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Bravaご招待コンサートへ着物で

先週の日曜日、またもやBravaからの招待でコンサートに行ってきた。3度目の当選である。
4選なった某氏には及ばないが、4回応募したうちで落選だったのは、ネゼ=セガン指揮
ロッテルダム・フィルのベートーベン・プログラムの時だけだから、くじ運は強いのだろう。
今回は、ネーデルランド・フィルによるドイツ語圏作曲家でまとめたプログラムだった。

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2011年4月10日@Parkstadtheater Heerlen

Nederlands Philharmonische Orkest
Christoph Poppen, dirigent

Johann Sebastian Bach (1865 - 1750)
'Befiehl du deine wege' uit de 'Matthaeus Passion'

Felix Mendelssohn Bartholdy (1809 - 1847)
Ouverture ‘Die Hebriden’

Franz Schubert (1797 - 1828)
Symfonie nr. 7 in b ‘De Onvoltooide’

Johannes Brahms (1833 - 1897)
Symfonie nr. 4

当初、ネーデルランド・フィル(略してNedpho)の首席指揮者ヤコブ・クライツベルクが振る
予定だったのだが、去る3月15日に急逝された。
クリストフ・ポッペンが代わりに指揮台に立った。外見はビジネスマンっぽい感じで音楽家らしいカリスマ性に乏しいが、どぎつさがないさらっとした指揮姿。



まず、クライツベルク追悼のため、バッハの『マタイ受難曲』より「おのが道を委ねよ」が
捧げられ黙祷。

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そこから、メンデルスゾーンの『フィンガルの洞窟』、シューベルトの『未完成』へと繋がる
曲のいずれもが叙情性に満ちて心落ち着かせるもので、統一感の取れた選曲に感心した。
うららかな春の日の午後にぴったり。(しかしマチネはその日のみで、その前後3回はコンヘボで
の夜の演奏だった)

ブラームスの『交響曲第4番』は、バッハ、メンデルスゾーンを経て綿々と続く流れの本流の
集大成という趣で、派手さは少ないがとうとうと雄大さを増していく渋い曲だ。
小川が大河に流れ込み、ひたすら流れは澄んだままで海に注ぐ。前半は抑えに抑えていて、
第3章と第4章で奔流となり、余韻を残しつつ大海に呑まれる。

Nedphoの抑制の効いた演奏は、ロマン派の正道路線という感じで好感が持てる。妙に力んだ
ところがなく、さらりと都会的である。不満は全くない。
来シーズンからマルク・アルブレヒトを首席指揮者に迎えてDNOの専属オケになるから、
ネーデルランド・オペラのピットに納まることが多くなる。

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       草木染の単衣紬にモダンなスカーフのような柄の塩瀬帯。

現在、ヘーレン市内には、エレファント・パレードというアジアの象救済のためのアート運動で
いたるところにカラフルな象さんが立っている。
今までもカウ・パレードとか河馬(?)パレードとかいろいろあった。
数年前のカウ・パレードで、ストックホルムの町中に立っているカラフルかつアーティーな牛達を見た
時は、美しい街中のロケーションにほぼ実寸の牛の大きさがインパクトを感じさせた。しかし、それの
ミニチュア版が売られているのは、恐ろしく俗っぽくてぞっとしない。
       

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       象の形がまずよくないから、色を塗っても美しくなるわけが
       ない。見ていて哀しくなるほど酷いものが多い。
       これは、元テニス選手のリチャード・クライチェク作。

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       市民会館ホールに飾ってあるこの象は、トナカイの角と
       ガラスか樹脂のジャンク・ジェムが貼り付けられていて
       きらきらとゴージャスで、唯一アートっぽく美しい。








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by didoregina | 2011-04-16 10:36 | 着物 | Comments(2)

ストリオーニ・フェスティヴァルのオープニング・コンサート

OPENINGSCONCERT STORIONI FESTIVAL@Muziekgebouw Eindhoven
2011年1月21日

Mozart - Vioolsonate in e, KV304
(Pekka Kuusisto viool, Paavali Jumppanen piano)

Schulhoff - Concertino voor fluit, altviool en contrabas
(Chiara Tonelli fluit, Niek de Groot contrabas, Mate Szucs altviool)

Muhly - Pianotrio ‘Common Ground’ (Nederlandse première)
(Strioni Trio)

- Pauze -

Chopin/Bottesini - Aria voor sopraan, contrabas en piano
Paavali Jumppanen piano, Evelina Dobraceva sopraan, Niek de Groot contrabas)

Dohnányi - Sextet in C
(Vladimir Mendelssohn altviool, Romain Guyot klarinet, Hervé Joulain hoorn,
Storioni Trio)

ストリオーニ・トリオを中心として開催される室内楽フェスティヴァルのオープニング・コンサートに
招待された。
2日前にいきなりメールで当選の通知が来たので、緊急同行者を探さなければならない。
おととし、コンセルトヘボウのサラ様コンサートに一緒に行ってくれたNにお誘いをかけた。
金曜の夜、エイントホーフェンの街中では駐車が難しいので、時間に余裕を持って出発した。
高速もスイスイで、セール終了間際のショッピング・モールは閑散としていて、開演40分前に
着いてしまった。(ミュージックヘボウは街中のショッピング・モールにある)

新装成ったミュージックヘボウに初めて足を踏み入れる人は、皆、スタイリッシュでトレンディな
インテリアに感嘆する。

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    2度目なので、勝手知ったるもの、とタカをくくっていたが、
    今回、新しいものを発見した。

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    ビジネス席みたいな、しかしキュービックなデザインのこの椅子には、
    タッチスクリーン画面とスピーカーが埋め込まれていて、新譜CDの
    試聴ができるようになっているのだ。さすが、フィリップス(?)

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    そしてCDショップでの試聴も、タッチスクリーンのメニューで
    豊富なデータベースから選べ、CD挿入しないで聴ける。
    ベジュン・メータの新譜(DVD付き)が15ユーロと安いので、
    Nに勧めたら、試聴してから買った。

さて、コンサートの前から、フォアイエは招待客で盛り上がっている。
フェスティヴァル監督による、オープニング挨拶もあり、なんとストリオーニ・トリオの面々も
ワインのグラスを手にしているではないか。演奏前に飲んでいいの?

室内楽コンサートなので、小ホールが会場だ。(翌日のコンサートにはレーピン様も出演
するので大ホール使用)
急傾斜の客席で、天井が高い。内装は全て木材だが、小ホールだとアットホームな雰囲気で
音響も大ホールよりもよいように感じられた。

各曲目ごとに奏者が変わり、楽器編成も異なるので、ローディーみたいな人たちが、椅子や
譜面台やピアノを動かしたりするが、きびきびときちんとした設営。

最初のモーツアルトのVソナタでは、特にピアノの流麗さに耳を奪われた。地味な曲だが、
ロマン派的解釈だったためか。

2曲目は、1925年に作曲された20世紀の曲。東洋的なメロディーでそこはかと懐かしさを
感じせる第一楽章、小気味よいポリ・リズムでダンサブルな第二楽章、そして、ユーモアの
効いた第三楽章もスリリングで、耳に心地よい音楽だった。フルートとコントラバスが向かい
合わせという配置だったのは、各楽器のリズムが異なるので、そうしないと合わせにくいから
かもしれない。

3曲目は、1981年生まれのアメリカ人マーリーの曲。フィリップ・グラスの弟子で、映画
『愛を読む人』のサウンドトラックも手がけたとか、ビョークともコラボしてるらしい。
この日がオランダ初演だった。さほどミニマルな作風ではなく、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲
を髣髴とさせるようなスリリングな曲で、聞きやすい。

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       琉球絣柄の信州紬に、母がオレンジ系の短い絹糸を
       繋いで織ってもらった帯。
       帯揚げは紺にベージュの菊模様。帯締めは伯母が組んで
       くれたミントグリーンのもの。

休憩後は、ショパンの曲をボッテシーニがアレンジした(?)アリア。
ソプラノとコントラバスとピアノのトリオだ。
全くショパンらしくない曲だった。

最後の管弦六重奏曲は、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ホルン、クラリネットという
組み合わせで、管楽器が目立ちすぎない程度で活躍するのが好ましかった。
この小ホールにはこの編成がぴったりで、管楽器が二人とは信じられないほど重厚に響いて
感心。

初めて聴く曲ばかりだったし、なかなかにメリハリの利いた選曲で飽きさせない、フェスティヴァルの
オープニングにふさわしいプログラムだった。
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by didoregina | 2011-01-22 13:28 | コンサート | Comments(2)

新年会は初釜か

今年の着物初めは、昨日の新年会だった。
お正月にふさわしく白っぽい着物にしようかと、最初思った。
カタモノはふさわしくないから、タレモノだ。しかし、日中のパーティーである。
天候との兼ね合いもある。
先週は気温が10度以上に上り、雪が全部融けてしまった。だから、着物には
ありがたいが、太陽がまぶしい昼間に白っぽい着物は映えないような気がする。

結局、今まで袖を通す機会のなかったブルーの色無地にした。
松皮菱の地紋の生地をちょっと洋風なブルーに染めたものだ。
同じ生地を紫に染めた道行を合わせると、完璧なアンサンブルというか
まるでお茶席にぴったりの組み合わせだ。
新年会を、初釜だと思うことにしよう。

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         全て母のもので、裄直ししていない。
         道行の余った生地でショールも作ってある。
         ショールにしないで、その分丈を長く作って
         もらいたかったが、母サイズなのでいたしかたない。

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         帯は、ラメの入った紫の綴れ織で、
         お正月らしい華やかさを。
         帯締めと帯揚げを同色の薄紫にして
         洋装的なモダン・コーディネート。

会場は、去年と同じで、白い町トルンの庄屋の館。
大雪で集まりが悪かった昨年とうってかわり、暖かい好天だったが、そのためか、
かえって、あまり集まりがよくなかった。ハイキング日和なのだ。
ほとんど一年ぶりに会う人ばかり。それでも、わたしの去年の着物姿を憶えている
人が何人かいた。
給仕の人が、「また今年もお着物ですね。素晴らしい」と言うのにびっくり。

今年は、ハープとヴァイオリンと歌のトリオ演奏が入った。
乾杯の前30分ほどは、知り合いに挨拶して回る時間なのだが、その間中、バックで
バロック曲などを演奏していた。
会長による新年の挨拶のあと、20分ほどのミニ・コンサートのはずだったのだが、皆、
あいさつ回りとおしゃべりを続けるので、会場はざわついたまま、演奏は単なるバック・
グラウンド・ミュージックみたいになって、奏者にはかわいそうだった。
わたしは、最前列の椅子に座って、しっかり演奏を聴いていたが。
思い余ったのか、ヴァイオリン奏者が「次はモーツアルトのミサ曲から、ソプラノ歌手
にはとても集中力を要する難しい曲なので、皆様、少々お静かに願います」と
言い出す始末。
あまり上手い歌手ではなかったが、皆静まって拝聴した。
最後は、プッチーニの『わたしのお父さん』だったが、何を歌ってもべったりとした
声で、感情も込められていないし、単調でつまらない歌唱だ。
ヴァイオリンも酷かった。唯一の救いは、ハープだ。ペダルが3つある大型ハープを
持ち込んで、リキが入っている。ピアノでなく、ハープ伴奏というのがいい。しかし、
ハープは音が小さいので、トリオだと通奏低音くらいの役割しか得られない。
次回は、ヴァイオリンと歌抜きで、ハープだけの演奏を聴きたいと思った。

新年会は、学会シンポジウムも兼ねている。だから、パートナー用のおカタくないプログラムも
用意してあり、今年は、「修道院とビール」というテーマの講演と試飲だった。
まるでわたしのために用意してくれたようなものだ、と勇んで参加した。
しかし、メイン・シンポジウムのパネル・ディスカッションが、一般人にも興味深そうなテーマ
だったので、そちらに人が集中して、「修道院とビール」講演に集まったのは、3人のみ!
講演内容は、ごくごく一般向けで、掘り下げが全く足りないため、ベルギー・ビール好きに
とっては既知の情報ばかりであった。試飲は、いろいろできるのではなく、一人1,2本。
ウェストマルのトラピスト・ビール1本飲んだら、おなかが一杯になってしまった。

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        正真正銘のトラピスト・ビールのウェストマル。
        初釜にふさわしく(?)今年飲む初ビールだ。

ビールを飲みながら、他の参加者である2人の年配のご婦人たちとお話しすると、皆さん、
お子さんは皆デルフト工科大学出というので、お互いにびっくり。こういう偶然は珍しい。

       
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by didoregina | 2011-01-10 04:31 | 着物 | Comments(10)

弁慶格子

弁慶格子というのは、大柄のギンガムチェックのことだ。
きっぱりとモダンな模様で遠めにも目立つからか、歌舞伎の衣装にもよく用いられる。
それが江戸時代の流行の源泉になったのだろう。

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         弁慶格子の大島紬の長羽織

太い縞同士の交差ということで、九鬼周造の『「いき」の構造』では、粋の度合いがあまり高くない
柄とされているが、歌舞伎では遊び人や勇みの人・荒ぶる人や艶っぽい人妻の衣装にも使われる。

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         勇同士酉道連(いさみどうしとりのみちづれ)と題がついた
         浮世絵。このワルッぽい男は、多分、蝙蝠の安だ。
         半纏と襦袢の模様が弁慶格子。

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         二枚の版画を対で買った。この美男子は多分、切られ与三郎。
         暮れの風物詩、酉の市の熊手を担いでる。熊手と綿入れ半纏に
         富の字が入ってる。お富さんのことだ。
         こちらは、いかにも市川系の顔つき。

この二枚の版画はオークションで手に入れたものだが、いろんなストーリーが語られていて
見ていて飽きない。というより、なぞや疑問のほうが浮かぶ。
描かれているのは、多分、遊び仲間の与三郎と安なんだろうと推測するが、安にはこれだと
わかる決め手がないし、与三郎は顔に傷がない。『与話情浮名横櫛』や『切られお富』とは
別に、この二人とお富が登場する芝居があったんだろうか。それとも、現在ではほとんど上演
されない場面を描いたものなのか。
与三郎の半纏の模様にも何か意味がありそうだ。
また、二人のかついでいる毛布みたいなものにも、文字の一部のような模様が見える。
識者の助言を待ちたい。
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by didoregina | 2010-12-14 09:19 | 着物 | Comments(4)

Dining with stars @ De Leuf

マーストリヒトから車で20分ほどの丘の上の村ウーバックスベルクにあるレストランまで、ランチに
出かけた。
ミシュラン2つ星のDe Leufである。
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なぜ突然、豪勢なランチをしに行ったのかというと、オランダの星付きレストランのプロモーション・
ウィークで、普段よりお安くランチやディナーが食べられたからだ。(1つ星の場合、4コース
ランチが40ユーロ、5コースディナーが50ユーロ。2つ星ではそれにプラス15ユーロ)
デ・ルイフは、おととしから星が2つになったので、4コースの特別ランチは55ユーロである。

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          運転担当だったので、お酒は最初の白ワイン一杯のみ。

マーストリヒト市内にも星付きレストランは4,5軒あるのだが、どこも満席で予約不可だったので、
郊外まで足を伸ばしたのだが、星以外の楽しみもあった。
ここは、近年流行の分子料理法(モレキュレール・キュイジーヌ)を看板にしているのだ。

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          突き出しは3種。
          マテ貝に小エビとハーブを載せたもの、                            バジリコのマカロン、                                    フォアグラのムースとジュレとにんじん・ムースの3段重ね。

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         鶏のつくね風と濃い味のブイヨン。
         つくねは、中身のないたこ焼きみたいな食感。

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         前菜は、にんじんのシャーベットと
         ウナギの燻製、ホタテ、ミニ・トマト、海老などが
         南米原種の麦(名前失念)の上に乗っかってるもの。
         赤いパウダー状のものは、乾燥トマト。

ここでようやく、分子料理法らしきものが登場した。ドライド・トマトとは言っても、よくあるような半生
半乾きみたいなものとは異なり、完全に水分がなくて粉々になっている。フリーズ・ドライみたいに
したんだろうと思われる。

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         魚料理は、千切りキャベツを軽く煮たものをヒラメの切り身で
         巻き、川海老のだしソースの上に置いてシャンパンのムスリーヌ・
         ソースをかけたもの。川海老の切り身も浮いている。
         出しがしっかりした味に取れていて、ソースといっしょに魚を
         口に入れるとふんわりと軽い。

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         肉料理は、フォアグラの薄切りをかけた子牛のソテーに
         ハーブ・リゾット。パセリ・ソースと炒めたしいたけ。
         とろけるようなナマに近いフォアグラの上に乗せた
         ジャガイモのクルトンのカリカリした舌触りと、程よい
         焼き加減の子牛にリゾットという4種の取り合わせの
         食感が絶妙。

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         デザートは、カカオ70%のフレキシブル・チョコレートに、
         マンゴー・ムース、マスカルポーネ・アイスと、パイナップル・ゼリー。

フレキシブル・チョコレートというのが、柔らかくて形がフレキシブルだが、ムースともプラリネ・
クリームとも異なる不思議な食感で、作り方に疑問符がわいた。
帰宅して、家族にこのことを話すと、次男がその作り方なら知っていると言う。
材料は普通のチョコレートと同様(カカオ、砂糖、カカオ・バター)だが、それを普通に冷ますと
固まるときに結晶が形成されて堅くなるので、分子の結びつきを緩やかにさせ結晶化させないよう、
窒素などで急速に冷やすと、そういう食感になるはずだという。なるほど。
BBCでも活躍する分子料理法の雄、ヘストン・ブルメンソールの本で知ったというのだが、さすが
料理オタク。

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        食後のお茶のプチ・フールは、オレンジ・ムースとシロップと卵白の
        3段重ねにオレンジの綿菓子、ライチ・アイス、ココナツ・マシュマロ、
        胡桃のマカロン。
        どれも、ふんわりと口に入れるとすぐにとろける軽い味。

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        そして、だめ押しで、盆栽に下がるイースター・エッグみたいなのは
        マスカットにグラッパを注入したものにホワイト・チョコのコーティング。
        マスカットは少し凍っていて中のグラッパは液体状。

結局、グラッパ入りマスカットやフレキシブル・チョコレート、綿菓子およびドライ・トマトぐらいにしか、
分子料理法は使われていないようだった。
しかし、隣のテーブルに運ばれた牡蠣には、氷の代わりにドライ・アイスの煙がもうもうと立っていた。

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        ヨーロッパ中の3つ星レストランを訪問して本にして出した、
        自身もミーハーらしいシェフと。わたしは目をつぶってしまったが、
        彼はツーショット慣れしてる。
        蔦葡萄柄の泥大島に、光る薄グリーンに浮世絵写しの刺繍の
        洒落袋帯。

さすがに研究熱心なだけあって、しかも2つ星になってからの進歩が著しい料理である。
ひとつひとつの量が少ないのに、1皿に乗せる料理には見た目も食感も味付けも変化があって
楽しい。
場所が不便だから、平日のランチとなると、プロモーション・ウィークなのに、3テーブルしか
埋まっていなかった。マーストリヒト市内だったら星付きレストランなら席の取り合いで大変なのに。
そんな田舎にあって、この内容というのに感心した。





         





      
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by didoregina | 2010-11-09 22:53 | 料理 | Comments(10)

黒地の着物に同系色焦げ茶の帯とケープ

ロシア舞踊ショーに招待された。民族舞踊とバレエとアクロバットがミックスしたマス・ゲームっぽい
振付のショーは、クルーズなんかでのエンタメだったら上等だろうが、お金を払ってまで見たいとは
思わない。
この劇場ではスポンサーとして招待されると別室で、開演前のコーヒー、幕間の飲み物、終演後の
ビュッフェと、とことんいろいろ供されるので、着ていくものに悩むことになる。招待もこれが最後だ
ろうから、少し渋派手でいこう、ロシアのイメージなら赤と黒、というわけで、自分サイズで着易く
気に入っている泥染めの縞大島にした。

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       黒地に幅と間隔の異なる赤の縞模様が
       織り出された大島。

いつもついつい白っぽい帯を合わせがちだが、今回は、straycatさんの泥藍大島と同系色の
帯という大人っぽいコーデに触発されて、帯を暗色の同系色にしてみた。

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       今の季節限定の蔦葡萄の柄の洒落袋帯
       象牙色の冠組の帯締め
       帯の葡萄と同じ少し茶がかった鴇色の帯揚
       草履は、黒地に金襴の切り嵌め

この葡萄柄の帯はとても長く、表地の反対側が雪輪に源氏香になっていて、一本で2通りに
使える。(裏表の柄違いではなくて、表の模様が二種類)
着ると、手の部分がとても長くなるし、その部分は別の模様なのだが、同系色なのでほとんど
気にならない。ふんわりとした織地で復元力が高いので、あまりしわにならないから、手の部分を
別の時にはお太鼓にできるのである。
葡萄柄の方を出して着るのは、初めてだ。


帽子の先生Pは、変わった道具フェチである。
ミシンそっくりで、しかし糸を通す部分がなくて、針は表面がぎざぎざになったものが5本という
パンンチング・マシンもそのひとつ。
それを使って、ウールの大判ショールにフエルト加工用の綿羊毛を打ち込んでみた。
着物用に、膝くらいまでの丈の防寒ショールが欲しかったのだ。

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       秋らしい乱菊模様をフリーハンドで描いた。

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       着方によって模様の出方が異なる。
       (着物の上に羽織る場合は打ち合わせも異なるので)

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       マントのような大判ショールは、黒に近い濃いグレー。
       それに白に光沢のあるシルクの入ったものと薄いグレーの
       ウールの綿で絵を描いた。(こちらは表側)

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       五本のぎざぎざ針で、糸なしで打ち込むので、
       裏にもしっかり模様が出るが、光沢はない。
       生地に模様が一体化するのだ。(こちらは裏側)

ウールのパンチングは、楽しい手芸だった。
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by didoregina | 2010-10-31 20:39 | 着物 | Comments(2)

フラメンコ・オペラ El Greco de Toledo

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2010年10月21日@Park Theater Eindhoven
El Greco de Toledo door Eric Vaarzon Morel
regie: Javier Lopez Piñon,
Eric Vaarzon Morel (flamencogitaar),
Eric Vloeimans (trompet)
Geronima Xenia Meijer (mezzosopraan),
El Greco Maarten Engeltjes (countertenor),
Carmelita Ginesa Ortega (flamencozangeres),
Juan/Filipo II Carlos Denia (flamencozanger),
Alma Eli la Truco (flamencodanseres)
strijkkwartet o.l.v. Oene van Geel

フラメンコ・オペラと銘打っていることと、割とひいきのオペラ歌手のクセニア・メイヤー(MS)と
マールテン・エンゲルチュス(CT)が出演するというので、興味を持った。
8月からオランダ国内の市立劇場を巡業しているが、TVでも紹介されたので、結構客の入りは
よかった。
客層は、普段のオペラとは全然別のようだ。また、わたしが行くような、地味なコンサートに
来る渋い客層とも異なる。おしゃれな若い人が多くて、カジュアルな華やかさが会場には漂う。
いかに、普段のコンサートに来る客にはおしゃれな人が少ないかが、よくわかった。

舞台中央に、フラメンコ・ギタリストでこの作品の作者(コンセプト、歌詞、音楽)エリック・
ファールゾン・モレルが座り、彼の左側にコントラ・バス、チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリン、
トランペットの順に弧を描いて楽隊が控える。
反対側に4人の歌手のための椅子代わりの立方体の台が置いてある。

フラメンコ・ギターが鳴り出したとたん、「あちゃ~」と思った。「しまった、これは、、、」とも。
マイクロフォンを通してびんびんにPAを利かせたサウンドは、不自然に大きく響き、耳をつんざく。
なんで、こんなに趣味の悪い音響にしなければならないのか、皆目わからない。自然なアコース
ティックだけでは、この会場には無理なのか。
フラメンコ・ギターだけならまだ我慢できたかもしれないが、PAを通した弦楽の音ともなると、もう
理解不能だし、クラシックの歌手の声もマイクを通すとまるでミュージカルのようにしか聴こえない。

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      10年くらい前までは、モーツアルトを歌ってたのに、最近は
      スペイン・バロックCDによく参加してるクセニア・メイヤー。
      エル・アイレ・エスパノールとかアドリアン・ファン・デル・スプールの
      ラテン・バロックに活動の場を見出したようだ。
      今回は、気位の高い貴族で、エル・グレコの愛人役。

エル・グレコとヘロミナ役のクラシック歌手の歌う部分の歌詞はオランダ語である。
それがまた、安手のミュージカルみたいな印象で、耳障りがよくない。
歌詞は、当時の神秘思想家アヴィラのテレサやフアン・デ・ラ・クルス、エル・グレコ自身の手記など
から取られたものだが、オランダ語と音楽の響きが美しくかみあっていない。というより、旋律の付け
方がクラシックっぽくないから、どうしてもミュージカル調で安っぽいのだ。オペラの作曲としては、
非常に稚拙である。

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      フェリペ2世役とジプシー娘で絵のモデルのカルメリータ役は、
      フラメンコ歌手がスペイン語で歌う。発声法がクラシックとは
      まるで違うし、独特のアラブっぽいヴィヴラートの響きが迫力ある。

舞台に字幕は付かないが、プログラム・ブックに歌詞対訳が付いている。しかし、歌の部分は
非常に少ないのである。断片を繋ぎ合わせている構成なので、場面が変わったことを示すため、
そのつどバックグラウンドと状況説明が、縦長のスクリーンに映し出される。かなり長い文章で
読むのに疲れるくらいだ。例えば、カトリックの宗教裁判や異端尋問の厳しさとか、カルメリータと
ヘロミナとのエル・グレコをめぐるジェラシーとか、歴史的背景とか。。。。

全部で8場になっていて、トランペットやギターの独奏に、歌、そしてフラメンコ・ダンスが各々
ほとんど相互関連なく登場する。フラメンコ・ダンス付き歌謡ショーみたいなものである。

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        場面展開だけは多いが、その8場の構成がいずれも同じで
        退屈。後半は眠くなってしまった。
        フラメンコ・ダンスはエネルギッシュだし、フラメンコの歌も
        味わいがあるが、どれも同じように見えたり聴こえたりする。

これをオペラと呼ぶのは、相当無理があるような気がする。
フラメンコ・オペラというコンセプトとしては、どっち付かずで、寄せ集めとしか思えない。
作曲も構成も詰めが甘すぎる。
クラシック・オペラ歌手とフラメンコ歌手の両方を出す、その必然性も効果もあまり感じられない。
個々の歌手やダンサー、器楽奏者は皆素晴らしい熱演で上手いのに、非常に残念だ。

トランペットが、まるで、笙やフルートやサキソフォーンやクラリネットに似た様々な音色を出せる
というのにはびっくり、感心した。

しかし、ショーは盛り上がりを見せ、わたし以外の観客は興奮しまくり、最後はブラボーの嵐だった。


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         秋らしい葡萄蔦葉の泥大島。
         地色が地味なので、小物を明るめに。
         クリーム色の半襟、帯、
         オレンジ色の帯揚げ、
         ミント・グリーンの帯締めは伯母が組んだもの。
         桜皮の草履型下駄。鼻緒は印伝。

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         洒落袋帯は、ちょっとメルヘン調の山模様を
         織り出したもの。
         錦秋と花木がいろいろなので春と秋に使える。
         地味過ぎるコーディネイトかなと思ったが、
         終演後、コートを着ていると、見知らぬ人が
         わざわざ寄ってきて「素晴らしい。褒めずには
         いられません。どうもありがとう」と言うので
         気分をよくした。
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by didoregina | 2010-10-24 12:06 | オペラ実演 | Comments(4)

クリムトの『炉辺の女』  絵画と音楽の相乗作用その2

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ベルヴェデーレで見たクリムトの絵の中では、他のいかにもクリムトらしい華やかな絵に比べて、
静謐さではぬきんでているこの絵に引きこまれた。

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       『炉辺の女性』(1897/1898、オーストリア絵画館蔵)

暖炉の火の前で寝そべるようにして椅子に座る女性の顔だけが、おぼろげに照らされて
いる。赤い暖炉の火が暗闇の中の明かりの役割も果たしていて、それ以外は
ぼんやりと背景に溶け込んだように輪郭の定かでない人物像のみ。全体の印象としては
とても充足して親密な空間が作り出されているようで、幸福がひとつの形をとって描き出
されている。

この絵のドイツ語のタイトルは、Dame am Kaminである。そのタイトルを見て即、頭に
鳴ったのは、チャイコフスキーのピアノ曲集『四季』から、1月の『炉辺で』(am Kamin)。

暗くて寒い秋冬には、柔らかな炎を上げて燃える薪の暖炉が、体だけでなく心を暖めてくれる。
そして、薪の焼ける匂いと音。針葉樹は油分が多くて薪には適さないかもしれないが、樅の木
には、とてもいい香りのものもある。ほっとするような、郷愁を誘う。

チャイコフスキーの音楽には、東洋的なメロディーが時として顔をのぞかせ、日本人の心を
たまらなくくすぐるような気がする。『炉辺で』の、おっとりとした朴訥な話口のようなメロディー
には、田舎の老人が思い出話を語るような、ひそやかさがある。



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          その晩は、国立歌劇場でバレエを鑑賞した。

チャイコフスキーの『オネーギン』である。
一番上の階のさほどいい席ではなかったが、バレエなら十分だ。

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          モダンアートの緞帳は毎月変わるらしい。

観る前は、バレエの『オネーギン』には、オペラの『オネーギン』の音楽が使われて、特に
タチアナのテーマ、暗く下降する旋回がオペラのようにしつっこく出てくるのかと思っていた。
しかし、耳に聞こえてくるのは、オペラの音楽とはまるで違うものだ。オペラ『オネーギン』を
見たのはずいぶん昔だが、事前によくお勉強して行ったから、音楽はなんとなく覚えていると思う。
かなり最近にオペラ『オネーギン』をご覧になったロンドンの椿姫さんも、やはりバレエ音楽は
オペラとはぜんぜん違う、とおっしゃる。



そのかわり、耳になじみのある音楽も聞こえてきた。
冒頭に、男性ダンサーがソロで、ピアノ曲『炉辺で』のメロディーに乗せて踊るではないか。
非常にアットホームな雰囲気が漂う。
ピアノ曲をオーケストレーションしたものだが、変なアレンジや変奏という感じではなく、ほぼピアノの
スコアに忠実だ。
昼間にクリムトの絵を見たときに頭に鳴った音楽と同じものが、こんなところでまた聞こえてくるとは、
驚いた。

その直後のパ・ド・トゥの音楽は、やはり『四季』から6月の『舟歌』だった。
この哀愁を帯びたやるせないようなメロディーは、しかし、非常にダンサブルでもある。
川の水か滝が流れるような流麗さが、クラシック・バレエの優美なステップにぴったりだ。
しかも、暗い下降旋回の部分が、暗い出来事を予告するかのようにも聞こえる。なかなかに劇的でも
ある。

メランコリックでロマンチックな、10月『秋の歌』も上手い具合に使われていた。
はっきりと流用されていたのがわかったのは、『四季』からの以上3曲だけだが、他にもなんとなく
聞いたことがあるような旋律がいつくかあった。
後で調べると、バレエ『オネーギン』には、オペラ『オネーギン』からの音楽はまったく使われて
いないということだ。これにもびっくり。
ドイツ人ピアニスト兼作曲家のクルト=ハインツ・ストルツェという人が、ジョン・クランコ振り付けの
バレエ音楽のために編曲したもので、チャイコフスキーのピアノ曲および『皇帝の小さな靴』と
『リミニのフランチェスカ』などからメロディーを拝借したのだという。
これでは、チャイコフスキー作曲というよりは、いくつかの曲をアレンジしてつなげただけだ。

バレエのストーリーはオペラと同じだが、アリアがないから、クローズアップされるものがおのずと
異なり、展開もなんだかあっさりしたものだった。

次回ウィーン訪問の折には、ここでオペラ鑑賞してみたいものだ。

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     各階にあるフォアイエのひとつで、ロンドンの椿姫さんと。

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     ホテルのラウンジでベートーベンとの対話。
     着物は水色の色無地単衣。帯は絽塩瀬に波に浮かぶ南蛮船。
     前帯には、赤い人魚姫が描かれている。
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by didoregina | 2010-09-24 13:46 | 美術 | Comments(8)

ウィーンでマレーナ様に直撃インタビュー

マレーナ・エルンマン・ファンクラブの皆様、大変お待たせいたしました。
久しぶりの会報は、ウィーン出待ち特集記事です。(写真は全て、ロンドンの椿姫さんから
提供していただきました。感謝!)

マレーナ様が出演した『セメレ』の終演後、劇場裏口に回り、楽屋裏出口で出待ちをしました。
そこには、空港のチェックインの列などで見かけるようなゴム・スタンドが張ってあり、すでに10人
ほどのファンが並んでいます。(これは、バルトリのため)

ほどなく最初に出てきたのは、指揮者のクリスティーでした。
dognorahさんは、早速サインをもらっています。
次に、ジュピター役のチャールズ・ワークマン。
コーラスやオケ団員、その他の歌手が次々と出てきます。

そして、ついに私服に着替えたマレーナ様登場!
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サインして貰えるようなものを準備していなかったので、マレーナ様とは記念写真のみ。
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撮影はdognorahさんで、ロンドンの椿姫さんとのスリーショット。
私のカメラの調子がよくなくて写りが悪いので、椿姫さんのカメラで撮ったものをお借りしています。

マレーナ様は、しきりに私たちの着物を褒めてくださいます。
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そのあと、スウェーデンから追っかけで来ているファンクラブの方々数人とスウェーデン語で
マレーナ様は談笑。ファンとの付き合いも気さくで、まるで普通のお姉さんのよう。
スウェーデン語は皆目わからないので、わたしは輪から外れていました。

そこへ、別の人がサインを求めに来ました。
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ファンクラブの輪から少し離れたマレーナ様に、すかさず話しかけてみました。
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以下、かねてより知りたかったことを聞いてみました。

R:数年後にバルセロナで「アグリッピーナ」のネローネ役で出演するというのは本当ですか?
M:ええ、そのとおり。たしか予定は2013年だったと思いますが、ブリュッセル版です。
R:それには、サラ・コノリーがアグリッピーナ役を歌うという噂ですが?
M:どうかしら、ブリュッセルでは違ったけど。
R:彼女は、同じ演出でロンドンのENOの英語版アグリッピーナだったんです。それで、サラ・
  コノリー・ファンの友人が別ソースから得た情報では、あなたと同じ時期にバルセロナで
 「アグリッピーナ」に主演ということなので、お二人が共演するのではないかと。
M:そうなの?わたしはブリュッセルと同じキャストだとばかり思ってました。
R:在ブリュッセルのスウェーデン大使館の広報HPによると、バルセロナでの「アグリッピーナ」に
  ブリュッセル版からのオリジナル・キャストで出演するのは、あなただけ、ということなので、
  サラ・コノリーとの共演というのが非常に信憑性が強いのです。それに、彼女はアグリッピーナの
  適役でもありますし。

マレーナ様からは、バルセロナでの「アグリッピーナ」出演という噂の裏が取れました!
この件は、マレーナ様のオフィシャル・サイトでは未発表です。
しかし、サラ様と共演かどうかはご存じないようです。

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M:あなた、美しいわ。素晴らしい。(<-着物が)
R:ありがとうございます。あなたのサイトでツイッターをフォローしてますが、2012年には、ここ
  ウィーンでの「セルセ」主演が決まりましたよね。
M:そうなの。これからウィーンへ来ることが多くなりそう。そうしたら、また観に来てくださる?
R :はい、もちろん。去年は、アムステルダムとブリュッセルにも行きましたから。
M:まあ、それじゃあ、これからも、会えるのね。ぜひ、またお会いしたいわ。
  楽しみにしてます。ああ、でも、本当に、美しいわ。(<-と、何度も着物姿を褒めてくれる)

着物姿から日本からのおっけけファンだと認識してもらえたようで、マレーナ様は非常にお喜びの
様子で、興奮を隠し切れず、着物姿をべた褒めになり、だんだん一体どちらがファンなのかわから
ないような会話に発展していったのでした。
こちらは、狐につままれたような気分ですが、マレーナ様に好印象を残すことができた喜びでいっぱい
でした。
そして、マレーナ様はスウェーデンからのファンクラブの皆さんと連れ立って、町に繰り出して行きました。
それを追いかけるのは、大和なでしことしてははしたないと思ったので、信号手前で別れました。

その晩、マレーナ様のツイッターには、こう書かれていました。

Lots of followers at the show!! AND lots of fans from Japan!!
Blows the mind.. Thank you!
12:04 PM Sep. 18th

ちなみに、その晩着ていた着物は、黒の紗に赤の立わく模様。帯は、薄いグレーの塩瀬地に相良刺繍。
頭には、黒のカクテル・ハットを髪飾り代わりにさしていました。
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by didoregina | 2010-09-21 22:29 | マレーナ・エルンマン | Comments(20)

ブラームスのオール・Vソナタ

ピアノの師匠ペーターが主催するお城コンサート・シリーズのシーズン開幕は、ペーターと相棒
ハンス(v)のコンサートというのが恒例・定番になっている。
今回は、ブラームスのアール・ヴァイオリン・ソナタである。
弟子としては、駆けつけないわけにはいかない。

9月中旬だというのに暑さがぶり返し、久しぶりに20度以上になったので、とうとう今まで
袖を通す機会がなかった夏着物を着ようかという気になった。黒の絽地に、白のストライプと
萩の花が描かれた、夏の終わりにふさわしい柄だ。しかし絽の長襦袢を着るので、その下に
肌襦袢を身に着けないといけない。そんな3枚重ねには、暑すぎる気温だ。
コンサート会場のライクホルト城の窓を閉め切ったサロンに100人くらいの聴衆が集まると、
熱気がこもり大変な暑さになることは、自分のコンサートでも実証済みである。
それで、前回の洞窟コンサートに着ていった綿紬の浴衣を今回も着物風に着ることにした。

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      前回とは帯と小物を変えたコーディネート。水色の疋田絞りのバッグは
      夏に重宝している。臙脂の絞り柄の鼻緒を選んだ草履型の桐下駄。

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      博多の献上帯、白地に黒で麻の葉模様の絽の帯揚げ、芥子色にパステル
      カラーの点々の入った帯締め。

薄くても張りのある織地で、ブルーグレーの先染めの紬に紺で細かい柄を染めてあるから、
ちょっと江戸小紋風でシックで、着物風に装える便利な浴衣だ。仕立てに出しておいてよかった。

さて、コンサートのプログラムは以下のとおり。
J. Brahms (1833 - 1897)
Sonate nr. 1 in G op. 78 (1878 - 1879)
- Vivace ma non troppo
- Adagio
- Allegro molto moderato

Sonate nr. 2 in A op. 100 (1886)
- Allegro amabile
- Andante tranquillo-vivace
- Allegretto grazioso (quasi andante)

Pauze

Scherzo in c WoO 2 (1853)

Sonate nr. 3 in d op. 108 (1886 - 1888)
- Allegro
- Adagio
- Un poco presto con sentiment
- Presto agitato

男性ヴァイオリニストのコンサートだから、このくらい渋めのプログラムは妥当だろう。
オール・ブラームスというのは、渋さとしてはかなり強く、濃茶なみに濃厚だ。

「ブラームスはお好き?」というフランソワーズ・サガンの小説がある。中学生の頃、サガンには
結構はまったものである。しかし、「ブラームスはお好き?」は、恋愛小説としての大人度が高く、
中学生のわたしには退屈というかなんというかピンとくるものがなかった。
今の年になって読み返してみたらどうだろうか。若さを失いつつある主人公の心情が身にしみて
胸に迫るものがあるかもしれない。
「ブラームスはお好き?」を原作とした映画「さよならをもう一度」(イングリッド・バーグマン、
イブ・モンタン、アンソニー・パーキンスという面子だけでもそそられる)も一度観てみたいものだ。

などと、思いをめぐらせながら聴いていた。
ブラームスのピアノ曲には、いまだにつぼにはまったことがないが、ヴァイオリン曲は、協奏曲にしろ
いいものだ。
ベートーベンの轍を踏むような熱情とロマンのほとばしる、少々古色蒼然とした展開のソナタ群である。
ロマン派ならではの憂いを帯びた調子が、夏の名残というか秋の初めのなんとはなしに物悲しい
空気に恐ろしいくらい馴染み、会場全体に満ち溢れる。もののあわれ、というのではないが、寂静が
ひたひたと満潮の水のごとく迫り来て、広がるのである。

この二人のデュオ・コンサートには、ブラームスの「スケルツォ」はいつも定番として入っているが、
ブラームスのみというのは初めてだと思う。大体、ベートーベンやシューマンやはたまた後期ロマン
派のさまざまな曲を入れていることが多い。

ペーターのピアノはいつでもハンスのヴァイオリンの邪魔をしないように、控えめである。
ヴァイオリン・ソナタのコンサートでは、どうしてもピアノは伴奏・添え物になってしまうのは否めない。
それに対して、ヴァイオリニストは役得である。ここぞと華やかな技巧を見せたり聴かせたりできる。
コンサートの最中や直後には、だからヴァイオリンの印象の方が強烈なのだが、後々、余韻として
残るのはピアノ・パートだった。

ブラームスには苦手意識があるので、CDを聞き込んだりしたことも、自分で弾いた事もない。しかし、
これから迫りくる秋に向かい、寂寞とお付き合いせざるをえないヨーロッパでは、ブラームスの音楽に
浸ってみるのもいいかもしれない、と思った。
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by didoregina | 2010-09-12 11:47 | コンサート | Comments(8)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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