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ニシン・パーティでは、帽子が主役

今年は、帽子関連イヴェントにはなるべく出席しようと努めている。
ファッションショーや帽子がドレスコードのパーティなど、あちこちから招待も来る。
今まで知らなかった帽子関連イヴェントに、毎年恒例ニシン・パーティ(haringparty)と
いうのがある。

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初ニシンの水揚げを祝う。


北海で獲れるニシンは、オランダを代表する魚だ。
酢漬けにしたり、塩で〆ただけで生で食べる。一年中食べられるのだが、特に6月に解禁
となるHollandse Nieuweと呼ばれる初物は珍重され、水揚げされるとご祝儀の意味もあり
超高値が付く。
初ニシンが獲れたのを祝ってオランダ各地でニシン・パーティなるものが開催されるとは
今年まで知らなかった。庶民的に祝うのではなく、ドレスコードが帽子のポッシュで閉鎖
的なイヴェントだからだ。

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銀行から招待されたので、帽子の師匠ポーリンとともにアスコット遠征から戻った翌日、
夕方からのパーティーに参加した。

わたしの帽子は、ロイヤル・アスコットで被ったのと同じなので、パーティに集まった
方々の帽子の写真を載せる。帽子自体は特に凝ったものは少ないが、ドレスには皆様
シックなセンスを凝らしていて非常にお洒落、トレンディかつ高級なものが目につく。

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エルメスで揃えたスーパーシックな方。オレンジはオランダ・カラー。


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若いのにとってもクラス感漂い美しい方。


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けばけばしさがなく、センスのいい帽子。


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私的には、一番素敵だと思う帽子。


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ポーリン作の帽子を被った3人。


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14世紀の城壁に沿うイエーカー川の畔、町中の個人の庭が会場。


招待客・参加者には、シティー・ポロで見かけた方々が多く、非常にビューティフルで
ファッショナブルな人々なのだった。
ニシン以外にもおいしいつまみが色々饗された。特にわたしの好きなノルマンディー産
牡蠣には舌鼓を打った。オランダ人には生牡蠣が苦手な人が多いので、牡蠣コーナーは
わたしの独り舞台という趣で、フリュイ・ド・メールで有名なレストランの人に気に入
られた。名前とメールアドレスを残していったら、後日メールで「3コース・ディナー、
2名様ご招待」に当選の知らせが。
きっとほかにあんまり牡蠣食べた人は少なかったため、競争率が低かったのではないかと
思われるが、うれしいサプライズであった。
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by didoregina | 2014-06-28 17:15 | 帽子 | Comments(9)

プッチーニの『マノン・レスコー』初日@ROH

昼間はロイヤル・アスコット競馬のオープニング・デイを楽しみ、夕方からは、
ロイヤル・オペラ・ハウスでプッチーニの『マノン・レスコー』初日を観賞。
A day at the races とA Night at the Opera を一日に詰め込んだという
クイーンもかくやと思われる贅沢さである。

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2014年6月17日@ROHコヴェントガーデン

Conductor Antonio Pappano
Orchestra Orchestra of the Royal Opera House
Director Jonathan Kent
Designs Paul Brown
Lighting design Mark Henderson
Choreographer Denni Sayers

Manon Lescaut Kristīne Opolais
Lescaut Christopher Maltman
Chevalier des Grieux Jonas Kaufmann
Geronte de Ravoir Maurizio Muraro
Edmondo Benjamin Hulett
Dancing Master Robert Burt
Singer Nadezhda Karyazina Lamplighter Luis Gomes Naval
Captain Jeremy White
Sergeant Jihoon Kim
Innkeeper Nigel Cliffe
Chorus Royal Opera Chorus

なんと、このオペラ、ROHでかかるのは30年ぶりで、新演出はジョナサン・ケントの手
になる。
出演歌手陣も豪華で、マノンにクリスティーヌ・オポライス、騎士デグリューにヨナス・
カウフマン、兄レスコーにクリストファー・マルトマンときた!
わたしにとっての初生カウフマンである。期待はいやましに盛り上がる。

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ドレス・リハーサルをご覧になった方からのまた聞きによると、時代設定は現代で、衣装・
デコールは「アナ・ニコール」風にチープでポップであるとのこと。
そして、舞台セットは2階構造で、階上での場面が多く、座席によっては非常に見ずらいと
いうことも聞いていた。

なるほど、第一幕、旅籠のシーンは安っぽいカジノとダイナースみたいだし、実際に
本物の車が舞台に上がったり、ハリウッド映画のようなリアリスティックな舞台装置や
衣装で、現代アメリカの拝金主義と消費社会という空虚なイメージが醸し出されている。

自らの美貌に自信のあるマノンは、都会での華やかな生活に目を瞠り、憧れを隠そうと
しない田舎娘だから、好色漢の格好の餌食である。
そして、騎士デグリューやエドモントは、いかにもアメリカ映画に出てきそうな学生だ。
デグリューは最初から最後まで白シャツに黒のぴっちりパンツ姿で、若々しさとナイーブ
さが強調されている。

カウフマンを生で聴くことが、今回の第一の目的であった。
その望みは、舞台至近のオケボックスの指揮者を真横から見る位置のサークル・ストール
席のおかげで、歌手の直接の声を聴くことができて叶った。
生の彼の歌声にはテノールらしからぬようなはっきりとした暗さがあるのが特徴で、それが
独特の魅力となっている。だから、テノールにはほとんど興味を覚えないわたしにもアピー
ルするものがある。明るい能天気さとは正反対のダークな陰影が魅力となっている。
今一番脂がのっていて最盛期かもしれない彼の歌唱には大満足した。

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実は、昨年モネ劇場で観賞した『マノン・レスコー』もほぼ同じく、オケの真横で舞台を
横から見る位置だったので、今回も一つ心配事があった。
舞台が見切れるのは仕方がない。それよりも、オーケストラの直の音が響きすぎて歌手の
声が座席にはよく届かず隔靴掻痒感が残るのではないかと。
しかし、その心配は不要であった。
パッパーノの元気いっぱい歌うような指揮から引き出されるオケの響きは、壮快であっても
爆音にはならなかった。そして、歌手の声も皆よく聴こえたのである。
主役のウェストブルックの歌声しか聴こえてこず、他の歌手は全く印象に残らなかった昨年
のモネとはえらい違いである。

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オポライスには、実はびっくり。
こんなに美人で若々しくプロポーション抜群だったのかと。そして、歌も悪くない。
どうしてもウェストブルックのマノン・レスコーと比較してしまうのだが、オポライスの
重さがあまりなく、ドスもほどほどに軽みさえ感じられる声がこの役にはぴったりだ。
特に第二幕でのアナ・ニコールばりのゴールド・ディガーぶりが、いかにも現代のマノン
らしく、オポライスは役になりきりだった。無邪気で馬鹿だけど憎めないかわいい女を演じ
歌い絶好調だった。
ただ、プッチーニのこの音楽には世紀末感とともに当時ではかなり新鮮なジャジーな
アンニュイが漂うはずなのに、オポライスの声質が少々あっさりしすぎて倦怠感や退廃の
色が足りなく感じられたのだけが残念だ。かわいらしさを前面に出しすぎていたためか、
パッパーノがその辺はあっさりと通り抜けてしまったためか。

兄レスコー役のマルトマンも、ジェロンテ役も、エドモンド役も警察官役も皆、舌を
巻くほどうまく、主役や準主役の誰か一人だけ突出してしまってほかの歌手が霞んでしまう
ということがなく、バランスよくまとまっているのだった。

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演出に関しては、カーテンコールでブーイングが出たが、わたしは非常に気に入った。
とにかく視覚的にわかりやすく、無意味にごちゃごちゃしたシーンや無駄もなく、センス
よく整理されているのだ。見ための軽いポップさが受けなかったのか、それとも舞台セット
がブーだったのかもしれない。しかし、新演出としては近年まれに見るほどのストレートさ
で勝負しているのがすがすがしいほどだ。
ファム・ファタールにはなれなかったが男を惹き付ける小悪魔のようなマノンという女の
愚かさと落ちぶれていく様が、現代社会を背景に浮き彫りにされて、ハリウッド映画の
ようなクリアさであっけらかんと見せる。何も考えずとも楽しめる。万人向けオペラ・
プロダクションとしてとてもうまく出来ているのである。
この点でも、昨年のモネのプロダクションとは正反対である。大陸と英米でのオペラの
違いがよくわかる。
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by didoregina | 2014-06-25 19:15 | オペラ実演 | Comments(10)

ロイヤル・アスコット競馬のオープニング・デイに手作りの帽子で

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帽子をデザインし作る者としては、ロイヤル・アスコット競馬は晴れの舞台であり、
帽子デザイナーのスティーブン・ジョーンズの言葉を借りれば「クリスマスとイースター
が一緒になったような祭り」、日本風に言えば盆と正月が一緒に来たようなものである。

毎年6月中旬に開催されるロイヤル・アスコットのオープニング・デイ(6月17日)に、
今年初めて参加した。

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帽子の師匠ポーリン、ロンドン在住のその長女ミルテ、ミルテのBFの母親イネと
わたしの女4人組である。我らが被った帽子は、もちろん自分で考えて作ったもの。

玄人の目からは、出来合いの帽子とカスタムメイドの一点物、デザイン物などの
区別は明白である。
しかし、イギリスは帽子大国。デパートでもかなりよさげなファッシネーターや
美しいデコレーションの帽子が手に入りやすい。
そのイギリスの帽子の聖地ともいうべきロイヤル・アスコットには、大輪の花のような
帽子、こじゃれたファッシネーター、ハイセンスな帽子などがあふれていた。
まことに、華やかで心躍るハレの場である。

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とっても素敵な家族


女性は、必ず会場では帽子を着用することとなっている。
入場料金は三ランクに分かれていて、あまり庶民的すぎずしかも自分の身の丈にあう
中間レベルのグランドスタンド・エンクロージャーのチケットを買った。
そこでは、男性の服装はスーツにネクタイ着用というドレスコードで、大仰ではない。

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王室メンバーが臨席するのと同じレベルのロイヤル・クロージャーはハイランク


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華やかな一団

なんといってもロイヤル・アスコットの売りは、女王陛下がご臨席することである。
そして、陛下の帽子はさりげなく気品あふれ、素敵なのである。

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パレード・リングへ馬車でロイヤル・プロセッション

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こんなに間近

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パレード・リングでは馬とジョッキーを吟味する。

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レースを観戦

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疲れたら、テラスで飲食と一休み




その日は 6レースが行われた。レース・ブックには詳しく馬やジョッキーの情報が
出ているのだが、初心者のわたしたちは自分でどの馬に賭けたらいいのかわからない。
だから、売りに来たくじを選んだ。六レースの予想勝ち馬が印刷されたもので二ポンド。
全部当たれば、ジャック・ポットで高額の配当金が得られるが、確率はほぼ0に等しい。
それでも、自分で買った馬券のごとく、もしくは自分の持ち馬を応援する気分になって
エキサイティングに楽しめる。
しかも、わたしのくじに載っていた馬たちは、六レース中三つに勝ったのだった。

その晩は、ロイヤル・オペラ・ハウスで初めて上演されるというプッチーニの
「マノン・レスコー」初日を観賞するため、レース観戦の服装のままででかけた。
まさに、A day at the races と A Night at the Operaを一日で体験したのだった。


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by didoregina | 2014-06-24 19:00 | 帽子 | Comments(10)

Iestyn Davies Recital: Evensong - English Cathedral Organists in Song

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2014年6月15日@ウィグモア・ホール
Evensong - English Cathedral Organists in song

Iestyn Davies (countertenot)
Malcolm Martineau (piano)

Michael Howard: The painted rose
Purcell: Full Fathom Five (realised by Thomas Adès)
William Croft: A Hymn on Divine Musick (realised by Britten)
William Byrd: Ye sacred muses
Jeremiah Clarke: A Divine Hymn (realised by Britten)
Herbert Howells: Goddess of night; The little boy lost; When the dew is falling;
King David

Intervval

Charles Villers Stanford: La Belle Dame sans merci
Cyril Bradley Rootham: Everyone sang; Idyll; A supplication
Francis Jackson: From a railway carriage
Philip Moore: Summer night; Cradle song
Francis Jackson: Tree at my window
Thomas Dunhill: The Cloths of Heaven
Henry Walford Davies: I love the jocund dance
Ivor Gurney: The Apple Orchard
Ivor Novello: Fly home little heart

Encore
Henry Purcell: An Evening Hymn; Music for a while

イエステイン・デイヴィスがロンドンで行うコンサートではフランチャイズ化している
というか定番会場であるウィグモア・ホールには、今回初めて入った。
ホールのサイズ、ステージの造り、イスの並べ方その他内装など、コンセルトヘボウの
小ホールにとても似ている、という印象だ。(コンヘボの小ホールの方がもう少し寸詰
まりで横に広いが)室内楽コンサートや声楽リサイタルにはぴったりの規模である。
音響の感じも似ていて、小さなホールなのでちょっと響きすぎるきらいがある。
ともあれ、インティームな雰囲気は悪くなく、いかにもクラシック好きそうな客層
(イケてない服装や高齢の年齢層)もコンヘボと激似。

すべてを聴かせます!という先月のケルンでのリサイタル曲目とはまた打って変わって、
今回はイギリスの聖堂付属オルガニストによって作曲された16世紀から21世紀までの聖歌・
讃美歌などが中心のオリジナリティあふれる選曲の意欲的なプログラムである。(終演後、
ピアニストに訊いたところ、曲目選定はイエステイン君)

バードやパーセルそしてハウウェルを除くと、今まで名前を聞いたことがない作曲家ばか
りである。

パーセル作曲(アデス編曲)のFull fathom fiveを、イエスティン君のコンサートで聴く
のは4回目である。土臭い男性的なイメージの曲であり、しかも音域があまりCT向けでは
ないように思えて最初のうちはこの曲を聴くのが苦手であった。
しかし、何度も生で聴くうちに、英国的かつ控えめなこの曲のよさが少しわかるように
なったのか、それともパワーを抑えてリラックした優しさの感じられる歌唱と、それに
寄り添うピアノの親密さに感服したこともあり、そんなに悪い曲じゃないんじゃないか、
と思えるようになった。

教会付属オルガニスト作曲であっても、聖書を題材にした抹香臭い曲ばかりというわけ
ではないのがこのプログラムのミソで、シェイクスピアやブレイク、キーツ、テニソン、
イェイツそしてフロストなどの詩に付けられた曲は、テーマも様々である。

後半は非常にロマンチックな詩に作曲されたものが多い。休憩後最初の曲は、キーツの
「つれなき美女」なので、身を乗り出して聴いた。ところが、意外にもかなりあっさりと
いかにも20世紀的初頭の作風で、19世紀的ロマンチシズムの情感はほとんど感じられない
曲なのであった。う~む、この詩はやっぱり朗読を聴く方が好きだ。




それに対して、21世紀になってムーアが19世紀のテニソンの詩と17世紀のワッツの詩に
曲を付けたSummer NightとCradle Songは優しさにあふれるメロディーで気に入った。
特に、子守唄はイエスティン君の慈愛に満ちた歌唱とも相まって、じんわりと心の琴線に
触れるのであった。

わたしにとっては、ジャクソンがフロストの詩に付けた曲Tree at my windowが今回の
リサイタルの白眉であった。イエスティン君によって歌われる英語の歌詞は、毎度ながら
明瞭かつ丁寧な発音で美しく、ホールの隅々にまで届く歌唱には余裕もうかがえる。
前回も感じたのだが、イギリスで歌うときにはいい意味でリラックスしたものが感じられ、
こちらも緊張を強いられることなく楽しめるのだ。

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アンコール1曲目は、まさに今回のプログラムにはこれ以上ふさわしい曲はありえないと
思われるパーセルの「夕べの賛歌」。
イエスティン君によってしみじみと歌われると、涙がこぼれそうになるほど美しい。

そして、アンコール2曲目は、まさかの Music for a while. 
この曲は、コンサートの〆、アンコールにやっぱりふさわしい。
これで希望がまた一つ叶った。あとは、イエスティン君の歌うChe faroが聴けたら、もう
思い残すことはないだろう。


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by didoregina | 2014-06-23 15:34 | イエスティン・デイヴィス | Comments(2)

ウォレス・コレクションでバロックの珠玉を観る

ロンドンのウォレス・コレクションには今まで足を踏み入れたことがなかった。
音楽と美術の好みが合うセルビア人の友人が、イチオシ!と言うので、今回初めて
行くことになった。

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貴族の邸宅が建物で、5世代にわたる一家のコレクションだが、現在は国のものなので
入場料は無料。

ダイニングルームやビリヤード室、サロンなど様々な部屋の壁に所狭しとバロックや
ロココの絵が掛かっている。フラゴナールやプッサン、ワトーも素晴らしいが、17世紀の
オランダやフランダース絵画に目を惹くものが多い。

白眉は、現在は地下に移されているグレート・ギャラリーから選び抜かれた作品だ。

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Frans Hals, The Laughing Cavalier (1624)


リラックスした人物の表情はいかにもハルスらしく一瞬の頬の緩みが捕らえられていて、
達筆ながら緻密に描きこまれた衣装を纏った自警団騎士の肖像画がその部屋の目玉だが、
それと対面する形で反対側の壁にヴァラスケスの絵が掛かっている。

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Diego Velazquez, The Lady with a Fan (1640)

この2枚の絵の対比が絶妙である。

ヴェラスケスの絵にしては、厳めしさがなくてソフトな雰囲気で(友人によると、ヴェラ
スケス本人の手によるものではなくアトリエの弟子に描かせたらしい)、エレガントな貴
婦人なのだがおっとりとした鷹揚さが感じられ、非常に好ましい。

こうして二枚を交互に同じ部屋で観ると、ハルスとヴェラスケスというまるで正反対と
思われる画風の二人の画家がほぼ同時代に生きていたことが実感されるのであった。


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Anthony van Dyck, Paris (c. 1628)

このパリスを描いた絵もファン・ダイクらしからぬ甘美さが漂い、陶酔したような表情が
よく言えば非常にイタリア・バロック的である。

そしてその向かいには、

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Domenchino, A Sibyl (early 1620's)

この2つがまた対峙しているディスプレイが絶妙だ。
こうして、北方(オランダ、フランダース)と南方(スペイン、イタリア)の対照的な
国柄の画家の絵を並べずに向かい合わせに置くことで、バロックと言う括りでの共通項と
同時代性を観る者に訴えるのである。唸らされた。

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たっぷりと美術鑑賞を楽しんだ後は、お約束のカフェでお茶。
広々とした中庭を高いガラス天井で覆った明るいカフェで、しばし友人とまったり。
入場料無料の美術館では、なるべく寄付代わりにカフェ・レストランを利用することに
しているが、ここは最高。

ここを案内してくれた若い友人は、来週、ロンドンを去って国に帰るのだが、彼には感謝
するとともに将来の夢の実現を応援したい。
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by didoregina | 2014-06-19 15:00 | 美術 | Comments(0)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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