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デン・ボッスでは身も心も寛げる

オランダ鉄道の一日乗り放題券(14ユーロ也)をドラッグストア・チェーンで買っておいた。
一枚残っていた切符の使用期限が昨日までだったので、天気がすぐれないが無理やり電車で
でかけた。

第一候補はデン・ハーグだが、週末恒例保線のため一部代替バスの運行になっていたので避ける。
第二候補はアムステルダムだが、やはり一部代替バス運行だから避けるのが賢明。
第三候補はデン・ボッス。おととい美術館2館がリニューアルオープンしたばかりだ。そして、何より
大事なのだが、ここまでは電車一本で行けるのだ。

(実は、当日朝、駅に行って乗り放題券を売ろうと思っていた。販売機脇で切符を買おうとする人に誰
彼となく声をかけたのだが、1等でなきゃとか、ベルギーに行くからとか、近場で14ユーロ以下だから
とか、割引券を持ってるとか、外国人とかで話が通じなかったりして、5,6分あれこれ試しても、買って
くれる人がいなかったので諦めた。)

電車で1時間半の距離のデン・ボッスに着くと、町はお祭りのように賑やかである。

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                  大聖堂前の広場パラーデは、マラソンのフィニッシュ。
                   某日本メーカーがスポンサー。
 
                     
マルクト広場では、中央に舞台、周りにはレストランの屋台が特設され、この町の特産品をいろいろ
プロモートしているテントも。
デン・ボッスといえば、ヒエロニムス・ボッスの町だから、画家のボッスにちなんでパレット形のパンや、
スペイン産ワインをボッスの絵と同じ樫の樽で熟成させたボッス・ワインとか、けっこう楽しい。

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                美術館に行こうとするが、町中がマラソン・ルートになっていて
                向かいに建物が見えてるのに渡れない。。。


今回リニューアルオープンしたのは、市立美術館と北ブラバント博物館で、両館がガラス張りの通路で
結ばれた。

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               北ブラバント博物館入口前のブロンズ像

コレクションや特別展はあまり大したことない内容なので、リノヴェーションした建物を見るのが主な
目的である。 そして、美術館ではお約束のカフェに入るのが。
市立美術館は、主にダッチ・デザイン家具やテキスタイルや食器や花瓶などのデザインものを展示して
いて、それと同じものがショップで売られている。美術館でお金を払って見るよりも、見本市とかショップ
で見て触ってこその製品である。

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                ガラス張りの廊下から広い中庭とテラスを臨む

ショップでは、美学やデザイン関連の本も充実していたが、カフェは古臭い雰囲気で混み合っており、
ちょっと幻滅。
ガラスの天井で古い建物を繋げるという、リノヴェーションではお決まりの方法なのもオリジナリティ
不足である。遊びの要素に欠ける。

その中で、たまたま、この女性が入ってきた部屋はなかなか面白かった。

デン・ボッスでは身も心も寛げる_c0188818_1193965.jpg

           白い壁に原色でステンシルで描いたような絵。赤いテーブルと
           同じような色のコーディネートの女性(見学者)が抜群にマッチ。

混み合っていて給仕も足りないカフェでの食事は諦めた。
大聖堂を横から見る一番の立地のカフェ・レストランに入った。ここのマラケシュ風チキンのチャバタは
日本のカレーっぽい味付けにコリアンダーやハリサ、そして野菜の甘酸っぱいソースがいいハーモニー。

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           ビールは、ブルージュのゾットのブロンド。道化がカーニヴァルで
           有名なデン・ボッスにぴったり。窓の外には大聖堂が迫る。


近年ようやく改修の済んだ教会の中に入った。一体何年振りだろう。

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                  身廊から内陣を見る。
                  サーンレダムの展覧会を当地の美術館でやっているが、
                  教会内部は、絵よりも実物を見るほうが好き。


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                  天井から何事か気配を感じた。上を仰ぐと天の目が。


そしてこの日は、この大聖堂の縁日らしく、立派なマントをまとった聖母子像が祭壇脇に置かれ、
特別拝観。ろうそくに囲まれてほほを染めて心なしかうれしそうな表情だ。夕方からは、巡礼ともに
聖母子を乗せた神輿が町を練り歩くのでぜひ行列にご参加を、と教会のドアに書いてあった。

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この教会は拝観料を取らないので、修繕費として2ユーロ寄付した。

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                   奏楽の天使も愛らしい。



飲食店がとても多くて、お祭り好きの人が住んでるいかにも南部カトリックの町である、デン・ボッスの
町がとても気に入った。のびのびとおおらかな土地柄で、身も心も寛げる。
南部といってもアムステルダムまで電車で1時間だ。北ブラバント州の州都でもあり、住んでみたくなる
町である。
by didoregina | 2013-05-27 18:46 | 旅行


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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