選手である。息切れもせずに、見事なコロラッチューラを披露している。ミヤ様同様ライブ録音なので演技もしながら歌っているのに、この違いは、男女の体力の差から来るのかもしれない。
伴奏も、風雲急を告げるかのようで、事態の深刻さが明瞭である。
このCD中でもクライマックスで、出色の出来だと思う。

ああ、だからこそ、動いているデュモーを見たい!DVDになっていないのが残念。

デュモーの肉体美は、フラームス・オペラの写真を見て我慢してもらおう。
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    「ジャゾーネ」最後のシーン。
     考古学の遺跡発掘現場が舞台という
     始まり方だったので、登場人物は
     発掘物として箱に入れられる、という
     きちんとしたエンディング。
     しなやかなデュモーの体に注目のこと。


「オルランド」の躁状態を表すアリアFammi combattere を聴くには、ミヤ様の動画がいい。第一幕での、ミヤ様の本領発揮。コロラッチューラも素晴らしい。


愛と戦いの使命を両立させるぞと、意気軒昂のオルランド。なのに、どこか病的でもある。

デュモーも、元気いっぱい。ただし、ヴィヴラート利かせすぎかも。


全体を通して、デュモーのオルランドは、ミヤ様よりは病気の度合いが軽い印象である。
何と言っても、気品を失わないで力強く歌えるというのがデュモーの長所だ。
それは男女の体力差から来るのだけではない。筋力鍛錬を怠らないデュモーの勝利なのだ。
彼の歌声のノーブルさは、そのパワーとあいまって、ここに理想のオルランド像を築き上げたと言えよう。だから、どんでん返しのハッピーエンドも生きるのだ。愛情面では負けてきっぱりと身を引き、騎士としての本懐に戻る、という男らしさが充満するオルランドは、デュモーでなければ表現できないだろう。
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by didoregina | 2010-06-11 10:44 | バロック | Comments(4)

デュモーをチェーザレに!

「ジャゾーネ」でのデュモーの熱演を目の当たりにして、俄然、応援意欲が湧いてきた。
そこで、今月・来月は、「デュモー強化・推進月間」として、強力なプロモーションを行いたい。
特に目標としては、「トロメオ・イメージからの脱却」を掲げる。

来シーズン、パリのオペラ・ガルニエで「ジュリオ・チェーザレ」がかかる。もしやデュモーがチェーザレに抜擢か!と胸騒ぎがしたのだが、キャストを見ると、主役はローレンス・ザゾで、デュモーはまたしてもトロメオ役である。(ついでに、クレオパトラはナタリー・デセイ!)

デュモーは実年齢が若いから、中年のジュリアス・シーザーを演じるには、まだまだ青臭すぎる。しかし、青年のシーザーを演じるならば、歌声は十分に熟しているのである。演出いかんの問題である。
その証拠をご披露しようと思う。



2008年ボーヌでの録音だが、どうだろう、この堂々とした歌いっぷりと伸びやかな声と艶は。チェーザレの主役を張るに十分の貫禄である。ただし、楽譜を見ながら歌うというのは感心できない。まだまだこの曲を自分のものにしていないという証拠を見せるようなもので、減点対象となろう。
この曲で重要な役割を担うヴァイオリン・オブリガードは、フローランス・マルゴワールが担当。かの大御所ジャン=クロード・マルゴワールのご令嬢である。といっても年齢はわたしと同じで中年だが。彼女は、指揮も行うというから、先ほど注文した新譜「オルランド」の指揮はもしや娘のほうか?と心配になったが、親父がまだまだがんばっている模様。

この曲の聴き比べならば、この人に登場していただかなくては。チェーザレのイメージを決定付けたサラ様@グラインドボーンである。


さすがサラ様、自家薬籠中の物にしている。このDVD中の白眉でもある。
多分、デュモーはサラ様との長きに及ぶ共演で彼女を師匠とあがめ(?)その芸術を盗んだに違いない、と思えるほど似たアプローチになっている。声も。

比較検討のため、もう一人カウンターテナーに登場していただこう。ショル兄である。



歌声の男らしさという点では、デュモーのほうが勝っていると言えないだろうか。(歌声も含めて、表情と演技のトータルで見るとサラ様が一番男らしいが)
ここでの演出上、ヴァイオリンのオバサンが出てくる必然性が全く感じられず、マイナス点だけが付加される。もっと若くてきれいな男の子か女の子を軍服着せて出したらよかったのに。

オペラ実演では、歌手および奏者を生かすも殺すも演出次第である。若き野心家としてのチェーザレを主役とする、想像力を駆使した新演出が待たれる。そして、次代のチェーザレは、デュモーを置いて他には考えられない、と結論付けたい。
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by didoregina | 2010-05-30 16:46 | バロック | Comments(12)

馬鹿殿ネローネ

昨日は、2011年にマレーナ様がウィーンで「セルセ」の主役を張ることの前祝いとして「オンブラ・マイ・フ」聴き比べ大会をいたしました。それに対して、REIKOさんから、セルセは馬鹿王なんだから、それっぽい歌い方してるのを聴きたい、というコメントを頂きました。
そのご要望に、きっとマレーナ様なら応えてくれると思います。馬鹿王セルセというのは、演技派マレーナ様の、びっくりするほどハマリ役になるのではないかと期待します。

それを証明できる動画を発見しましたので、ご覧下さい。
マクヴィカー演出の「アグリッピーナ」でのネローネ役のマレーナ様です。
馬鹿殿ネローネを、非常に上手く演じ歌っています。



2003年公演の録画が今年になって新たにアップされたものですが、投稿者によるとTV放映されたとのこと。ファンとしては、それはいったいいつだったのか、それならばDVD化もされるのではないかと、思わずツッコミたくなります。

「アグリッピーナ」は、2013年にバルセロナで、サラ様のタイトルロール、マレーナ様のネローネ、ダニエルちゃんのポッペアという空前絶後のキャスティングで、ヤーコブス指揮マクヴィカー演出という最強コンビ版が再演されるとの噂を聞いています。
マレーナ様には、それまでに「セルセ」で馬鹿殿ぶりに磨きをかけて、新境地を開拓してもらいたいと思います。
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by didoregina | 2010-04-07 23:43 | マレーナ・エルンマン | Comments(6)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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