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イエスティン・デイヴィスが英語で歌うベルタリドのアリア

イングリッシュ・ナショナル・オペラのヘンデル『ロデリンダ』は、今晩2月28日が初日です。
これを機に、マレーナ様私設ファンクラブに倣って、イエスティン君応援のための私設ファンクラブを
ここに設立したいと思います。

ENOでは全てのオペラを英語で上演するので、英訳歌詞がこなれてない点や英語で歌われるという
不自然さに対しては、オペラファンおよび歌手の意見でも好き嫌い賛否の分かれるところですが、
ヘンデルのイタリア語のオペラを英語で上演するとどういう感じになるのでしょうか。

Dove sei, amato bene? ならぬ O, where are you, dearest beloved?




ENOプロモ・ヴィデオで聴くことができるイエスティン君の歌うベルタリドのアリア『お前はどこに、
愛おしい人よ」には、事前に恐れていた英語歌詞の不自然さが全く感じられないどころか、とても
こなれた印象です。まるで、ヘンデルがこの歌詞に曲を付けたかのように。
この好印象の理由としては、イエスティン君が歌っているから、ということも大きいでしょう。
彼の英語の発音と歌唱がぴったりと合って、美しいことこの上ありません。
切々と語る心情がひしと胸に迫り、うっとりと聞きほれてしまいます。

『ロデリンダ』には、このほかにも美しいオペラが散りばめられていて、ベルタリドの歌の比率も高い
ので、イエステイン君はどうベルタリドを演じ歌うのか、3月2日の実演鑑賞がとても楽しみです。
METで以前に原語のイタリア語で上演されたものと演出は同じですが、アンドレアス・ショルが
ベルタリド役のそのプロダクションは事前にはあえて見ないことにしました
。予習は、その他の
プロダクション動画と録音でしています。)

追記と訂正:ENOの演出はリチャード・ジョーンズが担当し、METのプロダクションとは全く別物
でした。当初ENOが使っていた写真がMETのものだったので、勘違いしていました。ENOでの
『ロデリンダ』鑑賞記もなるべく早くアップしたいと思います。


当イエスティン・デイヴィス・ファンクラブでは、会員募集を常時行っていますので、皆さまのご参加を
お待ちしております。
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by didoregina | 2014-02-28 12:30 | イエスティン・デイヴィス | Comments(8)

ロンドン遠征の着物準備

今週末からロンドンに遠征する。丁度カーニヴァルの4日間で、なんともうまい具合に、バカ騒ぎ
から脱出できるお誂え向き日程でオペラ鑑賞できるのがうれしい。

今回の遠征第一の目的は、イエスティン君が出演するENOでの『ロデリンダ』鑑賞である。
着物選びも力を入れて、コーディネートも完璧にしなければならない。

歌劇場の椅子は赤い色のところがほとんどなので、白っぽい着物が映える。
そこで真っ先に考えたのは、4年前のロンドン遠征で着用したこの組み合わせ。

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         クリーム色に昭和ポップな遠山と雲が描かれた訪問着に
         パステルカラーの砂子綴れの袋帯。帯締と帯揚げも同系色で。


それとも、帯は変えてこちらにしようか。

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富士山を綴れで織り出した袋帯。フォーマル感があるが、
         印象派風の淡い色調で前帯は縦縞の模様になる。



そして、もう一つ鑑賞するオペラは、ROHでチョーフィとフローレス主演のドニゼッティ『連隊の娘』。
当初、こちらには洋装で出かけようと思って、現在シルクのワンピースを作成中であるのだが、
ロンドンの椿姫さんとも相談した結果、やはり着物で鑑賞することに。
劇場で映えるパステルカラーで、上の訪問着と同じ長襦袢を合わせられるという基準で選んだ
着物は、洋風若草色に桜などの花びらが舞っている小紋。

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         同系色コーデが好きなので、黒地にグリーンと黄色、金糸銀糸で
         向かい鳥を織り出した帯を合わせてみた。


自分一人では決めかねて皆様のご意見を伺うと、どうも上の組み合わせはイマイチ人気がない。
かなり派手なオレンジに金糸で、蝶や牡丹が織り出された下の帯を推す声が多い。

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         日本でだったら、10代から20代前半くらいまでしか締められそうもない。
         でも、ヨーロッパの歌劇場では、このくらい派手でも全く違和感がない。



遠征前に実際に着てみて、顔映りも含めた全体の印象がしっくりくる組み合わせコーディネートを
決定するつもりである。

それにしても、FBにこれらのコーデ写真をアップすると、世界各国の友人から忌憚のない意見や
助言が得られるのがうれしい。
特にバロックオペラに詳しい人たちが、『ロデリンダ』初演時に主役だったクッツォーニが着たという
衣装の色(茶色)を引き合いに出したアドヴァイスを寄せてくれたり、茶色には銀のアクセサリーを
合わせたら完璧という意見もあった。
また、私の髪の色に合わせたコーデやメイクのアドヴァイスをしてくれるFB友もいた。
そういう風に行く前からすでに注目してもらえると、着物でオペラ鑑賞の励みになる。
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by didoregina | 2014-02-26 12:01 | 着物 | Comments(20)

Miele  現代イタリアの「死の天使」

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Directed by   Valeria Golino
Produced by   Valeria Golino
Written by   Angela Del Fabbro  Valeria Golino
Cinematography   Gergely Pohárnok
Cast
Jasmine Trinca as Irene/Miele
Carlo Cecchi as Carlo Grimaldi
Libero De Rienzo as Rocco
Vinicio Marchioni as Stefano
Iaia Forte as Clelia
Roberto De Francesco as Filippo
Barbara Ronchi as Sandra
Massimiliano Iacolucci as Irene's father
Claudio Guain as Ennio
Valeria Bilello as Irene's mother

2013   Italy




3月からのオランダ劇場公開に先駆けて、Movies that matterという団体主催の上映会で
先週、この映画を観た。
安楽死(尊厳死)をテーマにした作品であるし、英語字幕(原語はイタリア語)での一回限りの
先行上映だから、医学部学生をはじめとする若い観客が集まるかと思ったら、会場はガラガラ
だった。上映会後にディスカッションとかあるのかと思ったらそれもなかった。

ミエルというコードネームの30歳くらいの女の子イレーネが「死の天使」の役割で、イタリアでは
非合法の安楽死(尊厳死)を行う。顧客は大学病院に勤める友人から紹介され、イタリア各地に
赴いて、死だけを望んで生きながらえている末期患者に手を下す。
メキシコに遠征して手に入れた、犬の安楽死用経口薬を与えるという方法なのだが、彼女なりの
倫理観原則に基づいて儀式的かつクールな仕方で死への道案内をするのだ。

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一見ビジネスライクに冷静に処理しているように見えながら、安楽死に手を貸したあと、ミエルは
必ず肉体的・精神的に塗炭の苦しみに襲われる。まるで死神との取引によって、彼女の寿命が
その都度、削り取られていくかのように。
そんな辛い思いをして、しかもかなりやばい橋を渡ってまで他人の安楽死に協力するという彼女の
使命感や原動力はどこから来ているのだろう。大金の報酬という金銭的理由が第一とは思えない。
父親や友人やBFにも本心を絶対に見せない彼女の心の闇。それは、ほとんど最小限にほんの少し
しか示唆されないので、映像から想像するほかない。
10年前に亡くなったという母親の若いころのイメージが時たま映像に挿入されるから、何かそこに
関係があるのだろうと。


オランダではEU内では真っ先に医師による安楽死(尊厳死)が合法化されたが、様々な条件と
手順が必要で、簡便に日常的に実現できるというものではもちろんない。外国人や部外者には
合法ドラッグを手に入れるのと同じようなノリでオランダならば安楽死も楽に行うことができるん
じゃないか、と想像する人も多いようだが、単に死にたいとか死なせて楽にしてやりたいとかの
理由ではだめだ。
病気などの末期症状で耐え難い痛みのため人間らしい生活が送ることが不可能とか、植物状態
になったきり改善の見込みが今後ありえないとかの理由で、本人や家族が強く望み承諾することが
最低限必要である。

逆にいうと、イタリアではそういう切羽詰まった場合でも安楽死は法的には認められないから、
闇の死の商人や死の天使が暗躍しているのだろう、と想像させる。

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そんなミエルに、末期患者ではないカルロという老人からの依頼が来る。彼は身体は健康その
もので年よりずっと若々しく見えるが、厭世的というか少々鬱気味で人生に倦んでいるのである。
しかし、そういう人に安楽死をさせる、ということはミエルの職業(?)倫理観からは外れるので、
断固拒否をするのだが。。。。
カルロとの出会いから、彼女は自分を見つめ直すことになり、カルロのことを心配するあまりに、
何度も会っているうちに人生の先輩カルロを通じて、迷路に入り込んで失っていた自分自身や
人生の明部を取り戻していく。

そして、これがイタリア映画らしいなあ、と思った点なのだが、この映画はオープンエンドにはなって
いず、しっかりとしたまとめみたいな結末があるのであった。
このところフランス映画ばかり見ていて、どれもが曖昧なオープンのエンディングばかりなので、
この映画はその点でも新鮮であった。
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by didoregina | 2014-02-24 09:59 | 映画 | Comments(0)

DNOの2014・2015年演目発表  デュモーのタメルラーノ!

ヨーロッパの歌劇場の先陣を切って、アムステルダムのDNOが来シーズン演目を発表した。

http://operaballet.nl/en/program/season-2014-15-opera-ballet

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昨日からオペラとバレエが合併して、正式名称Nationale Opera & Balletになった。
オペラ部門のオランダ語名はDe Nationale Opera、英語名はDutch National Opera
なので、略称は今までのDe Nederlandse Operaと同様DNOのままというのは、面倒がなく
よろしい。

演目・キャストをコピペして、一言コメントを添えた。

全体的には、近年まれにみる充実ぶりと言える。理由のひとつは、バロック・オペラが3作しっかり
入っていることと、その出演歌手が凄いからだ。


Gurre-lieder Arnold Schönberg (1874 -1951) 2-23 September 2014

Musical Director: Marc Albrecht
Stage Director: Pierre Audi
Decor and Costumes: Christof Hetzer
Lighting Design: Jean Kalman
Video: Martin Eidenberger
Dramaturgy : Klaus Bertisch
Orchestra: Netherlands Philharmonic Orchestra
Cast:
Waldemar : Burkhard Fritz
Tove : Emily Magee
Waldtaube: Anna Larsson
Bauer : Markus Marquardt
Klaus Narr: Wolfgang Ablinger-Sperrhac

アルブレヒト指揮・オーディ演出。演出付で『グレの歌』上演と言うのは珍しいのではないか。
この曲は生で聴いたことないので興味津々。トーヴェにエミリー・マギー、山鳩にアンナ・ラーソン。


Orfeo Claudio Monteverdi (1567-1643) 3-6 September 2014

Musical Director: Pablo Heras-Casado
Stage Director/Choreography: Sasha Waltz
Decor: Alexander Schwarz
Costumes: beate Borrmann
Lighting design: Martin Hauk
Orchestra: Freiburger Barockorkester
Cast:
La Musica/Euridice: Anna Lucia Richter
Orfeo: Georg Nigl
La Messagiera/La Speranza: Charlotte Hellekant
Caronte: Douglas Williams
Proserpina: Luciana Mancini
Plutone : Konstantin Wolff
Ninfa/Pastore 1: Cécile Kempenaers
Apollo/Eco/Pastore 4: Julián Millán
Pastore 2/Spirito: Kaspar Kröner
Pastore 3/Spirito: Kevin Skelton
Pastore 5/Spirito: Hans Wijers

パブロ・ヘラス=カサド指揮FBO!サシャ・ヴァルツ演出・振付!オルフェオにゲオルク・ニグル。
プロセルピーナにルチアーナ・マンチーニ!


L’étoile  Emmanuel Chabrier (1841-1894)  4-26 October 2014

Musical Director: Patrick Fournillier
Stage Director and Costumes: Laurent Pelly
Decor: Chantal Thomas
Lighting Design: Joël Adam
Dramaturgy: Agathe Mélinand
Orchestra:  Residentie Orchestra
Cast:
Ouf I: Christophe Mortagne
Lazuli: Stéphanie d’Oustrac
La Princesse Laoula: Hélène Guilmette
Siroco: Jérôme Varnier
Hérisson de Porc-Épic: Elliot Madore
Aloès: Julie Boulianne
Tapioca: François Piolino

ローラン・ペリ演出、ラズーリにステファニー・ドゥストラック。


Lohengrin  Richard Wagner (1813-1883)  10-29 November 2014

Musical Director: Marc Albrecht
Stage Director: Pierre Audi
Decor: Jannis Kounellis
Costumes: Angelo Figus
Lighting design: Jean Kalman
Dramaturgy: Klaus Bertisch
Orchestra:  Netherlands Philharmonic Orchestra
Cast:
heinrich der Vogler : Günther Groissböck
Lohengrin: Nikolai Schukoff
Elsa von Brabant: Juliane Banse
Friedrich von Telramund: Evgeny Nikitin
Ortrud: Michaela Schuster
Der Heerrufer des Königs: Bastiaan Everink
Vier brabantische Edle: Pascal Pittie Morschi Franz Harry Teeuwen Peter Arink
Vier Edelknaben: Tomoko Makuuchi Michaela Karadjian Anneleen Bijnen Inez Hafkamp

オーディ演出、ローエングリンにシューコフ、テルラムントにニキーチン、オルトルードにシュスター。


La bohème Giacomo Puccini (1858-1924)  7-30 December 2014

Musical Director: Renato Palumbo
Stage Director: Benedict Andrews
Decor: Johannes Schütz
Costumes: Victoria Behr
Lighting design: Jon Clark
Orchestra:  Netherlands Philharmonic Orchestra
Cast:
Rodolfo: Atalla Ayan
Schaunard: Thomas Oliemans
Benoit/Alcindoro: Matteo Peirone
Mimi : Grazia Doronzio
Marcello: Massimo Cavaletti
Colline: Gianluca Buratto
Musetta: Joyce El Khoury
Parpignol: Morschi Franz

ムゼッタにジョイスちゃん。


Il viaggio a Reims  Gioachino Ross ini (1792-1868)  20 January
2-8 februari 2015

Musical Director: Stefano Montanari
Stage Director: Damiano Michieletto
Decor: Paolo Fantin
Costumes: Carla Teti
Lighting design: Alessandro Carletti
Orchestra: Netherlands Chamber Orchestra
Cast:
Corinna: Eleonora Buratto
La Marchesa Melibea: Anna Goryachova
La Contessa di Folleville: Nino Machaidze
Madama Cortese: Carmen Giannattasio
Il Cavaliere Belfiore: Juan Francisco Gatell
Il Conte di Libenskof: Michael Spyres
Lord Sidney: Roberto Tagliavini
Don Profondo: Nicola Ulivieri
Il Barone di Trombonok: Bruno De Simone
Don Alvaro: Mario Cassi
Don Prudenzio: Biaggio Pizzuti
Delia: Maria Fiselier
Maddalena: Teresa Iervolino
Modestina: Florieke Beelen
Zefirino/Gelsomino: Jeroen de Vaal
Antonio: Tomeu Bibiloni

ミキエレット演出。マチャイゼとスプライヤーズ。


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Tamerlano  Georg Friedrich Händel (1685-1759)  24-28 February 2015

Musical Director: Christophe Rousset
Stage Director: Pierre Audi
Decor and Costumes: Patrick Kinmonth
Lighting Design: Matthew Richardson
Orchestra: Les Talens Lyriques
Cast:
Tamerlano: Christophe Dumaux
Bajazet: Jeremy Ovenden
Asteria: Sophie Karthäuser
Andronico: Delphine Galou
Irene: Ann Hallenberg
Leone: Nathan Berg

出た!真打登場!デュモーのタメルラーノ!モネとの共同プロなので、ブリュッセルでも観れる!
オーディ演出2005年の再演。ドロットニングホルム版!
オケ、指揮、キャストに文句なし!このままキャスト変更がなければ、ほとんど最強だ。


Alcina  Georg Friedrich Händel (1685-1759)  25 February-1 March 2015

Musical Director: Christophe Rousset
Stage Director: Pierre Audi
Decor and Costumes: Patrick Kinmonth
Lighting Design: Peter van Praet
Orchestra: Les Talens Lyriques
Cast:
Alcina: Sandrine Piau
Ruggiero: Maite Beaumont
Bradamante: Varduhi Abrahamyan
Morgana: Sabina Puértolas
Oberto: Chloé Briot
Oronte: Daniel Behle
Melisso : Giovanni Furlanetto

『タメルラーノ』同様ドロットニングホルム版で、同時期に交互上演。モネとの共同プロ。
ピオー、アブラミヤン、ベーレと、こちらもかなり強力なキャストだ。


Die Zauberflöte  Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)  4-27 March 2015

Musical Directors: Marc Albrecht & Gergely Madaras 22, 24, 27 maart
Stage Director: Simon McBurney
Decor: Michael Levine
Costumes: Nicky Gillibrand
Lighting design: Jean Kalman
Video: Finn Ross
Sound: Gareth Fry
Movement: Josie Daxter
Dramaturgy: Simon McBurney Klaus Bertisch
Orchestra: Netherlands Chamber Orchestra
Cast:
Sarastro: Brindley Sherratt
Tamino: Maximilian Schmitt
Sprecher: Maarten Koningsberger
Erster Priester/Zweiter: Thomas Dear
Zweiter Priester/Erster geharnischter Mann: Elmar Gilbertsson
Königin der Nacht: Iride Martínez
Pamina: Chen Reiss
Erste Dame: Judith van Wanroij
Zweite Dame: Silvia de la Muela
Dritte Dame: Julia Faylenbogen
Drei Knaben: Knabenchor der Chorakademie Dortmund
Ein altes Weib (Papagena): Regula Mühlemann
Papageno: Thomas Oliemans
Monostatos: Wolfgang Ablinger-Sperrhacke

チェン・ライスのパミーナとボーイソプラノの子役に注目。


Macbeth  Giuseppe Verdi (1813-1901)  3-28 April 2015

Musical Director: Marc Albrecht
Stage Director: Andrea Breth
Decor and Costumes: Martin Zehetgruber
Lighting Design: Alexander Koppelman
Dramaturgy: Klaus Bertisch
Orchestra: Netherlands Philharmonic Orchestra
Cast:
Macbeth : Scott Hendricks
Banco : Vitalij Kowaljow
Lady Macbeth : Tatjana Serjan
Dama di lady Macbeth : Letitia Singleton
Macduff : nog niet bekend

ブレト女史演出。


Benvenuto Cellini Hector Berlioz (1803-1869)   9-31 May 2015

Musical Director: Sir Mark Elder
Stage Director: Terry Gilliam
Co-director & Choreography: Leah Hausman
Decor: Rae Smith
Costumes: Katrina Lindsay
Lighting Design: Paule Constable
Video: Finn Ross
Orchestra: Rotterdam Philharmonic Orchestra
Cast:
Benvenuto Celllini: John Osborn
Giacomo Balducci : Maurizio Muraro
Fieramosca: Laurent Naouri
Le Pape Clement VII: Orlin Anastassov
Francesco : Nicky Spence
Pompeo: André Morsch
Le Cabaretier: Marcel Beekman
Teresa: Patricia Petibon
Ascanio: Michèle Losier

聴いたことないオペラだが、ナウリとプティボンというフランス人キャストが魅力。(ただし、DNOの
キャスト暫定というか希望みたいな感じで、いつのまにか別の歌手に代わっているということが
よくある。)


Lulu  Alban Berg (1855-1935)  1-28 June 2015

Musical Director: Fabio Luisi
Stage Director: William Kentridge
co-director: Luc de Wit
Decor: Sabine Theunissen, William Kentridge
Costumes: Greta Goiris
Lighting Design: Urs Schönebaum
Video : Catherine Meyburgh
Orchestra: Royal Concertgebouw Orchestra
Cast:
Lulu: Mojca Erdmann
Gräfin Geschwitz: Jennifer Larmore
Eine Theater- Garderobiere/ Ein Gymnasiast/ Ein Groom: Rebecca Jo Loeb
Der Maler/Ein Neger: William Burden
Dr. Schön/Jack the Ripper: Johan Reuter
Alwa: Daniel Brenna
Schigolch: Franz Grundheber
Ein Tierbändiger/ Ein Athlet: Werner Van Mechelen
Der Prinz/Der Kammer- diener/ Der Marquis : Gerhard Siegel
Eine Fünfzehnjährige: Katrien Baerts
Ihre Mutter: Helena Rasker
Eine Kunstgewerblerin: Virpi Räisänen
Ein Journalist: Roger Smeets
Ein Diener : Peter Arink

METとENOとの共同プロ。エルトマンが消えてハニガンになったら文句なし。ゲシュウィッツ役の
ラーモアに期待。シーズン最終演目恒例でコンヘボ・オケがピットに入り、力がこもってる。
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by didoregina | 2014-02-18 13:42 | オペラ実演 | Comments(29)

Only lovers left alive ジャームッシュの新作にティルダ!

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Director: Jim Jarmusch
Producer: Reinhard Brunding Jeremy Thomas
Scenario: Jim Jarmusch
Cast
Adam: Tom Hiddleston
Eve: Tilda Swinton
Ava: Mia Wasikowska
Marlowe: John Hurt
Ian: Anton Yelchin
Dr. Watson: Jeffrey Wright
Photography: Yorick Le Saux
Edito:r Affonso Gonçalves
Production design: Marco Bittner Rosser
Music: Jozef van Wissem
2013年 アメリカ







ジム・ジャームッシュの映画を見るのは、ほとんど10年ぶり。
初期の作品、『ダウン・バイ・ロー』や『ストレンジャー・ザン・パラダイス』は大好きだった。
その彼の新作に、贔屓のティルダ・スウィントンが出演するのだから、期待値は高い。

いかにものジャームッシュらしさは、スローなテンポのストーリー展開、人がよくて憎めない
登場人物たちのとろとろとした噛み合わないような会話、そして、アメリカの都市の町並みの
荒れようをリリカルに映しだすカメラワーク、シネフィルらしいレフェレンスなどに健在で、
懐かしささえ覚えた。
主演の二人の格好は、70年代終わりから80年代始めのアメリカのニューウェーブ歌手みたいで
最高にクールでカッコよさ抜群である。

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        ちょっとゴシックが入ってるアメリカのパンクっぽいアダム

アダムとイヴは吸血鬼で、21世紀のデトロイトとタンジェで細々と生きている。
人生に飽き倦んでいるのだが、死への積極的渇望もない。

アダムは、レトロ趣味の機械と音楽オタクである。その彼を物心両面で助けるのが、気のいい
イアンとワトソン博士の二人で、彼らとのぎこちない会話のやりとりが、『ストレンジャー・
ザン・パラダイス』を思い出させて、見る方は嬉しさにニンマリしてしまう。

現在に生きる吸血鬼アダムは、人を襲って生き血を吸う代わりに、病院で懇意の医者にわい
ろを渡して新鮮かつ汚れのない血を分けてもらうのである。
アダムは、ファウスト博士という名札を付けて医者に扮装して病院に紛れ込むのだが、彼に
生き血を世話する医者のワトソン博士は、彼のことをドクター・ストレンジラブとか、カリ
ガリ博士とか呼ぶのが、ジャームッシュの得意技で、名画へのオマージュとなっていてほの
ぼの気分になる。

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            タンジェに住むイヴは、マーロウから生き血を分けてもらう。


一方、イヴは、なぜかモロッコのタンジェに住んでいて、同じ吸血鬼仲間のマーロウから生き
血を分けてもらっている。イブは、幾世期にもわたる暇にかこつけて古今東西の文学を読み
まくるビブリオフィルである。アイドルの写真やポスターならぬ、文学者の写真が壁一面に
貼ってある。彼女は、何語の本でも読めるのだ。

夢の中でアダムとイヴは交感しあう。呼ばれてイブはデトロイトに飛ぶ。その航空会社の
名前はエア・リュミエールというのも、いかにもジャームッシュの付けそうな名前である。

デトロイトでの二人に、イブの妹であるエイヴァ(ミアちゃん)が加わると、ようやく事件が
起こる。そこに至るまでのテンポが異常に悠長、というのが多くの人の意見なのだが、ポエ
ティックかつクールな映像の積み重ねでゆっくり進むのが、わたしは嫌いではなかった。
ミアちゃん扮するエイヴァは、こらえ性のない現代娘そのもので、家族でも考え方と生活態度が
異なるとジェネレーションギャップの旋風を巻き起こす、という小津映画に見られるパターンを
ジャームッシュはここでも踏襲していて、エイヴァの存在がアダムとイヴの生活を根本から
脅かすことになるのだった。

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               血のアイスバーを舐めるティルダの表情のキュートさ!


最後には、二人でタンジェに逃避するのだが、なぜ、タンジェなのかというのが、終わりごろ
にわかるのもご愛嬌。

ティルダはわたしと同い年ということも贔屓の理由の一つなのだが、いつまでも宇宙人のよ
うに美しく、クールかつキュートなミューズだ。彼女の出演する映画にはハズレが少ない。

音楽担当は、アメリカで活躍するオランダ人作曲家のヨゼフ・ファン・ウィッセムで、先週
土曜のリュミエールでのプレミエでは彼によるライブコンサートが上映前にあるというので、
興味津々。行きたかったのだが、別のアポがあって行けなかったのが残念だった。
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by didoregina | 2014-02-16 10:33 | 映画 | Comments(3)

さよなら、アムステルダム・リング!

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アムステルダム歌劇場のオーディ演出『リング』は、現在のチクルス公演中の『神々の黄昏』(今週
金曜日)を最後に、17年に渡って語り継がれた伝説の舞台の幕を下ろす。
その伝説の舞台を一部とはいえ目の当たりにすることができたことは、なんという僥倖であろうと、
喜びと寂しさを噛みしめている。

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                  設営中の『神々の黄昏』舞台

わたしとワーグナーというのは、傍目にはどうやら意外な組み合わせのように映るらしい。
確かに『リング』の実演鑑賞は今回が初めてだった。しかし、オペラ舞台鑑賞を始めた20年前から
約10年間は、地元のオペラ団の定期会員だったから、ワーグナーも含む様々なジャンルのオペラを
観てはいたのである。10年前くらい前にそういうお仕着せから脱皮し、自分で選んでアムステルダム
やブリュッセル、リエージュなどにプチ遠征をするようになり、それから自分の好みがハッキリわかって
演目を選ぶようになった結果、ワーグナーからは遠ざかっていだけである。

今回の『リング』も、実は日本から友人が遠征で来なかったら、自分から見に行こうと思ったかどうか。
だから、アムステルダム・リングに導いてくれた友人には、非常に感謝している。

チケットはかなり早くから売り切れだった。サブスクライバー枠で3月に予約注文を入れたのは
正解だった。人気演目だから、8月からの一般発売時には、これはという席は残っていなかった。

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『神々の黄昏』舞台設営には8時間かかる。床材プレキシグラスの重さは一枚8トン。間に照明が
埋め込まれている。照明とブリュンヒルデの炎の点検の最中。

わたしは、チクルスの後半の2演目のみの鑑賞だったが、その合間に、歌劇場主催の『リング・
バックステージ・ツアー』に参加した。リングの上演時間も長いが、バックステージ・ツアーもそれに
見合うべく(?)2時間以上あった。なにしろ、話が17年前の初演に遡るし、すべてに最上級が付く
から説明が長くなる。

舞台造形は各夜毎まったく異なり、壊すのに2,3時間、新たに組み立てるのに6から8時間かかる。
普段はアムステルダムから150キロ離れたブラバント州の『リング』専用倉庫に保管されている舞台
装置を、トレーラー延べ120台を使って運び込む。

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             舞台裏に積み重ねてあるプレクシグラス


その舞台装置が、また超ど級なのである。普段の舞台の形態を全く留めない立体構造で、舞台の
平面構造も各夜毎に異なる。
『ジークフリート』では、オケは通常の舞台下手側後方に乗っかり、上手側とオケの前に3角形の
ような変則的なプレキシグラスの舞台がオケピットの上にも敷き詰められる。そして、客席前3列を
つぶして、木製の廊下のような舞台も延長されて作られる。

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下手バルコンの舞台脇の位置からのカーテンコール写真。斜め後ろを向いてオケの方にむかって
拍手を送る歌手たちの姿勢から、イレギュラーな形態の舞台を想像してもらいたい。
立体構造になっているのは、舞台上部に太い梁のようなものが何層も重なって、その上でも歌手は
歌ったり演技したりするのである。特に、この『ジークフリート』では、実際にボーイソプラノが森の
小鳥役を歌い演技する。それが、かなり高いところから身を乗り出したりして、迫真の演技なので
ある。ほとんど、サーカスの子役に近い。

また、『神々の黄昏』では、舞台設営中の写真をご覧いただくと分かり易いが、オケはまた通常の
ピットの位置に入り、通常の舞台はプレキシグラスで埋め尽くされ、上手後方上部からスロープが
伸び、オケピットを囲むように客席に張り出した半円形の木の舞台が造られている。

もちろん、『ラインの黄金』と『ワルキューレ』では、また異なる舞台造形なのである。

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『神々の黄昏』のジェットコースター状立体セットを舞台裏から見たところ。

こういう立体的かつ奥行きの深く変形舞台を造れるのは、世界広しと言えどもアムステルダム歌
劇場以外は無理だ。パリのバスティーユ、そしてNYのメトロポリタン歌劇場でも、規模を小さくすれ
ば似たような舞台造形も可能かもしれないが、それ以外の動力および防災上も含めたテクニカル
設備の面で無理だそうだ。
たとえば、プレクシグラスの床の一部が開き、舞台と奈落の間を歌手が一瞬で上下移動できる。
その床の上を音もなく動く宇宙船のような乗り物は、ホヴァークラフトと同じ原理で浮いて、音も
なくスムーズに移動する。

オーディ演出のトレードマークとして、炎や煙のスペクタクルな使用というのがある。
アムスの歌劇場舞台では、それらの炎は高圧のガス管を通して供給し作るので、コントロールが
容易であるという。
必要な量と圧力でガスを送り火の大きさを調節し、消すときには高濃度の酸素を充填送風するので
一瞬でできるし、完全に消える。
鍛冶の場面などでは盛大に炎が出るのだが、その上部に、なんとアドヴェンチャーシートと呼ばれる
太い梁のような特設客席が造られていて、前3列潰した客席代わりに40人ほどが座れるようになって
いる。舞台を文字通り上から見下ろす位置であり、臨場感とスリル満点であろう。

かように、オーディ好みの、サーカスのようなスペクタクル満載の、しかしファンタジックなショーに
なっているのが、アムステルダム・リングの特徴である。
読み替えとか小難しいところはなく、シンプルかつ分かり易い。ただひたすらおとぎ話の具現化に
終始していて、観客は五感でそれを体感できるという仕組みである。

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             衣装アトリエで、森の小鳥用衣装素材のプロトタイプを見る。

ジョージ・ツィーピンによる舞台セットは、17年前から見かけは変わらないが、傷んだり壊れたり
した部分には修理が入っているがもうそれも限界で、似たような材料や部品が手に入りにくくなって
いるし、老朽化した装置は安全面で万全とはいえなくなっているから、今回のチクルスを最後に、
これらのセットは壊して破棄される。(ただし、『ワルキューレ』だけは、単独で近い将来もう一度
上演されることが決まっている。)

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衣装デザインは、石岡瑛子さんである。これも、近くで見ても精密なのに驚くし、遠目にも惚れ惚れ
するほど美しい。染めのぼかしのグラデーションが絶妙だし、ぱっきりと潔い造形が大きな舞台に
映える。
近年は、映像化されたりHDでも細かいところまで見えるので、衣装にも手を抜くことが許されない
ようになっている。
石岡さんの亡き後、彼女の名を冠した財団が、『リング』の衣装を引き取ることになっているが、
来年か再来年には、アムステルダム市立美術館で、彼女の回顧展とともに『リング』の衣装も
展示されるという。

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アムステルダム・リングの最後のチクルスはHD録画されて、TV放映、オンライン・ストリーミング
もしくは劇場公開される。それは、記録に残すという意味で重要なのだが、歴史に残るアムステル
ダム・リングは、実演に接しないとその全体像をつかむのは容易ではなく、その偉大さも実感でき
ないだろう。
ぎりぎりセーフで間に合って、歴史を見届けることができたことをうれしく思う。
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by didoregina | 2014-02-12 11:51 | オペラ実演 | Comments(4)

チューリッヒの『アルチーナ』から、マレーナ様ルッジェーロの動画!

マレーナ・エルンマン・ファンクラブの皆様、お変わりありませんか。

ヨーロッパは異常な暖冬なのに日本では豪雪と、予測の付きにくい天候のため、風邪をお召しの
方もいらっしゃるかと思います。
パワフルなマレーナ様の動画をご覧になって、目と耳からヴィタミンを吸収してください!





ますますパワーアップしたマレーナ様の演技と歌唱に、皆さま、身を瞠らされたことと思います。

現在チューリッヒでは、ヘンデルの『アルチーナ』(チェチリア・バルトリがタイトル・ロール)公演中で、
マレーナ様はルッジェーロ役で出演しています。
演出はクリストフ・ロイ。ロイ演出の『湖上の美人』も、チューリッヒ公演(ディドナートが主演)の
数年後、2012年夏にマレーナ様が主演、アブラミヤンが共演でウィーンで再演されました。
だから、今回の『アルチーナ』も、またアン・デア・ウィーン劇場で再演されるのではないかと思って
います。

動画からの印象では、このルッジェーロのキャラクターは、ノーブル演出の『セルセ』とマクヴィカー
演出の『アグリッピーナ』でのネローネを合体させたかのような感じです。まさに、マレーナ様が
ヘンデルのオペラで演じるコミカルなズボン役の集大成のような趣です。


もう一つアップされている、ルッジェーロのスローなアリアの動画もご覧ください。




ファンの皆さま、心を一つにして、この『アルチーナ』再演を念じ、願いましょう!
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by didoregina | 2014-02-11 10:25 | マレーナ・エルンマン | Comments(0)

デルフト、月曜の朝

アムステルダムやロッテルダムでのコンサートやオペラ鑑賞の後には、デルフトの長男の
ところに泊めてもらうことが多い。
コンサート後、友人と飲みながら反省会などしていると、帰宅は真夜中を過ぎる。
深夜一人歩きしたくないから、アパートの立地が駅前というは何よりも代えがたいからだ。

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         駅前は大規模な開発工事中。古い駅舎は残して、市役所と一体化の
         新しい駅ビルができる。新鉄道は地下に潜る。


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        長男のアパート正面入り口は、17世紀の東インド会社デルフト支店の
        建物の門。運河に面していて、向かいは武器庫。


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              運河の向こうに、フェルメールの墓碑のある旧教会


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               まだ人気の少ない、朝のマルクト広場


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                   マルクト広場に建つ市庁舎


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              市庁舎と向かい合って建つ新教会前のグロティウスの像


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              画家組合の聖ルカギルド・ハウスはフェルメール・センター


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                 デルフト焼きタイルが外壁に貼られている。


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                 どこを切り取っても絵になる風景


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             消防隊員が運河に潜って探し物。特別なものは見つからなかった。 


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  「 無料駐車なら、こちらのカフェにお問い合わせください。」
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by didoregina | 2014-02-07 11:35 | 旅行 | Comments(2)

カリーナ・ゴーヴァン・リサイタル@コンセルトヘボウ

またもや、コンセルトヘボウのコンサート招待券が当たった。
ソプラノ歌手、カリーナ・ゴーヴァンのリサイタルである。

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彼女は、2年前の『アリオダンテ』でのジネーヴラ役が印象に残っているし、この夏の
グラインドボーンでの『リナルド』では、イエスティン君リナルドに意地悪する魔女の
アルミーダ役で出演する。まさに、今聴きたい歌手の一人である。

それではなぜに自分でチケットを買わなかったのかというと、理由はシンプル。
平日夜のコンサートだからだ。
コンセルトヘボウでのコンサート終了後、マーストリヒト行き終電には間に合わないから、
どこかに泊まる必要がある。そういう訳で、行きたいとは思っても二の足を踏んでいる
コンサートが結構多いのであるが、タダで招待されたとなると話は別である。
コンヘボ近くのホテルをラストミニッツで探せば、チケット代金と同じくらいの価格で見つかる。

招待券プレゼントは、通常ペア券である。同行者を探さないといけない。
前回、丁度2か月前にイエスティン君から貰えたカンティクルズ・コンサートと同様に
アムステルダム在住の友人を誘うという手は、今回は使えない。彼女はすでに自前で
チケットをゲットしているのだ。
そして大概、チケット当選のお知らせは、唐突に、応募したのを忘れたころ、コンサート
当日の2,3日前に来るのだ。だから、あわてて同行者を探す電話をかけまくることになる。
いくらタダ券とはいえ、誰でもいいから簡単に放出するのはいやだ。
コンサートを楽しんでくれて、しかも一緒にでかけるのが楽しい相手を選ぶ。

ここにまた、チケット当選の極意も含まれている。
実は、このコンサートの2日前のコンサートにも当選している。(そのレポは1週間前にブログ
記事にしたのだが、投稿に失敗したため精神的に疲れてしまって、書き直す気力が失せ、
またブログ記事アップの間隔が大幅に開いてしまった。)

なぜ、わたしは、こんなにもよくチケット・プレゼントに当選するのか?とは、本人も、そして
まわりの誰もが抱く疑問である。2か月間に3回当選、というのはかなり多い方だと思う。
しかも、3戦3勝の勝率100%とくれば、これはもう、こういう星の元に生まれたのだと言うしか
ない。
ところが、やはり、コツみたいなものもあるようなのだ。

ラジオでのプレゼントに当選したことは皆無である。応募者が多くて、まさに何百分の1の確
率の単なる抽選だからだ。
それに対して、各劇場やコンサートホール、雑誌等のメールマガジンやFB上でのプレゼント
にメールで応募すると、今まで勝率が殆ど100%なのである。
先着順で当たるという運のいい場合もあるが、大概は「なぜそのコンサートに行きたいのか」を
書く。すると、勝率がグ~ンとアップする。つまり、主催者もしくはチケット提供者の心に響くような
コメントを一言書くことで、チケットゲット率が高まるのだ。向こうだって、誰でもいいからタダで
放出するより、来てもらいたい理想の観客・聴衆像にマッチする人を探すものであるのだから。

今回見つかった同行者は、ヨット仲間のHである。彼とは4年前にクロアチアで知り合って以来
趣味が似ていることからツーカーの仲となり、それ以来夫婦そろって4人で毎年6月に2週間北海
セイリングしたり、週末にハイキングしたり、食事したりコンサートに一緒に行ったりするのだが、
丁度コンサート当日、彼はアムステルダム出張なのだと、奥さんTが教えてくれた。願ってもない
同行者である。その晩はアムス泊を1泊伸ばして、コンサートに一緒に行ってくれることになった。

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カリーナ・ゴーヴァンは、つい先ごろまでミュンヘンのBSOでの『ラ・カリスト』に出演していた。
それを観にミュンヘンまで出かけた友人も結構いる。知り合いには彼女のファンが多い。
そして、昨年9月のDNOプロダクション、グルックの『アルミーダ』にも主演した。
実力を知る人は、良く知っている素晴らしい歌手である。

ところが、案に反してコンセルトヘボウ小ホールの座席は、6割ほどしか埋まっていなかった。

それが、どうも、コンセルトヘボウ聴衆のコンサバ度と年齢層を如実に表しているように思える。
バロックを得意とする歌手の場合、バルトリやディドナートくらいの有名歌手ならば、チケット代が
いくら高くてもすぐにソールドアウトになるのだが、知名度がいまいちのアーチストの場合、
事務所や呼び屋さんのプロモーションおよびマーケティングがかなり上手くないと、チケットを
売り捌くのは厳しいという現実が存在するのだ。
名の知れた歌手という安全パイにしか手を伸ばさないという心理はわからないでもない。
でも、有名だが歌唱や喉の盛りを過ぎつつあるような歌手よりも、これから花を咲かせる若手の
青田買い、もしくは今が旬の若手の先物買いのほうがスリリングで、ずっと面白いのに。

Karina Gauvin recital 2014年1月28日@ Concertgebouw, Amsterdam

Karina Gauvin (sopraan)
Maciej Pikulski (piano)

J. Haydn - The Mermaid's Song, nr. 1 (uit 'Six Original Canzonettas',
Hob. XXVIa: 25-30)
J. Haydn - She never Told her Love, nr. 4 (uit 'Six Original Canzonettas',
Hob. XXVIa: 31-36)
J. Haydn - The Spirit's Song, Hob. XXVIa: 41
Vaughan Williams - Silent Noon, nr. 2 (uit 'The House of Life')
Quilter - Love's Philosophy, nr. 1 (uit 'Three songs', op. 3)
Copland - The Boatmen's Dance (uit 'Old American Songs I')
Copland - The Dodger (uit 'Old American Songs I')
Copland - Long Time Ago (uit 'Old American Songs I')
Copland - Simple Gifts (uit 'Old American Songs I')
Copland - I Bought Me a Cat (uit 'Old American Songs I')

Debussy - Nuit d'étoiles
Debussy - Mandoline
Debussy - Beau soir, L. 6
Debussy - Noël des enfants qui n'ont plus de maison, L. 139
Ravel - Cinq mélodies populaires grecques
Bizet - De mon amie, fleur endormie, chanson (uit 'Les pêcheurs de perles')
Bizet - Guitare, nr. 4 (uit 'Feuilles d'Album')
Bizet - Adieux de l’hôtesse arabe
Bizet - Ouvre ton coeur
Poulenc - Les chemins de l'amour

リサイタル・プログラムは5部構成で、全てを聴かせます!という意欲に満ち変化に富んだ内容。
ピアノ伴奏はあっても、ピアノ・ソロでの水増しなど皆無である。

最初の部はハイドン作曲の英語の歌だ。
これが、素晴らしい。ゴーヴァンは、フランス語圏カナダ出身であるが、北米英語も癖がなく、
古式ゆかしいシェイクスピアの詩なども美しい発音で実に耳に心地よい。
ふくよかで響きのよい、よくとおる声を最初から全くセーブしないで聴かせてくれ、全体を通して
この第一部が一番気に入った。
第二部は、D.G.ロセッティの詩にヴォーン・ウィリアムスが曲を付けた、実にわたし好みの曲で
イギリスらしい静謐さと詩情溢れる佳曲。
第三部もそれに近いタイプで、シェリーの詩にキルターが曲を付け、イギリスの田園風景を歌
ったもの。
それに対して第四部はコープランドのあっけらかんとしたちょっと俗っぽいアメリカ民謡調の
明るい曲で、屈託のなさと楽しさを堂々たる歌唱で披露した。

前半が英語の曲だったのに対して、後半はフランス語である。
ドビュッシー作曲の歌曲には、好きなものが多いのだが、どうも、彼女のキャラクターに合わない。
どうも健康優良児的な発声のためか、彼女の歌うフランス語からは世紀末的暗さやアンニュイが
どこからも漂ってこないのが不満として残った。
歌声はあくまでも素直なのだが、声量が満々すぎて、そこはかとない隠微さとは無縁の、ちょっと
薄っぺらな解釈になっているのか、胸にあまり迫ってこない。
ラヴェルも同様であった。フランス語圏といえども、ヨーロッパ大陸とアメリカ大陸とでは、やはり
異なる風土であり、土壌が違うと咲く花の色も異なるということが歌手にも当てはまるのだな、と
思い知らせてくれた。
ビゼーの曲になって、ようやく彼女らしさが発揮できたように思える。スペイン風メロディーで、
日陰の部分にすら太陽の光を感じさせるような彼女の声質にぴったりなのだ。
バロックを得意とする歌手には、声量が乏しいイメージが付きまとうものだが、バロック的歌唱
という枠のみには収まりきらないスケールの大きさと、大輪の花のような華やかさがある声質に
ビゼーの華やかさがしっくりくるのだった。

リサイタル全体での印象は、ゴーヴァンの嫌みのない歌唱がとても好ましく、声量豊かで、
この人は何でも歌えるんだなあ、とその多彩な色彩感覚に感心するのだった。
そして、彼女のイメージと重なっていたバロックのレパートリーは、この晩のリサイタルには
入っていないことに気づいたのだった。
実に楽しいコンサートの後のサイン会で、グラインドボーンに行くことをアピッたら、びっくりされた。
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by didoregina | 2014-02-04 16:52 | コンサート | Comments(13)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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