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Musica Sacra   行きたいけど行けない

とってもマイナーだったり、好みのアーチストが出演するコンサートやオペラで、ぜひとも行きたいけど行けない!というのが、よくある。今回は、丁度日本への里帰りと重なるので、行きたくても行けないのだ。

Musica Sacraは、毎年9月のある週末、マーストリヒト中の大きな教会やチャペル、劇場その他の歴史的建物を会場として繰り広げられる、ミニ音楽祭である。
「聖なる音楽」という名前を掲げたフェスティヴァルだから、おのずと宗教色が濃いものであるが、「聖」という概念は、毎年、実に幅広く解釈されていて、決して抹香臭いものではない。
だから、必ず面白いメッケモノがあるのだ。

今年のわたしにとってのハイライトは以下のもの。両方とも9月19日(土)なので、行けない。。。

まず、ミレイユ・ドルンシュ(ソプラノ)とミシェル・ブロフ(ピアノ)によるリサイタルが、福音ルーテル教会で行われる。

c0188818_19161257.jpgフォーレ Le Chanson d'Eve
クレア・デルボス L'ame en bourgeon
メシアン Poemes pour Mi
という構成である。

フォーレが曲をつけたのは、フランドル象徴派詩人 Charles van Lenbergheによる10の詩で、イブの楽園最初の日を歌ったものだという。

Claire Delbosというのは、メシアンの最初の奥さんだった人で、メシアンの母の詩に彼女が曲をつけた。メシアンの母は妊娠中に、生まれる子供は男の子で作曲家になるだろうとの予感があったという。この曲は、多分オランダ初演になるらしい。

メシアンの曲のMiというのは、最初の妻クレアのニックネームで、これは、彼女との結婚を讃えた祝婚曲だそうだ。

ああ、書いてるだけで、どれも、とっても聴きたくなる。しかも、歌はミレイユ・ドルンシュでピアノ伴奏がミシェル・ブロフで、料金はたったの5ユーロである。
信じられない値段だが、例年このフェスティヴァルには補助金がかなり出るようで、いつもコンサート・チケット代は格安である。

そして、同じ晩に聖ヤン教会で、また気になる演目があるのだ。
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Camerata Trajectinaというグループによる、歌と器楽演奏とダンスとヴィデオと解説の合体したものらしい。
タイトルは「ヒエロニムス・ボスの7つの大罪」といい、プラドにあるボスの絵「7つの大罪」を題材に、オランダ人作家ヘリット・コムレイが詩を書き、しかも本人が舞台で解説もする。
その詩にボスの時代(1480年ごろ)の流行歌のメロディーを合わせた、音楽劇になるらしい。もちろん、珍しい楽器も登場するだろう。
この音楽劇も初演で、入場料は5ユーロだ。(なぜか、フェスティヴァルおよびカメラータ・トライェクティナのサイトとも、英語ページにはこの音楽劇のことが書いてない。オランダ語上演だから、オランダ語が分からない人は観にこなくてもいい、という訳なのか)

ボスの「7つの大罪」に関しては、詳しい説明のあるサイトのリンクを張る。
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by didoregina | 2009-09-03 12:17 | コンサート | Comments(4)

Al Ayre Espanolによるハイドン「十字架上の7つの言葉」

ユトレヒト古楽フェスティヴァルでのアル・アイレ・エスパノールのコンサートに行ってきた。

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            ユトレヒトと言えば、ご当地キャラはミッフィー。
            ミッフィー形の信号を発見!

古楽フェスティヴァルとしては、相当大規模なこのユトレヒトのフェスティヴァルは、もう30年も続くもので、確固たる地位を築いた恒例の伝統行事になりつつある。
今年のテーマは「イギリスに渡った3人のドイツ人」で、すなわち、いずれもメモリアル・イヤーの作曲家達、ヘンデル、ハイドン、メンデルスゾーンの作品を、2週間近く朝から晩まで、様々な演奏家やアンサンブルが腕を競って聞かせてくれるのである。
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             コンサート会場のヤコブ教会

まず、日帰りで可能な演目を選んだが、第一および第二希望のコンサートは、すぐに売り切れた。
夜のオペラなどは、最初から諦めていた。
それで、第三希望のコンサート・チケットをなんとかゲットした。

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ハイドンの「十字架上の7つの言葉」には、管弦曲版、弦楽四重奏版、ピアノ版、オラトリオ版があり、その全てが今回のフェスティヴァルでは演奏される。
フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ演奏のオラトリオ版のコンサートが、第一希望であった。ソールドアウトになったので、それに近いアル・アイレ・エスパノールによる管弦曲版を聴きに行った。予習用として、4月に発売されたブリュッヘン指揮18世紀オケの管弦曲版CDを買って、本番に臨んだ。
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ブリュッヘンのCD(Bとする)とエドゥアルド・ロペス・バンゾ指揮アル・アイレ・エスパノールの生演奏(Aとする)とでは、楽器編成は多分同じだが、まずなんといっても、出だしのテンポからして違う。
予想がつくだろうが、Bのほうがテンポが速い。18世紀オケによる、淡々と疾走する序章に慣れた耳には、悠揚迫らぬテンポのAの演奏が、妙にロマン派っぽく聞こえるのだった。情感があふれ出すようで、濃いのである。オランダ人とスペイン人の血の濃さの違いか、と頓珍漢な感想を思わず口走ってしまいそうである。

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       開場前、教会脇に三々五々と集まりたむろするオケの面々

「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」をモチーフにした7つの章(ソナタ)プラス、序章と大地を揺るがすフィナーレとで構成されている、このハイドンの曲は、よく考えたら、受難シーズンの音楽のはずである。
実際、聖週間のカディス司教によるミサのために作曲されたものだ。バッハの受難曲だったら、完全にキリスト教の暦に即して、復活祭前の受難週に演奏されるのが、ここプロテスタント・オランダでは伝統年中行事のようになっている。日本での師走の「第九」のごとくで、それ以外の季節に演奏されても有り難味がないから、ぴんと来ないし、客も来ないだろう。それより、そんなことをしたら、主催者と演奏者側の常識が疑われる。それが、ハイドンの曲だったら、キリストの受難がテーマであっても、季節外れの演奏会も許されるというのが、ちと解せない。

それよりも、教会の割と殺風景な窓から入る光の加減もうららかで、Aによる演奏を聴いていると、苦難とか受難よりも、暖かく包まれるような幸福感が強く感じられるのだった。北ヨーロッパのアンサンブルによる古楽演奏にありがちなストイックさとは逆で、真面目で優等生っぽい演奏なのにケレンミすら少々ある。こういうを指して、ナマで聴くアンサンブルの妙、とでも言ったらいいのか。

大体、わたしにとってのハイドンは、楷書の名人みたいなイメージである。
古典派らしく、きっちり四角四面で、生真面目さが行間から表れるような音楽である。
それに対してロマン派の音楽は、行書のイメージである。かなり自由闊達に感情の動きが筆遣いに込められている。
それが、Aによる演奏は、どうもかなり、行書に近いのだった。
そして、最後にはとどめのフィナーレ「地震」で締める。

フィナーレに行き着く前の、暖かな演奏を聴きながら、頭に浮かんだのは、万葉集の
「うらうらと照れる春日にひばり上がり、心悲しも独りし思へば」(大伴家持)
だった。

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         終演後、うれしそうに抱き合う演奏者達
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by didoregina | 2009-08-31 17:44 | コンサート | Comments(3)

ベルギーの来シーズン古楽コンサート

備忘録代わりに、来シーズンのベルギー(家から平日夜でも日帰り可能な範囲のハッセルト)における、これはと思える古楽コンサートをリストアップする。

9/13 Barthold, Sigiswald & Wieland Kuijken : Haydn
Ricercar Consort: Haydn
ハイドンの日と称するミニ・フェス。里帰り中で行けないが、日本で芸大公演「アリオダンテ」聴けるからいいんだもん!

10/8 La Pettite Bande: Bach Brandenburges Conserti
18ユーロでブランデンブルク全曲だから聴きに行こう。

10/11 Anne Cambier (sp) & Jan Vermeulen (fp) : Mozart & Haydn
日曜の朝コンサートで14ユーロ

10/26 Ricercar Consort : Ode on death of Mr. Purcell  Blow
これのみ、リエージュのフィルハーモニーホールでの公演

11/17 Raquel Andueza (sp) & Jesus Fernandez (theorbo): D'Amore e tormenti
     Monteverdi, Strozzi, Kapsberger, Ferrani, Piccinini
これは、絶対聞き逃せない。14ユーロ

12/22 DeFilhaomonie (Herrewseghe): Beth, Boccherini, Haydn
ハイドンのチェロコン、18ユーロ

2/11 Gesualdo Concort Amsterdam: Madorigali
     D'india, Zarlino, Gesualdo, Sweelinck, Scharlatti
アムステルダムの古楽アンサンブルでスウェーリンク全歌集録音中。18ユーロ

3/2 Huelgas Ensemble (Paul van Nevel): Passio domini nostri Jesu
Cipriano de Rore    これも18ユーロだ

3/10 Concertgebouw Kamerorkest + Simone Lamsma (V): Vivaldi, Bach, Corelli
ピアノの先生とも組んだラムスマ嬢のバロック・コンサートやいかに?18ユーロ

4/8 Vlaams Radiokamer & Strijkersensemble: Stabat Mater
Pergolesi, A. Scarlatti, D. Scarlatti
スターバト・マーテルの3バリエーションを一挙に聴けて、14ユーロ

4/22 Emma Kirkby & Jakob Lindberg (lute): Orpheus in England
     Purcell, Dowland
かなり好みじゃない歌手だが、引退前に一度はナマで聴きたい。曲目は好みで14ユーロ

6/1 Jordi Savall + Ton Koopman
またも、でた!マーストリヒトでも同プロ公演するが、ベルギーでは16ユーロと半額以下だから、こっちに行こうっと。

大体において、古楽系コンサートは料金設定が低めであるが、それにしてもベルギーは安い。
オランダで同じコンサートだと最低でも20ユーロから35ユーロくらいは取られる。
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by didoregina | 2009-08-06 20:46 | コンサート | Comments(0)

カッチーニの「エウリディーチェ」  超レア・バロック   その4

ベルギーのブルージュ周辺で行われている古楽音楽祭MAフェスティヴァルの「モンテヴェルディ・ミニ・フェスティヴァル」に出掛けた。
場所は、ブルージュからローカル支線で2つ目のリセウェッヘ、うちの最寄り駅からだと3時間の電車の旅だ。

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リセウェッヘは「白い町」と称しているが、駅舎の窓やドアには板が打ち付けられ無人。町というより村で、カフェが2軒、レストランが2軒。そんな村でのミニ・フェスティヴァルだから、臨時インフラ設営が重要で、野外簡易食堂とトイレが設置されていた。

会場の教会裏手の草地には、ビールやサンドイッチを売る売店とテーブルや椅子が並べられ、野外食堂になっていて、マリンバ演奏などが聴ける。
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モンテヴェルディ・ミニ・フェスなのに、聴きに行ったのは、カッチーニの「エウリディーチェ」である。
これは、題名や作曲家名はマイナーとはいえないが、演奏される機会は少ないから、超レアといっても許されるのではないか。また、録音のほうも、昨年世界初録音CDが発売されたくらいだ。胸を張って超レアと名乗れよう。
その世界初録音を行ったアンサンブル Scherzi Musicali が、コンサート形式で演奏するのだ。
そのことを前日に知り、期待はいやが上にも高まった。チケットは、3週間くらい前に予約したからなんとか手に入ったが、当日はソールドアウトだった。

Giulio Caccini L'Euridice @ O.L.V. kerk in Lissewege
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Scherzi Musicali:
Céline Vieslet, soprano
Marie de Roy, soprano
Laurence Renson, mezzo sopraan
Magid El-Bushra, contratenor
Reinoud Van Mechelen, tenor
Olivier Berten, bariton
Nicolas Achten, dirigent en bariton




カッチーニとペーリは、競ってオペラ「エウリディーチェ」を作曲した。フランス王アンリ4世とトスカーナ大公王女マリア・デ・メディチの結婚祝祭典のためである。
ペーリのほうは、オペラ「ダフネ」の作曲で世界最初のオペラ作曲家として、また、結局ペーリ版「エウリディーチェ」が採用され祝典に実演されたことで、音楽史上優位に立つが、カッチーニ版のほうは、世界最初のオペラ楽譜として出版されたことで名を残した。
同じ歌詞のオペラを二人が競作したのだから、盗作と言い合ったりして、二人の作曲家の確執も凄いものがあったとされている。

とにかく、そのカッチーニだが、性格はともかく音楽の才能には優れていた。
声楽、リュート、ハープその他の演奏家としても一流で、モノディー形式などの音楽理論の先駆者でもある。

初めてナマで聴くカッチーニの「エウリディーチェ」は、小さなリセウェッヘの村には不釣合いなくらい大きく、いかめしくそそり立つ聖母教会で演奏された。
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1985年生まれのNicolas Achten率いる若手古楽アンサンブル Scherzi Musicaliは、(歌手の2人を除いて)本当に若い人たちの集まりだ。

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              演奏前の調律に余念がない。

16ユーロの自由席だったが、ごくごく早めに入場したので3列目正面、VIP席の真後ろでラッキーだった。
器楽構成は、オルガンとチェンバロ、テオルボと歌(バリトン)、ハープ、チェロ、リュート3種の5人で、男女3人ずつの歌手が複数の役柄を歌う。
なによりも見ものは、リーダーのニコラ・アクテン(またはニコラス・アハテン)が、テオルボを弾きながらオルフェオの役を歌うことだ。彼のパートにバリトンと書いてあったので、テオルボの兄貴分楽器のバリトンかと最初は思ったが、正真正銘声がバリトンなのだった。
ないものねだりの欲を言えば、リラなんか演奏しながらだったら、もっと視覚的にパーフェクトなオルフェオになったかもしれないが。

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     立ったまま、テオルボの弾き語りで主役オルフェオを歌う。

通奏低音はオルガンが主にリードを取る。チェンバロをオルガンの上に乗っけて、鍵盤奏者は一人でがんばるが、チェンバロが聴けたのは、間奏曲とその他少々だった。
まず、テオルボとリュートの出だしが合わなくて、なんだかずっこけてしまった。
ハープ奏者の女の子はきれいな子だが、他の弦楽器の音が大きくて、ハープが聞こえてこないので残念。

プロローグは、カウンターテナーによるトラゲディアの状況説明のような歌だ。祝祭のためだから、ハッピーエンドになると最初からおことわりを入れる。
ちょっと、ボリウッド・スターみたいなルックスのカウンター・テナーは、表情が豊かでリリックな歌声で、他の歌手とは一線を画していた。

そのあとで第一幕が始まり、村人(牧人とニンフ)とエウリディーチェが入り混じって、オルフェオとの結婚を祝福する。牧歌的で、しかしメランコリックな歌が続く。バロック・オペラ黎明期だから、なんだかルネッサンス歌曲と区別が付きにくいようなメロディーだ。春風駘蕩で麗らか。
ところが、ダフネ(カウンター・テナー)が現れて、エウリディーチェが蛇にかまれて死んだとの悲報をもたらし、一同悲しみに打ちひしがれる。

休憩なしにニ幕めに続く。ヴィーナスに連れられてオルフェオは、冥界にエウリディーチェを取り戻してもらいに行く。規則は規則だ、譲れない、と言う冥界王にとりなしを頼んだのは、オルフェオの美声に心を動かされたプロセルピーナ(自分も冥界と外界を半年毎に行き来する例外的存在)その他で、結局、エウリディーチェは、生き返ることができた。

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三幕目も、どんどん続く。胸騒ぎで落ち着かない村人に朗報が伝えられ、その後は、二人の幸福を讃える歌でクライマックス。そして、あっけないフィナーレ。
といっても、音楽では華やかさは押さえられ気味で、喜びの表現も控えめである。その後のバロック・オペラとは比較にならないほど、全てがお上品なのだ。やんごとなき人の結婚のため、典雅荘重を旨とすべしとの、トスカーナ大公国およびフランス王国宮内庁からのお達しがあったのだろうか。

さて、指揮者兼主役オルフェオを弾き語った、ニコラ君は、登場したときから、なんだかとっても典型的ベルギー人に思える容貌が目を引いた。どこが、一体そう思わしめるのかと考えているうちに、ピンときた。
タンタンそっくりなのだ。髪型といい、表情といい、スレンダーな肢体といい、タンタンを実物にしたら彼になる。
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          特に横から見ると、髪型がタンタン

彼の名前をググルと、ラルペッジャータによるモンテヴェルディの「テアトロ・ダモーレ」が出てくるけど、歌で参加してるの?
まだ若いのに、フランダース・オペラの若手養成スタジオでも教鞭をとっていて、今月末は、「ポッペアの戴冠」の指揮をする!関係者だけの内輪公演なのが、残念だ。
そんな、才能ある彼だから、今のうちに唾つけとこうと思う。
ご祝儀として、高かったが(20ユーロ)、会場で同CDを買った。ニコラ君による詳しいライナーノーツと歌詞が付いているから、許そう。
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by didoregina | 2009-08-05 10:00 | バロック | Comments(11)

ブルージュのMAフェスティヴァルに行きたい

bonnjourさまの熱心なPJ様布教活動のおかげで、盲点だったフェスティヴァル・サイトに辿り着いた。PJ様と日本で公演するラルペッジャータのサイト経由である。

ベルギーのブルージュで行われるMAフェスティヴァルのことは、寡聞にして知らなかった。コンクールも兼ねた古楽フェスティヴァルのようである。今年は7月31日から8月9日までで、テーマはModern Times in Early Musicとなっている。約1週間半で35のコンサートがある。(サイトは主にオランダ語のみだが、アーチストのページにいくと説明はフランス語だけだったりドイツ語だけだったりで不親切。)

その中でわたしが目をつけたのは、8月2日にリセウェッヘで行われる「クラウディオ・モンテヴェルディへのオマージュ」と名づけられたミニ・フェスティヴァルの日の、カッチーニのオペラ「エウリディーチェ」公演である。
ペーリのオペラと同年に、同タイトル同テーマで作られたものだから、世界で2番目か3番目に古いオペラだ。上演されることは至極まれだと思うから、ぜひとも一度ナマで観たいものだ。丁度日曜でマチネなのがありがたい。演奏は Scherzi Musicaliというアンサンブルだが、アーチストは誰でもいい、このオペラを上演してくれるという奇特な人たちならば。

その日はまた、チェコの Ensemble Inegalによる、愛と憎しみのマドリガルというテーマの、モンテヴェルディの「タンクレディとクロリンダの戦い」もある。このアンサンブル、全然知らないのだが、名前に聞き覚えがあるのは、8月末にユトレヒト古楽フェスティヴァルにも出演するからで、密かに目をつけていたのだ。しかし、ユトレヒトのほうは、彼らのコンサートと、同日のフランス・ブリュッヘン指揮によるハイドン「十字架上の7つの言葉」は、チケットが売り切れになってしまった!ブリュッヘンのが売り切れというのはわかるが、このチェコのアンサンブル、実は相当な隠れファンの多いビッグネームなのか。
(ユトレヒトのほうは、様々なアンサンブルが色んなヴァージョンの「十字架上の七つの言葉」を演奏するので、ブリュッヘンは諦めて、アル・アイレ・エスパノールの方を聴きにいくつもりだ。)

それ以外の日には、マリア・バヨによる「ファウスティン・ボルドンへのオマージュ」と題したリサイタルや、ローレンス・ザゾの「狂気と月の音楽」と称したカッチーニ、ディンディア、ダウランド、カムピオン、パーセル他の歌曲のリサイタルがある。
そして、ラルペッジャータは「オルフェオの竪琴」と題したコンサートで、ルイジ・ロッシのカンタータとエール・ド・ペラを演奏する。
これらは、いずれも夜8時以降開演なので、日帰りでは無理だ。きっぱり諦める。

夏のブリュージュは、北のヴェニスの名に恥じず、観光客で溢れかえる。でも、こんなに盛りだくさんの古楽コンサートがあるのは、今まで知らなかったのが残念だが、なかなかよろしい。中世・ルネッサンスの町並みがそっくり残るこの町の教会で聴く古楽は、雰囲気抜群だろう。
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by didoregina | 2009-07-06 14:30 | バロック | Comments(8)

2009/2010年シーズンの古楽コンサート

各地のコンサートホールの来シーズン・プログラムが出揃った。
家から無理なく、平日でも日帰りで行ける範囲での、古楽コンサートを備忘録代わりに書き出してみる。

日付 会場 アーチスト(指揮):作曲家 曲名
9/20 O.L.V. Gli Erranti (Alessandro Casari): Orlandus Lassus Prophetiae Sibyllarum, Cipraiano de Rore Vergine cyclus  全然知らないイタリアのアンサンブル。毎年恒例の音楽フェスティヴァルMusica Sacraの一環。

10/22 St. Jan Nederlands Bachvereniging: Johann Kuhnau, H.I.F. von Biber
今年も何回かあるオランダ・バッハ協会のコンサート。これは、あまり魅力がないプログラム。

10/26 O.P.L. Ricercar Consort (Pierlot): Blow Funeral music for Purcell
リエージュのホール。活動拠点が家から近く、「マース川流域バッハ・フェスティヴァル」なんてのもやってた。

11/4 Philips Orchestre des Champs-Elysees (Herreweghe): Schuman Cellocon., Mendelssohn Schotse 古楽コンサートではないが、シューマンのチェロ・コンチェルトは好きだ。

11/5 Philips Brabants Orkest (van Velthoven) + Zomer: Handel, Mozart, Haydn
ヨハネット・ゾマーがモーツアルトとハイドンを歌うからには、聴かずにはいられない。

11/8 Heerlen Collegium ad Mosam: Corelli, Scarlatti 地元のバロック・アンサンブル。今年はORWと組んで「ダイドー」も 。このコンサートのあとでワイン試飲会があるのに惹かれて。

1/20 Maastricht Nederlands Bachvereniging (Alan Curtis): F.B. Conti David  カーティスの指揮とコンティの「ダビデ」というマイナーな曲に興味津々。

1/31 Philips Johanette Zomer, The Gents & Python Saxofoonkwartet: Monteverdi, Scarlatti, Gershwin, Copland, Barber, Bernstein なんという組み合わせ!

2/20 O.L.V. La Risonanza (Fabio Bonizzoni): Monteverdi Vespero della Beata Vergine リゾナンツァによるモンテヴェルデイのマリア・ヴェスペルス を聖母教会で!

3/20 Kumulus Jos van Immerseel + Claire Chevallier: Schubert シューベルトのピアノ4手。プログラムは全然古楽ではないのに、古楽コンサート・シリーズのひとつ。

3/25 Philips Orkest van de 18e Eeuw (Frans Brugen): Bach Johannes Passion ブリュッヘン指揮18世紀オケによる「ヨハネ」。マイケル・チャンスも来る。

4/1, 2 Philips Brabants Orkest (Paul Goodwin) + Zomer: Bach Matthaus Passion 魅力あるのはゾマーのみ。

4/25 Philips Holland Baroque Society + Rachel Podger: Vivaldi Vioolconcerten
なんだか、いまいち魅力を感じないけど、マチネなので行くかも。

4/27 O.L.V. Nederland Bachvereniging (v. Veldhoven) + Zomer: Schutz, Bohn, Buxtehude, J.C. Bach, J.S. Bach 一体何回目になるゾマー? でもきっと行く。

4/28 Philips Orchestra & Choir of the Age of Enlightment: Monteverdi Mariavespers 平日夜だからエイントホーフェンまでは多分行かない。

5/13 Heerlen Tafelmusik Baroque Orchestra + Ronald Brautigam: Mozart, Haydn
カナダのバロック・アンサンブル。ブラウティハムがフォルテピアノでモーツアルトのPコンを弾く。

5/30 Philips Amsterdam Loeki Stardust Quartet: Sweelinck, Palestrina, Purcell, Vivaldi, Caldini, van Steenhoven 色々ヴァラエティに富んで楽しそうだ。

6/5 St. Jan Jordi Savall + Ton Koopman: Ortiz, Selma y Salaverde, Marais, Bach, Cabanilles, Rossi 出ました、シーズン最後のオオトリにふさわしい!サヴァールとコープマンという旧コンビ復活。この教会なら音響も悪くない。



これで、古楽コンサートは全部網羅しただろうか。(色でなんとなく、熱意を表してみた。)
これ以外にも、普通のコンサートやリサイタル、オペラにも当然行くから、取捨選択は、結局、その時その時の、義理しがらみや気分次第になると思う。
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by didoregina | 2009-06-05 16:15 | コンサート | Comments(8)

Quirine Viersen @ De Doelen

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Date: 19-04-2009 11:00
City: Rotterdam
Hall: De Doelen
Program: with Benjamin Schmid and
Silke Avenhaus
Schubert: Pianotrio op. 100
Schönberg: Verklärte Nacht,
trio version




オランダ人チェリスト、クィリン・フィアセンを聴きに(見に)ロッテルダムまで足を伸ばした。
ご覧の通り、美人である。美しい女性がチェロを弾く姿ほど惚れ惚れできるものはないだろう。

photo by Marco Borggreve


一般的にどうもオランダ人女性の花の盛りは短く、きれいなのはせいぜい10代後半から20代前半まで。子供を生んだとたんぶくぶくと太りだす人が多く、しかも老けるのが早い。

ソロ弦楽器奏者、特に女性ヴァイオリニストは、次から次へと若くてきれいな女の子が売り出されていく、競争の激しい世界である。ちょっとでも、美貌に衰えの徴候が見えたら終わりのようである。音楽的にはどんどん深まり成熟する年代であっても、おばちゃんヴァイオリニストには出番は少ない。一線は退き、後から続く可愛い子にスポットライトが当る場所は譲らざるをえないのだ。老兵は死なず、ただ消え去るのみ。。。

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photo by Marco borggreve

彼女は、1972年生まれだから、決して若くはないが、ヴァイオリンほど競争の激しい世界に身を置いていないことが幸いしてか、まだまだ売れっ子である。
そして、その演奏解釈は、外見に似て理知的だ。研究熱心でもある。3年前のエリザベート王妃コンクールのヴァイオリン部門のTV放送のゲスト解説者として1週間彼女が感想を述べたが、とても謙虚で好感が持てた。

期待してコンサートに臨んだ。
シューベルトのピアノ・トリオは、特にチェロが活躍する曲ではない。ヴァイオリンにどうしても押しまくられてしまうソンなパートである。それでも、彼女の存在感は抜群であった。姿かたちが美しいと音楽も美しく聞こえるからトクである。
ヴァイオリニストはどうでもよかったが、ピアノ・パートは彼女の相棒、シルケ・アヴェンハウスなので、息はもちろんよく合っている。また、彼女のピアノがとてもよかった。明瞭で流麗、そしてダイナミックなのだった。

シェーンベルクの「浄夜」のトリオ版というのは演奏される機会はめったにないと思う。いったいCDも出ているのかどうか、疑問である。
このウィーンの世紀末の雰囲気たっぷりの、シェーンベルクにしては聞きやすい曲は、チェロのパートがヴァイオリンよりとてもよかった。
デーメルの詩を基にした、月夜の晩森を散歩する男女。女は不倫とその結果の妊娠を告白するのだが、月に憑かれて血迷ったのか、男はそれを許す、という内容である。これを音楽で表すとどうなるか。
その情景が目に浮かぶような曲想と構成になっている。つまり叙情的でスリリング。少し毒があり官能的で美しい。
静かに唐突に終わるが、なぜかすがすがしい気分にもなれる、という不思議な曲である。

今日のピアニスト、シルケ・アヴェンハウスがツェムリンスキーのピアノ曲集を録音したCDを持っているが、そこにも同じくデーメルの詩に基づく4つの作品が収められている。彼女は、ウィーン的な情感を力強く表現するのが得意なようだった。
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by didoregina | 2009-04-19 21:51 | コンサート | Comments(0)

Severin von Eckardstein @ Kasteel Rijckholt

今シーズン3度目のゼフェリン・フォン・エッカルトシュタインである。これはレーピン様とタイ記録になるので、追っかけしているかと思われる向きも多いだろうが、彼のほうから3回もマーストリヒトにお出でくださったのだ。鴨がネギ背負ってやって来た、というのは不適切な表現だろうが、ジビエ好きのわたしにとっては、これが実感である。

演奏会場は、我が師ペーターが、レッスンとコンサートのために借りているお城、ライクハルト城の別館であった。
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このお城の広間でわたしも土曜日にレッスンを受けている。室内楽コンサートも普段はこちらで行う。客席とステージの境がなく、インティメイトな雰囲気が室内楽にふさわしいのだが、せいぜい100人までしか入れない。
フォン・エッカルトシュタインくらいのクラスのピアニストとなると、何百人でもお客は集まるが、彼のご希望は200人限定であった。これは、主催者のペーターにとって、芸術とソロバン勘定のせめぎあいになるところである。結局、ピアニストの意見は尊重された。城の敷地内だが堀の外側にある、もと御者と馬車のための館が会場となった。
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ここでは、週末などに、結婚披露宴など各種パーティが開かれる。
今回は、演奏会の後、ハイ・ティーも利用できるようになっていた。

演奏曲目は
シューベルトのソナタ ハ長調 D840
ブラームスのバラード 作品10
アルカンのスケッチ集から12曲(!)
プロコフィエフのソナタ2番 作品14
で、自分のピアノ世界を全開陳します!、とでもいう意欲的なものであった。
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まあ、1曲目のシューベルトは、ソナタでも大曲ではないので軽い手ならしだろう。
別にイチャモンつけるようなところはみつからなかった。

2曲目、これはなかなかに骨太で重厚。ブラームスにしてはとっつきやすくて、唯一好きな曲なのが、ファン・エッカルトシュタインらしいひたむきで純粋な音作りが、圧巻だった。ペーターの意見では、これが今回のリサイタル中の白眉だった。彼の音楽性とマッチしていたのだろう。異論はない。

休憩の後、アルカンのミニアチュール作品集から、極短い曲を抜粋して聴かせてくれた。
こういうレアな曲はなかなかナマで聴く機会がないので、選曲としてはいいセンスだと思う。しかも、彼は全部暗譜で弾いた。こういう短い曲ばっかり12曲も暗譜というのは、しんどい作業だ。順番からして忘れそうなものなのに。しかし、アルカンなど聴いたことないという人が多いので、間違えても誰にも分からない、という利点もあるだろう。
実はわたしはアルカンのピアノ全集を持っているが、こういう曲は聴き込むというタイプのものではない。大曲の間の余技とまでは言わないが、たまに誰かが演奏してくれたらラッキー、と思うに留まる曲だが、彼の演奏はそんなレベルではない。真剣勝負である。ほとんど、新たな音楽世界に目を開かされた思いがしたほどだった。


            アルカンのスケッチ集より1番

そして、フィナーレを飾るのは、待ってました、プロコフィエフのソナタ2番。
プロコフィエフはわたしにとって、聴くのも弾くのも好きな作曲家だ。特に体力のある若手ピアニストには好まれる曲が多い。技術上難しいので、聴くほうも弾くほうもそれなりの心構えがいるし、若いピアニストとしてはそれを上手く演奏することで満足感と爽快感も得られるのだろう。だから、どうしても機械のように無機的でアクロバティックな演奏になるか、腕力と指回りの勝負、というだけで終わってしまうことが多いのだ。
それが、フォン・エッカルトシュタインの場合、全く違うプロコフィエフだった。いかな難曲であっても、エリザベト王妃コンクールで優勝した彼にとっては技術上の問題はないから、いかに彼らしい音楽性を表現するかに尽きるのだが、それが意外なことにも、自然で流麗な印象のプロコフィエフだったのだ。例えば、スイスのベルンで街中を流れる川の水が軽快なリズムを清冽に奏でているかのような。プロコフィエフと川の流れという組み合わせで意表を突かれたが、アルプスから直接流れ出る水しぶきの透明な水色が、音楽として聞こえてきたのだった。

今回も満足の行く演奏会だった。
そのあとに控えたハイ・ティーでは、私服に着替えたピアニストといっしょにケーキを食べたりすることができたのは、ペーターの主催するコンサートならではのうれしいおまけである。メトネルのCDを買ってサインも貰った。
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by didoregina | 2009-03-23 17:56 | コンサート | Comments(4)

来シーズンのコンセルトヘボウでのバロック・コンサート

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コンセルトヘボウの来シーズンのプログラムが発表になったが、全150ページなので紹介しきれない。さずがに超一流どころを迎えしかも変化に富む内容であるから、興味のある方のためにリンクを貼ったので要チェック。多分オランダ語だけだから、曲目は分かりずらいかもしれないが、アーチスト名からカンを働かせて。
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その中で特にバロック・ファンの皆様のためには、以下のバロック・シリーズがお勧めである。
先日のサラ・コノリーとフライブルク・バロック・オーケストラのコンサートも企画したFred Luitenという呼び屋さんによるシリーズである。

zondagmiddag, 18 oktober 2009, 14.15: La Petite Bande, leiding: Sigiswald Kuijken: alle 6 Brandenburgse Concerten van Bach.

zondagmiddag, 10 jan. 2010,, 14.15: Freibruger Barockorchester, Collegium Vocale, div. solisten o.l.v. Masaaki Suzuki. Bach-programma.

zondagmiddag, 25 april 2010, 14.15: Michael Chance, Lisa Larsson, Frans Fieselier, Musica Amphion: Vivaldi, Händel en Bach

maandag 31 mei 2010, 20.15: Andreas Scholl, Akademie für Alte Musik Berlin, Vocal Concort Berlin, div. solisten, o.l.v. Marcus Creed: Händel (Dixit Dominus), Bach (cantata 35 voor alto), motet BWV 226

アンドレアス・ショルのだけ月曜日だが、他は全て日曜のマチネという遠方に住むわたしのことを念頭に入れてくださったかのようなプログラムである。
全シリーズまとめて4コンサートで160ユーロ、3つなら140-145ユーロ、もちろんばら売りも可能だ。またもや、愛読紙のNRC経済新聞がこのシリーズに協賛していて、読者優待制度というのもある。
でも、1番惹かれるのは、ショルの出るコンサートなんだけど月曜日なのでどうしようか、と悩むが、それはそれ、まだ1年以上先のことであるから間近になってから考えよう。
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by didoregina | 2009-03-08 11:35 | バロック | Comments(7)

Peter Caelen en Hans van Kerckhoven@ Muziekschuur

日曜日にはピアノの先生ペーターと相棒のヴァイオリニスト、ハンスのコンサートに行ってきた。
レーピン様のマスタークラスはパスして。

国境を越えてすぐ、家から車で15分ほどのベルギーの小さな村にある、個人のお宅でのサロン・コンサートである。毎月1回サロンを開放してコンサートを開いているのは、私と同年輩のベルギー人女性である。アントワープ出身でファッションセンスが抜群。初めてお会いしたのに意気投合してしまった。
その自宅も、ご主人がニキ・ド・サン・ファールみたいな張子アーチストなので、その作品やミクロネシアの木の彫刻や楽器コレクションが沢山飾ってあり、広々とモダンでアーチスティックなだけでなく、大きな窓からは裏庭に続く丘陵地帯が借景として広がり、目を楽しませてくれる。

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J. Brahms: Scherzo in c WoO2
S. Prokofief: Vijf Melodieën op. 35b
P.I. Tschaikowski: Valse-Scherzo
F. Busoni: Sonate nr. 2 in e, op. 36a



プログラムを見たら、プロコフィエフとブゾーニという好きな作曲家の作品なので、聴きに行きたくなったのだ。(当日はチャイコフスキーの代わりに、サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」になった。)
ペーターとハンスはもう数年コンビを組んでいて、何回かそのコンサートを聴いているが、彼らはいつも選曲のセンスがいい。そして、弟子でありながらうるさい批評もするわたしが拝聴しつつ挑むのを、先生は楽しみにしてくれている。

ブラームスのスケルツォは、彼らがよくアンコールに演奏する曲で、私は聴きなれているが、あまり普通は演奏されない、しかしいい曲である。まずは手馴れた曲で始めたのがよろしい。

プロコフィエフは、やはりもともとピアニストだな、と思わせる作曲家である。逆に言うとヴァイオリン曲ではあまりいい曲を作っていないと思う。ヴァイオリン・コンチェルトなんて難解だし、聴いててあまりうれしくない。この「5つのメロディー」は、初めて聴くが、やはりあまり耳に残らないというか、心に響いてこなかった。
現代的で、今日の聴衆もあまりついていけないようであった。しかし、おなじみの曲ばかりでは面白くないから、紹介というか教化の意味でこういう曲を入れるのもいい。

難解な曲の後は「ツィゴイネルワイゼン」でお客さんを喜ばせるのを忘れない。これは盛り上げるためのサービスである。
ハンスの独壇場になるので、ペーターは心の中で苦笑いしていたと思う。
ハンスのヴァイオリンは、グァルネリでお気に入りなのだが、小柄な彼によく合っている。(レーピン様もここ数年はグァルネリだが、とにかく体がでかいので彼が手にすると子供用のヴァイオリンに見える。。。)
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休憩の後はブゾーニで、やはりこれが本日のメインであった。ブゾーニもピアニストなのにヴァイオリン曲はなかなか悪くない。しかしブゾーニらしく、ピアノ・パートがかなり難しいため、ピアニストが弾いているのを見ていると苦しくなってくる。それで、なるべく目をつむって聴いた。瞑想に向く曲である。

コンサートの後は、地下室でアップルワインが振舞われた。アップルワインを飲むのは初めてだ。この地域の特産品で、知らなければりんごから作ったとはとても思えない、ぶどうで作った白ワインそっくりの香りと味わいだ。
感嘆していると、ご主人がご自慢のセラーを案内してくれた。日本原種の「ながふ」というりんごはアップルワインに適していると教えてくれた。熟成中の木の樽が5つと、発酵させるステンレスやガラスの樽が6、7並び、壁の片面は、ボトルに入った7,種類のアップルワインが並んでいる。ちょっとしたお店並みである。

本日の聴衆は40人くらいか。初めての人とも和気あいあいになれ、おしゃべりもはずむ、こういうサロンコンサートが好きである。ワインも美味しく居心地がいいため長居をしてしまい、わたしとシンディさんが最後の客になったのだった。
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by didoregina | 2009-03-04 22:07 | コンサート | Comments(9)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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