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『ペレアスとメリザンド』@モネ劇場

『ペレアスとメリザンド』は、ドビュッシーが作曲を完成させ上演にこぎつけることのできた唯一のオペラ作品である。初演は1902年だから100年以上前であるが、オペラとしては前例のないタイプで、世紀末というより20世紀の幕開けを感じさせる、好きな作品だ。

雲の中に浮かんでいるような、霧か霞のようなヴェールのかかったような色彩を聴覚化したオーケストレーションのとらえどころのなさと、アリアらしいアリアがなく、語りともレチタティーヴォとも言いがたい歌がオーケストラ音楽と渾然一体化して夢幻の世界そのものだが、オペラとしては画期的なその音楽書法に馴染めない人もいるだろう。
これは、絶対に舞台形式で鑑賞しないとよさがわからないオペラである。
そして、主な役はできればフランス語ネイティブの歌手で揃えて欲しい。


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            2013年4月14日@モネ劇場

Pelléas et Mélisande
Claude Debussy   

Muzikale leiding¦Ludovic Morlot
Regie¦Pierre Audi
Decors¦Anish Kapoor
Kostuums¦Patrick Kinmonth
Belichting¦Jean Kalman
Koorleiding¦Martino Faggiani
Pelléas¦Stéphane Degout (14, 17, 19, 23 & 25 April)
Yann Beuron (16, 18, 20 & 24 April)
Mélisande¦Sandrine Piau (23 & 25 April)
Monica Bacelli (14, 16, 17, 18, 19, 20 & 24 April)
Golaud¦Dietrich Henschel (14, 17, 19, 23 & 25 April)
Paul Gay (16, 18, 20 & 24 April)
Géneviève¦Sylvie Brunet-Grupposo
Arkel¦Jérôme Varnier (16, 18, 20 & 24 April)
Frode Olsen (14, 17, 19, 23 & 25 April)
Un médecin¦Patrick Bolleire
Un berger¦Alexandre Duhamel
Le petit Yniold¦Valérie Gabail
Orkest¦Symfonieorkest en koor van de Munt

今まで、モネ劇場では100ユーロ以上の座席に座ったことが一度もなかった。どんなに贔屓の歌手が出る演目でも、せいぜい80ユーロ止まりであった。しかし、安い席すなわち視界に難ありであるのは資本主義の哀しい事実でもある。このところ、あまりに舞台が見切れる席ばかりで欲求不満が溜まっていた。特に、先シーズンから全演目がオンライン・ストリーミングされるようになって、映像と実際の舞台とを見比べ、舞台全体がよく見えない席で鑑賞する短所をイヤというほど知らされてしまったのだ。
それで、今回は、マチネ初日の平土間最前列の席(カテゴリー1)にした。見る気満々である。

当初のキャストは、メリザンド、ペレアス、ゴローにソプラノ+バリトン+バリトンの組み合わせとメゾ+テノール+バリトンの組み合わせの日替わりダブル・キャストになっていた。モネではこういう風にキャストを音域別に組み合わせ、分けたりすることがよくある。主役がメゾとCTに分かれる場合もある。
歌手の組み合わせによって、同じ舞台でも印象は全く異なるものになるはずで、それが狙いなのだ。

わたしが狙っていたのは、もちろん、ピオー(s)、ドゥグー(b)、ヘンシェル(b)の組み合わせで、主役二人はフランス人で理想的。勝手にAキャストと思っていた。
ピオーの出演するマチネは初日だけだ。バラ売りチケットはマチネだと取りにくいが仕方ない。オンライン発売日、なぜか最前列右よりの席が一つだけ空いていたので、迷わずゲット。

しかるに、初日舞台の幕が開く前に、インテンダントのデ・カーリウが目の前に現れた。初日を祝う挨拶ではなかろう。
「サンドリーヌ・ピオーは、数日前から筋肉を傷めており、まことに遺憾ながら
本日から幾つかの公演をキャンセルすることになりました。代役はメゾ・ソプラノのモニカ・バッチェリが務めます。彼女はテノール・ペレアスとの組み合わせキャストで出演しますので、このプロダクションのメリザンド役は歌も演技も精通していて全く問題ありません。ただし、バリトン・ペレアスとの組み合わせは今回が初めてとなります。その点、皆様のご理解を頂きたく、お願い申し上げます」
と言うではないか。

ピオーは筋肉を傷めた、とデ・カーリウははっきりと言った。喉の故障ではないし、病気でもない。筋肉を傷めて出演不可になるとは、一体どんな演技が必要とされる舞台なのだろう。
(帰宅後、モネのサイトを見ると、キャスト変更がアナウンスされていて、ピオーは最後の2公演のみ出演。モニカ・バッチェリが代役で歌う3公演と、ピオーが歌ってバッチェリが演技する1公演がある!それ以外は、全てバッチェリ。)

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         舞台装置模型 (モネのサイトより拝借)

演出はピエール・オーディで、舞台デコールはアニッシュ・カプーアである。(この二人のコンビは昨年のDNO『パルジファル』でも実現)

オーディの演出は、写実的な演技が少なくてゆったり静的な動作と、抽象的なイメージ重視で、一点豪華主義とも言えるシンプルな視覚造形が典型的である。
近現代美術に近いミニマルなアプローチの視覚造形で観客の感性に訴える。舞台装置に写実性も日常性も入り込まず、演技も簡素ですっきりしているので、見る側の想像力を刺激する。基本的に好きなタイプだ。
全体のスケールが大きくてちまちましたところがなく、舞台装置や照明が写実を排した象徴的なものなので、夢幻能のような『ペレアスとメリザンド』のようなオペラには特にピッタリだ。

カプーアも、アーティストとしては割りと好きである。彼がこの作品のためにデザインした舞台デコールなのに、まるでオーディを特徴付けるアイコンそのもの。二人の感性は似通っているのだろう。

巨大な赤いチューブが正面から見るとねじれた円形を形成していて、この形状もカプーアのアイコンそのものである。メヴィウスの輪を思わせるねじれた立体には窪みと膨らみがあって、動物の(人間の)内臓のようでもある。子宮もしくは心臓の一部のように思われる。そう思ったのは、以下のプロローグのような語りからの連想である。

舞台の幕が開く前、音楽が始まる前、暗闇の中で数人の女の子の語りが聴こえてくる。
(こういう、もともとのオペラのリブレットにはないプロローグのような語りや、音楽が始まる前に別の効果音が流されるというパターンの演出が、今シーズンのモネ劇場には何度か見られた。)
「夜が明けたようだわ。太陽の光が隙間からもれてくる。もっと開けて光を見たい。光の方に出て行きましょうよ」というようなミステリアスな内容で、すなわち、誕生とか自由への希求を思わせるのだった。

そして、いつの間にか指揮台に上がっていた指揮者に照明が当たると、オーケストラが音楽を奏で始める。
もたもたと登場する指揮者に拍手、という型どおりのパターンから脱した導入だから、観客は日常から飛躍していきなりドビュッシーの夢幻のような音楽世界に入り込めた。音楽と舞台の一体化を最初から見事に具現している。


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今までこの作品は、『ペレアスとメリザンド』という感じで、タイトルにあるペレアスの影は薄くて、ミステリアスかつとらえどころのないヒロインに男達が翻弄される物語というイメージを抱いていた。ところが、今回のプロダクションでは、ペレアスもゴローもアルケル王も大変に存在感があって、メリザンドの方が、影のような儚い女性像である。
メリザンドを取り巻く男性三人にイニョルドを加えた、男たちのドラマという趣になっているのだった。

残念ながら降板したピオーに代わってバッチェリ演じるメリザンドは、無色透明でつかみ所のない謎の女というより、暗い過去をひた隠しにしている逃亡奴隷、もしくは肉親にいたぶられ続けたせいで精神を病んでるみたいな印象なのだ。
彼女の顔にも声にも、苦悩の色がにじんでいる。メゾのバッチェリの声には、全体に重さが感じられるため、いかにも過去を背負った女という雰囲気になるのだ。
ピオーが出演する日に録画されるようだったら、ストリーミングでは、バッチェリとの違いをディクションも含めてぜひ聴き比べたいと思っている。

メリザンドはスキンヘッドで、薄いドレスの腹部には最初からずっと赤黒い血がべっとりと付いている。
それだけでもいわくありげである。

面白かったのは塔の場面で、世紀末風髪フェチシズムの見せ場なのだが、近年のプロダクションでは、そのものズバリ長い髪の鬘を被ったヘア・メークは避ける傾向があるのだが、今回は、ドレスのウエストあたりにほとんど目に付かないような薄い金髪が付いていて、赤い巨大なデコール上部にいるメリザンドがそのドレスに付いた金髪らしきものを垂らす、というものだった。
童話的ないかにも古臭いイメージから脱却していてスタイリッシュで面白い。

そして、最後の死の床の場面では、メリザンドはブリュネットのロングヘアーになっているのだった。
スキンヘッドというと罪人のイメージに結びつくから、ロングにしたことで彼女の汚れなさ・無実を象徴しているのだろう。
ペレアスとの仲を疑い問い詰めるゴローに応えるメリザンドの「私たちは疑われるようなことは何もしていないわ」にも、そのせいで説得力が加わる。

ゴロー役のディートリッヒ・ヘンシェルは、このところモネ劇場での活躍が著しいというか欠かせない歌手である。
ニヒルなルックスで外観も声にも存在感が充満しているヘンシェルは、嫉妬に心を燃やす中年の王太子という同情されにくく損な役どころのゴローを、魅力溢れる男に変えてしまった。優柔不断なペリアスよりもずっと男らしいゴローだから、彼の苦悩も理解しやすく、観客としては彼に肩入れしたくなってしまう。味わいがあって上手いのである。
中年男の哀愁の表現力という点で、ヘンシェルには端倪すべからざるものがある。

マッチョで狩好きなゴローにとって、メリザンドは森の中の鹿のごとく獲物の性格を帯びて映っているはずだ。動物的肉体の化身であり、征服欲の対象なのだ。だから、彼は自分でも意識せずにメリザンドを追い詰め痛めつけてしまうのである。追う者と追われる者の関係には、接点がないという切なさ。

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         指揮のモルロットとペレアス役のドゥグー

内省的で控えめなペレアスは、言葉少ない、というより理路整然とした話のできないメリザンドに対して、傷つきやすい者同士が傷を舐めあうごときソウルメイトの存在を投影していたのだと思う。
だから、抽象的な会話で成り立つ二人の世界に満足していたのではないか。
それなのに、メリザンドは訳の分からない言葉やコケティッシュな態度で、ペレアスを妙に刺激してしまった。しかし、メリザンド自身は自分の言動のもたらす影響を全く意識していなかったのだ。
それは無知・無垢と言えば言えるし、彼女の罪ではないのだが。

ペレアス役のステファン・ドゥグーが、実に素晴らしい。
今まで、イマイチ印象の薄い人物だなあと思っていたペレアスだが、ドゥグーによってイメージが改まった。この役は、彼のために作られたのではないかと思われるほど説得力がある。というより、もう、ペレアスそのものになりきっている。
テノールに近いような伸びやかな高音で、エレガントな鼻音を響かせる彼のフランス語のディクションの美しさにうっとり。(だから、ピオーとのフランス人コンビで聞きたかったのに!)
苦悩する若き王子ペレアスに、ハムレットやトリスタンの姿が重なって見える。
ドゥグーの来シーズンのモネでの『アムレ』タイトル・ロールにも期待したい。


また、年老いたアルケル王も、なぜかメリザンドには惑わされてしまう。老いらくの恋をひと時夢見てしまったのかもしれない。

そして、イニョルド。
父親に無理強いされて、メリザンドの部屋を覗いたりするのだが、彼も実は若い継母に淡い恋心を抱いていたのではないか。そう思わせるような苦悩のそぶりを見せるのである。

そういう風に、周りにいる男達全てを魅了してしまうメリザンド自身の存在は、実は月の夜の森に漂う霧のように曖昧である。
実体ではなく欲望・望みの投影対象としての女。これもファム・ファタールの一つの典型である。


このプロダクションは、5月4日から24日まで、モネ劇場のサイトからオン・デマンドでオンライン・ストリーミング公開される。

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by didoregina | 2013-04-17 14:54 | オペラ実演 | Comments(6)

来季デュモーが出演するオペラから窺えるCT冬の時代

ヨーロッパ各地の歌劇場が、次々に来季の演目を発表している。
今まで比較的バロック・オペラ上演に熱心だった歌劇場でも、来季は全くないところもある。
(例えば、ネーデルランド・オペラ。モネ劇場だって寂しいものだ。)
そうかと思えば、バイエルン州立歌劇場では久しぶりにバロック・オペラが2作も上演される。

そして、ミュンヘンでの『ラ・カリスト』リバイバル公演のキャスト表の一番上になんと
デュモー選手の名前が挙がっているではないか。ティム・ミードがエンディミオーネ役で
出演することは既に知っていたので、すわミュンヘン初遠征なるか、と浮き足立ってしまった。
しかし、その下をよく見ると、題名役はダニエルちゃん。。。。

これは性質の悪い冗談かわたしへの嫌がらせか。それとも、ダニエルちゃんとわたしは運命の
赤い糸で繋がれていて分かち難いのか。わたしの遠征先に彼女の影はいつでも付きまとうのだ。
腐れ縁などと言って笑ってはすませられない。
しかも、デュモーの役は小さな役のかき集めみたいなもの。(以前、モネ劇場で鑑賞した『ラ・
カリスト』に同じ役でチェンチッチが出演していたのだが、全く印象に残っていないほど)
ミュンヘン遠征の夢は、あえなく崩れた。

チューリッヒ歌劇場の演目発表では、2月1月の『アルチーナ』(マレーナ様がルッジェーロ役)
に全神経を集中していた。でも、それ以外にも面白そうな演目が沢山ある。
例えば、今シーズンにも上演されたヘンデル・パスティーシュ・オペラのSaleが12月1月に
再演され、フォン・オッターと並んでデュモー選手も再登場!




5月6月公演の『ウリッセの帰還』にもデュモー選手は出演するが、ここでも複数のチョイ役だ。

こうしてデュモー選手の来季スケジュールをちらりと見ただけでも、カウンターテナーの冬の
時代を予感させるものがある。
箱の大きな歌劇場はバロック・オペラには不向きだから、ちゃんとした上演はヴェルサイユとか
アン・デア・ウィーンとかに集中してしまうのも仕方がない。それから、ドイツの地方都市の
歌劇場も侮れない。これらの歌劇場の来シーズン・プログラム発表に望みをかけよう。


↓は、デュモーの歌うヴィヴァルディの『スターバト・マーテル』


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by didoregina | 2013-03-21 15:08 | カウンターテナー | Comments(12)

ネーデルランド・オペラ(DNO) 2013/2014年演目発表

訂正・追記あり。1,2月は『指輪』ツィクルス>

アムステルダム歌劇場(Het Muziektheater)の De Nederlandse Opera(DNO)が
2013・2014年のプログラムを発表した。
演目はというと、二年続けて非常にオーソドックスなラインナップで、あのトンガリ具合も今は昔と
いうか、まるでどこかの首都の歌劇場のような様相を呈している。

ワーグナー・イヤーということで右に倣えという態度は世間体もあるだろうからまだ許せるとしても、
1998年の指輪プロダクションをこれで最後だからと言い訳してまたもや上演するってのは?
そこには、すなわち、25年目に突入するというオーディ体制の悪しき弊害がはっきりと現れている。
それらの演出もオーディなのだ。。。
1,2月の『指輪』ツィクルスを最後の花道として、オーディはDNOを去るのだろうか。

8,9月  『ジークフリート』 ハーンヒェン指揮 オーディ演出

10月   グルックの『アルミード』  ボルトン指揮 コスキー演出 カリーナ・ゴーヴァン!
      新プロダクション

11月   『神々の黄昏』  ハーンヒェン指揮 オーディ演出

12月   プロコフィエフの『賭博師』  アルブレヒト指揮 ブレト演出! ナジャ・ミヒャエル!
      新プロダクション

1,2月  『ニーベルンゲンの指輪』ツィクルス  ハーンヒェン指揮 オーディ演出 
     (『ラインの黄金』だけかと勘違いしていたことをお詫びし、ここに訂正します。)

3,4月  『ランメルメールのルチア』  リッツィ指揮 ワーゲマーカース演出 
      2007年のプロダクションの再演  マリナ・レベカとイスマエル・ホルディ!

4,5月  『アラベラ』 アルブレヒト指揮 ロイ演出! アンネッテ・ダッシュ!
      ヨーテボリとフランクフルトのプロダクション

5月    『ファウスト』 ミンコフスキー指揮! アレックス・オレ演出! ソニア・ヨンケヴァ
      新プロダクション

6月    マルテイン・パディングの『ライカ』 シーベンス指揮 ミック演出
      新作の世界初演   トマス・オリーマンスとクレロン・マクファデン

6月    『ファルスタッフ』 ガッティ指揮 カーセン演出
      ROH スカラ METとの共同プロ


何これ、一体?ほとんどコメントすべき内容がない。。。がっくり、悄然。
しかし、『アルミード』『賭博師』『ルチア』『アラベラ』『ファウスト』『ファルスタッフ』は
観てもいいかな、というか、演目があまりにオーソドックスなだけに、演出に期待できそうな気も
しないでもない。いや、するしかないだろう、アムステルダムの面子にかけても。

バロック・オペラはひとつもない。カウンターテナーが出演するオペラも全くない。(コンセルトヘボウ
のコンサート形式で、3つくらいはあるが)
ときめきが感じられないし、安全第一でチャレンジ精神が見えないという、これは世界的傾向なの
だろうか、時代の趨勢なのだろうか。なんともはや、寂しいことである。
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by didoregina | 2013-02-26 22:57 | オペラ実演 | Comments(24)

マレーナ様、バーデン・バーデンでドンナ・エルヴィーラ!ネトレプコ、シュロット、ピサローニと共演!

あまりの驚きに、キーを打つ手も震えがちです。
さきほど何気なく、マレーナ様のオフィシャル・サイトを覗くと、2013年オペラ出演のお知らせが
でていました。つい先ほどアップされたばかりのようです。

それによりますと、今年バーデン・バーデン祝祭劇場の『ドン・ジョヴァンニ』のドンナ・エルヴィーラ
役で出演、しかもアンナ・ネトレプコ、アーウィン・シュロット、ルカ・ピサローニ、チャールズ・カステル
ノーヴォと共演!と書いてあるではありませんか。

劇場サイトで確かめると、指揮はヘンゲルブロック、そして上記出演者の名前は出ていますが、
ドンナ・エルヴィーラ役歌手もマレーナ様の名前も見当たりません。急に決まったのでしょうか。
ともあれ本人がオフィシャル・サイトに書いているのだから、これ以上確実な情報の出所はありえず、
ガセネタということはないでしょう。
『ドン・ジョヴァンニ』の公演日程は、5月17、20、23、26日で、まだチケットは予約可能のよう
です。
いったいわたしは、どうしたらいいのでしょうか。。。
こういう事態になるとは全く予測していませんでした。マレーナ様がネトレプコと共演。。。

また、マレーナ様は来シーズンには、チューリッヒ歌劇場の『アルチーナ』にルッジェーロ役で
出演することが決まっています。タイトル・ロールはチェチリア・バルトリです。ああ、ここも高いし
バルトリ姐主演ということでチケット争奪戦になるのは必至だし。。。

まずは、4月のウィーンでの『ベアトリスとベネディクト』の予習CDを聴いて頭を冷やしながら
考えてみます、いったい、どうすべきか。。。
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by didoregina | 2013-02-22 14:18 | マレーナ・エルンマン | Comments(10)

今年は、カウンターテナー・ルネッサンス

追記いくつかあり)
今年も昨年と同様、特に若手カウンターテナー(CT)を応援し、各地での活躍を見守っていきたい
と思っている。
先週の『セルセ』@デュッセルドルフでは、近い将来CT界を背負っていくに違いない二人の若手
歌手(ヴァラー・バルナ=サバドゥスとテリー・ウェイ)の実力を目の当たりにすることができた。
生舞台での彼らの歌唱は頼もしい限りで、まさにCTルネッサンスを実感させたのだった。

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なぜ、あえてカウンターテナー・ルネッサンスなどどと仰々しいタイトルを掲げたのかというと、CT界に
おける新旧交代は既成事実となった今、そこから一歩先に進んで、バロック・オペラのルネッサンスにも
寄与してもらいたいという願いを込めているからだ。
メゾ・ソプラノに拮抗する声域と歌唱の安定性およびテクニックに加えて、男性ならではのパワーを身に
付けしかも進化を続けるCTを若手有望CTとして注目していきたい。

彼らのスケジュールを追ってみよう。

まず、クリストフ・デュモー
1月と2月に、ルネ・ヤーコプス指揮フライブルク・バロック・オーケストラにユリア・レジネーヴァ
その他の共演でヘンデル『時と悟りの勝利』を演奏会形式に出演。この公演はウィーンとパリだけかと
思っていた。なにげなくFBOのサイトを見ると、なんと、ケルンでも2月15日にコンサートがある
ではないか!
デュモー選手の公式サイトがないのと、マネージメント会社もスケジュールのアップ・デートをあまり
行わないので知らなかった。とんだ落とし穴である。同行してくれる人がいたら行きたい。。。
4月と5月は、NYのメトロポリタン歌劇場でジュリオ・チェーザレ』のトロメオ役。デヴィッド・ダニエル
ズとの対比も鮮やかに、新世代CTの魅力を一般オペラ・ファンにもアピールしてくれるだろう。

追記
マドリッドの国立歌劇場の来シーズン演目が発表された。すると、11月にデュモー選手がパーセルの
『インドの女王』に出演することがわかった。そして、同月18日にコンサート形式で1回きりだが
パーセルの『ダイドーとイニーアス』もある。ケルメス姐がダイドーでヌリアちゃんがべリンダ!もしも
マドリッド遠征をするなら、17日か19日の『インドの女王』と組みあせたら万全である。
また、皆様十分ご承知とは思うが、11月にはバルセロナでマレーナ様、サラ様、ダニエルちゃん他
出演の『アグリッピーナ』も上演させるから、特に日本からヨーロッパ遠征される方は、スペインだけで
これら3演目を上手く組み合わせることも可能だ。

追記その2
書き忘れていたが、マックス・エマニュエル・チェンチッチは今年も忙しそうだ。比較的近場に登場する
のだけ挙げる。
9月にパリ、ウィーン、アムステルダムで『アレッサンドロ』!チッチはアムスのコンヘボではいつも
マチネ公演してくれるのがサーヴィス満点。サイン会を見越して既にCDゲット済み。
ユリアちゃんその他女性陣の競演が楽しみだ。
11月にフランクフルトでグルックの『エツィオ』。これも共演者が誰なのか気になる。CDがセールに
なってるから、一応買っておこうか。11月にヨーロッパ遠征する気になってる方には、ファジョーリの
『リナルド』@ウィーンもあるし大変だ。(ファジョーリは、10月にミュンヘンで『セメレ』にも出演)


ヴァラー・バルナ=サバドゥス(略して鯖奴。マダム貞奴の男性版として羽ばたいてもらいたい)
3月にヴェルサイユとリヨンでペルゴレージ『スターバト・マーテル』
3月~6月にギーセン市民劇場で、ヘンデル『アグリッピーナ』のネローネ役!(オットーネ役には
テリー・ウェイ。)セルセに続いてまたしてもマレーナ様の当たり役ネローネを歌うというのが興味深い。
マレーナ様ネローネは11月にバルセロナで公演が決まっているから、二人を聴き比べてみたい。
7月は、エクサンプロヴァンス音楽祭でカヴァッリの『エレーナ』にメネラオ役で出演。


フランコ・ファジョーリは、今年も各地でのスケジュールがぎっしり詰まっている。
詳しくはアルチーナさんのブログをご参照いただきたい。


イェスティン・デイヴィスも凄まじい売れっ子ぶりなので、興味深いもののみ記す。
3月にNYで鈴木雅明指揮BCJによるバッハとメンデルスゾーンの『マニフィカト』他に出演。
3月にロンドン、パリで『ヨハネ受難曲』
4月にハンブルク、5月にイギリスでブリテンの『アブラハムとイサク』出演。ボストリッジ、キンリー
サイドと共演。
5月にカナダでヘンデル『テオドーラ』ツアーにダイディムス役。ゴーヴァン、ルミューと共演。
6月にウィーン、7月にミュンヘンでベンジャミンのWritten on Skin出演。バーバラ・ハニガン共演。
10月にNYメトでブリテン『真夏の夜の夢』オベロン役。


ティム・ミードも同じく売れっ子ゆえ、主なものだけ記す。
3月4月に各地で『スタバ』『メサイア』『ヨハネ』に出演。
4月ロンドン・ウィグモア・ホールでヘンデル『エスター』に出演。来シーズンは、『テオドーラ』で
サラ様との共演も決まっているので、ヨーロッパ・ツアーがあることを期待している。
5月ゲッティンゲン・フェスティヴァルでヘンデル『ヨゼフとその兄弟』
6月ロンドンでヘンデル『スザンナ』
6月ロンドンのENOとアムステルダムのホランド・ファスティヴァルでブリテン『ヴェニスに死す』アポロ。
12月ヨーロッパ各地で『メサイア』出演。
来年1月ミュンヘンでカヴァッリの『ラ・カリスト』エンディミオーネ役!

ここで注目していただきたいのは、ミュンヘンの来シーズン演目に少なくとも2つバロック・オペラが
入っていることだ。10月にフランコ・ファジョーリが出演するヘンデル『セメレ』と1月にティム・ミード
出演の『ラ・カリスト』がある。
後者は、数年前に上演されたものの再演と思われるが、久しぶりにミュンヘンでも本格的なバロック・
オペラが若手CTの出演で上演されるという事実から、CTの活躍がバロック・オペラ・ルネッサンスに
貢献していると思えるのだ。


さて、お馴染みCT以外にも、新たに期待できそうなCTを見つけた。
galahadさんのつぶやきで、7月のブレゲンツ・フェスティヴァルでアンドレ・チャイコフスキー作曲の
オペラ『ヴェニスの商人』が世界初演され、CTも出演するという情報を得た。
そのCTとは一体誰だろうと興味を持って検索した結果、面白い事実が色々と発見できた。

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        打掛から作られたと思しき素敵なドレス姿のアルタセルセ!

クリストファー・エインズリーという南アフリカ出身(現在ロンドン在住)の若手CTである。
彼の名前は全くノーマークだったが、既に様々なバロック・オペラに出演しているのだった。ノーマーク
だったのは、比較的マイナーな場所ばかりで歌っていたからだ。
その中でも面白そうなのは、ヘンデルと同時代のイギリス人作曲家トマス・アーンの『アルタセルセ』
のタイトルロール。

↓にアーンの『アルタセルセ』からIn Infancy, our Hopes and Fearsを貼る。



このアルタセルセの歌はずいぶんとシンプルだし、音域的にも普通のテノールでも歌えそうで、あまり
CTらしさが堪能できないが、エインズリーが歌うヘンデルの『パルテノーペ』『ゴーラのアマディージ』『ロデリンダ』やモーツアルトの『アポロとヒュアキント』などの動画を色々発見したので、次回また
紹介してみたい。

もっと興味深いのは、そのアーン(『ルール・ブリタニア』で有名)のマイナー・オペラをロンドンで
上演したClassical Opera Companyが作成した、作曲家についてのプロモーション・ヴィデオだ。



『アルタセルセ』は、CTが5人登場することで昨年話題になったレオナルド・ヴィンチ以外にも
様々な作曲家によるいろんなヴァージョンがあり、奥が深そうである。
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by didoregina | 2013-02-08 13:17 | カウンターテナー | Comments(14)

ヘアハイム演出の『セルセ』@デュッセルドルフ

カウンターテナー(CT)のヴァラー・バルナ=サバドゥスがタイトル・ロールの『セルセ』を
デュッセルドルフの歌劇場で鑑賞した。ここ数年、テクニックの向上が著しい若手CTたちの活躍
には目を瞠るものがあるが、サバドゥス君のナマの声を昨年12月にケルンでの『アルタセルセ』で
聴いて、今後一番期待できる成長株に違いないから目が離せない、と思った。
彼の場合、メゾ・ソプラノに匹敵する高音での安定した歌唱に加えて、声の芯に男性ならではの
力強さがあって魅力的なのと、既に技術的にもかなりのものを身につけているから様々な表現が
可能で、歌唱に多彩な色を付けることができるという点が、同じ舞台の他のCTと聴き比べた結果
印象に残った。これらに関しては、同行のsarahoctavianさんとも意見の一致をみた。

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         サバドゥスの『セルセ』ポスター

『セルセ』といえば、一昨年の10月にマレーナ・エルンマン主演のエイドリアン・ノーブル演出プロ
ダクションをウィーンで鑑賞している。通常はメゾ・ソプラノがタイトル・ロールで、CTによる『セルセ』
は、近年稀である。
デュッセルドルフのプロダクションは、コーミッシュ・オパー・ベルリンで昨年初演されたものとの共同
プロで、演出はステファン・ヘアハイム。KOBでのトレイラーを見てその面白さに圧倒され「絶対に
実演を鑑賞したい!」と思ったのが、図らずも一年を経ずして近場で願いが叶えられた。
しかもベルリンとは異なり、今回はヘンデルの初演と同じく主役がCTによって歌われるのだから、
興味津々。
しかし、期待度からいうと、ヘアハイム、セルセ、サバドゥスの順だった。


Xerxes   Handel  2012年2月3日@Deutsche Oper am Rhein Dusseldorf

***
Dramma per musica in drei Akten
Libretto nach Niccolò Minato und Silvio Stampiglia
Deutsche Übersetzung von Eberhard Schmidt
In der Einrichtung von Stefan Herheim

In deutscher Sprache

MUSIKALISCHE LEITUNG  Konrad Junghänel
INSZENIERUNG  Stefan Herheim
SZENISCHE EINSTUDIERUNG  Annette Weber, Stefan Herheim / Stefan Herheim / Annette Weber
BÜHNE  Heike Scheele
KOSTÜME  Gesine Völlm
LICHT  Franck Evin, Stefan Herheim, Johannes F. Scherfling / Stefan Herheim / Johannes F. Scherfling / Franck Evin
CHORLEITUNG  Christoph Kurig
DRAMATURGIE  Alexander Meier-Dörzenbach

XERXES  Valer Barna-Sabadus
ARSAMENES  Terry Wey
AMASTRIS  Katarina Bradic
ARIODATES  Torben Jürgens
ROMILDA  Heidi Elisabeth Meier
ATALANTA  Anke Krabbe
ELVIRO  Hagen Matzeit
CHOR  Chor der Deutschen Oper am Rhein
ORCHESTER Neue Düsseldorfer Hofmusik


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ヘアハイム演出の『セルセ』の基本コンセプトは、Xerxes = Sex Rexという点に集約される。
そして、それは王道で正しいアプローチである。

元々の『セルセ』のリブレットはニコラ・ミナートが書いたもので、カヴァッリ作曲で1654年に
ヴェネツィアで上演された。カヴァッリ、ヴェネツィアというキーワードですでにピンとくるだろうが、
ストーリーはハチャメチャで、王様からして変態だからいかにも当時のヴェネツィア好みの色情狂
の乱痴気騒ぎの舞台だったことだろう。
ヘンデルの『セルセ』は、ミナートのリブレットをスタンピーリャが1694年に改訂したもので、
ロンドンでの初演は1738年だが、ヴェネツィア・バロック・オペラらしさは色濃く残っている。

まず、色情狂のバカ殿にきりきり舞いされる回りの人間達の五角関係が笑いを取るストーリーの核
であるが、そこに庶民が参加するカーニヴァル的混乱という要素も加味されている。それは手紙の
差出人と受取人の取り違えや行き違いという筋および男装・女装・変装という形で端的に現れている。
また、音楽的にも、ダ・カーポ・アリアがなくてアリアが短く、レチタティーヴォも簡略化されている
というのも庶民に受けることが重要だったヴェネツィア・オペラ的である。コミカルな要素の方が強い
ブッファのようなセリアなのだ。

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         『オンブラ・マイ・フ』に引き続いての牧歌的風景の演出には
          文字通り、牧人と羊が舞台に登場。浅薄さがヴェネツィア的。


しかし、ヘアハイムの演出はまた二重構造になっている。
すなわち、時代設定がヘンデルの時代のロンドンと思しく、登場人物たちは劇場の役者であり、
芝居と地の部分とが入り組んでいるのである。回り舞台に設えたデコールが、衣裳部屋や楽屋と
劇中劇の「舞台」とにスムーズに変化する。劇場の舞台機構や衣装は、いかにも当時のバロック
らしいもので、それを現代のオペラ舞台にも利用しているのが楽しい。(舞台裏で操作する人たちも
ちゃんと当時の衣装を着ているから、作業や舞台裏が見えても統一感が失われない)

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         セルセの元婚約者アマストレは、衣裳部屋で兵士の服装に着替え
         変装して「舞台」に紛れ込む。

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         「舞台」上でのセルセ・ショー。バロック・ジェスチャーや
          襖のようなデコールやルイ14世がバレエを踊ったときのような
          衣装など、すべてがバロック・オペラおよびHIPのパロディー。


この『セルセ』プロダクションは、ドイツ語上演である。有名な歌はイタリア語で歌われるものも
あったが、その他の歌や台詞はドイツ語であり、レチらしいレチもないため、特に最初の方では
こちらがドイツ語に慣れるまで、ブッファというよりもうほとんどオペレッタ見てるような気になった。
第一部では、二人のソプラノ歌手によるロミルダとアタランタ姉妹が地の場面では全く同じドレス、
髪型、帽子だったので区別が付きにくく、ドタバタのやり取りがドイツ語であるので、ヘンデルの
オペラらしかねる印象を与え、ロココ調の衣装も相まってウィーンのオペレッタみたいに感じられ、
なんだか締りがなかったのが残念である。それだけが不満と言えば不満だが、それもまた巧妙に
仕組んだ演出の一部であり、ヘンデルのオペラ舞台ではよく起きたというソプラノ歌手同士の対立・
葛藤を、そっくり姉妹の喧嘩という形にして卑近にわかりやすく見せているのではないかとも思えた。

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         アタランタは、蓮っ葉でヘレナ・ボンナム=カーターそっくり。

ウィーンでのノーブル演出『セルセ』では、ロミルダに可憐な妖精のようなアドリアーナちゃん、
アタランタがキンキンと騒がしい小悪魔のダニエルちゃん、という対比が見事だった。
それに対して、ヘアハイム演出版での姉妹役の歌手はもうちょっとトウがたってて、オバサンぽい。
ロミルダ役の歌手はエマ・トンプソン(ワトソンではない)に似てるし、アタランタ役歌手は、
ヘレナ・ボンナム=カーター風の雰囲気である。だから、ロンドンの街頭が舞台になると、もう
コスチューム映画のパロディーそのものである。

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     サバドゥス君セルセはジョニー・デップに似ていて、『スウィニー・トッド』を思い出した。

芝居小屋が文字通り舞台になっているし街頭が舞台となる地の場面も、もろにスラップスティック・
コメディー風のギャグ満載である。例えて言えば、レスリー・ニールセンの『ネイキッド・ガン』に
近い。上の写真のシーンは、アタランタがセルセにロミルダを殺すように仕向け、これでもかと
エスカレートして様々な手段を差し出していくのだが、それがスラップスティックそのもの。
視覚的トリックのオン・パレードで見ていて楽しいが、歌っている歌手にはちょっと気の毒なものも
ある。歌唱があまり印象に残らないのだ。

セルセの歌は、各幕にほぼ一曲ずつ聴かせどころがあるのだが、最後のアリアを除いては、もう
あまりに視覚的要素が凝りすぎていて、歌を聴かせるのは2の次になっていた。
だから、最後のアリアには全く演技らしい演技がないのが逆に不満に思えるほどで、技巧的にも
アクロバティックな曲だからそれは歌手にとっては有り難いかもしれないが、マレーナ様は、
ここでも迫真の演技をしつつ超絶技巧を聴かせ、歌い終わると肩で息をしていたが万雷の拍手だった
なあ、と懐かしく思い出されてしまうのだった。
この歌がKOBのトレイラーに入っているのを聴いたときは、あまりにスローで切れの悪いテンポに
がっかりしたのだが、当日のサバドゥスの歌唱およびユングヘーネルの指揮による演奏には、ベル
リンのとは別物のようにしっかりとした躍動感が加わっていてうれしくなった。

指揮者のユングヘーネルは、もともとリュート奏者だったようだ。カントゥス・ケルンなどで指揮をして
いるし、昨年ケルンでの『ポッペアの戴冠』の指揮者も彼だった。チャンバロ奏者出身(ルセや
ファゾリス)やヴァイオリン奏者(スピノジ)出身だったりするのとリュート出身とでは、皆それぞれ
当然ながら音楽の作り上げ方や指揮にどこか異なるものがある。
ルセやファゾリスがオペラを指揮すると、いかにも通奏低音がしっかりとベースに置かれたきちんと感
および実際にチャンパロの弾き振りをしているのを目にすると音楽の流れは自分が引っ張るんだという
意識が強く感じられるのだが、ユングヘーネルの場合、おおまかな線はリードしてもその他は演奏家
と通奏低音奏者に任せる、という部分が多いように感じられた。そのせいかどうなのか、ヴァイオリン
がぶつぶつと細切れっぽく聴こえ、スピノジ指揮のような流麗な弦の伸びのよさと弾けるようなドライブ
感に気持ちよく浸ることはできなかった。
しかし、難しいトランペットはしっかりと決まっていたし、オケ・メンバー全体のレヴェルは高い。

また、オーケストラ・ボックスに歌手が入り込んで、オケ・メンバーや指揮者とも文字通り掛け合い
漫才のような演技をすることも多かった。

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               セルセとアリオダテ

セルセのパートは、高音から低音の幅が広いのみならず、一気に駆け上ったりコロコロころがしたり
技術的にもアクロバティックな要素が多いので難しい。だから、通常のCTには音域的にほぼ無理
なのだが、美しい高音を苦もなく出せるサバドゥス君にはピッタリ。彼の場合、高音の発声が澄ん
でいて無理を感じさせないというのが最大の長所だ。そして、男性的なルックスであるので、こういう
バカ殿役にはうってつけである。メイクでかなり志村けんが入ってて変態チックになっていた。
この点が、マレーナ様セルセとの大きな違いで、ジョニー・デップ風を取り入れてはいたが、マレーナ
様セルセはあまりにかっこよすぎて、変態演技は上手いけど、なぜロミルダにあれほど嫌われるのか
理解できなかった。
サバドゥス君の今後の課題は、アジリタをもう少し滑らかにすることと、高音部分にももう少しだけ
男性っぽい暗さを入れて一本調子でなくするということだろうか。装飾の入れ方にも今ひとつ工夫が
必要だ。そうでないと、長いアリアで演技がない場合単調でちょっと飽きてしまう。

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          カーテンコールで、テリー君は右はし。

もう1人のCTとして、弟アルサメネ役にテリー・ウェイが出演しているのにも注目していた。
彼の声は、録音で聴くとはっきりとわかる暗さがあるアルトなので、アルサメネ役に向いていると
思ったが、ナマの声はもっと澄んだ感じで、サバドゥスとの違いがそれほど感じられないのだった。
これは予想外だったが、しかし、二人とも若いので兄弟役としてはとてもフレッシュでバランスが
上手く取れていた。
ルックスもなかなかかわいくて、バカ殿ルードヴィッヒ2世=ヘルムート・バーガー的なサバドゥス君に
対して、王弟オットー1世=ジョン・モルダー=ブラウンみたいな感じでよかった。
歌唱に関して望む内容はサバドゥス君同様で、今後も期待できるから精進を続けてもらいたい。

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          劇場カフェで開演前と幕間にコーヒーとトルテ!

デュセルドルフ歌劇場は、70年代に建てられたものでどの席からも舞台がよく見えるし、音響的に
問題もなく、値段設定が低いから、これからも面白い演目があったら通いたいほどだ。
日曜マチネだったが満席で、しかも万雷の拍手やブラーヴィで、この演目・演出はとても受けていた。
外ではすでにカーニヴァルの「ハーラウ」が聞こえていたほどで、ラインラントのカーニヴァル地域
だからこういうものが受けるような素地があると思える。

だから、今、切に希望しているのは、昨年ナンシーのみで舞台形式で上演された『アルタセルセ』を
再来年の再演にはぜひ、ここデュッセルドルフに持ってきてもらいたいということだ。
ヘアハイム版『セルセ』を受け入れられる歌劇場なのだから、5人CTが出演して女装とケレンミ
たっぷりの舞台『アルタセルセ』も、絶対に大丈夫だ。
パルナッソス社長のジョージ・ラング氏には、ぜひともこの劇場との交渉を進めていただきたい。
    
         
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by didoregina | 2013-02-05 12:39 | オペラ実演 | Comments(31)

モネ劇場の『椿姫』をオン・デマンドで

ブリュッセルのモネ劇場は、昨シーズンから、全ての演目を千秋楽が終わってから3週間
劇場サイトで全編を全世界に向けて公開、オンライン・ストリーミング配信している。
劇場主導型の無料視聴サーヴィスとしては、画期的である。

2012年12月の公演は『椿姫』で、サイトからのオンライン・ストリーミングは終了したが、
ヴェルディ・イヤーということでTV局のArte が放映した映像が現在ArteLiveWebから
オン・デマンド配信されているので、あと4ヶ月は見ることができる。
配信期間はまだまだ長いから、いずれそのうちに見ようと思って先延ばしにしているうちに
終了して見逃してしまう、ということが結構起こる(わたしの場合)ので、思い立ったが吉日、
即ご覧になることをお勧めする。(リンクを張った。多分、地域に関係なくタダで見られるはず)

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      モネ劇場では毎度おなじみトップレスの女の子達がやはり登場。


この『椿姫』は実演鑑賞しないで、モネ劇場サイトからのオンライン・ストリーミングのサー
ヴィス終了直前、『マノン・レスコー』の実演鑑賞直前に観た。
すると、この二つのプロダクションにはかなりの類似性が見出せて、とても面白かった。
というより、今シーズン最初の演目『ルル』から連綿と続く一貫性が感じられるのだった。

いずれのプロダクションでも、演出に共通するのは、玄人好みというか「初心者お断り」という
スタンスである。こういう演出に慣れていない人には、さぞかしショッキングかつスキャン
ダラスに映ることであろう。しかし、スマートでセンスがよくスタイリッシュであると感じる
とも思う。
Sで始まる形容の羅列にさらに付け加えれば、SMっぽい要素もある。

これら3作は作曲家も演出家も異なるのに、ある意味統一感があるのは、モネ劇場の総監督
ペーター・デ・カールウの美意識がしっかりと反映されているためだろう。
それから、3作とも主人公がいわゆる世間からは後ろ指をさされるタイプの女性であるという
点で共通しているから、典型的ファム・ファタールの3タイプを見ることができる。
そういう女達の悲劇であるから、ラストまで救いのない暗さが付きまとうのは避けようもない。
いずれも舞台装置・背景は黒が基調で、いかにも怪しげな人物たちばかり登場して悪の匂いが
漂う。

La Traviata
Giuseppe Verdi  2012年12月15日収録@モネ劇場

Music direction¦ Ádám Fischer
Director¦ Andrea Breth
Set design¦ Martin Zehetgruber
Costumes¦ Moidele Bickel
Lighting¦ Alexander Koppelmann
Dramaturgy¦ Sergio Morabito
Chorus direction¦ Martino Faggiani

Violetta Valéry¦ Simona Šaturová
Flora Bervoix¦ Salomé Haller
Annina¦ Carole Wilson
Alfredo Germont¦ Sébastien Guèze
Giorgio Germont¦ Scott Hendricks
Gastone¦ Dietmar Kerschbaum
Barone Douphol¦ Till Fechner
Marchese d’Obigny¦J ean-Luc Ballestra
Dottor Grenvil¦ Guillaume Antoine
Giuseppe¦ Gijs Van der Linden
Commissionario¦ Matthew Zadow
Domestico¦ Kris Belligh
Orchestra¦ La Monnaie Symphony Orchestra & Chorus

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       フローラ主催のパーティーは、あらゆる快楽のひたすらの追求に終始。
       左の椅子に座っているのが、キュートなぼんぼんのアルフレード。

ヴィオレッタが苦界の底から苦労の末這い上がったということは、前奏曲の間に舞台の後ろの
方で演じられているシーンが説明している。
高級娼婦としての成功を手に入れたヴィオレッタは物憂げかつ気品ある美しい人に変身した。
パパ・ジェルモンに対しても、風当たりのきつい世間に対しても、そして最期は落ちぶれて
ホームレスとなっても毅然と自らの人生を引き受けているという態度を崩さない。女の鑑だ。

彼女が酸いも甘いも噛み分けた大人の魅力的な女であるのに対して、ぼんぼんで苦労知らず
だったアルフレード役の歌手がアンドレアス・ショルの弟みたいなルックスの可愛いタイプ
でいかにもイノセントなのがいい。
遊び人たちの中で1人だけ場違いな身なりの彼が歌う「乾杯の歌」もおずおずと紙に書かれた
ものを読みながら、というのもリアリティーがあった。
少年っぽさの残る顔立ちで、甘いだけでない歌声には育ちのよさを感じさせる芯のような
ものがある。
全幕を通じて変化の激しい彼の、憧れ、喜び、失望、怒り、後悔、そして悲しみに至る心情の
振幅をしっかり表現できて、この役にここまでぴったりの歌手もなかなかいないだろう。

ヴィオレッタは、ちょっと幼稚なアルフレードに対して大人の女であることを強調した役柄
なので、恋する女のかわいらしさは歌唱にも込めていない。声質があまり華やかではないが
暗すぎもしないし、歓喜の表現でもこれみよがしに高音を強調したりしないので、いかにも
現代的で好感の持てるさらりとした歌い方だ。
パパ・ジェルモンに諭されて身を引く覚悟を決めた際のしおらしさと、苦い運命を受け入れる
決意表明がいじらしく涙を誘う。
あまりに華やかな技巧を聴かせるタイプの歌手だと、後半の打ちひしがれたヴィオレッタに
感情移入ができにくくなるのだが、中庸を取った彼女は最期まで飽きさせずに聴かせた。

アンニーナはヴィオレッタの女中ではなく、娼婦仲間になっている。彼女のキャラクターが
なかなか今回の演出では重要かつ際立っていた。快楽と金銭の奴隷のようだった1幕目の彼女は、ヴィオレッタと運命を共にしていくうちに人間味を取り戻し、3幕目では落ちぶれたヴィオレ
ッタを見捨てずに、文字通り身を張って最期を看取るのである。

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           ホームレスになって息をひきとるヴィオレッタ。

さて、アンドレア・ブレト女史による演出は、モネやドイツのレギーを見慣れてる人にはさほどショッキングではないし、エロ・グロの度合いも女性らしい抑制が効いていてスタイリッシュ
でさえある、とわたしは思ったのだが、なんと、この演出は近年のモネには珍しいほどの物議を
かもしたのであった。
発端は、初日でのブーイングと一部観客へのインタビューに基づいたタブロイド新聞記事らしい。
モネ劇場で演出に対して激しいブーイングが起きるというのも珍しいし、実演を観ずに書いた
としか思えない記事に反応して世間が騒ぎだし、青少年および家族連れ客に対する教育的見解
としてモネが発表した「お断りの手紙」などから発展して議論が展開され、モネのサイトに現在特別ページが開設されているほどである。
英語ページにリンクを張ったので、オン・デマンドでこのプロダクションを鑑賞した後に、
モネおなじみの演出家4人による擁護論などを読んで頂くと、自分の感想と比較できて面白さは
格別かと思う。

ワルリコフスキー演出の『ルル』でもそうだったように、性的にきわどく背徳的で露出度の高い
舞台に今回も子役が出演しているのだが、ペドフィル行為っぽい演技が行われているのと、パーティー場面および最後の幕での生々しい性描写が問題になっているのだ。
コンビチュニー演出の『サロメ』の節操のないエロ・グロに比べたら、この『椿姫』は相当
洗練されていて美しいし、モネで何をいまさら騒ぐのか、という気がするのだが。
問題のペドフィルやパーティー・シーンは、ヴィスコンティ監督映画『地獄へ堕ちた勇者ども』
やリリアーナ・カヴァーニ監督映画『愛の嵐』を思わせ耽美的でもある、とわたしには思えたが、
クリスマス前後の上演だったため家族連れや外国からの観光客が多かったとみえて、華やかで
きらびやかな舞台を期待していたら予想外にきわどいシーンが多かったので、こういう過剰反
応を引き起こしたようだ。
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by didoregina | 2013-01-30 17:25 | オペラ映像 | Comments(8)

ウェストブルック主役の『マノン・レスコー』@モネ劇場

エファ=マリア・ウェストブルックは、オランダ人ソプラノであるが、本国オランダで
オペラの舞台に立つことは少ない。ショスタコーヴィッチの『ムツェンスク郡のマクベス
夫人』で大ブレークする前はドイツのシュトゥットガルト歌劇場専属だったのが、ブレーク
後は世界を股にかける売れっ子になり、ドイツの都市およびヨーロッパの首都や、ロンドン、
ニューヨークからのお誘いでスケジュールは満杯になってしまったのだ。
近年ナマの彼女を地元で聴く機会は、アムステルダム歌劇場での『西部の娘』と『トロイアの
人々』ブリュッセルのモネ劇場での『運命の力』と『エレクトラ』があったのだが、わたしの
都合のつく日のチケットは取れなかったり、里帰り中だったり、大雪で歌劇場まで辿りつけ
そうもなかったりしていずれも諦めた。

唯一至近距離でご本尊を拝むことが出来たのは、3年前のオランダ解放記念日のアムステル川上
コンサート。
しかし、マイクとPAを使っていてナマの声を聴いたとは言いがたいし、曲目もミュージカル
歌手とのデュエットも彼女らしさが生かせない酷いものだった。

  ルー・リード作詞・作曲のPerfect Dayをデュエットで歌うウェストブルック。しかし、
このミュージカル歌手の発音と音程の酷さには唖然。むやみとドラマチックなオーケス
トレーションにも聴いてる方は居心地の悪さを感じ、欲求不満がつのるばかりだ。



そういうわけで、彼女の艶と輝きある声とオーラに魅了されながら、オペラ映像で我慢しつつ、
じっと実演鑑賞の機会を待っていたのだった。
だから、ブリュッセルなのに一泊するなど遠征にもリキが入っていた。
だが、いつもの貧乏性が出て、座席はカテゴリー4の舞台下手側、オーケストラの真横という
位置を買ってしまった。舞台を横から観るわけだから見切れる部分もあるが、舞台にはとにかく
一番近い。値段が安めなのと、ビンビン響いてくるだろうナマの声に浸りたい、真近で表情の
変化もしっかりと見たい、という魂胆もあったのだった。

Manon Lescaut  Giacomo Puccini    2013年1月24日@モネ劇場

Muzikale leiding¦ Carlo Rizzi
Regie¦ Mariusz Trelinski
Decors¦ Boris Kudlicka
Kostuums¦ Magdalena Musial
Belichting¦ Felice Ross
Video & LED design¦ Bartek Macias
Dramaturgie¦ Krystian Lada
Choreografie¦ Tomasz Wygoda
Koorleiding¦ Martino Faggiani

Manon Lescaut¦ Eva-Maria Westbroek
Lescaut¦ Aris Argiris
Il Cavaliere Renato Des Grieux¦ Brandon Jovanovich
Geronte de Ravoir¦ Giovanni Furlanetto
Edmondo¦ Julien Dran
Il Maestro di Ballo & Un Lampionaio¦ Alexander Kravets
Un Sergente¦ Guillaume Antoine
Un Musico¦ Camille Merckx
L’Oste¦ Guillaume Antoine
Coro del Madrigale¦ Amalia Avilán
Anne-Fleur Inizian
Audrey Kessedjian
Julie Mossay

幕が上がると舞台は真っ暗なままで、音楽もすぐには始まらない。後方に映し出される映像と
共に特殊音が流れて、設定した状況を観客にわからせるという仕組みだった。ごくごく短い
プロローグみたいなものだ。場所は空港のようである。即物的でわかりやすく理解に苦しむ
要素はない。

威勢のよい序曲が始まると、1階のオーケストラ真横という席なので音が予想以上にビンビン
響いてきて、耳に痛いほど。モネのオケというといつもなんだか平板で薄い印象なのが、今回は
最初から張り切って爆音をガンガン出しているのだ。
この序曲には、ストーリー展開や結末を予兆させるような悲劇性が全くなく、明るくて屈託ない。

そこへ続けて、掃除人の格好をしたエドモンドの歌が始まるのだが、声が爆音のオーケストラ
にかき消されてほとんど聴こえてこないのでイライラした。これは座席を誤ったか、と後悔する。
デ・グリューが歌いだすと、ぎりぎりでオケに負けないほどの声量なのでほっとする。しかし、
ピッコロやフルートなど管楽器が高音を響かせると、声が届いてこない。う~ん、微妙である。

舞台セットは全幕通してほとんど変わらず、空港か駅構内の待合室のようになっている。
そこに、椅子やソファーやバー・カウンターやエレベーターの扉や電話などの小物が設置して
あるだけ。
背景に流れる映像は、町並みだったり、そこを通過する電車だったりで、電車が通るときには
音楽がストップして効果音が流される。映画っぽい作りといえば言えるだろう。

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     これは3幕目だが、最初の登場も金髪で赤いトレンチコート姿だった。
     田舎から出てきたにしては娼婦っぽい格好。しかも、飾り窓みたいな赤い
     ランプで囲まれてマノンとネオンサインのある枠の内側に立つ。    

プッチーニのオペラのマノンという女にはつかみ所がない。無邪気で可愛い田舎娘かと思えば、
美貌を武器に金持ちの囲われ者として豪奢な生活を楽しんだり、昔の恋人デ・グリューが再び
現れると金持ちとの愛のない生活には飽き飽きしていると言ってみたり、そうかといって貧乏は
イヤだし物欲に取りつかれている。男が惚れたり言い寄ってくれば、愛であろうと金であろうと
差し出された餌に釣られて、ほいほいと付いていくばかりでほとんど自我というものを見せない。
存在自体が蜃気楼のように曖昧である。

マノンはその時々の男の望むままの女の姿に変身する。男の欲望の対象としての理想の女の姿を
肉体で具現化するが、それは鏡に映された客体のようなもので、マノン自体には主体性がほと
んどない。
そういう悲劇性を背負わされたマノンの宿命に光明が見えるはずもなく、ほとんどSM的に
恋愛の相手も自分をも傷つけるのである。しかし、それはマノンの責任かというと、そういう
わけではない。
マノンの存在とは、男の欲望が姿を替えて投影されただけなのだから。

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        カーテンコール。黒のトレンチコート姿がマノン役のウェストブルック。

そういう実体のあやふやな悪女を演じ歌うのが、今回のエフェ=マリア・ウェストブルックの
役割だ。
歌手としての彼女自身には存在感がありあまるほどある。それだからこそ、逆説的ではあるが
つかみどころがなく、流転するヒロインとしてのマノンが説得力を持って迫ってくるのだった。

彼女の場合、オーケストラに声がかき消される心配はない。声と同じく演技も顔の表情も変化
に富み求心力が凄まじい。彼女を中心とした世界を造り出している。
プッチーニのオペラ・ヒロインには惚れこんでいる彼女である。マノンになりきりであるが、
芯の通った歌声にも演技にも気負いは感じられない。体当たりの熱烈演技とドラマチックな
歌唱であるが、ツボを心得ていて役柄への没入の仕方が自然なのだ。




        コンサートで『マノン・レスコー』の死ぬ間際の絶唱
        Sola, perduta, abbandonataを歌うウェストブルック。


迫真の演技と余裕の歌唱でマノン役を演じきったウェストブルックに対するブラヴォーの嵐で、
オペラ初日は幕を閉じた。
        

このオペラ・プロダクションは、2月12日20時から3月4日までモネ劇場のサイトからオン
ライン・ストリーミング配信がされ、世界中で無料で視聴できる。
見切れる部分が多い席だったので、舞台演出の全体像がつかみにくかった。もう一度、ストリー
ミングでしっかり鑑賞してから、また感想を書くつもりだ。


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           初日公演だったので、柔らか物の着物で。
           藤鼠色にスワトウ刺繍の付け下げ。抜きの一つ紋入り。
           パープルに銀糸の抽象柄の洒落袋帯。
           帯揚げはボルドー・カラーで草履の鼻緒の色に合わせた。
           実は雪を恐れて、履いたのは草履形の台の桐下駄。
           帯締めは象牙色の冠組。

初日公演だし泊まったアパートメントは劇場から至近距離なので、当初は訪問着を着て行く
つもりだった。
しかし、雪で足元がぬかるんでいるかもしれないので、高価な訪問着は止めて、裄が短いため
いつか直しに出すつもりのこの着物を選んだ。裾が汚れたらクリーニングも同時にしてもらえ
ばいい。
この白に近い淡い藤鼠色とレースのようなスワトウ刺繍の着物は、オペラ鑑賞にぴったり。
大概の歌劇場の椅子は深紅で金を使ったインテリアだから、白っぽい着物が映えるのだ。
そして、トイレから出てきたら、スタイリッシュな姿の20代前半と思しい女の子が、「オー
ララ!トレ・トレ・ビアン、セ・マニフィック」と賛嘆の言葉を浴びせてくれたので、この
着物選びは大成功と確信できた。
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by didoregina | 2013-01-29 12:28 | オペラ実演 | Comments(10)

ブリュッセル雪中遠征記 その1

エファ=マリア・ウェストブルックがタイトル・ロールのプッチーニ『マノン・レスコー』鑑賞の
ためにブリュッセルに遠征した。
遠征というほどの距離ではないのだが、平日夜のオペラ鑑賞となると帰りの足が不便なので
1泊することにした。オペラ鑑賞のためだけにブリュッセルに泊まるのは初めてだ。(先月の
ケルン1泊も同様。いずれの都市も家から100kmちょっとなので、天候や時間が許せば
日帰り圏内。)

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           泊まった部屋から見えるモネ劇場

ブリュッセルでのオペラ観劇はいつもマチネ狙いで、日曜日に電車で行く。オペラ終演は
どうしても遅くなるから、平日夜だと帰りの電車がなくなるし、終わってから車を運転して帰るの
は冬だと特に億劫である。
しかし、マチネ公演の『マノン・レスコー』はBキャストで、ウェストブルックは出演しない。
どうすべきか大変悩んだが、思わぬ運が巡ってきた。主人が珍しく一週間の海外出張すること
になったのだ。ウィーンやストックホルムへの遠征も全て主人が留守の時に行っている。これで
ブリュッセルにも大手を振って遠征できる。

泊まるところを確保しなくては。なるべく歌劇場に近いホテルを探したが、平日はいずれも高めの
値段設定である。
丁度お誂え向けのアパートメントが格好の値段で見つかった。40平方メートルで1泊85ユーロは
うれしい。1人では広すぎるから、義妹を誘った。

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        窓辺のコーナー。リビング・ダイニングにはこういう窓が2つ。
        寝室は別にあり、通りに面した窓は全部で3つ。

アパートメントの場所はこれ以上は望めないほどの位置にあり、モネ劇場の斜め前。広場を突っ切
るだけである。
その日の最高気温はマイナス10度くらいであったから、これは非常に有り難い。
そして新しくて広々した部屋!家具やキッチンは機器から小物まで全て、家具付き賃貸アパートや
貸し別荘にはお約束のイケア製だが、のんびりくつろげる。

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       ダイニング・テーブル。左手奥が玄関とトイレ、浴室。
       右手奥がキッチン。テーブルの左壁側にTVセット、
       右側にソファーとサロン・テーブルが置かれている。

アパートなので自炊することが基本になっていて朝食は付かないが、近くにはカフェやレストランが
沢山あるし、スーパーもほぼ並びにあるから朝食の材料は簡単に揃えられる。
キッチン設備は貸し別荘並みに整っていて、鍋釜・食器・カトラリー類はもちろんのこと、冷蔵庫、
冷凍庫、オーブン・電子レンジ、食器洗い機、トースター、コーヒー・メーカー、電気ケトル、
電磁調理器が完備されている。電気掃除機も置いてあるし、浴室にはドライヤーもあった。
シーツ、タオル、トイレットペーパー、布巾、液体食器洗剤、スポンジ、食器洗い機用の固形洗剤
も揃っていて、ホテル宿泊と同様の荷物で大丈夫だ。(ただし、石鹸やシャンプーは置いてない。)

荷物を解いてから、外に飛び出したが、厳しい寒さと風で10分も歩くと凍えそうになる。

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         近くのホテル・メトロポールのカフェに飛び込んでお茶。

義妹は、4月のウィーン遠征にも参加することになったので、今回は二人で事前演習である。
ウィーンっぽい重厚なインテリアのカフェに入ってみた。

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         インテリアはキンキラでゴージャス、飲み物の値段はめちゃ高だが、
         味はひどかった。ショコラ・ショーは、出来合いのショコメルを蒸気で
         暖めただけの薄いヤツで、カップも小さい。それが3ユーロ90セント。
         ギャルソンの数はやたらと多くて、皆愛想がとてもいい。ほとんど、
         1つのテーブルに1人くらい付いてる感じ。それで値段が高くなってる。

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         座った椅子の後ろにある柱に飾ってあったカルーソの写真とサインと似顔絵。


ブリュセル遠征が近づくと、このところ雪と寒さのためオランダ鉄道は連日間引き運転していて、
毎日「電車はなるべくご利用なさらぬよう」との案内メールが届いたので、ベルギー鉄道の方はどう
なってるだろうか、と不安になった。

ベルギー鉄道10回乗り放題回数券(76ユーロで1年有効)を買ってある。乗る前に日付と乗車駅と
降車駅を自分で記入するという自己申告制である。それで、ベルギー国内ならどこからどこまででも
片道7ユーロ60セントというわけだ。(複数人数での同時利用も可能)

家から近いベルギーの駅はヴィセで、駅の横に大きな駐車場があってしかもタダ。高速に乗れば
すぐで、15分くらいだ。マーストリヒト中央駅へは町中を通るので渋滞の時間だと下手すると車で
30分もかかったりするし、駅付近に駐車したら1時間で3ユーロ近く取られる。ベルギーの方が
ずっと有利である。

ただし、ブリュッセルに1泊するから、車を外に1晩置くのは気にかかる。盗難と凍結が心配だ。
ドアが凍って開かなかったり、エンジンがかからなくなったら困る。それで、ヴィセとマーストリヒト
中央駅の中間にある無人駅(歩いて15分と至近)から出発することにした。まだオランダ国内
にある駅なので、ベルギーのヴィセまでの切符を買わないといけない。
これが、思った以上に大変なのだった。

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        リエージュ駅は近年カラトラバ設計でリニューアルされた。
        駅構内のグラン・カフェもオシャレに変身。

ヴィセまでの乗車時間は11分と、オランダ鉄道のサイトからは時刻表の検索はできるのに、
ベルギー国鉄管轄の国際線なので料金が出てこない。オランダ鉄道の国際路線のサイトへ
飛ぶようにと張ってあるリンク先で料金を検索すると、なんと50ユーロと出てきた。
しかも、マーストリヒト中央駅、ブレダ、ローゼンダール経由で国境を越え、アントワープ、
ブリュッセルまで出てリエージュに向かい、そこからヴィセへという人をバカにした経路だ。
乗ってる時間は6時間。
11分で行けるところへ大回りして行けと。

(年頭から運行予定だったオランダとベルギーの首都を結ぶ超高速特級Fyraは、テクニカル・
プロブレムが露見されて、全面的に運行取りやめになったから、現行の普通特級ICかフランス
の新幹線タリスを利用するほかない。1月以前のFyraの運行時刻表を元に予定を立ててブリュッ
セル・アムステルダム間を移動しようと思っている人は、プラン見直し・変更をされるよう、この場で
注意を喚起したい)

次にベルギー国鉄のサイトで料金を探すと、特別マーストリヒト路線という項目が出てきた。
さくさく検索すると、片道2ユーロ90セントで、往復5ユーロ80セントだ。オンラインで買おう。
記入する内容は、氏名、住所、メールアドレスとクレジット・カードの種類だけだが、購入ボタンを
押すと、なぜかエラー表示が出て先に進めない。
仕方がないから、駅まで行って自販機で切符を買った。片道3ユーロ60セント、往復7ユーロ
20セントとオンラインよりも割高である。
電車に乗ると、国境駅間分の切符を車掌から直に買っている人が多い。いくらなんだろうか。
次回試してみよう。

当日、心配した電車の遅れは全くなくて、リエージュでの乗り換えもスムーズに出来、予定通り
午後2時にブリュッセルに到着し、安堵に胸をなでおろしたのだった。
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by didoregina | 2013-01-26 13:52 | 旅行 | Comments(20)

『アルタセルセ』@ケルン初日は、白白歌合戦の趣で白組の勝ち

カウンター・テナー・ファンの間では、今年一番の話題はなんと言ってもヴィンチの『アルタセルセ』
上演である。
なにしろ、当世随一の人気を誇る若手実力派CTが5人も出演するということはめったにない。
これを企画し実現にこぎつけたのは、マックス・エマニュエル・チェンチッチとそのパートナーである
ラング氏の手腕に負うところが大きい。

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     ケルン歌劇場は改修工事中のため、テント・ホールでの上演。

当初このプロダクションを共同推進していたケルン歌劇場が、今年に入って財政危機のごたごたが
続き、全ての演目の上演回数を減らすことになり、しかもとばっちりで『アルタセルセ』はコンサート
形式に変更になってしまったというのが、ファンにとっては晴天の霹靂で残念無念だった。
フランスのナンシー歌劇場を皮切りに、ウィーン、ローザンヌ、パリと公演が続き、最後がケルン
だった。
(結局、舞台形式の上演が行われたのはフランスのナンシー歌劇場のみ。昨日ラング氏に確認した
最新情報によると、『アルタセルセ』は2014年に再演され、3月のヴェルサイユでは舞台形式、
5月のアムステルダムではコンサート形式の上演が決定している。その他のヨーロッパの劇場とは
現在交渉中)

1年前から楽しみにしていたケルン遠征をsarahoctavianさんと共に行った。
しかし、泥縄式予習としてはCDを1,2度聴いただけで、もうすでにネット上に全編アップされている
ナンシーの舞台動画はさわりを観ただけで、予習とは言いがたい態度で臨んだのだった。

コンサート形式になったことで事前に残念に思っていたのは、CT歌手たちの女装やバロックなコス
チュームおよび化粧によるケレンミたっぷりのちょっと倒錯した耽美の世界を見ることが叶わない、と
いう点であった。
ところが、実際に行ってみると、コンサート形式であってもそれが全く不満に感じられない上質なエン
ターテインメントになっていて、客を飽きさせないショーマン精神に満ち溢れていた。

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        終演後のサイン会には、CT4人が並んだ。(座長チェンチッチは
        サイン会には多分病気のため欠席)

まず、ヴィンチのこのオペラは、コンサート形式にもとても向いているのだと確認できた。
バロック・オペラと言ってもいろいろあるが、ストーリーが明快で、登場人物の性格づけが比較的
単純かつ心理の葛藤が込み入っていないこのオペラには、器楽演奏とレチタティーボとアリアとが
ほとんど交互に現れ、しかも登場人物に割り当てられたアリアの長さや重要度もほぼ同等。
歌われる内容は、しんみりと悩みを吐露したり、怒り狂ったり、悪巧みだったり、勇気を奮ったり、
歓喜や哀しみくらいのヴァリエーションしかない。
そういう、絵に描いたようなバロック・オペラだから、常套手段がうまく使えるのだ。
すなわち、歌謡ショーの要領で、歌手が一人ずつもしくは二人ずつ登場して、大見得を切りつつ
歌っては引っ込むという繰り返しで、歌手は全員男性(CT5人にテノール1人)だから、ほとんど
白白歌合戦という趣になる。

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       サバドゥス(左)は26歳、ファジョーリ(右)は30歳と若い。

歌謡ショーと同じような構成のコンサート形式だから、一曲歌い終わると歌手が引っ込む前に必ず
拍手およびブラボーの歓声が起こるという按配である。
舞台上演を行った歌手達ばかりだから皆暗譜しているし、動きに多少の演技も取り入れているから
コスチュームこそ私服だが、役に成りきっている。
そして、うれしいことに、上手くて絶好調の人が歌うと、次にはそれに他が引っ張られるような具合に
コンサート中にも歌手同士が互いに切磋琢磨して、多少コンディションが悪くてもどんどん歌唱の質が
高まっていき、全体的に尻上がりに盛り上がるのであった。
次々と入れ替わり舞台にCTたちが登場しては、見事な喉を披露するという、歌合戦そのものの
コンサート形式で、勝負は白組の勝ち!という結果に終わった途端スタンディング・オヴェーション。
拍手が鳴り止まず、最後の合唱をアンコールに歌ってくれた。

ファゾリス指揮コンチェルト・ケルンのオーケストラともCD録音からツアーまで行った、最後の締めく
くりがケルンでの公演であった。オケも歌手も長いことかけて作り上げたものがまとめあがり完成した
感じで最高の状態に近かったのではないか。演奏者も皆満足できたコンサートのようだった。

チェンチッチは、休憩中のラング氏の話ではどうやらまだ風邪が全快していないらしかったが、
それはほとんど聴衆には悟られなかったと思うくらいの意地を見せた。ちょっとヒステリックな女性役
を、演歌調に恨みを帯びた低音を響かせ聴かせた。高音は苦しかったのかもしれないが、全くそれは
表に出さなかったのがさすがだ。

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         サイン会でのジャルスキー(私服もステージ衣装もなんだか似てる)

ジャルスキーはやっぱりいつでもジャルスキーというか、他のCTとは全く異なる声質でなるほど
唯一無二の存在感が光るのだが、どんな役でも独特の個性が勝るので、コンサート形式の場合、
彼が歌い演じる役柄が聴衆の頭には浮かんでこないで、ジャルスキーを聴いてるという思いが強く
なる。
だから、彼の場合、単なるコンサートでなくオペラの役柄を歌ってるんだと視覚的に理解させる
ようなエキセントリックなステージ衣装を着てもらいたかった。チェンチッチのように。
天使のようでありかつ全体的に声量およびエネルギーに満ちた声が素直で真摯なのだが、ちょっと
一本調子に押し捲ってるように感じた。
サイン会での彼は、とてもファンに優しく丁寧に対応していた。ファンには舞台でも舞台を下りても
誠意のありったけを見せる、という印象だ。

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           最年少のサバドゥスは、期待の新人。

今回の5人のCT中、唯一今まで生の声を聴いたことがなかったのが、サバドゥス君である。
そして、今回初めて彼の歌唱に接して、すっかりファンになった。歌心や表現の幅の広さでは、
ファジョーリに近いものがあり、今後とてつもなく成長しそうな気がする。
彼の長所は、なんといってもすらりとした現代的なプロポーションと、派手で甘いマスクという、
舞台栄えするルックスである。しかも、指先や表情での演技が繊細で上手いのだ。細やかさという
点で典型的女形といえる。声もいいから、これからテクニックをもっと身に付けたら鬼に金棒である。


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           今回一番の立役者ファジョーリ

とにかく、期待に背かない実力のファジョーリである。まこと、ファリネッリの再来と呼んでもいい
抜群の歌唱力と技術を身につけている
小柄だが舞台での存在感・求心力は凄まじく、ルックスが男性的なのに対して、声は女性的でメゾ・
ソプラノそのものの自由自在にコントロールが利いたテクニックで圧倒する。
CTには無理だと言われていた繊細な歌唱および表現力と、どの音域でも安定した声と音程と
乱れないテクニック。進化したCTの理想の姿と言える。
一見声量がないかのように思えるが、実は深みと芯があって通る声が魅力的だ。歌い方や声質、
表現力など、様々な点でバルトリそっくり。男バルトリと呼びたいのは賛めてるつもりである。

サイン会では、ほとんど一番最後に並んだので1時間待たされたが、ファジョーリとは結構
いろいろおしゃべりできた。
ケルンでは『ポッペアの戴冠』初演および再演でおなじみの彼だ。「来年は、ウィーンでお会い
できるかも」とわたしが言うと、「2月、3月と11月に歌います」との返事。
11月は初耳なので問うと「11月にアン・デア・ウィーン劇場で『リナルド』」と言うではないか。
「え、ウィーンであなたが『リナルド』のタイトル・ロールを歌うの?」と訊ねると、うれしそうに
「ええ、来シーズンなんですが、決まりました」と頷いた。でも、コンサート形式だそうだ。
(アン・デア・ウィーンでは4月に『ゴーラのアマディージ』に出演と噂に上ったが、いつの間にか
それがスケジュールから消えている)
「それから、『ポッペアの戴冠』の再々演はないのかしら?」と問うと、「その話は今のところ
ありません。今年再演があったばかりですし」とのこと。
来年の11月といえば、バルセロナでマレーナ様(決定)とサラ様(多分)の『アグリッピーナ』
が上演される。ウィーンの『リナルド』と組み合わせて日本からヨーロッパ遠征することをお勧めする。
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by didoregina | 2012-12-18 23:50 | オペラ実演 | Comments(27)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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