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マルコ・ビーズリーのコンサート@AMUZ とボレケ・フェスティヴァル

アントワープのAMUZをメイン会場として、毎年夏の終わり頃、古楽祭Laus Polyphoniae
が開催される。
今年は、マルコ・ビーズリーの土曜マチネ・コンサートに出かけた。

アントワープに着いたらなにやら別のお祭りのようで、賑わっている。

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フルンプラーツに立つルーベンスの像はビア樽で囲まれている。

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こちらはフローテ・マルクト。ボレケスフェースト(ボレケ・フェスティヴァル)の幟が。

ボレケとは、アントワープの地ビール、デ・コーニンクの愛称だ。通常、大きな半球型の
グラス(オランダ語フラームス弁でボレケ)に注がれたものを飲むから、カフェやバーでは
ボレケと言って注文する。
その週末はボレケ・フェスティヴァルで、町中がボレケ一色である。

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広場ではボレケ一杯が1ユーロ50セント!

大きなフェスティヴァルでは、ビールはプラスチックの味気ないコップでアルコール度数も
抑えめのビールが供されるのが普通だが、ボレケスフェーストでは、ビールはもちろんオー
センティックなボレケ・グラスに注がれる。
ベルギー・ビールはベルギーのカフェで飲めば普段でもめちゃ安だが、祭りの広場では
もっと安かった。
コンサート前、すっかり愉快な気分になってしまった。

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フローテマルクトに立つのは、アントワープのシンボル、ブラーボの像。

こちらでは、ご当地名物の食べ物屋台がいろいろ並んで祭り気分を盛り上げている。
アントワープ・パン屋組合の出しているクッキーの屋台に目が惹かれた。

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型で抜いているのは、、、、、

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手の形のクッキー!

ブラーボの像が今まさに天高く投げようとしている巨人の手は、アントワープ名物で
いろいろなところで見かける。ボレケのグラスにも描かれているし、博物館MASの壁にも
プレートが沢山埋め込まれている。そして、カフェでコーヒーを頼めば、コーヒーのお供に
手の形をしたクッキーが付いてくる。

さて、ソーセージやポテトフライなどでお腹を満たした後、コンサートホールに向かう。

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AMUZというのは、Augustinus Muziekcentrumの略で、アウグスティヌス教会がそのまま
コンサートホールになっていて、HIP古楽コンサートが行われる。

Marco Beasley, Fabio Accurso & Stefano Rocco
La Clessidra @AMUZ 2014年8月23日

Rappresentatione di Anima, et di Corpo ‘recitar cantando’
fragmenten uit Jacopo Peri’s L’Euridice en Monteverdi’s L’Orfeo
de bundel Le Nuove Musiche van Giulio Caccini

マルコ・ビーズリーは、オランダとベルギーではかなりの人気を誇り、今回の古楽祭でも
彼のコンサートは目玉の一つだった。同日の夜の部のコンサートが早々と売り切れになり、
マチネコンサートが追加された。そして、AMUZからのオファーで、先着5名、通常一人28
ユーロの座席のペアシート+フリードリンクが20ユーロ(つまり一人10ユーロ!)というのに
応募したら当たったのだった。

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バロック様式の教会内陣がステージ。内装は白と黒の大理石に金色がアクセント。
いかにもルーベンスの町アントワープらしいゴージャスなバロックで、くらくらしてしまう。

今年の古楽祭のテーマは「若き日のモンテヴェルディを探して」と題されていて、この
コンサートもイタリアの1600年ごろのモノディ様式の歌曲が中心のプログラムだ。
だから、伴奏には通低のリュートが二人。
モンテヴェルディの「オルフェオ」からのアリアや、同時代のカッチーニ作(と言われる)
「アマリリ」など、シリアスな歌の数々をしんみりと聴かせてくれた。

しかし、ビーズリーの歌唱の神髄は、もっと古いイタリア南部の土臭い古謡にある。
プーリア地方のタランテッラやナポリのバロック以前の愛の歌を、両手でカスタネットを鳴ら
しつつ明るく高々と歌うビーズリーを見るのは楽しい。やっぱりこういう歌の方が、彼独特の
甘じょっぱいような、鼻音が美しく響くテノールの声にぴったりで、耳に心地よい。
イタリア南部に降り注ぐ太陽と光る海を連想させる、明るい愛の歌がビーズリーの本領なのだ。

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マルコ・ビーズリーと二人のリュート奏者。


ビーズリーは、ルーベンスの家でもコンサート(というか語り)を行ったらしい。
やはりAMUZからのオファーで、開演前にルーベンスの家の庭で食べるピクニック料理
付きというのがあり心惹かれたが、開演が夜10時半と遅いので帰宅が難しくなるため
諦めた。
AMUZがアップした写真を見ると、ロケーション最高で素晴らしい雰囲気だったろう。
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by didoregina | 2014-08-31 21:09 | コンサート | Comments(2)

グラインドボーンの『リナルド』2014年リバイバル版

2014年夏のグラインドボーンでのカーセン演出の『リナルド』上演は、2011年の夏フェスティ
ヴァルでの初演と秋のツアーに続いてのリバイバルだ。8月19日の公演を鑑賞した。

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Rinald. Glyndebourne Festival 2014. Photo: Robbie Jack

Conductor Ottavio Dantone
Director Robert Carsen
Revival Director Bruno Ravella
Designer Gideon Davey
Movement Director Philippe Gireaudeau
Lighting Designers Robert Carsen and Peter Van Praet

Rinaldo Iestyn Davies
Goffredo Tim Mead
Eustazio Anthony Roth Costanzo
Almirena Christina Landshamer
Armida Karina Gauvin
Argante Joshua Hopkins
A Christian Magician James Laing

Orchestra of the Age of Enlightenment

今回のキャストにはカウンターテナーが4人も入っているのが大きな特徴で、映像化された
3年前の舞台ではリナルドとゴッフレード役が女声だったのに比べて顕著な変化である。
特に現在イギリスを代表する若手実力ナンバーワンCTのイエスティン・デイヴィスともう
一人ティム・ミード、そしてアメリカ人CTアントニー・ロス・コスタンツォが同じ舞台に
立つから、その競演も見ものの一つだ。

まず、イエスティン・デイヴィスに関していえば、このプロダクションは彼を念頭に置いて
作られたとしか思えないほど、ヴィジュアル的にも適役で、最初から最後まで期待を全く
裏切らない出来だった。

カーセンの演出では設定を現代の寄宿学校として、いじめられっ子高校生のリナルドと
彼が恋い慕う清純なアルミレーナや十字軍総司令官ゴッフレードを含めた男子仲間(キリ
スト教徒)と、邪悪な異教徒である女子生徒からなる悪役組(寄宿学校の女教師・舎監が
魔女アルミーダと魔法使いアルガンテ)との戦争ごっこのような対立図式になっている。
そして、すべてはリナルドが頭に描くマンガチックな空想世界のお話ということにして、
破天荒なストーリーに信憑性・統一性を持たせているアイデアが素晴らしい。
そういう演出だから、童顔できりりとハンサムなイエスティン君はリナルド役にぴったり
なのだ。

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最初は男子生徒からもいじめられるひ弱なリナルド

いじめられて、窮屈な学校生活から空想世界に飛躍する際、リナルドは甲冑を身に着ける。
そうすると、女教師も校長も異教の魔法使いに化すのである。

ヘンデルの『リナルド』では、魔女アルミーダというのがとても重要な役で、彼女役の歌手
いかんで舞台の印象がかなり左右されると思う。
ケルンで実演鑑賞したことがあるプロでは、アルミーダ役はシモーネ・ケルメスだった。
普段のキャラからしてぶっ飛んだ魔女そのもののケルメス姐には、Furie terribili!の最初の
登場から幕が下りるまで観客の目も耳も釘付けで、リナルド役のパトリシア・バードンを
完全に食ってしまい、彼女の独り舞台の趣であった。そのくらい個性的な歌手でないと難しい
役なのだが、今回のカリーナ・ゴーヴァンはちょっとキャラ的に弱いように思えた。

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カーテンコールでのゴーヴァン

ゴーヴァンの歌唱に関しては文句をつける点はほとんど見つからないが、表情を含めた演技が
イマイチなのが残念。ベタなくらい悪役に徹したクサイと思えるほどの大げさな演技でないと、
魔女役としてのキャラが生きてこない。地の性格の善さが裏目に出ている感じだ。
女教師が若くてハンサムでかわいい高校生に横恋慕するという設定なんだから、もっと羽目を
外してほしかった。ヒステリックな年増女の秘めた恋心を歌うしっとりしたアリアAh Crudel!
(ああ、つれない人よ)は、ひたひたと胸に迫りよかった。
彼女の声質では清純なお姫様役も似合うし、バロック系ソプラノにしてはよく響く深みもある
声で声量も十分だから悪役もこなせるはずなのだ。今後の課題といえよう。

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十字軍総司令官ゴッフレード役のティム・ミードはひげ面。

もう一人注目のCT、ティム・ミードは、どうやらその日のコンディションがあまりよく
なかったようで、最初に登場した時の歌唱では声になんだか張りがないように感じられ、
精彩を欠いた。
これに関しては、アルミーダ登場の際のアリアFurie terribiliでも、あれっと感じたので、
舞台後方で歌うという演出でこの二人は損していたともいえる。客席まであまり声が届いて
こないのだった。
(でも、それに対してイエスティン君は舞台のどこで歌っても客席によく響かせられる、声の
プロジェクションが非常にいいのだ)
しかし、後半になるにつれ声に潤いと力強さが出てきたようで、最後のSorge nel petto
(胸に湧き上がる喜び)を、しっとりと聴かせ拍手喝采を得た。

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その日の出来が不本意だったのか、カーテンコールでもあまり晴れ晴れしていない表情のティム。
(この日と翌々日の2公演を鑑賞した方によると、やはりティムはこの日イマイチだったのだが
次の公演では持ち直していい出来だったそうだ)

これらしっとりとしたアリアでは、特に通奏低音が美しくリードする。
今回の古楽オケOAEの指揮はオッタヴィオ・ダントーネで、彼自身がかなり重要な場面で
指揮を執りつつチェンバロを弾くのだったが、オケピットにチェンバロは2台が入り、もう
一台はかなり隅の右手に置かれていたが、2台のチェンバロが絡み合って通低だけの伴奏の
場合でも美しさと奥行きを出していた。
帰りの電車でたまたまその2人目のチェンバロ奏者が隣に座ったので色々おしゃべりできた。
チェンバロは2台とも比較的新しいコピーなのだが(中央の指揮者が弾いたチェンバロには2008
年と銘が入っているのが読めた)、深みのある低音が美しく嫋々としたいい音であると感想を
述べたら、我が意を得たとばかり喜んでくれた。
また、リュート、テオルボやチェロなどの通奏弦楽器の溌剌とした音が、最前列の私の席には
よく響き、バロックらしい気分をかきたててくれ、いかにも楽しそうに演奏するオケのメン
バーを見ているだけでも幸福感に浸れるのだった。
ヴァイオリンも馥郁たる響きと溌剌とした演奏が好ましく、ああやっぱりOAEはいい古楽オケ
だなあ、とうれしくなった。トランペットも、木管楽器も外すことがなく皆べらぼうに上手い。

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アルミレーナ役のクリスティーナ・ランズハマー

アルミレーナ役というのは、このオペラのある意味で要になる重要で難しい役である。
単なるお姫様というのだけでは弱い。
このプロでは、眼鏡と金髪三つ編みのイケてないまじめな女の子で、いじめられっ子同志で
リナルドとは愛情で結ばれている。だから、キス・シーンが非常に多いのだった。
イエスティン君はどうも潔癖症なのか災いするのか、3月に鑑賞した『ロデリンダ』ではキス・
シーンが上手くなかったのだが、今回はかなりこなれていた。
アルミレーナの歌う『わたしを泣かせてください』は、誰でも知っていて口ずさめる名曲で
ある。だから、本当に胸に響いてくる歌唱というのは稀でもある。だから、はっきり言うと、
あんまり期待せずに聴くのがよろしい。
ランズハマーの歌唱は、悪くはなかったが、ここでクライマックスに達するというわけには
いかなかった。発音では「リーーベルタ」ではなくて「リベーーールタ」式だった。

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楽屋廊下で会えたアントニー君の日本で買ったというTシャツがキュート!

もう一人のCTアントニー君は、今回がヨーロッパデビューであるから、期待していた。
どちらかというとピンと張ったような若々しい声であるが、まろやかさに欠けるというか、
それほど好みの声質ではない。しかし、こういう風に個性の異なる若手CTがどんどん出て
来てくれるのは大歓迎である。声質には好き嫌いが顕著に表れるが、音程が不安定だとか
のテクック的に不安要素はないから、彼もいろんな舞台を踏めばもっと成長してどんどん
伸びていくだろう。

こうして見ると、全体的にイエスティン君のコンスタントに安定した歌唱は驚異的だ。
声量はいつもしっかりあるし、最初から最後まで歌唱にも発声にもコントロールが効いて
いる。体力があるのだろうしコンディション管理がしっかりしているのだろう、息切れなど
することもなく、どこにも無理が感じられないから安心して聴いていられる。
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このオペラの一番のクライマックスは、第二幕最後のリナルドのアリアVenti, turbini
(風よ、旋風よ)であることは間違いないのだが、アクロバティックなテクニックを要する
アリアの途中で、カーセンはとんでもない演出を入れたのだ。
十字軍が皆自転車に乗って異教徒との戦いに向かうのだが、リナルドの自転車はなんと、
映画E.T.の場面さながらに、大きな月を背景に宙乗りになって、舞台を横切るのである。
歌いながら宙乗りで自転車をこぐから笑いを取る演出であるが、軽々としてこなさないと
いけないから歌手としてはかなり大変な重労働でもあろう。
あまり装飾にや技巧に凝るタイプの歌手ではなくストレートな歌唱で勝負!というのが
イエスティン君の持ち味であるが、このアリアではアジリタも決めて聴かせてくれた。

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満面の笑みとガッツポーズで、本人も大満足気のカーテンコール!

というわけで、この『リナルド』プロダションは3年たってようやく真に適したリナルド役を
得て完成し、イエスティン君にとって当たり役の舞台となったことを確認したのだった。
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by didoregina | 2014-08-27 23:42 | オペラ実演 | Comments(2)

イエスティン君『リナルド』を鑑賞するためにグラインドボーンへ!

待ちに待ったイエスティン・デイヴィス主演の『リナルド』@グラインドボーンだ。

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3年前のグラインドボーン本家版初演の主演はメゾ・ソプラノだったため、さほど実演鑑賞
したいという気にはならなかったが、そのあとのツアーには、当時最も応援していたカウンター
テナーのクリストフ・デュモーがリナルド役に抜擢されたため、かなり本気で、行くべきか、
と悩んだものである。しかし当時、次男が高校の最終学年の、日本で言えば受験追い込みの
重要な時期であったため、オペラ鑑賞のためイギリス遠征など親として憚られたのであった。
無事に大学に入学した子供たちが親元を離れた今、ようやく大手を振って遠征ができるように
なった。そして、今年の主演は、現在最も贔屓にしているCTのイエスティン君である。3年間
待った甲斐があったというか、まるでわたしのために取っておいてくれたかのようにお誂え向
で、とにかく気合が入ったのも当然である。

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長年憧れていたグラインドボーン、しかも応援している歌手の檜舞台を観に行くからには、
座席ももちろん特等席に座りたい。チケット・ゲット方法を色々研究したが、結果として
上手い具合に最前列中央の席が取れた。一般発売前にテレグラフ紙購読者向け優先発売コード
というのを目ざとく見つけたロンドンの椿姫さんが参戦。すでにグラインドボーン友の会会員
向けには発売された後なのだが、なぜかぽつんと最前列中央の2席が残っていたのである。
しかも、比較的安い。指揮者が邪魔で舞台が見えにくいとか何か裏があるんだろうか。

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グラインドボーンには、ロンドンの椿姫さんと日本からのVさんと3人で電車で出かけた。
グラインドボーン付近の町か村のB&Bに泊まってタクシーで行くという案も当初あったが、
お勧めB&Bが満室だったのと、ロンドンから日帰り可能だから不便な田舎に宿泊するより
かえって楽、という椿姫さんのご意見に従ったのだ。
ヴィクトリア駅発イーストボーンなどイギリス南部の海岸行きの電車をルイスという町で
降りると、グラインドボーン・フェスティヴァル会場行きのシャトルバスが待っていた。
『リナルド』の開演時間は通常より早く午後5時なので、電車は1時47分ヴィクトリア発に
乗るようにとのフェスティヴァルからの指定である。主催者がチャーターしたバスには着物を
着ていたためか、優先的に誘導してくれすぐに乗れた。ダブルデッカーが狭い町の坂道を
上ったりするから、ちょっと怖い。

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バスが駐車場に着くと、そこから広い芝生の庭に直結している。囲いとか門みたいなものは
見えない。そして、皆、それぞれ好きな場所にピクニック道具を広げるのだ。
バスも電車も、皆さまが持ち込んだかさばるピクニック一式で大変な具合だ。
その辺の公園にピクニックに行くのではなく、天下のグラインドボーンであるから、道具も
凝っている。F&Mとかブランドもののレベルの付いた立派なバスケットはマストアイテム。
草地に直接座る人たちもいるが、ロングドレスの人たちはもちろん椅子とテーブル。だから、
テーブルクロスやキャンドルも必要アイテムだ。食器やカトラリー、グラスに至るまで、
プラスチックとか紙製などもってのほか。ブラックタイと釣り合いの取れないような安っぽい
ものが見当たらないのは当然である。

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開演前の1時間半くらいの時間、ピクニックを楽しむのがいい。そのあとの2度目の幕間も
食事やピクニックのため1時間半あるが、外での食事はもう暗くて寒いから楽しめないだろう。
着物で電車に乗って大荷物を運ぶのはみっともないのでピクニックの準備をしてこなかった
私たちは、敷地内を散策して開演前の前座さながらのエンタメとして皆さまの目を楽しませる
ことに専念(?)した。

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しゃなりしゃなりと練り歩きつつも、レストランや楽屋口のチェックは忘れなかった。
食事時間は短いし、最前列中央の席というのは非常に外に出るのに時間がかかるからだ。
どういう手筈でレストランに入るか、バスの時間に遅れないようどういうルートを通って
楽屋口まで行くか、外に出られた早い者から行ってご贔屓が出てきたら待っていてもらう
ように頼むとか、事前準備を怠ってはならない。
楽屋口に近づくと、発声練習するCTらしき声が建物の窓から聞こえてきた。窓の奥に人影が
見えたので椿姫さんが手を振ったら振り返してくれたのは、たぶんアントニー君であろう。

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敷地内にはご当主ご一家が住む。というより、敷地内にオペラハウスを建ててしまったという
方が正しいかもしれない。こちらは、本館マナーハウスに直結したサロンのオルガンルーム。
17世紀オランダ製のパイプオルガンの他、壁にはオランダ黄金時代の絵画が沢山飾られている。

さて、開演時間が近づくが、オペラハウスのホールにはなかなか入れてくれない。至近のドア
の前に立って開場を待つ。待つ人は少なく、皆のんびりしたものである。そしてそこで初めて
チケット・コントロールがある。つまり、そこまでは誰でも入ろうと思えば入れるのだ。
オペラを見ないで、ゴージャスな雰囲気とのどかなカントリーサイドの景色を楽しむだけに
ピクニックすることも可能なのだ。
とにかく、お客は悠揚迫らずのんびりゆったり過ごせる。運営側はそういうリッチな気分に
浸ってもらうための努力を惜しまず、すべてがスムーズに事が運ぶのだった。ドアやトイレの
数も多く、並んだりする必要はどこにもない。お見事、脱帽である。

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会場に入り、最前列中央の席に座ると、すぐ後ろの席にやはり着物をお召しになった若い女性
が。彼女の方から気が付いてくれたのだが、なんと数年前、東京の芸大での『アリオダンテ』
公演鑑賞をブログ仲間とご一緒したあとのオフ会に友人の友人として参加した方なのだった。
なんという奇遇!ヘンデル大好き仲間同志、開演前や幕間に大いに盛り上がったのだった。

オケピットはかなり深めだが、指揮者が立つとどうだろうか。舞台の邪魔になるだろうか。

長くなったので、その先は続き記事にしたい。
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by didoregina | 2014-08-27 16:50 | イエスティン・デイヴィス | Comments(6)

グラインドボーンにはゴージャスな訪問着がぴったり

わたしにとっての聖地であるグラインドボーンには何を着ていくか、は大きな課題だった。
一世一代の夢の晴れ舞台であるから、天候も考慮に入れつつ、気張って選ぶ必要があるのだ。
8月も下旬となると、イギリスは涼しい。ほとんど日本の11月のような気候である。
それで、夏着物はやめて、手持ちでは一番ゴージャスな訪問着と金糸の派手な袋帯という
組み合わせで行くことにした。
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日本では、年齢から言って、こういう派手な着物を着たら顰蹙を買うだろう。
しかし、グラインドボーンではお褒めの嵐・雨あられと称賛の的である。ここでは、
ゴージャスであればあるほど好ましいのだ。
曰く「民族衣装を誇り高くお召しになって素晴らしいこと!」「着飾った人が少ない
のは遺憾の極み」「華やかなお着物で会場に華を添えて下さりありがとう」等々。
わざわざ褒めるために来てくれる人たちや、すれ違いざまに「素敵!」と言ってくれたり
トイレで並べば、皆から感嘆される。
着物選びは大成功だったといえよう。



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ご一緒したロンドンの椿姫さんも、友禅の訪問着でゴージャスに。




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最前列中央席に座ったから、後姿も重要である。
髪飾りと、コサージュも帽子も手作りのカクテルハット。
帯も金糸の袋帯で華やかに。



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敷地は広大で、マナーハウス前から広い芝生の庭が牧草地、池などに続く。

そして、ここでは開演前および幕間での芝生の上でのピクニックが特徴である。

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会場のグラインドボーンには、車で行くか、電車でルイス駅まで行ってシャトルバスに
乗る。ピクニックの荷物もバスケット、クーラーボックス、椅子、テーブル、クロスに
カトラリーと食器まで持ち込むから、電車で行く人はもう大変だ。ロンドンのヴィクトリア
駅でこういう人たちを見かけ、まず度肝を抜かれた。ブラックタイにキャリーバッグや
ピクニック・バスケットという組み合わせの妙。




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芝生の上で、テーブルを組み立てる。テーブル・セッティングといっても文字通り
組み立てるところから始めるから大変だ。



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現地まで持ち込まずとも、椅子もテーブルもピクニックの中身も全部予約できる。
電車で行く場合は、それが無難だろう。でなければ、シートと毛布を芝生の上に敷いたり、
備え付けベンチの上でピクニック。ピクニックテーブルを予約しても好きな場所を選べる。
また、日本のお花見のように混み合ってはいないから、場所取り要員は不要である。
開演前にセッティングしたピクニック道具は、オペラの間中、外に置いたまま。
開演前1時間半と二度目の幕間1時間半にピクニックを楽しむのだ。
しかし、8月後半ともなると、外は寒いのみならず暗くなるのも早い。二度目の幕間に
芝生の上で食事をするのは暗いし寒いし、我慢大会みたいなものだろう。

それで、電車で行った私たちは、迷わずレストランの中での食事を予約した。


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今年、80周年を迎えたグラインドボーン音楽祭は、資産家のジョン・クリスティー氏が
妻のソプラノ歌手、オードリー・ミルドメイのために建てたオペラハウスでの公演が
もともとの始まりである。だから、ミルドメイの名前を冠したレストランで幕間には
食事をしたかった。
今回鑑賞したヘンデルの『リナルド』はバロック・オペラの通例通り、非常に長い。だから開演時間も通常より早く17時。そうしないと、ロンドンへ帰る電車に間に合わないからだ。
しかし、実際1時間ちょっとで3コースの料理を食べ終えられるのだろうか、という危惧は杞憂に終わった。予約したテーブルにはすでに冷たい前菜が置かれ、給仕はてきぱき、食べ終えるのを待つかのように次の料理がサーブされるし、お勘定もすぐに来た。


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敷地内には、イギリスらしい高低差のあるフラワー・ボーダーやガーデンもある。
自分の家にいるかのようにリラックスした態度で散歩できるのがセレブ気分である。




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オルガンルームは、クリスティー家のサロンの趣。

というわけで、開演の1時間45分ほどは顔見世よろしく優雅にそぞろ歩いて、皆さんに
着物を堪能していただいた。








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by didoregina | 2014-08-21 17:24 | 着物 | Comments(8)

来週のグラインドボーンの天候が気になる!

グラインドボーンにオペラを見に行く!と言うと、反応はほとんど判に押したように一様で
「セレブ~」とか「スノッブ!」とか「すごいね」とか、返ってくる言葉はオランダ語でも
日本語でも英語でも似たような語感の単語である。
たしかにグラインドボーンでオペラ鑑賞というのは、ブラックタイというドレスコードや
幕間の芝生上でのピクニックなど、庶民感覚とは隔絶してなんとなくエリート・上流趣味っ
ぽいイメージがある。しかし、チケットの値段は非常にリーズナブルだし、現地に泊まらずに
ロンドンから電車で日帰りで行くのだから、普通の歌劇場へ行くのとは遠征費用的にさほど
変わらない。音楽祭のチケット価格だけ比べても、ザルツブルクやエクサンプロヴァンス、
はたまたバイロイトの方がよっぽど高い。

グラインドボーンは、わたしにとって長年の憧れだった。三年前に観たくて行きたくてたま
らなかった『リナルド』の再演、しかも、今度の主役は今一番贔屓にしている歌手のイエス
ティン・デイヴィスである。このチャンスを逃したら一生行くことはあるまい、と遠征を
決意したのは今年の初め頃だった。
また、ドレスコード的にも、着物でオペラを楽しむというわたしの趣味にドンピシャである。
何を着ていくか、コーデに悩むのも楽しみの一つなのだ。


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夏だから、やはり夏着物で行きたい、と思ってまず考えたのは、上の写真、白の夏大島で
ある。
ここぞというときには、白大島を着たくなるわたしにとって、順当な選択だ。
夏らしくふんわりと薄手で羽のように軽く、しかもシャッキリした肌触りは、まるで羽衣。
エレガントだし、本来の夏の気候であったなら、夏大島はぴったりだろう。

しかし、夏大島をベースにしたコーディネートを決めてから、日々、天気予報を見ている
のだが、どうやら、来週もかなり涼しそうで、降水確率も高い。そうなると、体感温度は
もっともっと低くなる。夏大島の上と下に重ね着するという方向で考えていたのだが、最高
気温が20度を切り、下手すると夜には10度位という予報なので、やせ我慢の限界を超える。

ということで、結局、六月中旬のロンドン遠征に着ようと思っていたが案に反して予想以
上に暑くなったので諦めた、ピンクの地に紫と白の芍薬が描かれた袷の訪問着を今回ようやく
着ることができそうだ。
十代後半にお茶会で着るために誂え、結局着たのは大学の卒業式一回のみだったというその
着物は、今現在手持ちの中で一番派手なものだ。グラインドボーンだからいくらゴージャスに
しすぎても浮くということはないだろうだから、この機会を逃したら今後一生袖を通すこと
はないかもしれない着物も、縁を得て喜んでくれるだろう。

一応、ロンドンには両方の着物とそれぞれのコーデ一式を持って行って、当日の天候次第で
最終的に着る物を決めるつもりである。念には念を入れて、手抜かりのないようにしたい。


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by didoregina | 2014-08-16 23:06 | 着物 | Comments(4)

ロンドンのポール・スミス展


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ロンドンのデザイン・ミュージアムで開催されていたポール・スミスの
展覧会 Hello, my name is Paul Smithに行ったのは、もう半年近く前である。
最終日近くぎりぎり間に合った。
3月以降、遠征や旅行に忙しくてアップ出来ていない記事が多い。会期はとうに
終わってしまったが、写真整理と備忘録として残そうと思う。

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ポール・スミスには特に日本人ファンが多いそうだ。
納得できる。私自身も、彼デザインのブラウス、シャツ、ブーツ、スカーフなどを
持っているが、きれいな色と凝りすぎないデザインで、しかし細部がしゃれていていかにも英国伝統を感じさせる作りがとても着易く、組み合わせ易いのだ。

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ポール・スミスといえばこのマルチカラー・ストライプ。色々コピーされている
がやっぱり本家本物のは色も分量もパーフェクトで、偽物とは一線を画す。
英国そのもののデザインであるMINIにポールのストライプを組み合わせると、
もうキュート過ぎてうれし涙がこぼれてきそうだ。わたしのMINIはレッドで
とても気に入っているが、もしもこんな色のがあったら欲しくなる。

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彼の最初のコレクションは、パリのホテルの一室を使った展示だったそうだ。
そのイメージの再現。

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トラディショナルなテーラードをストレートに取り入れたシルエットだが、
ヴィヴィッドで楽しくなる色柄が彼のデザイン・アイコンだ。普通でいて
どこかお洒落なのだ。そのさりげなさが日本人に受け入れられやすいポイント
なのだと思う。

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さて、展覧会そのものは、小さなデザイン・ミュージアムのいくつかの小部屋に
生地見本やコレクション見本が陳列されているというだけで、かなり古臭くて
工夫の感じられないアプローチにがっかり。昨今のモードやデザイン関連展覧会
では、様々なマルチ・メディアを使って時間も空間も多面的で総合的な方法が
用いられているから、この展覧会は平面的で単調しかも展示数が少なくて貧弱な
印象は否めない。非常に残念に思えたことである。
この手狭なミュージアムは、もっと広くて場所もいいところに引っ越すらしい。


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ファンとしてはお約束の、ポール・スミスとのツーショット。











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by didoregina | 2014-08-07 17:08 | 旅行 | Comments(6)

フランス・ハルス美術館のリネケ・ダイクストラ写真展 Conversation Piece


ハーレムのフランス・ハルス美術館で9月28日まで魅力的な展覧会Conversation
Piece
が開催されている。
17世紀の肖像画9点と、リネケ・ダイクストラによるポートレート写真9点を
両者の共通点がわかるように並べて(もしくは向かい合わせに)展示して、新旧の
肖像画を呼応させるというものだ。
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ダイクストラは、1959年生まれのオランダ女流写真家で、思春期前後の子供
たちのポートレートの数々で有名な売れっ子だ。

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左は、ヨハネス・ファースプロンクによる1654年のエファ・フォスの肖像画。
右は、リネケ・ダイクストラによる、たしかエファという名の少女の写真。
左の女性は既婚で向かいに彼女の夫の肖像画も掛かっているのだが、こうして
2点が並べて展示されると、右の少女のまなざしや微笑そして黒のドレスの
イメージとに相似が感じられるから不思議である。


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意志の強そうな目と黒髪が印象的な若い女性。


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瞳の光と唇の形と色つやが上の若い女性とそっくりな、モデル不詳の肖像画。
Ludolf de Jongh (1660)作



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髪型もドレスも一見無造作なテックスのポートレートだが、しっかり計算されスタイリング
されている。

ダイクストラによるポートレート写真のモデルは、一見自然なスタイリングと
ポーズだが、表情はすましていて意味不明のスマイルなどは見せないのだが、
その端正な写し方にモデルとなっている少女や若い女性の「時の美」を永遠に
残すという意図が明白に現れ、そういう意味では作為性がある。
彼女にポートレートを撮影してもらいたい、と思うゆえんである。


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「フォンデル公園」と題されたポートレートも、彼女がモデルに取らせる
典型のポーズだ。脚や手はしっかりと組んで、ある瞬間を捕らえたというよりは、
そういうポージングをかなり長くさせているような印象で、それが絵画の肖像と
似た効果をもたらす。17世紀の肖像画との相似性が感じられるポイントだ。

久しぶりにフランス・ハルス美術館を訪れて、17世紀の肖像画の数々を見て、
また発見があった。もしも、肖像画を描いてもらうならこの人以外いない、
とかねてから思っている17世紀の画家ファースプロンクの絵がここにはかなり
あることだ。ハルスの弟子でありハーレム在住だったのだから当然なのだが。


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Sara van Herrewijn by Johannes Cornelisz Verspronck (1653)


主人に撮ってもらうとどうしてもスナップ写真にしかならない。。。。
フランス・ハルス美術館カフェのテラスで。

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by didoregina | 2014-08-06 13:16 | 美術 | Comments(0)

Longines Global Champions Tour Valkenswaard 馬術障害大会を観戦

今年は午年だからか、馬に関するイヴェントに参加する機会が多い。
3月のシティ・ポロ、6月のロイヤル・アスコット競馬に続いて3つ目だ。

今年で21回目となるLongines Global Champions Tourの、オランダ
北ブラバント州のファルケンスワールドで行われた馬術障害競技大会
(ジャンピング)を最前列VIPテーブルで観賞するという機会に恵まれた。
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平たく言うと、雑誌の懸賞に当選し、VIP席に招待されたのだ。
(馬関連行事には目を光らせていたおかげだ。)

Jumping Indoor Maastrichtという屋内での障害馬術大会が、毎年マースト
リヒトの国際見本市会場MECCで開催されているが、今まで一度も行ったことが
ないから、ジャンピング大会を生で観戦するのは初めてで、競技に関しては全く
無知であった。
それがいきなり、ロンジンからの招待で、日曜の午後を優雅にVIPテーブルで
シャンペンなど飲みながら、目の前で繰り広げられる障害競技を観戦という
ことになった。くじ運の強さは自他とも認めるわたしであるが、これはかなり
当たり!だった。
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目の前がロンジンの時計付きダブル障害

ゴールに近い障害物の至近距離というテーブルだから、写真が苦手なわたしでも
タイミングよくバッチリきまった写真が撮れる。「わたしでも写せます」という
往年のCMそのままだ。

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広々とした敷地のグリーンのアリーナと砂の馬場の間にVIP用観戦のテントが
建てられていて、内部は空調も効いて非常に快適。外の一般観客用スタンドや、
様々な飲食スタンドやショップなどの立つ一般スペースとは隔絶されていて、
ゆったりした6人掛けテーブルにはロンジンの広報担当者がそれぞれ付いて
お相手してくれる。わたし達が案内されたテーブルは草のアリーナに面した
側である。
給仕の数が多く、シャンペンは数種から選べるし、ビュッフェ・コーナーも
かなり豪勢である。海産物の冷たい前菜各種だけでおなかがいっぱいになって
しまって、暖かい料理は手が付けられなかったほど。(デザートは別腹だから、
後でアイスクリームなどをいただいた)

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世界各国から参加の馬と騎手は、春から秋までヨーロッパ12か所および上海と
ドーハでの大会14を連戦する。
採点としては、時間と、障害を倒したり馬が言うことを聞かなかったりという
要素を減点する方式である。スピードだけを競うわけではなく、いかに減点
対象を抑えて障害を超えることに気を使った速度での競技だから、あっと言う
間に目の前を馬が通り過ぎるレースとは異ってわかりやすい。優雅に飲食や
おしゃべりしながらゆったりと楽しめる。

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エイントホーフェンの南に位置するファルケンスワールド郊外の森林と畑の中に
あるこの広大な敷地は、この競技ツアーの主催者であり創始者のヤン・トップス
氏の個人所有であるというから驚き。


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競技の前に、草の状態や障害物などを点検するトップス氏(青いセーター姿)
および騎手たち。

こういう場所に招待された場合、ドレスコードが明確ならばそれに従えば
いいのだが、そうではない場合は少し悩む。過去の写真を見ると、帽子を
被っている人はほとんどいないから、すこしだけカジュアルでスポーティな
しかしトレンディなワンピースがよさそうだ、と見当をつけた。
Acne Studiosの今年のブルーのワンピースの出番である。

c0188818_06501019.jpg
写真だとコバルト・ブルーに見えるが、実際はちょっとパープルが入った感じ。
前にファスナーが付いて左側にアシンメトリーなドレープがある。
後ろはドラマチックなドレープが肩からヒップまでやはりアシンメトリーに
流れていて、造形的アート的である。
靴は、ステファン・ケリアンのサンダルで、これも前横後のカッティングに
エッジが効いている。
時計は、ボーム&マルシエの紺と白が鋭角的に半々になっているデザインの
ダイバーズウォッチ。50歳誕生日記念にゲットしたリミテッド・エディション。
サングラスはマイケル・コース。






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by didoregina | 2014-08-05 00:05 | Comments(0)

自家製リモンチェッロ作ってみた

夏の夜は、冷凍庫でキンキンに冷やしたリモンチェッロが喉にうれしい。
先月買った瓶を飲み切るのを待って、ホームメイドのリモンチェッロを作ってみた。
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ELLE Eten(オランダ語版エルの料理雑誌)で見つけたレシピは、ウォトカを使うもの
なので、願ったりかなったり。
というのは、東欧からのお客様や東欧旅行に行った人からのお土産でいただいたアルコール
度数の高い強いお酒がキャビネットの中に並んでいて、そういうお酒は今後何十年経っても
飲み切ることはないだろうと思えるのだ。

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その中のひとつ、ワルシャワ土産の「ショパン・ウォトカ」アルコール度40%。

これをベースに1瓶の半分を使うことにして、まずレモンの皮三個分を漬け込む。

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三日たったら、レモンの色がかなり出てきた。

レモン汁三個分に砂糖1カップを加え煮て、シロップを作る。

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ところが、レモン汁に砂糖というのは焦げやすく、出来上がったレモン・シロップは
ちょっと色が狐色すぎる、と主人が言うのである。

それで、この失敗したシロップに水を加えてレモネードにして飲んでみた。

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大きなグラスにスプーン一杯分のシロップを入れ、水で割ると色がかなり薄まる。
煮詰めてあるからレモンの酸味が非常に強く、砂糖の甘味がほとんど感じられないほどだ。
これはこれで、なかなかさわやかでヘルシーな味わいである。

とても暑い日が続いたので、シロップはほとんどレモネードにして飲んでしまった。
ホームメイドのリモンチェッロは、仕切り直しである。
レモンは八個買ってあったので、もう一度シロップを作り、レモンの皮の黄色が移って
いい色合いになったウォトカに加えた。(皮はもちろん捨ててウォトカは漉す)

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やっぱり、市販のリモンチェッロに比べるとちょっと色合いが濃いように思われる。

冷凍庫に入れ、日の暮れるのが遅い夏の北ヨーロッパに夕闇が訪れるのを待って、
試飲してみた。

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市販のものほどとろりとした状態ではなく、甘みがかなり抑えめでレモンの酸味が喉に
キュウっと効く感じだ。
喉越しがワイルドで、いかにも強い酒がベースという感じが残るが、ホームメイドとしては
悪くない出来である。
市販のはだいたいアルコール度28~30度だが、一体これは何パーセントくらいなんだろう。
甘味が少ない分、飲み口がやさしくないので飲み過ぎない。これは大変なメリットである。
去年はリモンチェッロの本場でセイリングして、毎晩リモンチェッロの大盤振る舞いの挙句、
ヨットに乗り移る際、海に落ちてしまったのだから。非常に危険な飲み物なのである。
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by didoregina | 2014-08-01 02:28 | 料理 | Comments(0)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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