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バイロイト・バロック・オペラ辺境伯歌劇場でのCarlo Il Calvo鑑賞記 前編

絢爛豪華な辺境伯歌劇場でのポルポラのオペラCarlo Il Calvoがいよいよ始まる。
指揮者のペトロウが登場するも拍手はまばらにしか聞こえない。(入場客数を半数以下に
制限したため)
指揮者がマスクを外しチェンバロの前に立ち両手を上げると、幕が開く。
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オペラ本編開始前にプロローグとして、舞台上の大テーブルに一族揃っての会食中に先王
ルイが亡くなる場面を見せる。
初めて聴く・見るオペラである。どんな物語なのか、音楽やアリアの構成はどんななのか、
わくわく感は半端ない。そして実に半年ぶりのオペラ実演鑑賞でもある。
この高揚感を覚えるのは久しい。

続いて先王の葬儀の場面で、最初のアリアを歌う栄光は長男ロッタリオ役のマックス・
エマニュエル・ツェンチッチが担う。ゆったりした悠揚迫らぬ曲調で、喉を温めるのに最適
ではあろう。まだまだパワー温存して5時間の長丁場に臨まなくてはいけないのだから
ちょっと意外なほど声をセーブして最初のアリアとしては精彩を欠いたが致し方ない。
しかしその後、どんどん存在感を増していく彼であった。

ツェンチッチは銀髪で杖をついたりして老け役に挑みつつ、このオペラ・プロダクション
の演出も担当している。近年、自ら出演するオペラの演出をすることが増えているが、
第一回バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァルのメイン演目に ポルポラの
Carlo Il Calvoという上演機会が今までなかった作品を選んだ着目点が素晴らしい。
レア・バロック・オペラの開拓上演に意欲的な彼には、バロック・オペラ上演と言えば
ほとんどヘンデル一辺倒で安全パイで固めた演目の大歌劇場に素手で立ち向かうダビデの
ごとき頼もしさを感じる。そしてこのオペラには煌めくばかりのブラヴーラ・アリアが
散りばめられて宝石のような輝きを放っているのだ。
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結論を言ってしまおう。彼の演出は素晴らしいものだった。
イタリアのバロック・オペラにありがちだが登場人物が多くて、それぞれの思惑が入り組み
複雑な人間関係の愛あり欲ありのストーリーをうまく整理してわかりやすく見せることに
成功した。中世の物語の舞台を前世紀20年代のチリに移してのマフィアの跡目抗争という
設定は無理なく、徹頭徹尾辻褄が合っていた。しかも、エンターテインメントとしても見て
楽しく、舞台セットや小道具も衣装も振り付けもゴージャスかつ完璧で、満腹感が半端ない。
完璧に修復・再現されたバロック歌劇場にはバロック衣装とセットでの上演も可能であった
かもしれないが、あえてそういう正道を取らなかったツェンチッチのアプローチとセンス
には脱帽だ。

当日移動中、このオペラのリブレットおよびあらすじを含むプログラム・ブックの
リンクを頂いたが、文字が小さすぎて電車の中で携帯上で読むことは諦めた。そして、
会場で買ったプログラムブックは、座席を物理的に高くするためコートに包んでお尻の
下に敷いての生舞舞台鑑賞であるから、複雑なストーリーを追うのは舞台上の字幕が
頼りだった。(ドイツ語と英語)
ファン仲間には3回上演されたこのオペラを複数回鑑賞した人もいたが、やはり二度目で
ようやく理解納得でき、細かい点も楽しめたと言っていた。それはそうだろう、登場人物
の名前が似ているし、誰が誰なのか実演鑑賞中はこんがらがってきて、悪役やそうでない
人物も一筋縄ではいかないので混乱しつつ頭をフルに回転させて見ていたのだから。
目と耳を凝らして鑑賞するから、一瞬でも飽きる暇がないよと先に鑑賞した別の友人が
言っていたが全くその通りだった。

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ロッタリオ派と先王ルイの再婚相手であるジュリエッタの幼く身体虚弱の息子カルロを
擁立する皇后派とに分かれてのマフィアの抗争という大きな流れはわかったが、フランコ・
ファジョーリ演じるアダルジーゾがロッタリオの長男で、ジュリア・レジーネヴァ演じる
ジルディッペはジュリエッタの前夫との間に生まれた次女で、長女エドゥージェも登場し、
いかにも腹黒そうな部下アスプランドと忠臣らしきべラルドも入り乱れて、第一幕目は
声と名前と顔が一致しないのだった。

一番私の頭を混乱させたのはべラルドという人物を演じる歌手の存在だった。
声だけ聴くとレチも歌声も完全に女声メゾで、ソプラニストCTといえども通常混じる
男声の要素が皆無なのだ。ズボン役が完璧に板について顔も体形も動作も男性にしか
見えないメゾかと訝った。
その歌手はブルーノ・デ・サというまぎれなきCTであることが判明したのは休憩後の
ことであった。
終演後の出待ちで彼と少し話すことができ、「あなたの歌声はとても好みの声です」と
言うと喜んでくれて、次はドルトムントでバロック・パスティッチョのコンサートに
出演すると教えてくれた。
女声かと紛う声の持ち主であるCTとしては、3月にフィリップ・マトマンの生の歌声を
エッセン歌劇場の『カインとアベル』で聴き、可憐なメゾそのもののマトマン君の声も
好きになった。

マックス、フランコ、ジュリアという既に名声を確立した素晴らしい実力派若手歌手勢
揃いのキャストであるが、ジュリエッタ役のスザンヌ・ジェロム(フランス人だから
そう読むのだろうか)も誇り高き皇后らしく堂々たる演技とバロック・オペラに相応しい
気品を備えた声の歌唱で印象づけた。役の設定もあり、少しだけカリーナ・ゴーヴァンを
思わせる。
スター歌手ユリアちゃんのジルディッペと互角に張り合える実力に驚かされた。
後日、アルチーナさんが彼女の動画を紹介しているのを見て再び驚いた。それは一昨年末
にアーヘン歌劇場で鑑賞した若手歌手キャストによるヘンデル『時と悟りの勝利』で、
スザンヌ嬢が「美」役を歌っているものだ。そのプロダクションはCTのキャメロン・
シャバジ君目当てで行ったのだが、どの歌手も上手かったことが印象に残っている。
しかし、スザンヌ譲がジュリエッタ役としてこのバイロイトに抜擢されたとは。
プロダクション事務所であるパルナッソスの新人発掘能力の凄さを改めて実感した。
彼女のバイオにはアーヘン歌劇場で活躍とあり、『コジ・ファン・トゥッテ』のデスピーナ
役だったと書いてある。それも私は去年鑑賞したのだった。。。今後の彼女に注目である。

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バルコンの手すりの木の厚みと高さに注目のこと。
これが座ると結構目の前の邪魔になる位置なのだった。デカい人ならいいが、そうでない
人にはきついので、皆手すりに身を乗り出す格好に。

第一幕後の休憩にはまだ日の沈まぬ外に出て、劇場前の小さな広場の噴水の前に三々五々と
着飾った観客が集まった。ゼクトなどの飲み物の値段設定も特に高くない。夏のような陽気
の宵だからこその音楽祭らしい風景だった。

また、劇場のトイレは、個室の数はさほど多くないが中は広く、磨りガラスのドアや最新
デザインのカランなど、機能的でとても気持ちがよいインテリアだった。






# by didoregina | 2020-09-18 17:33 | オペラ実演

バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァル@辺境伯歌劇場 その1

長いこと放置していたブログだが、今年初めて開催されたバイロイト・バロック・オペラ・
フェスティヴァルに行くことができた僥倖を寿ぎ、コロナのため渡航規制のある日本から
行けなかった仲間たちのためにも、レポを書くことが私の使命と心得、久しぶりに記事を
投稿してみることにした。
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バロック・オペラ・フェスティヴァルの主要会場であるバイロイト辺境伯歌劇場は
1750年に完成した。2012年にユネスコ世界遺産に登録され、長い改修期間を
経て2018年にバロック音楽演奏を中心とするオーセンティックなホールとして再開された。
そして今年2020年9月に様々な苦難を経て最初のバロック・オペラ・フェスティヴァル
開催にこぎつけたのだった。

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9月3日から13日まで開催されたフェスティヴァル演目は、メインのポルポラのオペラ
Carlo Il CalvoとヴィンチのGismondoの他、ジョイス・ディドナート、デルフィーヌ・
ガルー、ロミーナ・バッソ、ジョルディ・サバール、ヴィヴィカ・ジェノーによる
コンサートが毎晩繰り広げられまさに豪華絢爛。

今年2月のチケット発売開始時には、期待に逸る胸の動悸を抑えつつなんとかポルポラの
オペラのチケットをゲット。現代ではほとんど上演されたことがなく無名に近いオペラ
ではあるが、フランコ・ファジョーリ、ユリア・レジネヴァ、マックス・エマニュエル・
ツェンチッチといった今が旬の超一流歌手出演がバロック・オペラ・ファンには話題で、
ほぼ発売日にチケットは完売したと思う。
しかし、その後急に全世界を席巻した新型コロナ・パンデミックで、夏のフェスティヴァル
はほとんど全滅となった。この夏の開催は無理だろうと私は諦めたが、主催者は諦めなかった。
コロナ対策のため、客席490のところ客数を200人に減らして上演するというメールが
届いたのは8月半ばを過ぎていた。具体的には、既に販売したチケットは全部キャンセル
としバウチャーに変更、翌週以降チケット・バウチャー保持者へメールで再発売の案内
リンクを送るというものであった。再発売の日時がはっきりせず、テクニカル面で困難が
あったのだろう、結局8月20日の朝から再発売開始という予定がどんどん延びて実際には
その夜8時からになった。朝から待機していた私だが、まだ準備が整わないのでお待ち
くださいというメールが何度か届いた。その夜は映画祭の野外上映のヴォランティア・
クルーとしての仕事があったので、実際に再発売開始時点でチケット・ゲットには
参戦不可の状態であった。

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                  劇場正面の噴水のある池。


翌朝、ドイツ在住の友人からのメールで「瞬殺で、参戦したときには既にほとんど売り
切れだったから今年は諦めてバウチャー使って来年にすることにしたけど、あなたは?」
と訊かれ、押っ取り刀でサイトを覗いてみたら、私がもともと行く予定だった8日火曜日
の公演はまだ3つだけ残席があった。
カテゴリー1で2階正面だが後方の席が一つと、カテゴリー2で3階の舞台に近いロー
ジェに2つ。試しに後者の席を1つクリックしてみたら買えた。(よくあるのは、
2つ並んだ席を1つだけ買おうとすると「ペア席はペアにお譲りください」という
表示が出て先に進めない、ぼっちに冷淡なシステム)
しこうして、コロナ対策の対人距離確保のため座席減らして配置してあるはずなのに、
ペア席の1つだけ買えるのも変だよなあ、と訝ったが、ま、買えたんだからいいや、
と自分で納得してみた。別のドイツの友人もなんとか納得できる席が確保できたらしい。

チケット再発売前にホテルだけは確保しておいた。バイロイトといえばワーグナー祝祭だが
今年は中止、コロナで観光客も少なく閑古鳥が鳴いているのだろう、駅からも歌劇場からも
ほど近いホテルが格安だ。
チケット再発売開始がオペラ・フェスティヴァル開催日の2週間前という異常事態であり、
コロナの各国状況は夏の終わりに近づいてまたもや不穏というかどんどん危険地域が増えて、
いつ移動制限が発令されるかわからないので、電車のチケットはギリギリまで買わずに
おいたが、さすがに1週間前に買った。乗り換え3回片道8時間で主にドイツのICEに乗る
のだが、こちらも格安である。座席指定込みで片道57ユーロだった。
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ドイツ鉄道DBは遅延と突然のキャンセルが日常茶飯なので、何があっても当日夕方から
始まるオペラに間に合うよう早朝5時19分の始発電車に乗ったが、本日は晴天なりで
ライン川に沿って走る電車の車窓の景色も明るい。旅行気分で美しい景色に見とれて
飽きることがない。ここまで順調に来れば後はもう大丈夫だろうと思われるニュルン
ベルク駅で待っていたのは、バイロイト行き電車のキャンセルの知らせ。
妙にデカい駅コンコースを何往復かしてDB案内所で代替バスと電車のバウチャーを
もらって反対側出口の外にあるバスに乗り、1時間半遅れでバイロイトに到着できた。

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ライン川のローレライの岩のご加護か、日本から来られなかった仲間の守護のおかげか、
バイロイト駅に無事降り立った時は感無量であった。朝5時過ぎから午後3時近くまで
ずっとマスク着用して約9時間半の長い電車とバスの旅であった。

ホテルに荷物を置いて、ピーカン晴れの市中心部に向かう。今晩6時開演のオペラは、
休憩2回含めて5時間の長丁場である。とにかくまず食べなければ。朝から水分は一滴も
とらず、アーヘン駅で買った野菜ピザだけしか口にしていなかったのだ。ヴァイツェン
半リットルを一気飲み。お勧めのサラダを食べ、もう一杯ビールを頼んでデザートに
ケシの実入りチーズケーキで腹ごなし。
歌劇場斜め前のカフェ・テラスに座っていると、楽器を持ったオケメンが次々に通り
かかり、気分が否が応にも高まる。

少しだけ劇場周辺を歩いて、斜め前にあるコーヒー焙煎屋でドイツとしては超美味しい
コーヒーをひっかけてからホテルに戻り、1時間弱で着付けとヘアメークを整えて
劇場に向かわなければならない。
バイロイト祝祭に参加する人が多く宿泊するのだろう、小さな部屋だが全身が映る鏡が
あるのがうれしかった。
夕方とはいえまだまだ残暑。袷の着物に塵除けコートを着て歩くとまた汗をかいてしまう
のだった。
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                塵除けコートと手作りのファッシネイター(髪飾り)


劇場前の小さな広場には指揮者のペトロウがマスクして立っていた。
中に入ると主催者のラング氏がいたので、「お久しぶりです。まさかと思ってましたが、
フェスティヴァル開催にこぎつけられて素晴らしい。ここに来られて夢のようです。」
と声をかけた。満足げに頷いた彼は「幕間には、噴水の前で飲み物が飲めるから、
外に出てきて」と言った。

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                 私の席からの舞台とオーケストラの眺め。

最前列中央に欧州在住の日本の方が座ってらしたが、舞台位置が高いため小柄な彼女
にはよく見えない、指揮者も邪魔だし、オケ観察にはいいんだけどと言ってらした。
こういう古い劇場の座席選びは難しい。
平土間は傾斜もあまりないから、背の低い日本人の前に大柄な人が座ったら視界が遮られ
そうである。
今回は、平土間は1列おき、左右3,4席空けての配置で、バルコンは全ての階で1列目
のみ2席ずつの配置。
ペア席だったはずの私の隣の席には誰も座らなかった。ロージェといってもそれぞれの
仕切りはない。
視界的にベストは各階バルコン後方の正面か一番舞台に近いロージェだ。舞台を(斜め)
正面から遮るものなく見られる。私の席はその隣で、まあまあ悪くなかったが、舞台を
ちょっと斜めから見る位置になるのと、分厚い無垢の木の板でできた手すりの位置が
高すぎ、椅子は低いのでプログラムブックとコートを重ねて座らないと視界が微妙だ。
次回はクッションになるようなものを持参するのがよいかと思う。
誰もが手すりに乗り出すようにして舞台を見ている。
マスクをしたペトロウが入って来た。オペラが開幕する。

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                 ホテルのロビーで





# by didoregina | 2020-09-15 19:55 | バロック

オランダ・バッハ協会の『ダイドー』

ダイドーを名乗る私としては、オランダ・バッハ協会による『ダイドーと
イニーアス』コンサートを避けて通るわけにはいかない。主にバッハの
作品録音と演奏(All of Bachと題して全録音中)を活動の中心にしている
このオケとこの作品とは意表を突いた組み合わせである気がしたことは
否めない。そして、実演を聴いてみるとやはり意外なサプライズに満ち
満ちていたのだった。
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Nederlandse Bachvereniging
Robert King dirigent
Marianne Beate Kielland mezzosopraan (Dido)
Julia Doyle sopraan (Belinda)
Matthew Brook bas (Aeneas)
Tim Mead countertenor(Spirit/sorceress)
2018年4月25日@TivoliVredenburg 

公演前に知らされていた情報は、開演時間と終演時間、休憩があること
だった。『ダイドー』は1時間ほどの短いオペラなので、ダブルビル
(サラ様ダイドー@ROHはヘンデルの『エイシスとガラテア』とのダブル
ビルだった)にするとか、一晩に2回公演(クリスティー指揮マレーナ様
ダイドー@DNO)行ったりたのを鑑賞しているが、休憩があることには
訝った。

開演すると客席と舞台が暗くなり、譜面台の上にだけ照明が当たり、出演
者が登場した。そして、いきなり聞こえてきたのはテノールの歌声だった。
全く予期していなかったのでこれには心底驚かされた。
慌てて歌詞が印刷されているプログラムブックを読むと、なんとパーセルの
Why why are all the Muses muteが第一部の演目になっているのを発見。
この曲は国王ジェイムズ2世が政変を平定し、ウィンザー城からようやく
ロンドンのホワイトホール宮殿に戻ったことを記念して作曲されたという。
そういうわけで、イギリスと国王の偉業を称える内容の歌詞になっている。
シーザーという単語が何度も出てくるが、これは後に登場するもう一つの
サプライズに呼応する内容ともいえるのは、終演後に分かったことだった。
(また、この曲のアルト・パートは当時のカウンターテナー、ウィリアム・
ターナーのために作曲されたということである。)私にとって新発見だら
けの第一部であった。

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      テノールのデヴィッド・デ・ウィンターとCTティム・ミード

たっぷり30分の第一部と休憩の後で、第二部というか本日のメイン・イヴェ
ント『ダイドー』が始まった。
国内3か所(ユトレヒト、ロッテルダム、アムステルダム)のホールでの
公演であるが、一応セミ・ステージ形式になっている。第二部開始前に合唱
団員が客席入り口付近に待機しているのが見え、最初のベリンダのアリアの後、
祝福の歌と共に客席を通って舞台に上がるのだった。大道具・小道具の舞台
装置は特にないが、合唱団の演技が主にステージングの主だった要素になって
いる演出だった。
すなわち、彼らが魔法使いの弟子や船乗りに扮して、オケ団員に絡んだり
するのだ。

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絡まれるオケ団員はそれに対してまじめにウザがったような反応をしている。
器楽奏者としてはテオルボとギターの二人(マイク・フェントロスとフレッ
ド・ヤーコプス)とヴィオローネの一人が大活躍する以外は、他の弦楽器
奏者にはさして目立つ場面はない。それでも、コンマスの佐藤俊介さん始め
いつものバッハ協会のメンバーが、バッハではない曲を熱演するのだった。
オケのメンバーには18世紀オーケストラのメンバーを兼ねている人もいて、
こういうセミ・ステージ形式には一応馴染みがあるだろう。そう思ったのは、
近年18世紀オーケストラが行うセミ・ステージ形式のモーツァルトのダ・
ポンテ三部作の実演を鑑賞していて、その印象が重なったからだ。
アプローチが非常に似ているが、バッハ協会としては初の試みかもしれない。

また、雷鳴の音を出す板担当の人が仰々しく舞台袖から登場して鳴らすことで、
効果音を視覚的演出の一部にしていた。
また、少々ダサいバロック・ダンス風のジェスチャーをダイドーとイニーアス
がしてみせる場面もあった。
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        魔女の二人

合唱団員がいつものように舞台の奥に立って歌うと、いつものバッハのように
聴こえる。なんというか、(バロック)オペラチックな合唱ではなく、実直
生真面目な歌唱で、個々の団員が弾けるような要素に乏しいのが原因かと思う。
それが残念だった。

ダイドー役のキーラントは、昨年プレガルディエン親子との共演でモンテヴェ
ルディのマドリガーレや『ウリッセ』で歌うのを聴いた。ちょっとマレーナ様
に似た声と歌唱ではあるが、ルックスに華がない。私を感動・感涙の涙にむせ
ばせるには力が足りないのだった。
イーニアス役のマシュー・ブルックも同様で、バッハの受難曲を歌うには不足
ないのだが、先月ヴェネツィアーノの『ヨハネ』を歌うのを聴いた時にイタリ
ア(ナポリ)バロックの陽光溢れるような明るい要素に欠ける気がした。
今回も、私のイメージする偉丈夫であるイニーアスからかけ離れていて(しか
もバス。テノールかバリトン歌手に歌ってもらいたい役である)シンパシーが
わかない。
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それに対して、魔法使い役にCTティム・ミードを持ってきたのは大正解以上の
説得力があった。通常は女声が歌うこの役を力強い男声アルトで歌われると
ほれぼれするほどの感動を呼ぶのだった。声量をセーブせずに朗々と聴かせる
ティム君の自信あふれる歌唱の上手さに舌を巻いた。オランダ・バッハ協会とは
マタイやヨハネで共演して定評のある彼だが、また新境地を拓いた感がある。

最後は涙涙で終わるはずの『ダイドー』だが(マレーナ様ダイドーを見た時
には最初から涙涙の私だったが)今回は、イマイチ胸に迫るものがなかった。
オケの演奏にもイマイチ躍動感が足りず、まったりしたもので、3週間前に
聴いたダイドーとクレオパトラをテーマにしたアナ・プロハスカのコンサート
でのジョヴァンニ・アントニーニ指揮イル・ジャルディーノ・アルマニコの
歯切れよくエッジの利いたドライブ感あふれる演奏とは正反対だった。
イル・ジャルディーノ・アルマニコの演奏は、ちょっと間違えるとラルッペ
ジャータ風にぶっ飛びすぎになりそうな面も感じられたが、プロハスカちゃん
の蓮っ葉な女王的態度とちょっとハスキーな声で存在感と個性あふれる歌唱と
相まってそちらに軍配を上げてしまう。

ダイドーが死んで横たわったまま舞台が暗転すると、指揮者のキングがチェン
バロの椅子から立ち上がり、エピローグでトム・ダーフィーの詩を朗読するの
には驚かされた。
シェイクスピア風の抑揚と堂々たるアクセントで読み上げる声の美しさ。
これも国王とイギリスの国威を称える内容で、プロローグ的だった第一部と
対称的に呼応する構成になっていて、典雅な締めくくりであった。






# by didoregina | 2018-04-30 06:57 | オペラ コンサート形式

Rinaldo @ Barbican

『リナルド』はヘンデルのオペラ作品の中でも、見て聴いてすんなり楽し
めるという点でトップ3に入る佳作だと思う。有名アリア等聴きどころが
多く、魔法オペラのジャンルの中でも人物像も勧善懲悪のストーリー展開
も単純明快かつエンタメ度が高いからだ。
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        サシャ・クックとイエスティン・デイヴィス

これまでに4つの異なるプロダクション(ケルン、グラインドボーン、
ブリュッセル、フランクフルト)を鑑賞したが、今回のバービカンでのは
演奏会形式であったにも関わらず総合点でそれらを上回る素晴らしさで
記念すべきもの。

Handel Rinaldo @バービカン 2018年3月12日
The English Concert
Harry Bicket  conductor
Iestyn Davies  Rinaldo
Jane Archibald  Armida
Sasha Cooke  Goffredo
Joelle Harvey  Almirena
Luca Pisaroni  Argante
Jakub Józef Orliński  Eustazio
Owen Willetts  Mago

その理由は、まずピッタリ適役で固めたキャストで、各自が役になりきり
表情の演技も巧みに歌唱には全く手を抜かず、実力が拮抗してしかも歌唱
様式が揃っていて絶妙に調和していたからという点に集約できる。
歌っている時以外でも歌手に触れば音がするかのように張り詰めた緊張感
漂う真剣勝負の空気がビンビンと伝わり、観客はそういう滅多にないスリ
ルを味わうことができたのだった。

カウンターテナーが歌うことが多いのかと思っていたゴッフレード役は、
メゾ・ソプラノというよりはコントルアルトに近い深みのある低音を聴か
せるサシャ・クック。
彼女は2年前同じくビケットとイングリッシュ・コンサートによる
演奏会形式『オルランド』でもズボン役で登場して強い印象を残した。
リナルドの上司でエルサレム奪回十字軍司令官という男性的な役柄にピタ
リとハマる声質のCTは実は意外と少ないのは、1711年の初演版ではこれは
ズボン役が歌ったからだろう。一般的に音程がより安定していて低音にも
高音にも魅力のあるメゾやアルトが歌うほうがこの役には合っているの
かもしれない。
演奏会形式だから男性的ルックスにする必要はないため、安定した歌唱の
クックの起用で安心して聴くことができた。(ヘアメイクでどういう風に
男性的ルックスに変身できるのか見てみたい気もする。)
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悪役アルミーダとアルガンテのペアには微妙な上下関係・愛憎関係があり、
ちょっとコミカルな要素もあるはずなのだが、今回の二人の役作りは怖い・
悪いというキャラクター造形を徹底していた。
それを特に強く感じさせたのはアルガンテ役のルカ・ピサローニで、唯一の
正真正銘低音男声歌手として終始怒ったような表情で圧倒的威圧感を出して
全体をきつく引き締めていた。役得であるともいえるが、彼が登場すると
その場の空気が冷たく感じるほどであっぱれであった。

アルミーダ役はジェーン・アーチボルドで、金属的な高音と線の細さを感じ
させる歌唱とでシモーネ・ケルメスのアルミーダを思い出させた。骨太さは
ないがヒステリックな魔女という役柄にはうってつけの声質である。
Furie terribiliの登場でまずそのキャラを印象付けなければならないの
だが、あまりエキセントリックではないが高慢で意地悪な魔女らしい
というその時の印象がずっと最後まで続いた。
それとは打って変わってリナルドに恋する気持ちを切々と訴える
Ah! crudel, Il pianto mioでは魔女とはいえ憎めない女性の心情を
ドスのある声でしかも嫋々と歌って欲しかったのだが、何か物
足りなかった。
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       ごめん、花束で顔が見えない、ジェーン・アーチボルド

アルミーダと対照的に弱々しいお姫様であるアルミレーナ役にはルックスも
声もピッタリのジョエル・ハーヴィー。いかにもアングロサクソン系教会系
ソプラノというタイプの声質なので、この役にはバッチリ。誰もが知って
いるから感動させるのが難しいLascia ch'io pianga(私を泣かせてくだ
さい)も、小鳥のさえずりのようなリコーダー伴奏といっしょに歌ってアル
ミレーナの清純さ、思わず守ってあげたくなるような弱々しさ、爽やかさを
印象つけるAugelletti, che cantateも満足度が高かった。

さて、メインはやはり3人のCTの聴き比べであった。
イエスティン君のリナルドは十八番でお馴染の安心感があるから、
もっぱらの興味は昨年9月にフランクフルトでリナルド役だったヤクブ・
ヨゼフ・オルリンスキ君(JJ)が今回は主役から脇役にスケールダウン
して異なる舞台でどういう風な具合であろうかという点だ。
出番が少なくて今までのプロではほとんど印象に残らなかったエウス
ターツィオのアリアCol valor, colla virtùがオルリンスキ君によって
これほど丁寧に心を込めて歌われると、おお、こういう歌だったんだ、
いいなあ、という新鮮な驚きの新発見になるのだった。テクニックも
発音も一か所として気を抜かずに真剣勝負!という気概が聴く者にビシ
バシ伝わる好感度の高い歌唱で、清々しくしかも声量もある彼のこれが
ロンドン・デビューになったのだが、絶大なる好印象を残したことは
明らかだった。
二人のCTの間に見えない火花が散っていることは、お互いが歌っている
時に真剣に食い入るように見つめる視線から見て取れた。

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       ウィレッツとJJオルリンスキ、ルカ・ピサローニ

もう一人のCTオーウェン・ウィレッツも声量があり、テクニックも
器用に操り上手いのだが、どこか華に欠けるというか印象に残らない。
舞台に立つ歌手というのは歌唱だけでなくルックスやプレゼンスと
いうのも重要な要素で人気が決まるんだなと、と図らずも納得すること
になった。

リナルド役イエスティン君は、2年前のオルランドの時にも感じられた
丁寧な歌唱と無敵のテクニックで緊張が途切れることがない。
ブロードウェイの『ファリネッリと王』でも毎日のように歌っている
Cara sposa と Venti, turbiniは十八番を通り越してルーティン化して
いるのではないかと恐れていたが、さすが長年鍛えられたプロ精神で、
その晩も一期一会と心得て聴衆と対峙し、一語たりともおろそかにせず
誠意と魂を込めた歌唱である。
万雷の拍手でようやくほっとしたいつもの表情になったのでこちらも
安堵のため息をついたのだった。

Rinaldo @ Barbican_c0188818_20543390.jpg

ハリー・ビケット率いるイングリッシュ・コンサートも手堅い演奏で
とにかく全体的な質と満足度が高い。こういう形で今後もヘンデルの
オペラをコンサート形式でツアーしてもらいたいと願うものである。

Rinaldo @ Barbican_c0188818_20532340.jpg



# by didoregina | 2018-03-22 21:02 | オペラ コンサート形式

デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に

デュッセルドルフ歌劇場でオペラ『ヴォツェック』鑑賞前に、始まったばかりのクリスマス・
マーケットを冷やかしてみた。自分一人もしくは主人と一緒だったらわざわざ出向いたか
どうか、というくらいクリスマス・マーケットにはほとんど興味がない私だが、日本から
友人が遊びに来ていて彼女は各地のクリスマス・マーケット巡りが好きなのだ。


デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18244394.jpg
デュッセルドルフのクリスマス・マーケットを前回訪れたのは、かれこれ17年位前では
なかろうか。広場らしい広場がないこの都市では、いくつかの通りや小さな広場の数箇所に
クリスマス・マーケットが点在する。上の写真は、ライン川沿いBurgplatzの大観覧車。
時間によって色が変わる。ここには初日の5時ちょっと過ぎ頃に到着したのでまだ閑散と
していた。

デュッセルドルフのクリスマス・マーケットでは、白ワインで作ったグリューワインが
飲めるという情報を事前にキャッチしていたので、まずはそれを目当てに。
ブルク広場で飲んでたカップルに「白ですか」と訊いたら、すかさず「それは市役所前
広場に行かないと飲めない。そこの角を右に曲がってすぐ」と要領よく教えてくれた。
いい人に当たった。それでは、レッツゴー!

デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18324099.jpg
無事ゲットできた白ワインのグリューワインと一緒に、炒めたタマネギの匂いが香ばしく
漂う屋台でロースト・ポークのサンドイッチを。切ってくれた豚肉は厚さ1.5センチは
あり、ヴォリューム満点。
ここで飲んだ白ワインのグリューワインは、赤とは異なりほとんどスパイスが入っていない
ようで、アチチチと喉越し熱いホット白ワインである。酸味が鼻をかすめ、なかなかイケる。
豚肉サンドは、これだけどほとんど夕ご飯になる。

デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18405652.jpg
見かけはハンバーガーみたいだが、肉とパンの密度が違うからお腹が膨れる。

そこに天使が現れる。ここは天使の広場ではないのだが、はて。

デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18441220.jpg
彼女に導かれるかのように、次はハインリヒ・ハイネ広場の天使のマルクトへ。
このあたりは、大通りのハインリヒ・ハイネ・アレーとライン川に挟まれた旧市街で、
飲み屋が多い区域である。ビールも飲みたくなったが、その後観劇が控えているので我慢。


デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18484136.jpg
クリスマス・マーケット初日で平日、しかも夜も宵の口、6時頃から人出は増えてきたが、
まだまだ余裕で歩けるし、店を冷やかしたりもしやすい。週末に来たら押し合いへし合い
で、商品などゆっくり見て回るのも難しい。そうこうするうちにもう一つの目当てに行き
当たった。

デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18525642.jpg
噂のペルーの揚げパン屋。中身はチーズ・ハム・コーン、小エビ、牛肉の3種類。
店先で親父さんがマッシュドポテトにトウモロコシ粉を混ぜたようなふわふわのパン生地
を丸くしてその中に詰めものをして半分に折り、油で揚げている。
デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18581821.jpg

マルクトの屋台では、目の前で作り立てをその場で食べるのが醍醐味。出来立てだと味が
5割がた(当社比)アップする気が。

デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_18593199.jpg
表面はカリッと中身はトロッと絶妙な揚げ加減。ジャガイモのパン生地はふわふわで
ジャガイモのコロッケよりも軽い。付け合わせはコールスローでちょっとスパイシーな
熱いトマトソースをおばさんがかけてくれる。
これも量が多いので二人で分けて丁度いいくらい。その辺をよくわかっているおばさんは
ナイフとフォーク2つずついるかと訊いてくる。
デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_19055061.jpg

星のマルクトやらその他の通りのマルクトを通り、お店を冷やかし、ゆっくりと飲み
食いして丁度2時間。7時ちょっと過ぎに大通りの反対側にある歌劇場に着いたのだった。
観劇前の丁度いい腹ごしらえと腹ごなしの散策になり、満足である。ホカホカと体の中
から温まって夜風も寒くない。たまに行くクリスマス・マーケットも悪くないものだ。

デュッセルドルフのクリスマス・マーケット、初日に_c0188818_19064175.jpg


# by didoregina | 2017-11-24 19:14 | 旅行


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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