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ザルツブルク音楽祭の着物 

夏の音楽祭で纏った着物シリーズ、第二弾。
華やかに着飾った人達が集まる夏の音楽祭には何を着ていくか、これは重大テーマだ。
今年は、ザルツブルク音楽祭にデビューした。贔屓CT歌手のイエスティン・デイヴィスと
彼の檜舞台を鑑賞するために遠征した私のダブル・デビューである。

普段のオペラ鑑賞でも、特に贔屓のためのイギリス遠征では、着物選びには手間暇かける。
それが、夏の音楽祭ともなると別格である。イブニングドレス率がグンと高い場所では、
日本女性はやはり着物で勝負に臨むのがよろしい。イブニングドレスの華やかさに負けて
はならじ。
というわけで、選んだのはこの訪問着。

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毎回、遠征が近づくと、FBやツイッターに候補として選んだ着物と帯のコーディネート
写真を何枚かアップして、皆様のご意見を伺うというのが常である。
FB友には外国人が多い。彼らの意見・感想は、日本人が着物に対して持つ常識から離れ、
知識や偏見に囚われていないため、なかなかに面白い。
例えば、日本で着物で歌舞伎鑑賞に行く場合、季節や演目や贔屓に因んだ柄などを選ぶ。
それが外国でオペラ鑑賞の場合であると、そのオペラの初演(18世紀)にプリマ・ドンナ
歌手が着た衣装の色であるとか、遠征先の風景にマッチする色柄、会場の雰囲気などを
基準に彼らは選ぶのである。

今回は、3つの異なる着物とコーデの写真をSNS上にアップし、皆様のご教示を仰いだの
だが、意見百出で、私も悩んでしまった。

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まず、真夏であるから、薄手の夏物の白大島という線で行こうと思った。
抹茶色の帯は、ブログ友のVさんから昨年譲っていただいたもので、上品な唐草の織柄が
着物の模様とぴったり。某T村製で、丁度、宮尾登美子の『錦』を読み終わったばかりな
ので縁を感じた。
ところが、今年のザルツブルクはさほど暑くないようで、夜になると冷えそうだ。
遠征準備中、オランダは冷夏で、透けるような夏物を着ようという気にはなれない。

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もう一枚、候補に挙げた袷の訪問着は、薄いグリーンの地に茶の濃淡で森林や山の景色を
ロウケツで描いた、いかにもザルツブルクの風景にマッチしそうな柄行である。ここで
着なかったら、一体いつ着る機会があるだろうか、と思い、これに傾きかけた。

そこへ、イエスティン君からの鶴の一声。「一番上の着物が、舞台セットにぴったり合う
よ」とのこと。
(実はそれより以前に、ザルツブルクとバイロイトには、LCCの荷物重量制限もあること
だし、ロングドレスにしようと思って準備していたのだが、ツイッターで、ザルツブルク
には洋装と着物のどちらがいいかしら、とつぶやいたところ、彼から「着物!」とのリプ
をもらったため、急きょ、着物にすることになったといういわくつき。贔屓の言葉は何よ
り重い。)

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というわけで、決まったのは、桜花の織地紋の白地に銀灰色で撒糊を散らし、黒・金・銀
で木賊を絵羽模様に描いた、すっきりと洋風なデザインと色の着物。
これは、1年以上前、イエスティン君がザルツブルク音楽祭の『皆殺しの天使』に出演す
ると決まった時、この着物で行こう!と選んでおいたものだから、以心伝心というのか、
好みが合うというべきか。舞台セットと衣装はイエスティン君曰く、60年代のブルジョワ
の集いをイメージしたものだから、この着物のレトロな雰囲気がベスト・マッチとのこと。

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千秋楽が終わってほっと寛いだ表情のイエスティン君、グリーンの着物のロンドンの
椿姫さんと。
このあと、出演者と作曲家・指揮者も含む打ち上げ飲み会に参加。イエスティン君と
婚約者とその友達のテーブルで夜更けまでオーストリア・ワインを飲みながら、新作
オペラと遠征の大成功を祝ったのだった。
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by didoregina | 2016-08-25 19:49 | 着物 | Comments(4)

グラインドボーンでの着物、キーワードは華やかさ

セイリング日記が続いたので、閑話休題。
昨年のグラインドボーンでの着物の写真をブログにアップしていなかった。
丁度約1年前だし、思い出に残すため、また、ヨーロッパの夏の音楽祭での着物推進派
としては、皆様のご参考になればと思い、今更ながらだがご覧いただきたい。

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グラインドボーンのご当主クリスティー家のサロン、オルガン・ルームにて。

遠征の着物選びにはいつも大騒ぎで、気温や降雨予想とにらめっこしつつ、夏物と袷の
何種類かを用意して、最終的には直前に決める。
イングランドの8月の夜ともなるとぐっと涼しくなり、グラインドボーンでは結局2年
連続、夏物ではなく袷の訪問着になった。

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淡い朱鷺色とクリーム色の中間の地色に、金で輪郭を描いたパステルカラーの遠山模様。
同行のロンドンの椿姫さんと、あれこれ事前打ち合わせするのも楽しい。
色柄とも二人で統一感があるコーデになったと思う。

夏の音楽祭、特にドレスコードがロングやタキシードの場合の着物選びのキーワードは、
華やかさ。
開演前や幕間には外の芝生の上をそぞろ歩くから、グリーンに映える色柄選びも重要。

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私のテーマは、山。だから、帯は綴れ織りで富士山を印象画風に織り出したもの。
帯は椿姫さんのもそうだが、金糸が入って暗い会場内で光彩を放つものがいい。

富士山の柄を選んだのは、『サウル』にダビデ役で出演の贔屓歌手イエスティン・
デイヴィスへのご祝儀のつもりである。
彼はその年の春、婚約を発表した。そのお祝いに、伏せると富士山の形になる
お猪口の夫婦セットをプレゼントした。そして、この帯にもお祝いの意味を込めた。
婚約者の方にもそれが分かってくれたようでうれしかった。

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イエスティン君と、帰りのシャトルバスの中で。
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by didoregina | 2016-08-24 19:19 | 着物 | Comments(2)

2015年最初のコンサートと着物

今年はなんと、着初めが松の内に間に合わなかった。
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しかし、2015年最初の着物でのコンサートは、所属する合唱団恒例のニューイヤー
コンサートなので、着物を着て舞台に立ったのだった。
これは初めての経験であるが、団員やお客様には大変好評で、普段コンサート会場や
歌劇場で頂戴する賛辞の数十倍にも上った。
合唱団のドレスコードは「黒を基調とし利かせ色を配すること」ととなっているので、
墨色に近い泥染めに赤の縞大島の着物に、お正月らしく格式の高い石畳模様の朱色と
金の袋帯を合わせてみた。

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コンサートの後にはパーティーがあるし、飲み物やつまみなどの運搬の手伝いもしなければ
ならないから、当初は万一を慮ってウールの着物にしようと思って準備していた。
ウールといっても、そう言わなければ決してウールとは思われないのは、しなやかな風合いと
黒地にカラフルな紅型風の花や蝶がプリントされているからで、お正月らしい華やかさもある。
しかし、当日朝、ツイッターを見て急きょ別の着物にすることにした。日本では丁度、
成人式の日なのだが、鹿児島では本場の大島紬の振袖を着るという記事を目にしたからだ。
目から鱗である。大島紬は着やすいし、しゅっしゅと鳴る衣擦れの音もエレガントだし、
着心地がいいし、水や汚れにも強い。これに華やかな帯を合わせれば、お正月らしさも出るし
合唱団のドレスコードにもぴったりだ。

着物を着て会場に行くと、三々五々と集まる団員の反応がすさまじかった。讃嘆の嵐である。
触られたり、様々な質問攻めにもあった。彼らは個性的なオシャレを楽しむことにかけては
人後に落ちず、そういう人たちは人の着ているものにも敏感で、素敵だと思ったら称賛を惜し
まない。
地味な色柄の大島には派手な長襦袢を合わせるのがコツなので、鮮やかな紅絹色のものにし
たら、それも褒められた。細かいところまでよく見ている。

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会場は、古楽コンサートがよく開かれる16世紀のセレブルダースチャペルで、音響もよい。
第一部は混声四声合唱で、第二部は今年音大に入ったばかりだが将来が嘱望されるソプラノ
のビビちゃんによるモーツアルト、ヘンデルなどのアリア・ソロ。
合唱の部のプログラムは以下の通り。

Au fond du temple saint (ビゼーの『真珠採り』より)
バーバーショップ・メドレー Let me Call You Sweetheart, Sweet Catherine, Down
by the Old Mill Stream
ナポリ民謡メドレー 『帰れソレントへ』『サンタ・ルチア』『オーソレミオ』
Pastrale (オランダ人Lennaert Nijgh作詞Boudewijn de Groot作曲)
Gabriellas sång (Stefan Nilsson作曲 Py Bäckman作詞 スウェーデン映画As it is in Heaven
より)
Fermarono i cieli
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by didoregina | 2015-01-12 20:11 | 着物 | Comments(8)

グラインドボーンにはゴージャスな訪問着がぴったり

わたしにとっての聖地であるグラインドボーンには何を着ていくか、は大きな課題だった。
一世一代の夢の晴れ舞台であるから、天候も考慮に入れつつ、気張って選ぶ必要があるのだ。
8月も下旬となると、イギリスは涼しい。ほとんど日本の11月のような気候である。
それで、夏着物はやめて、手持ちでは一番ゴージャスな訪問着と金糸の派手な袋帯という
組み合わせで行くことにした。
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日本では、年齢から言って、こういう派手な着物を着たら顰蹙を買うだろう。
しかし、グラインドボーンではお褒めの嵐・雨あられと称賛の的である。ここでは、
ゴージャスであればあるほど好ましいのだ。
曰く「民族衣装を誇り高くお召しになって素晴らしいこと!」「着飾った人が少ない
のは遺憾の極み」「華やかなお着物で会場に華を添えて下さりありがとう」等々。
わざわざ褒めるために来てくれる人たちや、すれ違いざまに「素敵!」と言ってくれたり
トイレで並べば、皆から感嘆される。
着物選びは大成功だったといえよう。



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ご一緒したロンドンの椿姫さんも、友禅の訪問着でゴージャスに。




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最前列中央席に座ったから、後姿も重要である。
髪飾りと、コサージュも帽子も手作りのカクテルハット。
帯も金糸の袋帯で華やかに。



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敷地は広大で、マナーハウス前から広い芝生の庭が牧草地、池などに続く。

そして、ここでは開演前および幕間での芝生の上でのピクニックが特徴である。

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会場のグラインドボーンには、車で行くか、電車でルイス駅まで行ってシャトルバスに
乗る。ピクニックの荷物もバスケット、クーラーボックス、椅子、テーブル、クロスに
カトラリーと食器まで持ち込むから、電車で行く人はもう大変だ。ロンドンのヴィクトリア
駅でこういう人たちを見かけ、まず度肝を抜かれた。ブラックタイにキャリーバッグや
ピクニック・バスケットという組み合わせの妙。




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芝生の上で、テーブルを組み立てる。テーブル・セッティングといっても文字通り
組み立てるところから始めるから大変だ。



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現地まで持ち込まずとも、椅子もテーブルもピクニックの中身も全部予約できる。
電車で行く場合は、それが無難だろう。でなければ、シートと毛布を芝生の上に敷いたり、
備え付けベンチの上でピクニック。ピクニックテーブルを予約しても好きな場所を選べる。
また、日本のお花見のように混み合ってはいないから、場所取り要員は不要である。
開演前にセッティングしたピクニック道具は、オペラの間中、外に置いたまま。
開演前1時間半と二度目の幕間1時間半にピクニックを楽しむのだ。
しかし、8月後半ともなると、外は寒いのみならず暗くなるのも早い。二度目の幕間に
芝生の上で食事をするのは暗いし寒いし、我慢大会みたいなものだろう。

それで、電車で行った私たちは、迷わずレストランの中での食事を予約した。


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今年、80周年を迎えたグラインドボーン音楽祭は、資産家のジョン・クリスティー氏が
妻のソプラノ歌手、オードリー・ミルドメイのために建てたオペラハウスでの公演が
もともとの始まりである。だから、ミルドメイの名前を冠したレストランで幕間には
食事をしたかった。
今回鑑賞したヘンデルの『リナルド』はバロック・オペラの通例通り、非常に長い。だから開演時間も通常より早く17時。そうしないと、ロンドンへ帰る電車に間に合わないからだ。
しかし、実際1時間ちょっとで3コースの料理を食べ終えられるのだろうか、という危惧は杞憂に終わった。予約したテーブルにはすでに冷たい前菜が置かれ、給仕はてきぱき、食べ終えるのを待つかのように次の料理がサーブされるし、お勘定もすぐに来た。


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敷地内には、イギリスらしい高低差のあるフラワー・ボーダーやガーデンもある。
自分の家にいるかのようにリラックスした態度で散歩できるのがセレブ気分である。




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オルガンルームは、クリスティー家のサロンの趣。

というわけで、開演の1時間45分ほどは顔見世よろしく優雅にそぞろ歩いて、皆さんに
着物を堪能していただいた。








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by didoregina | 2014-08-21 17:24 | 着物 | Comments(8)

来週のグラインドボーンの天候が気になる!

グラインドボーンにオペラを見に行く!と言うと、反応はほとんど判に押したように一様で
「セレブ~」とか「スノッブ!」とか「すごいね」とか、返ってくる言葉はオランダ語でも
日本語でも英語でも似たような語感の単語である。
たしかにグラインドボーンでオペラ鑑賞というのは、ブラックタイというドレスコードや
幕間の芝生上でのピクニックなど、庶民感覚とは隔絶してなんとなくエリート・上流趣味っ
ぽいイメージがある。しかし、チケットの値段は非常にリーズナブルだし、現地に泊まらずに
ロンドンから電車で日帰りで行くのだから、普通の歌劇場へ行くのとは遠征費用的にさほど
変わらない。音楽祭のチケット価格だけ比べても、ザルツブルクやエクサンプロヴァンス、
はたまたバイロイトの方がよっぽど高い。

グラインドボーンは、わたしにとって長年の憧れだった。三年前に観たくて行きたくてたま
らなかった『リナルド』の再演、しかも、今度の主役は今一番贔屓にしている歌手のイエス
ティン・デイヴィスである。このチャンスを逃したら一生行くことはあるまい、と遠征を
決意したのは今年の初め頃だった。
また、ドレスコード的にも、着物でオペラを楽しむというわたしの趣味にドンピシャである。
何を着ていくか、コーデに悩むのも楽しみの一つなのだ。


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夏だから、やはり夏着物で行きたい、と思ってまず考えたのは、上の写真、白の夏大島で
ある。
ここぞというときには、白大島を着たくなるわたしにとって、順当な選択だ。
夏らしくふんわりと薄手で羽のように軽く、しかもシャッキリした肌触りは、まるで羽衣。
エレガントだし、本来の夏の気候であったなら、夏大島はぴったりだろう。

しかし、夏大島をベースにしたコーディネートを決めてから、日々、天気予報を見ている
のだが、どうやら、来週もかなり涼しそうで、降水確率も高い。そうなると、体感温度は
もっともっと低くなる。夏大島の上と下に重ね着するという方向で考えていたのだが、最高
気温が20度を切り、下手すると夜には10度位という予報なので、やせ我慢の限界を超える。

ということで、結局、六月中旬のロンドン遠征に着ようと思っていたが案に反して予想以
上に暑くなったので諦めた、ピンクの地に紫と白の芍薬が描かれた袷の訪問着を今回ようやく
着ることができそうだ。
十代後半にお茶会で着るために誂え、結局着たのは大学の卒業式一回のみだったというその
着物は、今現在手持ちの中で一番派手なものだ。グラインドボーンだからいくらゴージャスに
しすぎても浮くということはないだろうだから、この機会を逃したら今後一生袖を通すこと
はないかもしれない着物も、縁を得て喜んでくれるだろう。

一応、ロンドンには両方の着物とそれぞれのコーデ一式を持って行って、当日の天候次第で
最終的に着る物を決めるつもりである。念には念を入れて、手抜かりのないようにしたい。


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by didoregina | 2014-08-16 23:06 | 着物 | Comments(4)

4月は桜の花びら散る着物で

暖冬で冬らしい冬が来ないままやり過ごしてしまった北ヨーロッパは、そのまますとんと春に突入した。

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4月上旬にすでに桜は満開。白い花びらのリンゴや梨や桜桃も次々に咲きだし、中旬には散り始めた。
例年より2、3週間早い。そして、開花期間が日本並みに短かった。
公園などで、花を愛でる人も目についた。

4月には3回着物を着る機会があった。咲き急ぐ今年の桜のようにはらはらと散る花びらや、花の付いた
小枝が描かれたものを選んだ。

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4月6日のクリスティアン・ベザイデンホウト(PF)とピーター・ウィスペルウェイ(VC)のベートーヴェン・
マラソン・コンサートで。エイントホーフェンのフリッツ・フィリップス・ミュージックヘボウのCD売り場。
マチネだから、あんまり派手な着物や白っぽいものは避けた。エイントホーフェンではいつもそうだが、
着物姿は大好評であった。

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                      帰宅後。

コンサートのルポを書き逃してしまったが、ベートーヴェンのチェロ・ソナタやチェロの変奏曲全曲
演奏という、午後3時から夜9時まで、休憩二回を挟むマラソン・コンサート。二度目の休憩には
インドネシア料理のブッフェも出て、一回目の休憩時のドリンク共、コンサートチケット料金に込み。

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肉、魚、野菜にチャーハンや焼きそばなど7,8種類の料理が並んで、味もピリ辛目で悪くなかった。


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花見をテーマに12,13日の週末は、ポーリンの帽子の店を開けた。12日、店の前で。
着物を着たわたしはアトラクション・ガール。やっぱり、派手な着物がこちらではウケがいい。



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翌日も着物でお客様をお出迎え。

咲く花と競うわけではないが、春の光に映える着物の色柄というのはある。
そして、その時期にしか着れない色や柄の着物をやはり纏いたくなるのだ。
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by didoregina | 2014-04-28 11:23 | 着物 | Comments(0)

雨模様のロンドンでも着物でオペラ鑑賞

充実のロンドン遠征から戻ってそろそろ1週間になる。
行く前から大騒ぎで選んだ着物とコーデだが、雨という天気予報のため遠征直前に変更した。

3月2日のENOでの『ロデリンダ』鑑賞に着用した着物。

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訪問着に富士山を印象派風に織り出した綴れ袋帯という当初のコーデだと、まるで結婚式に
出席するような大げさな雰囲気になる。マチネ公演には似つかわしくないのではないかと
思い、雨にも比較的強い大島に変更。大好きなので個人的に思い入れがあり気合を入れた
場面に着用を限っている白大島にした。
前回着たのは、4年前のロンドン遠征でのサラ・コノリー主演の『ダイドー』鑑賞の時である。
去年イエスティン君に会うまで知らなかったのだが、DVDにもなっているROHの『ダイドー』
には、なんと彼も精霊役で声だけの出演をしていたから、この着物には縁もあるのである。
帯は、同色のトーンの相良刺繍の袋帯。白っぽい着物に白っぽい帯という組み合わせが好き。

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      ロンドン滞在中にもお世話になった、ロンドンの椿姫さんご自宅お庭で。


翌日は、ROHで『連隊の娘』を鑑賞。着物とコーデは当初の予定からほぼ変更なし。

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            パステルっぽいブルーグリーンに花びらの散る小紋に
             正倉院風の向かい鳥柄の袋帯。やはり同色系のコーデ。


しかし、思わぬ番狂わせはその晩にあった。
オペラ鑑賞前に、イタリア料理店でPrimroseさんと椿姫さんとディナーをご一緒する約束をした
のは、かれこれ3か月も前である。
アラーニャが通っていたというレストランだから、アラーニャに会えたらいいわね、と言いながら。

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レストランのオーナーがそっと耳打ちしてくれたのは 終演後、フローレスがここに来るから、
あなたたちもまたいらっしゃいという、信じられない内容であった。
お得意客であるPrimroseさんと椿姫さんのおかげである。


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                着物姿だと歌手も喜んでツーショットしてくれる。
                なんと、彼もアシスタントに頼んで自分のスマホで
                着物スリーショットを撮らせていた!


『連隊の娘』といえば、ドゥセがマリー役で、フローレスがトーニオ役のローラン・ペリ演出ROH
プロダクションが私の中でデフォルト化している。
その晩、初めて生で聴いたフローレスのコンディションは盤石で、揺るぎのない素晴らしい歌唱を
披露してくれた。
その彼と主要出演者たちが、初日の打ち上げを終えて、深夜近くになってレストランに現れた。
しかもフローレスはご機嫌で、歌を歌いながら入ってきたのだった。
遅くまで粘って待っていた甲斐があった。
信じられないほどラッキーな遭遇続きのロンドン遠征であった。
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by didoregina | 2014-03-11 14:23 | 着物 | Comments(8)

ロンドン遠征の着物準備

今週末からロンドンに遠征する。丁度カーニヴァルの4日間で、なんともうまい具合に、バカ騒ぎ
から脱出できるお誂え向き日程でオペラ鑑賞できるのがうれしい。

今回の遠征第一の目的は、イエスティン君が出演するENOでの『ロデリンダ』鑑賞である。
着物選びも力を入れて、コーディネートも完璧にしなければならない。

歌劇場の椅子は赤い色のところがほとんどなので、白っぽい着物が映える。
そこで真っ先に考えたのは、4年前のロンドン遠征で着用したこの組み合わせ。

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         クリーム色に昭和ポップな遠山と雲が描かれた訪問着に
         パステルカラーの砂子綴れの袋帯。帯締と帯揚げも同系色で。


それとも、帯は変えてこちらにしようか。

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富士山を綴れで織り出した袋帯。フォーマル感があるが、
         印象派風の淡い色調で前帯は縦縞の模様になる。



そして、もう一つ鑑賞するオペラは、ROHでチョーフィとフローレス主演のドニゼッティ『連隊の娘』。
当初、こちらには洋装で出かけようと思って、現在シルクのワンピースを作成中であるのだが、
ロンドンの椿姫さんとも相談した結果、やはり着物で鑑賞することに。
劇場で映えるパステルカラーで、上の訪問着と同じ長襦袢を合わせられるという基準で選んだ
着物は、洋風若草色に桜などの花びらが舞っている小紋。

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         同系色コーデが好きなので、黒地にグリーンと黄色、金糸銀糸で
         向かい鳥を織り出した帯を合わせてみた。


自分一人では決めかねて皆様のご意見を伺うと、どうも上の組み合わせはイマイチ人気がない。
かなり派手なオレンジに金糸で、蝶や牡丹が織り出された下の帯を推す声が多い。

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         日本でだったら、10代から20代前半くらいまでしか締められそうもない。
         でも、ヨーロッパの歌劇場では、このくらい派手でも全く違和感がない。



遠征前に実際に着てみて、顔映りも含めた全体の印象がしっくりくる組み合わせコーディネートを
決定するつもりである。

それにしても、FBにこれらのコーデ写真をアップすると、世界各国の友人から忌憚のない意見や
助言が得られるのがうれしい。
特にバロックオペラに詳しい人たちが、『ロデリンダ』初演時に主役だったクッツォーニが着たという
衣装の色(茶色)を引き合いに出したアドヴァイスを寄せてくれたり、茶色には銀のアクセサリーを
合わせたら完璧という意見もあった。
また、私の髪の色に合わせたコーデやメイクのアドヴァイスをしてくれるFB友もいた。
そういう風に行く前からすでに注目してもらえると、着物でオペラ鑑賞の励みになる。
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by didoregina | 2014-02-26 12:01 | 着物 | Comments(20)

ドルトムントのカルダーラ・コンサートに着物で

今年最初にして最強かもしれないコンサートには何を着ていくべきか。
もちろん着物である。

カルダーラの幻のオペラ La Concordia de Pianeti をコンサート形式で一回こっきりの上演、
そのライブが世界初録音される、というのだけでもスリリングであるが、当初は、3人のカウンター
テナーがキャスティングされていたから遠征にも力が入るのだった。
2か月くらい前から、同行のGさんといっしょに着物コーデを考えていた。

ほっこりした紬に、降り積もる雪模様が蝋で描かれている葡萄茶の着物はすぐに決まった。
帯も、午年に因んだものにすることに決めた。

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              グリーンの正倉院柄の名古屋帯にしようか。
            
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              それとも、スキタイ風の騎馬を織り出した袋帯にしようか。


前者の帯は2週間前にすでにグリーンの結城紬に合わせたので、ピンクが少し入った雪の色にも
近い後者の淡いクリームピンクの帯が残った。

実際の着姿は、こうなった。

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このコーデに合わせて、フエルトとシルクで大判ストールも手作りしたのだった。

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オールドローズカラーのフエルトに、少し濃い目のちょっと枯れたローズのシルクシフォンを重ねて、
シルクが見えるようにフエルトに穴を開けて、また、梅の花のように見えるようなつまみ模様を入れ
込んでみた。

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かように力が入ったのはなぜかというと、3人出演予定されていたカウンターテナーのうちの1人が
わたしが贔屓にしているクリストフ・デュモーであったからだ。
若手CTには様々なタイプが百花繚乱のごとく咲き誇っている現在であるが、芯が硬質で若々しい
張りのある声の、高音がレーザー光線のように鋭く通りる彼の歌唱が、わたしの耳には一番美しく
響く。そしてルックスや演技なども含めて総合的に一番好きなCTなのだ。
しかるに、彼の生の声には久しく接していない、この機会を逃してはなるものかと、遠征を決めたの
だった。

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        昨年、ケルンでの『時と悟りの勝利』に出演した時のデュモー

これは、約一年前にケルンで行われたヘンデルの『時と悟りの勝利』に出演した時のもので、
友人が撮ったカーテンコール写真である。なんと、このコンサートには行きそびれている。
ファンとしては情けないことこの上ないのであるが、近くでコンサートがあることをその前日くらい
まで知らなかったのだ。
その痛恨、無念さが胸の奥にしこりのように固まっていたから、ドルムントでカルダーラのオペラに
デュモーが出演と知った時には、即、遠征を決意した。

ところが、コンサート1週間くらい前に、予期しない出来事が起こった。
デュモーがFBで、体調不良のため降板を宣言したのだ。

18世紀以来上演記録がないという幻のオペラであるから、現在のオペラ歌手のレパートリーには
全く入っていない。今回の一回こっきりの上演およびライブ世界初録音のために出演予定の歌手が
キャンセルしたらどうなるんだろう。急な練習で舞台に立てるような代わりの人が見つかるのだろうか。
それとも、そういうキャンセルに備えて、誰か別の歌手も練習しているのだろうか。
とにかく信じられない気持ちで、デュモーが体調を整えてなんとか出演してくれることを祈りつつ、
なぜかその翌日になって撤回された降板宣言の真偽を本人に確かめたり、他のソースから入ってくる
代役の名前に驚いたりして夜も眠れないくらいやきもきしたのだった。
何日かたってから劇場から正式発表がされた。それは、事前に入手した非公式情報と同じであった。

歌手は生ものだから、キャンセルはいたしかたない。しかし、今までに贔屓の歌手の降板という経験が
あまりないだけに、今回のショックは大きかった。

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しかも、なんと最終的には目玉歌手であるソプラノのアナ・プロハスカちゃんも降りてしまった。
目当ての歌手二人が降板とは、かなり痛い。行く気がかなりそがれたことは事実であるが、もう一人
素晴らしいCTであるフランコ・ファジョーリが出演することと、歴史的録音になることは間違いないの
だからと自分に言い聞かせて、萎える心に鞭打ってドルトムントに出かけて行ったのだった。

実演の感想は、また別の記事にしたい。
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by didoregina | 2014-01-20 00:05 | 着物 | Comments(4)

着物始め、コンサート始め、習い事始め

皆さま、新年あけましておめでとうございます。

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一応松の内になんとか着物でおでかけの機会があった。
友人Hがフルート奏者として出演するアマチュア・コンサートである。

会場はセレブルダース・チャペル。上記写真のように天井も壁も美しい教会で、ちゃんとした
有料の、そして結構有名音楽家による古楽コンサートが開かれる。

お正月らしい華やかな着物だと、教会でのマチネ・コンサートでは浮きすぎるから、グリーンの
結城紬に改まった雰囲気の正倉院柄の帯の組み合わせにした。

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                偶然だが、教会の内装にぴったり合う色のコーデ。

昨年京都で買ったこの帯をいつおろすのがよいだろうかと機会をうかがっていたのだが、
ぜひとも今年1月に締めようと決めた。今年の干支の馬が織り込まれているからだ。
古典的な正倉院裂の騎馬模様の織帯で、柄は地味だがきらきらと上品な光沢があり、
光の当たる具合によって色が変わる。

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                 正倉院柄の織の名古屋帯で締めやすい。


コンサートの演目は、前半はアマチュア合唱団によるモーツアルトの『フィガロの結婚』から
伯爵夫人やケルビーノのアリアを混声合唱にアレンジした曲や、『帰れソレントへ』『オーソレミオ』
などのイタリア民謡であった。
後半は、ハイドンのトリオ・ソナタ『ロンドン』をフルート、リコーダー、チェロ、コントラバスのために
アレンジしたもの。なかなか一緒になっての練習時間の取れないアマチュア室内楽アンサンブル
にとってはかなりの大曲であった。




                マルコ・ビーズリーの歌う『オー・ソレ・ミオ』

マルコ・ビーズリーによって正統的ナポリ弁(?)歌われると、この曲も哀愁を帯びて味わい深く
なり、なんともいい曲だなあ、と思う。



コンサートの前日、HとTとその他10人ほどで、ベルギーのアルデンヌ高原をハイキングした。
普段の年だったら雪に覆われている山や丘陵だが、今年は暖冬のため、道はぐちょぐちょに
ぬかるんでいた。
フルートを吹くHからは、いつも、わたしのピアノ伴奏と一緒に合わせたい、と誘われるのだ。
合奏とか伴奏とかには全く向いていないと自覚しているので、いつもお茶を濁しているのだが、
逃げ口上ばかりでも能がないので、「今年の抱負として歌のレッスンを受けようかと思っている」
と言ってみた。
そして、その翌日、HのパートナーTと一緒にアマチュア・コンサートに行ってその楽しさに浸り、
どうせ歌うならTと二人でこの合唱団に参加してみようということになったのだった。
なんと、この合唱団は、アマチュアながらこの美しいチャペルを練習場としているという贅沢さ。
そして、レパートリーにモーツアルトやヘンデルが多いということにも惹かれたのだった。
歌手のおっかけをしているからには、自分でも歌を勉強してもう少し深く理解したいという願いも
ある。

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                      合唱団と室内楽団


早速、来週の水曜日夜からの練習に参加してみることになった。
3か月の見習い期間を経て、お互いにウマが合うようならば正式団員になれるという条件である。
歌のレッスンも別に受けることも可能であるという。
午年の一年の計としてもなかなかにふさわしい習い事始めであろう。
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by didoregina | 2014-01-07 00:00 | 着物 | Comments(4)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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