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ロケーションで選ぶ(?)オランダとベルギーの来シーズン古楽コンサート

ユトレヒト古楽祭の主催団体Oude Muziekは、年間通じてオランダとベルギー各地の教会
などで素晴らしい古楽コンサートを催している。
演奏もさることながら、コンサートの楽しさもしくは落胆はそのロケーションにも左右される。
お城とか教会とかの歴史的に由緒ある会場だと、モダンなコンサートホールよりも雰囲気が
いいから気分は盛り上がる。しかし、音響面ではどうか?

マーストリヒト市内の教会やチャペルなら音響のことは承知しているのに、演奏家や曲目に
惹かれて懲りずに行ったコンサートで、「カンベンしてくれ」と心底思ったことも何度かある。
合唱曲だと特に、残響が長すぎてもう何がなんだかわからなくなるくらい各声部が混じりあって
しまう。ポリフォニーだからってこれはあまりにも渾然一体すぎると思うのだが、実は作曲家が
本来意図した音響は実はこんな感じだったのかもしれない。しかし、現代人のわたしの耳には
受け入れがたいものがある。

さて、Oude Muziek企画の来シーズン・コンサートで行きたい!と思ったものは以下の通り。

10月15日(土)@マーストリヒトのウルスリン・チャペル
Gli Angeli Geneve (Maria Cristina Kiehr, Jan Kobow, Stephan MacLeod他)
による Schein のモテット集Israelis Brunnlein
ソリストの面子がいいのと、聴いたことない作曲家そして会場も初めてなので惹かれる。
アントワープのAMUZでもマチネ・コンサートがあるが、音響面でひけてしまう。

10月22日(木)@ハッセルト市庁舎(B)
Johanette Zomer + Fred Jacobs によるCanto di Romaは、シギスモンド・ディンディアの
曲を中心にローマの初期バロック。
ハッセルトの市民文化会館は、古楽コンサートに適してないと思うが、17世紀の市庁舎なら期待
できそうだ。

ロケーションで選ぶ(?)オランダとベルギーの来シーズン古楽コンサート_c0188818_18114839.jpg

            ハッセルト(ベルギー)の市庁舎

このコンサートはアントワープでも10月27日に行われる。しかも会場はルーベンスの家
どちらに行くべきかと、悩むところである。コンサートの1時間前から入場でき、チケット代金で
美術館を見学できるというのも魅力である。

ロケーションで選ぶ(?)オランダとベルギーの来シーズン古楽コンサート_c0188818_1819720.jpg

            豪勢なルーベンスの家


4月2日(月)@ハッセルトの文化会館
Ton Koopman+Amsterdam Baroque Soloists(Catherine Manson, Jaap ter Lindenほか)によるBuxtehude コンサート。

4月21日(日)@マーストリヒトの聖ヤン教会
Camerata Trajectina + Lous Peter Grijpによる『カルヴィンと音楽』と題したGoudimel, LeJeune,Sweelinck, Van Eyckなどのプロテスタント音楽。

5月6日(日)@リンブリヒトの聖サルヴィウス教会
Scherzi MusicaliによるDomeniko Mazzocchiなど17世紀初頭のイタリア歌曲。
リセウェーヘまで、カッチーニ作曲『エウリディーチェ』を聴きに行ったが、意欲的な若手演奏家達
なのでこれにも期待できる。

Oude Muziek とは別にAMUZからもブロシャーが届いた。

毎年8月にLaus Polyphoniaeという、ポリフォニーにジャンル限定した音楽祭が1週間
にわたって開かれる。18回目という盛況だ。今年のテーマはポルトガルの音。
8月28日にはサヴァール率いるLa Capella Reial de Catalunya & Hesperion XXIが登場!

Oude Muziek と重ならないAMUZでのコンサートで目を惹いたのは

10月14日(金)のTasto Solo & Trio MediaevalによるMetamorphoseコンサート。
スペインの器楽アンサンブルとノルウェーのソプラノ・トリオのコラボで、中世から15世紀半ばまでの
音楽を。行きたいのだが、平日夜9時開演というのは。。。

2月16日(木)には、Santrine Piau + Jos van Immerseelのコンサート!
フォルテピアノの伴奏でピオーがフォーレ、プーランク、ドビュッシーを歌う!ブリュッセルの
ボザールでも同じコンサートがあるが、どちらも平日夜で、行くのが難しい。

2月26日(日)には、Paul Agnew + Elizabeth Kennyのマチネ・コンサート!
リュート伴奏で、アグニューがダウランドとル・カミュ(17世紀フランスの作曲家)の歌曲を歌う。

3月2日(金)は、Mark Padmore + The English Concertによるバッハおよび同時代の
リューベックの作曲家の作品を集めたコンサート。やはり夜9時からだ。。。

3月31日(土)は、Maria Cristina Kiehr + Concerto Soave (Mara Galassiほか)の
カリッシミ、フレスコバルディ、ロッシなどの哀歌。これも夜9時から。

気になるコンサートは多いが、実際行けるものとなるとかなり限られてくる。
ああ、古楽コンサート・チケットは特にベルギーだとめちゃ安なのに、残念なことである。
by didoregina | 2011-04-17 12:07 | コンサート


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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