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Peter Caelen en Hans van Kerckhoven@ Muziekschuur

日曜日にはピアノの先生ペーターと相棒のヴァイオリニスト、ハンスのコンサートに行ってきた。
レーピン様のマスタークラスはパスして。

国境を越えてすぐ、家から車で15分ほどのベルギーの小さな村にある、個人のお宅でのサロン・コンサートである。毎月1回サロンを開放してコンサートを開いているのは、私と同年輩のベルギー人女性である。アントワープ出身でファッションセンスが抜群。初めてお会いしたのに意気投合してしまった。
その自宅も、ご主人がニキ・ド・サン・ファールみたいな張子アーチストなので、その作品やミクロネシアの木の彫刻や楽器コレクションが沢山飾ってあり、広々とモダンでアーチスティックなだけでなく、大きな窓からは裏庭に続く丘陵地帯が借景として広がり、目を楽しませてくれる。

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J. Brahms: Scherzo in c WoO2
S. Prokofief: Vijf Melodieën op. 35b
P.I. Tschaikowski: Valse-Scherzo
F. Busoni: Sonate nr. 2 in e, op. 36a



プログラムを見たら、プロコフィエフとブゾーニという好きな作曲家の作品なので、聴きに行きたくなったのだ。(当日はチャイコフスキーの代わりに、サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」になった。)
ペーターとハンスはもう数年コンビを組んでいて、何回かそのコンサートを聴いているが、彼らはいつも選曲のセンスがいい。そして、弟子でありながらうるさい批評もするわたしが拝聴しつつ挑むのを、先生は楽しみにしてくれている。

ブラームスのスケルツォは、彼らがよくアンコールに演奏する曲で、私は聴きなれているが、あまり普通は演奏されない、しかしいい曲である。まずは手馴れた曲で始めたのがよろしい。

プロコフィエフは、やはりもともとピアニストだな、と思わせる作曲家である。逆に言うとヴァイオリン曲ではあまりいい曲を作っていないと思う。ヴァイオリン・コンチェルトなんて難解だし、聴いててあまりうれしくない。この「5つのメロディー」は、初めて聴くが、やはりあまり耳に残らないというか、心に響いてこなかった。
現代的で、今日の聴衆もあまりついていけないようであった。しかし、おなじみの曲ばかりでは面白くないから、紹介というか教化の意味でこういう曲を入れるのもいい。

難解な曲の後は「ツィゴイネルワイゼン」でお客さんを喜ばせるのを忘れない。これは盛り上げるためのサービスである。
ハンスの独壇場になるので、ペーターは心の中で苦笑いしていたと思う。
ハンスのヴァイオリンは、グァルネリでお気に入りなのだが、小柄な彼によく合っている。(レーピン様もここ数年はグァルネリだが、とにかく体がでかいので彼が手にすると子供用のヴァイオリンに見える。。。)
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休憩の後はブゾーニで、やはりこれが本日のメインであった。ブゾーニもピアニストなのにヴァイオリン曲はなかなか悪くない。しかしブゾーニらしく、ピアノ・パートがかなり難しいため、ピアニストが弾いているのを見ていると苦しくなってくる。それで、なるべく目をつむって聴いた。瞑想に向く曲である。

コンサートの後は、地下室でアップルワインが振舞われた。アップルワインを飲むのは初めてだ。この地域の特産品で、知らなければりんごから作ったとはとても思えない、ぶどうで作った白ワインそっくりの香りと味わいだ。
感嘆していると、ご主人がご自慢のセラーを案内してくれた。日本原種の「ながふ」というりんごはアップルワインに適していると教えてくれた。熟成中の木の樽が5つと、発酵させるステンレスやガラスの樽が6、7並び、壁の片面は、ボトルに入った7,種類のアップルワインが並んでいる。ちょっとしたお店並みである。

本日の聴衆は40人くらいか。初めての人とも和気あいあいになれ、おしゃべりもはずむ、こういうサロンコンサートが好きである。ワインも美味しく居心地がいいため長居をしてしまい、わたしとシンディさんが最後の客になったのだった。
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by didoregina | 2009-03-04 22:07 | コンサート | Comments(9)

ワディム・レーピン@フリッツ・フィリップス・ミュージック・センター

去年6月から数えてレーピン様にお目にかかるのは3度目である。丁度4ヶ月に1度の勘定だ。あと、5月にケルンに行けば、レーピン様とともに巡る四季が完結する。しかし、あまりに会う回数が多いとありがたみが薄れるのも事実である。

しかし、着て行った着物は、久しぶりの柔らかモノ、手持ちで一番華美な模様のもので、帯も金糸銀糸を織り込んだ2重太鼓と渾身の力を込めた。いわばモネの貴賓席にふさわしいようなキンキラ着物であるので、さすがにコンサート・ホールでは人目を引いた。感嘆の声が降りかかった。それもこれもレーピン様のお目に留まることが目的なのだから、目立つという意味での作戦は成功した。

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プログラムははヤープ・ファン・ズウェーデン指揮オランダ放送フィル(RFO)とのブラームス・ヴァイオリン・コンチェルトとマーラーの交響曲1番である。
長い曲2曲なので、序曲などはなしで、いきなりレーピン様が登場した。
こういうのが苦手である。やはり最初は序曲かなんかでもって、オーケストラの音色とホールの音響に耳を慣らしつつこちらの緊張をほぐしてもらいたいものである。日常から非日常への移行はそう簡単にはいかないのだから、メインの前には前菜が欲しい。

しかも、レーピン様は最初から飛ばしていく。出だしの音から豪快にごりごりさせ、技巧を見せ、聴かせていく。
そして、最初から最後までその調子であった。カデンツァにも甘さはなく、テクニックのご披露である。
なんという変わりようだろう。6月のベートーベン・ヴァイオリン・コンチェルトの時は、技巧を見せつけるときは見せたが、甘く聴かせるときは聴かせた。そして出てくる音楽全体に情熱がほとばしっていた。そのときはヴァイオリンのコンサートなどアンドレ・リュー以外では初めてという人たちを4人連れて行ったが、みんながレーピン様の演奏に感動・熱中した。10月のリサイタルに同行した友人は、レーピン様のクロイツェル・ソナタを聴いて涙が止まらなくなっていた。

レーピンのブラームスVコンには、どうしても20年前の思い出が付きまとう。エリザベト王妃コンクール優勝記念凱旋コンサートでの、みずみずしくて清澄で、どこかほのぼのとした田園的な風景が心に浮かぶような演奏だった。それから、レーピンはどんどん進化していったが、それでも、優勝したコンクールのライブCDを聴けば、現在の彼に通じる音楽性ははっきりと感じられる。テクニックに裏づけされた、きっぱりとした男らしさと芯の図太さである。力強く男性的だが、野卑ではないのがレーピンのレーピンらしいところである、はずであった。
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レーピンの変化を目のあたりにして、思い浮かんだのはベルギー・チョコの味の移り変わりである。
ベルギー・チョコの進化には目を見張るものがある。時代の嗜好にあわせてテイストも変わった。昔は大きくて甘いフィリングが主流であったが、最近はビターなカカオ本来の味を強調し、形もシンプルに押さえスタイリッシュになっている。高級な素材を売り物にしたり、ペッパーやマスタード、緑茶など意表を突く味付けにしたり、甘いものが苦手の人をもターゲットにしている。

ビターな味わいは、もともとレーピンの音楽に存在していたものだ。それを強調し推し進めるとどうなるか。枯れた方向に行くにはまだ年齢が若すぎる。37歳、男盛りである。甘さを捨てた男らしさとテクニックを前面に押し出して行くのが、1つの選択である。特に現在のヴァイオリン界を見渡すと、そういうヴァイオリニストが欠如しているから、明快・妥当なチョイスとも言える。
でも、行き過ぎるとどうなるか。
感動が薄まってしまうのだ。
最近ツアーでよくいっしょに活動しているゲルギエフの影響を受けたんじゃないかと勘ぐってしまうほどの、ごりごりテクニックのてんこ盛りであった。やりすぎて下品に聴こえそうなほどであった。もう少し音楽的にメリハリを付けて欲しかった。
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それでも、ここ一番の着物で張り切って出かけたので、コンサート終了後のサイン会には出た。しかし、売っているCDは最新のブラームスのみである。サインはもういらないや、と思って写真だけ撮っていたが、あまりCDを買う人もいなくてサインの列がすぐに終わってしまった。それで、写真付きのパンフレットにサインをお願いした。言うべき言葉が見つからなかったので、挨拶だけにした。ブリュッセルでは、20年前の出会いの感動から述べたのに、今回は我ながら、あっさりしたものである。なお、間近で撮影したレーピン様の写真がことごとくピンボケだったのも、このコンサートに対するどうにも収まりの悪い私の心境を象徴するかのようであった。

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by didoregina | 2009-03-02 12:07 | コンサート | Comments(8)

琉球絣柄の信州紬

冬にはほっこりした感触の真綿紬に手が伸びる。
すこし厚手でざらっとした手触りでいて、発色がよく光沢のある信州紬が、マチネ・コン
サートにはぴったりなので、ブラウティガムのリサイタルに着ていく着物はこれに決めた。
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繭を真綿にしてから、手で紡ぎだした糸を草木染にして、琉球絣の模様に織り出した信州紬
である。

これを着ていたら、会場を出るとき、初老の男性が近づいてきて「やっぱり、絣模様を織り
出してある。たてよこしっかり、糸で模様を出しているから、染めのものとは違う。」と
わたしの着物に手を触れながら言う。
「ええ、沖縄の模様なんですよ。鳥が織り出されているのがわかります?日本の織物がお好
きですか?」と聞くと、
「ベルギーで染色と織物を勉強し、卒業製作で日本の絣模様を着物1反分織り上げました。」
と、思いがけないことを言う。
「ロッテルダムに久保田一竹の作品展を観にいったこともあります。独自のテクニックで
富士山の四季を染色してある美術工芸品で、その美しさにうたれました。」とも。

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その日のコンサートに来ていた客にはピアノ教師やセミ・プロが多そう、という雰囲気が
漂っていて、興味の対象も広いようだった。だから、休憩中に示される着物への関心も
「着物=芸者の着るもの」みたいな、こちらでの一般的解釈とは異なっていて、突っ込んだ
ことを訊ねてくる。織のテクニックや材質などについて話すのを感心して聞いてくれる人が
何人かいた。
へんな着物を着ていかなくてよかった、とつくづく思った。
しかし、こんな風に悪目立ちでなく注目を浴び、会話が弾むこともめずらしい。
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by didoregina | 2009-02-17 14:30 | 着物 | Comments(12)

フォルテピアノとモダンピアノのリサイタル

c0188818_591931.jpgロナルド・ブラウティガムのリサイタルに行ってきた。

彼はオランダ人ピアニストとしては間違いなくトップの一人だ。ベートーベン・ソナタのCDを持っているし、リサイタルもオケとのコンサートも何回か聴いているが、どうも小粒と言うか、見かけに比べて演奏の迫力に欠けるきらいがあって、もういいやと、今回のリサイタルはパスするつもりだった。

しかし、劇場サイトでプログラムを見て仰天し、気が変わった。
1回のリサイタルでフォルテ・ピアノとモダン・ピアノの両方を使用するというのだ。

photo by Marco Borggrave

前半がハイドンで後半はメンデルスゾーンである。ピアノを弾くわたしはどちらも敬して遠ざけている作曲家だが、フォルテ・ピアノで弾かれるハイドンのソナタには惹かれる。
同好の士、バービーさんも興味を持ってくれ、同行してくれることになった。

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今回使用のフォルテ・ピアノは、1800年頃Michael Rosenbergerが製作したもの。Edwin Beunkのコレクションを借りたという。
舞台上、スタインウェイの手前にセットされると、その小ささがよく分かる。ペダルはない。
photo by Marco Borggrave

ブリリアントから出ている、フォルテ・ピアノによるハイドンのピアノ・ソナタ全集を持っているので、耳の練習用に1週間聴いた。耳を慣れさせるためである。
耳の慣れより、指の慣れにはもっと時間がかかる。フォルテ・ピアノを弾くテクニックとモダン・ピアノを弾くテクニックは全く異なるため、両刀使いのピアニストはいても、1度のコンサートにその両方を用いるということはめったにない。それはそうだ、タッチが違いすぎるから、移行にある程度の時間が必要なのだ。

演奏されたハイドンのピアノ・ソナタは、最後期の3つで通称ロンドン・ソナタ。ハイドンは、最後の4つのソナタにだけ、フォルテ・ピアノで弾くことを指定している。(それ以外はチェンバロもしくはフォルテ・ピアノのため、となっている)

「ハイドンの時代に、もしもスタインウェイがあったなら、作曲された曲は、今残るものとは全く異なったものになったはずだ。ハイドンは、フォルテ・ピアノの特徴を最大限に引き出すような曲を作った。だから、今回は特に、ハイドンの時代に製作されたフォルテ・ピアノを借りてきた」とブラウティガムは、演奏の前に説明した。

フォルテ・ピアノの響きは、ピアノの前身だけあって、特に高音部はちょっとチェンバロを思わせる。
フォルテ・ピアノで弾かれるハイドンは典雅で可愛らしいが、荘重な雰囲気にはならない。だから逆に、わたしはハイドンのソナタをモダン・ピアノで弾くのが苦手だ。異常に重苦しくなってしまうから。フォルテ・ピアノは弾いたことがない。

ヘーレン劇場のこじんまりさと音響が今回のフォルテ・ピアノにはよく合っている。
大きすぎる会場では困るし、一度小さなお城のホールで聴いたときには、オリジナルのフォルテ・ピアノ自体の音のせいなのか、低すぎる天井のためか、なんだか響きすぎるチェンバロ演奏を聴いているような気分になった。

休憩後は、フォルテ・ピアノは片付けられ、スタインウェイで、メンデルスゾーンの「無言歌集」より12曲の抜粋の演奏。
これも、弾くのが苦手な曲集である。手持ちのCDを聴いても好きな曲が見つからない。
しかし、ブラウティガムの演奏はよかった。特に後半の5曲は、ベートーベンみたいに勇壮である。この人、ベートーベンよりメンデルスゾーンの方が向いているんではないだろうか。以前に彼のリサイタルで聴いたベートーベンは、スタインウェイなのに、まるでフォルテ・ピアノのように頼りない音しかしないので、休憩中舞台に上がって自分で音を出して確かめたくなったほどだ。

今回は全曲、自分で譜めくりしながらの演奏であったが、手馴れたもので視覚的にもじゃまではなかった。

リサイタル後、ホールのカフェに入ると、ブラウティガムが座っていた。
写真を撮らせていただき、フォルテ・ピアノの行方を尋ねると、「借りものなので前半修了後、すぐに送り返した。」とのこと。
以前、ラジオのインタビューで「フォルテ・ピアノの演奏会を続けた後は、何日かモダン・ピアノに慣れる練習をしてから演奏会を行う。すぐには切り替えができないから」と言っていたので
その辺を確かめると、「そう、1度に両方のピアノで演奏するのはこれが2回目。1回目は4年前の東京。全くしないわけではないがレアだ。」と言う。
レアなリサイタルに遭遇し、ラッキーだった、楽しめた、と言って別れた。
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by didoregina | 2009-02-15 22:23 | コンサート | Comments(3)

葛布の帯

今晩、急にコンサートに行くことになった。またも教会でパーセルである。作曲家イヤーの催しとしては今のところ最多回数を誇っているパーセルのコンサートには、わたしのブログタイトル曲も作ってるしわたしのurlのDidoも作曲していることもあり、キモノで出かけて敬意を表すべきなのだが、急でもあり、暖房がない教会内部は外と温度があまり変わらないくらい寒いので、キモノの代わりに帽子でお出かけすることにした。きちんとした服装で教会に行こうと思ったら帽子は欠かせないものなのだ。

キモノは着なかったが、合わせようと思った帯の写真を撮ってみた。
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葛布で織られた2部式しかもリバーシブルの帯。
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葛布と書いて、昔は「かっぷ」と読んだ。今は「くずふ」というらしい。母が昔買った当時はかっぷといったのでそう呼びたい。
芭蕉布、科布と並んで日本3大原始布のひとつであるらしい。

葛は秋の七草の一つで、根っこは葛のでん粉になり、葛湯や葛きりでおなじみだ。
初秋に藤に似た赤紫の花をつけるが、下から上に向かって咲くので、別名のぼり藤ともいう。
その葛の茎から繊維を取り出し、撚りをかけずに糸にして、縦糸は綿・絹・麻を用い、横糸として織り上げる。

葛布は、静岡県の大井川以西の遠州地方で昔から織られていて、江戸時代には掛川が日本で唯一の産地だったという。以前、母と伯母といっしょにヤマハ・リゾートの葛城・北の丸に行ったとき、お土産に葛布を売っていて「まあ、まだ作っている人がいるのね。最近は作る人も減っていて珍しいものになっているから大事にしたほうがいいわ」と言っていたのを思い出した。

帯の箱に入っていた古びた説明書によると「700年の伝統手織り民芸品」「手織りの素朴さと優雅な光沢を持つ、野趣に富む葛布帯」「軽くて結びよい趣味の帯です。浴衣にウールのお着物、冬の羽織下などによくマッチいたします」とある。実際わたしもウールや浴衣に合わせているが、だんだん織る人が減っていて最近ではお値段もかなりのものになっている。気取りがないざっくりした紬に合わせてもいいのではないだろうか。
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by didoregina | 2009-02-08 23:04 | 着物 | Comments(2)

睦月最後の着物

着物でおでかけするのは、やっぱり胸がときめく。
特に、昨晩のようになぜだかおしゃれして来ている人が多かった場合は、「ハマリ」感が強く、一人だけ浮いているんじゃないかという居心地の悪さがない分、悦しさはひとしおだ。

昨晩の出し物は、プーランクのモノローグ・オペラ「人間の声」とラヴェルの「子供と魔法」だった。
「人間の声」は、ジャン・コクトーの脚本に基づいたもので、ある女性が昔の恋人に電話をしているその内容が歌詞になった一人芝居である。
電話、といっても現代のケータイやデジタル電話のような無機的なモノではなく、ダイヤル式で交換手を通して通話する、とても人間くさい道具なのだ。もちろん、受話器はグルグルの線で電話本体と繋がっている。

それで、電話線をイメージした着物にしようと決めた。
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           泥藍大島に赤い幾何学線模様の着物
           スカーフみたいなモダンな模様の塩瀬帯
           帯揚げは朱色
           帯締めは帯の模様の色から取った紫の地に四角が並ぶ

こういう楽しみ方ができるのが、着物遊びの醍醐味だ。

着物師匠であるロンドンの椿姫さまから励ましとアドヴァイスをいただいたので、今年はなるべく頻繁に着物でお出かけをしたい。
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by didoregina | 2009-02-01 12:07 | 着物 | Comments(2)

ナクソス島のアリアドネ@ORW

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2009年1月25日 リエージュ 王立ワロン歌劇場
Ariadne auf Naxos by Richard Strauss

Direction musicale  Patrick DAVIN  Édouard RASQUIN [03/02]
Mise en scène  Laurence DALE
Chorégraphie  Daniel ESTÈVE
Décors et costumes  Bruno SCHWENGL
Lumières  Christophe Chaupin
Nouvelle coproduction OPÉRA DE MONTE-CARLO/OPÉRA ROYAL DE WALLONIE

La Prima Donna / Ariadne  Monique MC DONALD
Zerbinetta  Daniela FALLY
Der Komponist  Giuseppina PIUNTI
Der Tenor / Bacchus  Janez LOTRIC
Ein Tanzmeister  Cristiano CREMONINI
Brighella  Enrico CASARI
Scaramuccio  Pietro PICONE
Ein Musiklehrer  Olivier ZWARG
Harlekin  Roger JOAKIM
Truffaldin  Lorenzo MUZZI
Najade  Priscille LAPLACE
Dryade  Federica CARNEVALE
Echo  Kelebogile BOIKANYO
Ein Lakai  Patrick DELCOUR
Der Haushofmeister  Martin C. TURBA
Ein Offizier  Franz GLATZHOFER
Orchestre OPÉRA ROYAL DE WALLONIE

夫婦そろって欲を出して、初日のマチネを観に行った。チケットが半額になったからだ。
しかし、結局お安い買い物にはならなかった。
まず、前日は24キロのサイクリングをしたあと、夜12時までディナー。当日の朝、再びサイクリングをして、3時からのマチネに出かけたのだ。

家からリエージュのオペラ座までは車で20-30分の距離だ。キモノを着る時間も十分ある。よし、行こう、と。

しかし、退屈な1幕目(これはいわばプロローグなんだから、状況の説明だけでいい。もっと短ければいいのに)のあと、フォアイエでワインを飲んだのがよくなかった。
ああ、ようやく歌が沢山聴ける、コミカルな場面交代を見て楽しもう、と思ったのもつかの間、睡魔に襲われいつの間にかこっくり、はっと目を覚ましても集中力が続かず眠ってしまう、という繰り返しになってしまったのだ。

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元凶は一杯のワイン










オケの演奏は、R.シュトラウスの甘く耽美的な音を出すのに全く不向きだったので、音楽に酔えない。また、アリアドネ役以外に知った歌手はいない。彼女、6月の「ドン・カルロ」では、年増みたいで役の雰囲気に合わないエリザベッタだったが、今回は役柄に結構収まって声量もたっぷりなので、彼女が歌うときだけ目が覚めるのだった。

そして、居眠りの合間には、スーザン・ソンタグがカテゴライズしたキャンプの概念にどうしてR.シュトラウスのオペラが入るのだろうかということばかり、考えていた。
たしかに、ワグナーと比べたら、音楽もテーマも荘厳ではないから、キャンプだと言えば言えるだろう。R.シュトラウスは、いわばオスカー・ワイルドに近い美学の人だと思う。下世話な内容に気取りを盛り込んでいる、その軽さがキャンプなのかもしれない。
しかし、時代とともに作品を見る目が変わり評価も変わる。今、R.シュトラウスのオペラをキャンプ趣味だといっても、なかなか肯いてくれる人はいないと思う。というより、キャンプの概念自体が変わってしまったのだろう。
そんなことを考えていたが、夢の中で考えたことゆえ支離滅裂で、結論は出なかった。

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by didoregina | 2009-01-28 00:34 | オペラ実演 | Comments(5)

キモノでオペラ

1年前に突然思い立った。「キモノを着てオペラに行きたい!」と。
去年は、都合30回ほどキモノでお出かけ、が実現できた。そのうち、コンサートやオペラは半分以下だったが。

今年は、まだ始まったばかりだが、ほぼ週1回キモノでお出かけのペースが確保できている。しかし、オペラに着て行ったのは25日が最初である。だって、一人でキモノでお出かけしても楽しくないから。

リエージュのオペラ座は、内装がナポレオン時代風でかなりケバイので、キモノの背景にはぴったりだ。モダンなアムスの歌劇場だったらキモノで行く勇気はない。とっても不釣り合いできっと浮いてしまう。

日曜日のマチネ、しかし初日、という微妙なシチュエーションなので、考えた末に、「粋筋のお姐さんがご贔屓のお客と観劇」というヴァーチャル設定で、黒の泥染め赤ストライプの縞大島に、ひげ紬に素描の牡丹柄の帯にしてみた。ぜんぜん見えないが、帯揚げは白地に赤の飛び絞りで、玄人風に。

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by didoregina | 2009-01-27 23:56 | 着物 | Comments(0)

お城で新年会

先週末に引き続き、今日も着物でお出かけが実現できた。
リンブリヒト城 Kasteel Limbricht での新年会である。
お城という響きはロマンチックだが、王侯貴族の住んでいた立派なお城ではなく、領主館である。日本でいったら、庄屋、豪農の古民家みたいなものだ。

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お城の周りの
堀が凍っている
ので、氷上を
犬を連れて散歩
したりスケート
したりする人たちで賑わう。








主人の仕事関係の新年会だったが、飲んだり食べたり以外にも、テーマに沿ったパネルディスカッションが行われた。
200人ほどの招待客のうち、半分がパートナーなので、討論会に参加したり聴衆になりたくない人向けのプログラムもあり、わたしはアクリル絵の具のお絵かきワークショップに参加した。知人のMと組んで大作を描きあげた。
ゴッホ風の太陽と海にヨットと南欧風の家、というヴァカンスの夢、みたいな絵になった。
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出来上がった絵は、売りに出され(!)収益金はチャリティーとしてどこかに寄付されるという。どうせなら、オークションにかけたらいいのに。



着物は、紬地に雪を散らしたようなロウケツ染め。
八寸帯は、様々な色の糸を母がつなげたものをヨコ糸として象牙色の縦糸に織り込んでもらったもの。
帯締めは伯母が組んでくれたもの。
桜の皮を張った草履型の下駄。
手にしているのは、細かいドット模様の羽織。
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by didoregina | 2009-01-11 23:47 | 着物 | Comments(4)

キモノで新年会

ハレのお出かけには着物、と言いながら、お正月なのになかなか着る機会がなかった。
今日は、所属するヨットクラブの新年会だ。この機会を逃したら、松の内に着物でお出かけが実現できない!とあせった。家族の「ええー、着物で行くの?絶対浮きまくるよ」という非難の声を無視して、ハレのお出かけにはふさわしくないウールの着物を着た。
なぜウールかというと、こういうパーティではワインやビールやシャンペンやコーヒーなど着物の敵が大量に待ち構えているからだ。シルクなどとても着ていけない。c0188818_3132649.jpg

初公開の着物姿。紅型風のプリントウールに、葛布の帯、ローラ・アシュレーのスカーフを帯揚げに。















新年会招待状には「創立100年を祝う、世紀の新年会」とあるから、着物で出向いて礼を尽くしてもまちがいではなかろう。(ウールだなんて言わなきゃ誰にもわからないし)

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クラブハウスからハーバーを臨む。












普段はカフェになっているクラブハウスが会場で、そこに200人近くが集まり、ぎゅう詰めだ。昨年施行になった「飲食店内での禁煙法」のおかげで、タバコの煙がないのが救い。

いつもは会議のときでも飲み物は自分で払わないといけないのに、さすがに今日は全てタダだ。会長その他の挨拶のあと、寒空の外にでて、100年を記念して新しい旗を作ったので、新旧の旗交換と大砲で礼砲を撃つ。そのあとも懇親会は続くのだが、退散してきた。
自分にもクラブにも義理が果せた。

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オランダ名物ストリートオルガンが景気づけにガチャガチャした音楽を流す。










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礼砲を撃って













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旗の交換
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by didoregina | 2009-01-04 19:44 | 着物 | Comments(3)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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