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月岡耕漁@ボネファンテン美術館

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De schoonheid van stilte
(The Beauty of Silence)
@ Bonnefanten Museun Maastricht
2012年1月17日 - 4月8日
Japanese No and nature Prints by
Tsukioka Kogyo (1869 - 1927)

ポスターにもなっている左の作品は
『能楽百番』より、『敦盛』1924年




マーストリヒトのボネファンテン美術館
月岡耕漁展が開かれている。
主な展示物は『能楽百番』と『能楽図絵』
からの版画だが、鶉やカワセミ、ネズミなど、
自然を題材に採った作品も少数ながら展示
されている。



ボネファンテン美術館も、今年に入って入場料金を1ユーロ値上げして9ユーロになった。
特別展の特別料金は課さないので、高いけどしかたないか、と思いつつ展覧会の始まった
週の土曜日に即行ったのだが、その日は、なぜか常設展示のある2階が閉鎖されていたので
通常料金の半額で入場できた。
非常にラッキーである。なにしろ、この特別展だけ見るつもりで行ったのだから。

月岡耕漁による能楽を題材にした版画は、マーストリヒトでのオークションにもしばしば出てくるので
ビューイングの際、実物を何枚か手にとって見ている。
繊細な線で描かれて躍動感があり、豪奢な能装束の模様の細かさと色の再現力の素晴らしさ、
そして高貴な静謐感漂う彼のスタイルには魅かれるので、いつか手に入れたいと願っている。
オークションでの人気は高く、いつでもすぐにわたしの設定価格を上回る額になるので、まだ一枚も
ゲットしていないが、心に迫るテーマの作品に巡り合うまでと思って辛抱強く待っている。

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            『能楽百番』より『石橋』二点。
             朱色の背景に、牡丹もしくは芍薬を前面に置き、
             白髪と赤毛の二対が鮮やか。


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様々な題の能楽の版画が70点近く展示されていて、一つ一つ丁寧に見ていくとかなり
時間がかかる。金泥や雲母、銀を用いて装束の細かい柄をゴージャスに描いているので、
見る角度によってそれらが反射して色が変わって面白いし、髪の毛の一本一本、背景の
雲や月の線一つ一つが恐ろしいほどの緻密さで彫られているのでついじっくり見てしまうためだ。

また、日本語の能のタイトルをローマ字表記にしてあるだけで、オランダ語や英語に訳されて
いないことが多く、作品に関する説明もないため、描かれた人物の役や題名の意味、はたまた
歴史的背景などを、同行した友人達に一つ一つ説明しつつ観賞したので、えらく時間がかかった。
しかし、それは、非常に喜ばれた。そうでないと、他の人びとのように「細かくてきれいだわね」
程度の感想を持つだけで、次から次へとほとんど素通りに近い速度でさっと見ていくことになる。
お互いにあれやこれやの感想を述べたり、テクニックに驚いたりしつつ、ゆったり味わい楽しむ
ことが出来たと思う。

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        『能楽図絵』より、『朝顔』1902年
        文字通り舞台裏が覗けて楽しい作品だ。
        このシリーズでは、舞台を様々な角度から描いてあったり    
        能面や鬘などの小道具や楽器などが取り上げられている。


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           『能楽百番』より『橋弁慶』1923年
           人物の顔や手や足や袴は単純な線だけで出来ているのに、
           装束の質感は写実的で模様は恐ろしく細部まで描かれている。
           背景の朧月の浮かび上がる様も冷気が立ち上るような地面も
           素晴らしく、弁慶の押しの強さと背景の幽玄さの対比が抜群。


展示品には、本物の能面や謡の本などのほか、版画の版木もあり、刷り上った作品と
版木を見比べることが出来るのも面白い。その細かい彫りのテクニックは驚異的である。
髪の毛など後から描いたのだろう、と思っていたのが彫ってあるので友人は驚いていたが、
文字も同様だ。

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              『能楽百番』より『道成寺』 1925年


展示品は、様々のものをテーマに沿って集めてありヴァラエティーにも富むのだが、ほとんど
何も説明がされていないのでは、宝の持ち腐れも甚だしい。(この特別展は、ライデンの
シーボルトハウスとのコラボで、個人蔵のコレクションを借りたもの)
会場には、図版目録のブックレットが置いてありタダなのはいいが、作品の説明がなく、タイトルと
年号と収集家の名前だけでは、能にさほど興味のない日本人にも日本語のわからない外国人にも
判じ物であろう。
ハード・カヴァーの分厚いカタログ本が70ユーロで売られていて、詳しくはそれを読めということ
らしいが、よっぽどの数寄者しか買わないだろう。わたしも買おうかどうか悩んでいる。
日本文化の粋とも言うべき素晴らしい作品を集めた展覧会なのに、上記の理由から人には勧めに
くい。展覧会としてはあまりに不備な点が多いのが、非常に残念だ。


      
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by didoregina | 2012-01-30 12:32 | 美術 | Comments(4)

The Girl with the Dragon Tattoo 『ドラゴン・タトゥーの女』

原作となったミリオン・セラーの『ミレニアム・シリーズ』は、読んだことがない。
スウェーデンで映画化されたものはTV放映を一部観ただけなので、不気味かつおどろ
おどろしいショッキング・シーンだけ印象に残ったが、全体のストーリーは知らなかった。
スウェーデン版映画の方は、一般的ヒットというよりはカルト人気を博していた。
それがハリウッドでリメーク映画化され、ダニエル・クレイグが主演ということを知り、絶対に
観たい、と思っていた。NRC新聞でも、こちらのハリウッド版のほうがスウェーデン版よりも
ずっと出来がいいと好評である。

試験中で午後は授業がない次男といっしょに出かけた。ハリウッド版映画だから、いつも行く
リュミエールではなく、シネコンでのロードショーだ。
めったに行かないのでつい最近まで知らなかったが、パテという大型チェーン・シネコンでは、
平日午後と週末午前の部は、5ユーロ50セントで最新映画が観られるのだ。
木曜午後2時半からの上映だったので、席はがらがら。観客数は最初7人、途中退場2名という
ありさまである。

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監督:David Fincher

2011年 アメリカ・スウェーデン・イギリス・ドイツ

ミカエル:Daniel Craig
リスベット:Rooney Mara
ヘンリック:Christopher Plummer
マルティン:Stellan Skarsgård
ディルク:Steven Berkoff
エリカ: Robin Wright Penn
ビュルマン:Yorick van Wageningen
アニータ:Joely Richardson
セシリア:Geraldine James





まず、オープニング・テーマ曲からしてかっこいい。なんと、レッド・ツェッペリンの『移民の歌』
をカレン・Oという女性歌手が歌っているのだ。ノリのよさでは、ロバート・プラントに勝るとも劣ら
ないから、こちらはリズムに合わせて思わず頭を振ってしまうのだった。。。
そのオープニング映像も白黒で非常にアーティーである。とてもスタイリッシュなので、本編への
期待がいや増しになる。


     トレイラーのバックにもカレン・Oの歌う『移民の歌』が流れている。
     ビートやメロディーのかっこよさもさることながら、北欧の人々を題材に
     している歌詞内容も、女性がパワフルに歌っていることも、まるで
     この映画のために誂えたかのようで、ドンぴしゃりと嵌っている。

ストーリーの核心にはあまり触れないでおくが、ダニエル・クレイグ扮する敏腕ジャーナリストの
ミカエルに、60年代の失踪(殺人?)事件調査の依頼が、スウェーデン産業界の重鎮から来る。
その一家の面々は、皆暗い秘密を隠していそうで、大金持ちなのでどいつもこいつも傲慢でイヤな
タイプばかり。
舞台となる屋敷はスウェーデン北部の個人所有の島にあり、携帯電話も通じないし、冬は雪に
閉ざされる。その島の一角の家を与えられ、ミカエルが探偵よろしく調査を行うのだが、舞台および
人物設定が、『八墓村』とか『犬神家の一族』みたいな感じである。

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         ポーズが007になってるが、ジャーナリストのミカエル。

もう1人の主人公と言えるタイトル・ロール、ルーニー・マーラ扮するリスベットはゴシック・パンクの
ハッカーである。
マーラの体当たりの役作りが素晴らしい。彼女自身はNYの名門の令嬢であるらしいが、リスベット
役のために大変身して、痛々しい過去の経験によって精神的に不安定な女を演じるのだが、説得力
抜群。

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         まるでコンピュータ・ゲームから抜け出したようにスリムで
         ゴシック・メイクもパンク・ファッションもキマってる。

リスベットの暗すぎる過去と現在の法的・経済的不利を知る立場を悪用して彼女を弄ぶ、とんでも
ない野郎のビュルマン役は、オランダ人俳優が演じている。かなり情けない役どころである。

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         リスベットにエレベーターでかちあったビュルマン。


ミカエルのアシスタントに雇われたリスベットは天才的能力を発揮することになる。水を得た魚の如く
痛快なシーンが多くなる。新時代の理想のヒロイン像の確立だ。

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         リスベットにとって、ミカエルは初めて「友達」と思える相手。

リスベットがミカエルのアシスタントになる際、「女性を次々に殺した殺人鬼を探す」という言葉に
反応したので、「女性の敵」がキーワードで、復讐が彼女のエネルギーの源というか生きる
原動力となっているらしいことがわかる。
普段からやることはぶっ飛んでいて、自分の敵には情け容赦ないリスベットだが、心は脆く、傷つき
やすい少女のようだ。そういう風情を感じさせるマーラの演技力と役作り、もしくは監督のリスベットに
対する視点に好感が持てる。
また、マーラの英語のスウェーデン訛が本格的っぽいので、北欧の女優かと思っていたら、生粋の
アメリカ人であるのに驚いた。ダニエル・クレイグよりも外国語センスがありそうだ。

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         企業のアーカイブにも正式にアクセスできるリスベット。

『裏切りのサーカス』でもそうだが、デジタル化されていない古いファイルである膨大な量の情報
を集めたアーカイブや図書館が舞台になると、物理的な圧迫感が視覚化され、緊張感が増す。
デジタル時代にあって、こういうシーンが映画にはまだよく登場するというのは、一見逆説的だが、
情報をマッスとして見せないと迫力が足りない、ということかもしれない。

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         依頼人の当主ヘンリック役は、マックス・フォン・シドウだと
         ずっと思って見ていた。そっくりだ。

ブルジョワ一家の秘密を暴くようなストーリーが、スウェーデンやデンマークの北欧映画には多い
ように思う。古くはベルイマン、比較的新しいものではトマス・ヴィンターベアのFesten(邦題
『セレブレーション』)がそうだし、グロテスクに近い暴力シーンも北欧映画には付き物だ。

この映画にもサディスティックなシーンが結構沢山出てくるが、コンピュータ・ゲームのようにクールな
映像で体温があまり感じられないせいか、それほどグロではない。マーラの白く細い肢体の美しさに
救われている、と言うべきか。
なお、ダニエル・クレイグは冴えない探偵みたいな役だが、脱ぐシーンが登場するのは彼の宿命か
お約束か。
クレイグは、拙ブログにもタグを設定してあるほど好きな俳優であるが、今回は、マーラの勝ち。
でも、クレイグ出演の映画でハズレというのは、今まで観たことがない。(ハズレそうなのは観ない)
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by didoregina | 2012-01-27 10:53 | 映画 | Comments(6)

2012年新作バッグ

帽子の師匠Pは、昨年6月から街中にアトリエを構えて以来、設備投資にも余念がない。
特に、バッグ作りの道具・材料を次々に買い揃えている。
最強の新兵器は、皮革縫製の業務用ミシンである。また、皮を薄く延ばす機械や、油圧式
穴あけ器なども導入した。
そして、バッグ作りのノウハウのあるIがアシスタントとしてアトリエに通いだしてから、バッグ
作りの腕前は一挙に上がり、仕上がりも格段に進歩した。

おかげで、生徒も安心して皮のバッグ作りに手を出すことができるようになった。
そして、わたしの最新バッグも目出度く、ほぼ思い通りに出来上がった。

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        タテ28センチ、ヨコ30センチ、ヒモの長さ61センチ、
        外側がパープルで反対側がグレーの柔らかいカーフ。
        ピンクとグレーの半月形の蓋がアクセント。


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        蓋は飾りで、裏側はカラフルな縞模様の縮緬の布。


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        ファスナーを開けて中を覗くと、別の裏地。
        財布と携帯用のポケットを付けた。


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        グレーの内側から蓋を縫い付け、ファスナーを隠すように
        して半月が外側に出る。


デザインはマチなしのホーボー・タイプで、柔らかい皮なので、肩にかけると体に馴染む。
当初は、底も半月形にして丸みを持たせるつもりだったが、正方形に近いトートっぽい形に変更。
蓋の裏布の縞柄が少しだけ見えて、ちょっとポール・スミス風でもある。
難を探せば、ファスナーがなぜか白なのと、蓋の位置がちょっと後ろにずれたが、かなり
満足度の高い仕上がりだ。皆からも好評である。

ちなみに、材料費は合計32ユーロ50セントと比較的安いが、時間と手間が結構かかっているし、
レッスン代金を加えると、市販品と同じくらいの値段になる勘定だ。でも、皮などの素材も色も
自分好みのものを選んだし、デザインはオリジナルだし、ホビーなんだから納得の値段とも言える。

このバッグの出来を見て、次回はバッグ作りをしたいと言う生徒が続出。
わたしも味をしめたので、次は、春夏向きのピンクベージュのバッグを作ろうと思っている。

皮のバッグや木型から成型する本格的な帽子作りは、道具と材料と先生が揃わないとなかなか
出来ないホビーである。だから、ブティックの店員なども含めて実物を見た人は、手作りと知ると
皆一様に驚く。わたしだって、こういうものが手作りできるとは数年前までは考えてもみなかった
くらいなのだから。
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by didoregina | 2012-01-25 15:47 | バッグ | Comments(8)

イアン・ボストリッジのリサイタル@デン・ハーグの新教会

デン・ハーグまでイアン・ボストリッジ博士のシューベルトを聴きに行った。
マーストリヒトから電車で片道3時間弱の距離である。

日曜日にオランダ鉄道(NS)を利用するのは非常にリスキーなので、できるかぎり、なるべく
避けたいところだ。
なぜかというと、毎週末、必ずどこかで保線のため線路が閉鎖されているからだ。
それで、恐ろしいほどの回り道ルートになったり、一部区間はバスを代替運行させたりする。
しかし、アムステルダム、ユトレヒト、デン・ハーグ、ロッテルダムなどの都市は家から遠いので、
日帰りしようとするとマチネ・コンサートを狙わざるを得ない。だから、わたしの乗る電車のルートが
丁度その日保線に当たるかどうか、目的地まで一体何時間かかるのか、運を天に任せるしかない。

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            会場は、デン・ハーグの新教会

ボストリッジ博士のコンサートに行くのは初めてだ。今までなかなか縁がなかったのは、マチネしか
狙えないという理由に尽きる。だから、今回のマチネ・コンサートへは万難を排してでも行くべきだ。
そして、その価値は十分以上あった。

c0188818_17472473.jpgIan Bostridge & Julius Drake
2012122@Nieuwe Kerk Den Haag

Franz Schubert (1797 - 1828)
Wehmut
Der Zwerg
Nacht und Traume
Der Musensohn
An die Entfernte
Am Flusse
Willkommen und Abschied
Wandrers Nachtlied II
An die Leier
Am See
Im Haine
Erlkonig

pauze



An den Mond I
Nahe des Geliebten
Nachtgesang
Liebhaber in allen Gestalten
Meerestille
Auf dem See
An Mignon
Erster Verlust
Ganymed
An Schewager Kronos
An den Mond II


この教会へ足を運ぶのは始めてであるから、音響等、色々チェックしたい。

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            1656年の中央構造式のプロテスタント教会。
            1970年代より、教会としての機能はなくなり、
            コンサート会場、結婚式場、その他バーティ用に。

右手脇の狭い入り口から入ると、チケットもぎが立っている、そこから階段を下りて行く。
すると、地下がクローク兼フォアイエになっている。階段の途中には、トイレもある。

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       30分以上前に入場したので、がら空きのフォアイエ。
       チケット代金35ユーロにはコンサート前のコーヒー・紅茶込み。

ここまでの印象では、教会とは思えないほどコンサート会場としての機能がしっかりしている。
地下は暖房も効いてるし、人が集まれば熱気がこもる。コートはクロークに預けた。一抹の不安を
感じたのだが、地下は暖かかったのだ。

カーテンの奥に、コンサート・ホールへ続く階段が隠されていて、15分くらい前に開いた。
再び階段を上がって、教会内部へ。座席には全部番号がついているからあわてる必要はない。

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          階段を登ると、あっと驚く。正面に立派なパイプオルガンと
          シャンデリア。そして、壁面・窓・天井には、プレキシ・ガラスと
          木のパネルを組み合わせた音響板が吊り下げられている。

教会内部は、500人くらい座れそうで、天井が高く、ひんやりしている。
プロテスタントの教会だから装飾はシンプルだが、建物自体はどっしりと立派な造りである。

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           天井の木の組み方が美しい。

こういう天井だから、音響をよくするためにパネルで補う必要があるだろう。
壁面のガラスは波打った形態で4層構造になっていて、水平の木板が間に嵌め込まれている。
それらのモダンな形態が、教会のインテリアにマッチしていて美しい。

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           説教壇の下がステージ。ピアノはスタインウェイ。
           後ろにある窓の赤いカーテンの前にも波状プレキシ・
           ガラスの音響版が下がっている。

わたしの座席は平土間下手6列目隅で、階段に近い。他に選ぶ余地がなかったからいたしかた
ない。この教会だったら、段差があり高くなっている中央後方がベストだろうか。


ボストリッジ博士とピアニストが登場した。
シューベルト歌曲のプログラムということしか事前に知らされていなかった。直前まで日本で
ツアーを行っていたから、同じ『白鳥の歌』かな、と思っていた。
前半は、1,2,3曲目がフォン・コリン、4,5,6,7,8,12曲目がゲーテ、
9,10,11曲目がフォン・ブルックマン作詞による曲で、日本ツアーとは異なるプログラムだった。

特に前半の曲には、情熱的なメロディーが多いので、博士の熱演にも力がこもる。
CDで聴く博士のシューベルトには、時に鬼気迫るものも感じられるが、実演を目の当たりにすると
なるほど、パッションとはこういうことか、と思えた。シューベルトの生涯には博士自身、並々ならぬ
シンパシーを抱いているようで、胸の思いをありったけ表現して聴衆に訴える。その専念と集中力とが
真摯な態度と相まってこちらに迫って響いてくる。
彼の歌声には、低音の方に魅力がより感じられた。特に10,11曲目では、熱演のあまり喉に疲れ
が出たのか、高音がずいぶん弱くなって、あれっと思ってしまった。
しかし、それは、前半のフィナーレ『魔王』に備えるための前哨戦であったのだ。
1人オペラのようなこの曲を、それぞれの人物になりきって、声も絶好調で歌い終えた。

ところで、博士のパフォーマンスは多動ということで有名らしい。つまり、歌いながら思わず発散
される感情を抑えきれずに舞台で動き回ったり、顔芸も出てしまうというわけだ。
それにはさほどびっくりはしなかったが、前の列にADHDおやぢがいて、そいつの多動が邪魔
だった。配布された歌詞を読んだり舞台に目をやったりと忙しく、大体2秒ごとに頭を動かすのである。
それに耐えられず、曲間に一番隅の座席に移動した。隅だと寒さが身にしみる。コートを預けて
しまったが、次回はショール必携であると学習した。

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          フォアイエは地下だから、壁には墓石が残っている。

階段に一番近い席だったので、休憩のフォアイエにはほぼ一番乗りだった。休憩中のドリンクも
チケット代金込みである。赤・白ワインやジュースやソフト・ドリンクが盆の上に用意されている。
それでカウンターが混み合わず、いらいらすることなく、休憩時間中に飲み終わることができる。
近年、オランダ各地のコンサート・ホールで行われているサーヴィスであるが、マーストリヒト、
ヘーレン、そしてベルギーではどこでも(多分)このサーヴィスがないから、関係者各位には、
システム導入の検討をしてもらいたいものである。

後半のプログラムは、オール・ゲーテである。そして、前半とは対照的に、静かなメロディーの曲
が多い。しっとりと聴かせる歌である。喉の調子も乗ってきたようで、声に滑らかさが増した。
それでも、切々と訴えかけるというよりは、情感抑えがたく声も大きくなり、怒りに近いような顔付と
動作もついつい出てしまう博士であった。シューベルトの歌曲において、喜びの表現というものは
封印すべし、という金科玉条を持っているのか、とも思えた。

主人は、ボストリッジ博士のドイツ語に感心していた。発音が正確でわかりやすいので、てっきり
ドイツ語ネイティブだと思ったらしい。そして、全部暗譜で歌っていることも凄い、と言っている。
あれだけの歌詞を全部憶えられる頭脳は、只者ではない、と。
そういう技術・頭脳面だけでなく感情面でも、情感溢れる博士の歌唱にはびっくりしていたようだ。
また、例の多動おやぢは、どうも知能的障害がありそうな感じだったのだが、博士の歌に感極ま
って溢れた涙をぬぐったりしていた。

観客はもちろん総立ちになり、ブラヴォーも飛んだ。
アンコール曲は、『鱒』と『月に寄す』第二作。これは、かなりのサーヴィスではないだろうか。
そして、ようやく、博士の顔に笑みがもれたのだった。
全曲歌い終わって、緊張がほぐれたのだろう。ご苦労様、そしてありがとうと労いたくなる熱演と
力唱であった。

会場の音響面では、不足や不具合は感じられなかった。まあ、歌手1人とピアノだけであるから、
器楽合奏や合唱とは比べられないが、多分、モダンな音響パネルを駆使しているから、コンサート
会場としては悪くないのではないかと思える。
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by didoregina | 2012-01-24 11:24 | コンサート | Comments(6)

Les Bien Aimesは、パスティッチョ映画

c0188818_1640546.jpgDirector: Christophe Honoré

マドレーヌ(中年以降):Catherine Deneuve,
ヴェラ:Chiara Mastroianni,
マドレーヌ(若き日): Ludivine Sagnier,
ジャロミル(若き日):Radivoje Bukvic
クレマン:Louis Garrel
ジャロミル(中年以降):Milos Forman
ヘンダーソン:Paul Schneider
フランソワ:Michel Delpech

フランス・英国・チェコ
Production year: 2010


カトリーヌ・ドヌーヴとキアラ・マストロヤンニとリュディヴィーヌ・サニエが競演というので観に行った。
あっけらかんと明るいミュージカル風の映画なのだと思っていた。

60年代のパリが、まず最初の舞台だ。
ポップで明るい色調の花のパリである。しかし、バックに流れる音楽は弾みつつも少しだけ憂いを
帯びている。大好きなヤナーチェクの弦楽四重奏曲第2番『内緒の手紙』第4楽章である。

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リュディヴィーヌ・サニエ演じる靴屋の店員マドレーヌが、ふとしたきっかけであっけらかんと街娼に
なってしまう様がコミカルに描かれる。美しい靴を手に入れて、それを履いて歩いたことから、
彼女の怒涛のような人生が始まったのだった。
普通の女の子がいとも簡単にそういう商売に手を染めるというのは、その時代のパリの風俗の特徴
なのか。ゴダールの『女と男のいる舗道』を思い出した。
しかしこの映画でのマドレーヌは、ゴダール映画のヒロインのように転落してヒモ同士の抗争で殺
される、ということはなく、客の1人と結婚する。

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夫となる客がプラハ出身の医師の卵なので、その後の舞台はプラハに移る。
それで、ヤナーチェクの音楽が使われているのか、と納得した。そして、そういう展開になると
当然ながら、『存在の耐えられない軽さ』を思い出すのである。
ジャルミルというチェコ人の夫は、『存在の耐えられない軽さ』でダニエル・デイ=ルイスが演じて
いた身勝手な医師トマシュに風貌も生活態度もそっくりなのであった。
しかも、舞台背景は「プラハの春」ときているから、もうほとんどパロディーといってもいい。

パロディーといえば、舞台展開の重要シーンでの主人公の心情吐露は、台詞ではなくミュージカル
調に歌われるから、『シェルブールの雨傘』や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』をパロっているとも
思える。

ソ連軍の戦車に春を蹂躙されたプラハから逃げ延びたマドレーヌは、パリで娘ヴェラとともに
新たな夫との生活を築く。
この時代のマドレーヌを演じるサニエは、ドヌーヴばりの金髪のロングとメイクのおかげで、なんと、
驚いたことに若い頃のカトリーヌ・ドヌーヴにちょっと似て見えるのだった。天下の美女とファニー・
フェイスが同一人物を演じるのは無理があるのでは、と思っていたのは杞憂であった。

身勝手な元夫は、80年代に入るとパリにも姿をちょくちょく現し、マドレーヌの心を惑わすのだった。
そして、舞台が90年代になると、映画の主人公は娘のヴェラに移行する。
ドヌーヴの本物の娘だが、父親のマストロヤンニ似の個性的な顔立ちで美人というには難ありの
キアラ・マストロヤンニだが、この映画での彼女は美しいな、と初めて思った。

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この映画では、その時々の時代のアクチュアルな問題が背景に組み込まれていて、90年代では
同性愛者のミュージシャンに惚れてしまった女の子の苦悩というのがテーマになる。
女を愛せないその男はエイズにも冒されているらしく、この恋愛に発展性は乏しい。しかし、ヴェラは
離れていてもずっと心の中でその男ヘンダーソンを夫として夢見ることで生きている。
そして、その二人は、2001年9月11日にニューヨークで再会することを約束するのだが。。。

もう、ここまでくると、20世紀後半の激動の時代を生き抜く女の一生という趣になって、展開は予断を
全く許さない。すなわち、まるで『オール・アバウト・マイ・マザー』のように、あれよあれよという間に
ストーリーは思いがけない方向に回転していくのだった。その小気味よさには、快感を感じるほど。

この映画をパスティッチョと呼びたくなったのは、上記の様々な映画が元歌として組み込まれている
からだ。
それらは、いずれもわたしの好きな作品であるから、見ていて楽しい。(同行した叔母は、最初の
方で眠ってしまったというが)
しかも、ヤナーチェクの音楽がテーマ曲として使われているのもわたし好みだ。シリアスな場面や
官能的なシーンでは、ちょっとベタだが、弦楽四重奏曲第1番『クロイツェル』が使われている。

カトリーヌ・ドヌーヴ演じる中年以降のマドレーヌは、大女優の貫禄十分で、しかも可愛い。
美しい靴がきっかけで、波乱の人生を歩むことになったマドレーヌは、40年間大事に取っておいた
あの靴を履いて、思い出の残るパリの各地を歩く。そして、最後にその靴を脱いで舗道に置き去り
エンド。
涙を堪えるのに苦心した。隣に座ってた初老の女性は、ハンカチをぐちゃぐちゃにしていた。
ヨーロッパ映画好きの女性には堪らない魅力に満ちた映画で、お勧めだ。
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by didoregina | 2012-01-22 09:59 | 映画 | Comments(6)

アンドレアス・ショルのTVインタビュー 続き

W 最新CD2枚が発売され、そのうち1枚はバッハで、バッハ・カンタータのコンサートも
  予定されてますね。ライナーノーツに書かれてるように、バッハを歌うのは難しいですか?
S バッハは、妥協を知らない作曲家です。同時代のヘンデルなら、歌う人のことを考慮に
  入れて作曲しているので、息つぎの箇所があるし、高音もさほど高すぎず、テンポも異常に
  速くはない。
  しかし、バッハの場合、自身の作曲作法に従って曲を書いているので、妥協を許さず、
  歌手に高度な要求をすることになるのです。これが歌えないなら歌わなくて結構、歌えるのは
  上手な歌手だけでいい、と言っているかのように。
  
P 難しいという例を挙げると?
S 例えば、ソロ・カンタータですが、今ちょっと声が出しにくいのですが、歌ってみますね。

と言って、ショルはバッハのカンタータの一部を歌う。会場および司会者から拍手と笑いが起こる。

S テンポがもっと速くなると息つぎが難しくて、精神的にもあせり、空気はどこ?みたいな感じに
  陥るんです。だから、バッハを歌うということは、ある種の挑戦です。

W どういうトレーニングをしているんですか?
S ほぼスポーツと同様に毎日のトレーニングを怠りません。
W スポーツ的鍛錬ということですね。沢山息が吸えるように肺活量を増やすとか?
S 歌うときには、体全体を使うので、体の鍛錬です。声は喉だけでなく、お腹も使いますから、
  座ったままでは思い通りに声が出せません。立ってるほうが歌いやすいのです。
  それと声のトレーニング。最初はゆっくり歌って、徐々に少しずつ速くしていって、速いテンポ
  でもコントロールを失わずに歌えるようにしていきます。
  丁度、氷の上を車で運転するようなものです。最初はふらふらしますが、ゆっくりと慣らして、
  コントロールがきくようにします。でも、速度を速めると扱いがまた難しくなるでしょう。

W 古楽には、流行り廃りがあります。一時期は忘れ去られ、その後再び活気を取り戻したり、
  オーセンティックな解釈のピリオド奏法がもてはやされたり。
  再び、古楽ブームが去ってしまうのではという不安は?
S いいCTであれば、いつでも注文はあり、仕事にあぶれるということはないはずです。

W CTは、レア商品でしょうか?つまり、数があまり多くないという意味で。
S 今は流行の最中なので若いCTが沢山いるし、バロック・コンサートなどの活躍の場も多い
  です。ルネッサンスやバロックなどの古楽が盛んなので、CTの需要も多いのです。
 
W もし、また流行が去ったら、どうします?音域を下げて、テノール歌手に転向するとか?
S それは不可能です。わたしがバリトン歌手として生き残ることはできないでしょう。
  高音の方が、わたしにとって自然な歌声だからです。

H 高い声と低い声では、どちらが楽に出せるんですか?
S 高音の方が無理せず自然に出せます。

W コンサートについて聞かせてください。
S オズワルド・フォン・ヴォルケンシュタインは、中世の騎士であり作曲家でした。
P 15世紀の作曲家ですね?どんな曲を聞かせてくれるんでしょうか。
W 座ったまま歌うんですか?
S いえ、立って歌います。昨晩はロッテルダムのデ・ドゥルンでコンサートがあり、明晩は
  エイントホーフェンで歌います。オズワルド・フォン・ヴォルケンシュタインの曲は、素朴な
  恋愛歌が多いです。

P アムステルダムのコンセルトヘボウでもコンサートの予定があるとか?
S 二月にバーゼル室内管とアムステルダムでバッハ・カンタータのコンサートを行います。
P コンサートは2回ありますよね?
S えっ、そうだっけ?いや、一回だけです。それと、『ヨハネ受難曲』がその後あります。
W ほうほう、『ヨハネ』もね。ところで、この作曲家の顔は、ハイン(ゲスト)の使用後みたいな
  感じですね。。。

ショルの正面に座っているゲストはハインというらしい。なるほど、フォン・ヴォルケンシュタインの
片目がつぶれた顔は、ゲストの術後(どんな?)の顔はこうなるだろう、という感じだ。

ショルが立って、ヴォルケンシュタインの歌をア・カペラで歌う。


しかし、こうして文字に起こしてみると、動画の面白みがあまり伝わってこない。。。
内容的にどうこうというのでなく、ショルが話している雰囲気が面白かったのだ、と気がついた。
  


  



  
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by didoregina | 2012-01-20 10:32 | コンサート | Comments(10)

アンドレアス・ショルがオランダのトークショーに出演!

オランダのTVトークショー「パウ&ウィッテマン」は、週日の毎晩夜11時から放送されて
いる人気番組だが、開始時間が遅いのであまり見たことはない。放送時間は夜遅いが、
おちゃらけやゴシップやお色気の要素はほとんどなくて、政治家を呼んで各界のゲストと討論
させたり、その道のエキスパートが文化・社会のホットな話題・事象・現象を解説したりと、
内容的にはまじめでどちらかというとお堅い。だから、この番組にゲストとして出演するという
のは、かなり名誉なことであるし、その発言内容の影響力は大きい。

そのトークショーに、アンドレアス・ショルが1月10日に出演した。丁度、わたしが行ったコン
サートの前日に当たる。
その動画を見て大いに驚いたのは、ショルがインタビューを全てオランダ語で通したこと、
しかも、それが非常に堪能なのである。外国人がしゃべるオランダ語としてはかなりハイレベル
で、文法も発音も語彙もパーフェクトである。
ショルはオランダに在住しているわけではないから、これは、特筆に値する。

まず、オランダ語を母語としてしゃべり読み書きが出来る人口は、全世界的にみても少ない。
オランダとベルギー北部だけに限られる。(インドネシアとかスリナムとか南アフリカとかの
旧植民地にはオランダ語が話せる人もかなりいるだろうが)
そういう弱小言語の宿命で、オランダ語を学習しようという外国人もまた少ない。
だから、オランダ人は外国語が堪能である。外国人がオランダ語をしゃべってくれないのだから、
自分から外国語をしゃべれないと商売にならない、死活問題だからだ。
その結果、オランダ語が堪能な外国人というのは、オランダでは奇特な人と看做される。

オランダ語は、言語学的(文法および語彙)にみると、地理的位置と同じく、英語とドイツ語の
中間に位置する。この3ヶ国語は同じ西ゲルマン語派に属しているから、学ぼうという意欲さえ
あればこれらの言語習得は互いにさほど難しくないはずだが、イギリス人やドイツ人がオランダ語を
学ぼうと積極的になっているという話は聞いたことがない。
大国の特権で、弱小国であるオランダ人のほうが英語やドイツ語を話してくれるからだ。

卑近な例では、マーストリヒト大学の経済学部の学生数は、十年ほど前からドイツ人が過半数を
占めるが、講義や試験は全て英語で行われるため、オランダ語を習おうとするドイツ人は非常に
少ない。マーストリヒトでの日常生活も大学でも、英語およびドイツ語で事足りるからだ。
また、オランダ王室では、現ベアトリクス女王も先代のユリアナ女王も夫君はドイツ人であった。
今は故人であるお二人のオランダ語は流暢だったが、特にユリアナ先女王の夫君故ベルンハルド
殿下のオランダ語には終生ドイツ語訛がつきまとった。

以上の点を踏まえ、わたしの驚きがいかほどであったか、ご理解いただきたい。
ショルのオランダ語能力を讃えたい所以である。

↓にトークショーの動画を貼る。なるべく逐語訳してみた。左の若い方がパウ(P)で右が
ウィッテマン(W)、そして、にこにこと穏やかな話し声のショル(S)


P あなたがオランダ語が話せることを今知ったのですが、いつ、どういうきっかけで?
S 24年ほど前、最初のGFと付き合い始めたのです。ナイメヘンの女の子です。
  それが、オランダ語を話すようになったきっかけです。それ以後、オランダ人の音楽家と
  共演することも多かったので、機会を逃さず実地練習として彼らとはなるべくオランダ語を
  話すようにしてきました。オランダ語を話す人がいたら、彼らと話すようにしたんです。

W オランダ人指揮者とも? その際も、オランダ語を話すんですか?
S はい、フィリップ・ヘレベッヘやトン・コープマンなどのオランダ語を母語とする指揮者と
  よく一緒に仕事をする機会がありますが、いつもオランダ語で話すんです。
W このインタビューでも同様ですね。


P さて、カウンターテナーとは、正確にはどういう歌手なんですか?
S カウンターテナー(CT)とは、頭声を使って女声のアルトと同じような、男声としては
  高い声域で歌う男性歌手のことです。エスニック音楽でも、ポップスでも、クラシックでも
  そんな歌手はいます。

P 目を閉じてその人たちの歌声を聴いたら、男声か女声かの区別がいつでもつきますか?
S 難しいですね。女っぽい声の男性歌手もいますし、そうでない人もいるし、声には個人差が
  大きいですから。

P ホルモンが影響しているとか?足りないとか?
S いえ、そういうことはありません。カストラートも現在はいません。バロック時代のヨーロッパ
  では、カストラートが流行しました。当時のイタリアでは、高い声を保つために少年を去勢
  したんですが、今は幸運にもそういうことはせず、別の方法で喉を訓練して高い声を保つように
  します。生理学上の可能性を使って喉を訓練をするわけです。生理学上および解剖学上、
  誰でも頭声を出すことことは可能なんです。
  ほら、男性が女性の物真似をするときには、頭から抜けるように高い声を出すでしょう?
  それを、訓練でフレキシブルに上手く出せるようにするんです。そういう生理学的なことが
  わたしが歌うときに喉に同様に起きるわけです。
  誰でも歌うことはできますが、誰もがオペラを歌える才能があるわけではありません。
  同様に、男性が頭声を出そうとすれば誰でも出せますが、柔軟性のレベルは違いますから、
  誰もがコンサートで歌えるという具合にはいきませんね。
  

P 14歳頃、声変わりが始まって、クラスの男の子は皆声が低くなったでしょう。それがあなた
  にはなかったとか、それとも?
S いえ、皆と同じように、声変わりして話し声は低くなりましたよ。

P CT初心者的質問ですが、歌が上手い歌手なら誰でも、高い声をキープして歌うことが
  可能ですか?
S いや、思春期に声変わりが始まり、声が低くなっていっても高い声を出して歌うことが出来る
  ような訓練を毎日続けないと無理です。声変わりしても声がつぶれないように、喉がフレキシ
  ブルな状態であるように訓練し続けることで、ある時安定した高い声が出せるようになるのです。

W いつ頃から歌の訓練を始めたんですか?
S 7歳から少年合唱団で歌い始め、毎週個人レッスンを受けていました。高い声で歌う訓練を
  し続けたおかげで15,6歳になっても歌声はつぶれずにソプラノの声が出せたんです。
  それで、先生に「あなた、もしかしたら、CTかもしれないわね」と言われました。
  その時初めてCTという言葉を知ったんです。

W CTに似た声で歌う人としては、卑近な例ではポップスで高い声で歌う男性歌手がいますが、
  ポップスは好きですか?
S はい、聴くだけでなく、自分のスタジオでポップスを演奏したりするんですよ。ピアノやデジタル・
  ピアノを弾いて、コンピューターでアレンジしたり、歌ったり、録音したして楽しんでます。

W 録音したものを発売の予定は?
S いやいや、いくつかの作品はリリースしましたが、ちょっとお遊びのつもりですから。

P それでは、ポップス界で、高い声が出せる人が歌うのを聴いてみましょう。
  発声が自然かどうか、無理して出しているか、聞いてみて判断してください。

ここで、ビージーズ、ジミー・サマヴィル、ヘラルド・ヨリング、プリンス、クイーンなどのヴィデオ・
クリップを見る。

W 点数は?誰が一番自然にCTらしい声で歌えてると思います?
S 自然に軽々と出してるか無理して歌ってるかどうかという判断は、聴く人によって違うでしょう。
  声に圧力をかけて無理して出してるとか、自然だなとか感じるのは、個人的な主観ですから。
  多分、ジミー・サマヴィルの歌い方が一番自然かな。


まだまだインタビューは続くのだが、動画を見て聞いて文字起こしをするのは、思ったよりもかなり
疲れる作業なので、残りはまた続きということで。
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by didoregina | 2012-01-19 17:20 | コンサート | Comments(12)

アンドレアス・ショルとShield of Harmony

ショル兄の声を生で聴ける!というので期待で胸は膨らんだ。
着物もリキを入れて選んだし、着物が汚れないよう、車の内外を次男にきれいに洗わせ
掃除機もかけてもらった。もしかしたら、コンサート後にサイン会があるかもしれない、と
思って、CDも持参した。

エイントホーフェンのムジックヘボー(ムジックセントルム改め)の大ホールは、満員とは
言えないが、水曜夜の古楽コンサートにしては上々の入りだった。平土間6列目のわたしの
周りにはなぜか空席が目立ったが。

Andreas Scholl & Shield of Harmony Oswald von Wolkenstein
            2012年1月11日 @ Muziekgebouw Eindhoven
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Andreas Scholl - altus
Shield of Harmony
Miriam Andersén - harp en zang
Margit Übbelacker - dulcimelos
Marc Lewon - vedel en luit
Crawford Young - luit
Reinout Bussemaker - spel
Jos Groenier - regie en tekst
Uri Rapaport - licht en beeld
Joost Gulien - video


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     公演が始まる前から、舞台上、中央奥に設置されたスクリーンに、
     写本がスライドで映し出されている。

いきなり、ア・カペラで、客席後方なのか舞台後方なのかわからない位置から、ショル兄の
スピーカーを通した歌声が響いてきた。それはまるで天使の声が天上から注ぐような効果の
エコーがかかっていて、わたしは落胆し一気に気持ちが萎えた。
生の声じゃない。。。

ショル兄は客席通路を通って上手から舞台に登場した。そして、体型もルックスも正反対だが、
似たような衣装(蝶ネクタイを解いて垂らしたスモーキング姿)の男性が下手から現れ、二人は
舞台上手の同じテーブルに着く。
ショル兄は、左目に黒いアイパッチを付けている。そして、右側頬にはマイクロフォンが。
スクリーン上に投影されているオズワルド・フォン・ヴォルケンシュタインを演じていることを、
アイ・パッチで表現しているのである。(アイパッチはすぐに外し、ショル兄は眼鏡をかけた)

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        オズワルド・フォン・ヴォルケンシュタイン(1377-1445)

舞台上のもう1人の男性は、楽器奏者ではなく、俳優であった。そして、彼もフォン・ヴォルケン
シュタインの役を演じるのである。
すなわち、二人のフォン・ヴォルケンシュタインが舞台にいて、1人はオランダ語の台詞(ドイツ語
歌詞の訳なのだが、朗読ではなく、俳優らしい台詞回しでオーバーにしゃべる)を、1人は彼の
作った歌を歌う、というわけだった。

俳優が舞台でマイクを使うのは、まあ、許そう。台詞が聞き取りやすくなる。
しかし、クラシック歌手がコンサート・ホールでマイクを使って歌うというのは、どういうことだ?
大ホールとはいえ、めちゃくちゃ大きいわけではなく、日本だったら中ホールくらいの規模だ。
フランス・ブリュッヘンがここの音響には太鼓判を押しているから、古楽にも向いているはずだ。
俳優がマイクを使ったら、音量のバランスをとるために、歌手もマイクを使わざるを得ない。
だが、俳優を使う理由は?歌われる歌詞をオランダ語の台詞にして説明のようにしゃべり聞かせる、
という意味と効果は薄い。スクリーンが使われているのだから、字幕を出したら問題ないはずだ。
単なる、水増し効果か?

そして、リュートなどの古楽器の前にもマイクが立てられ、スピーカーで音響が増強されていた。
こうなると、もう、クラシックのコンサートの雰囲気ではない。
リュートなどの古楽器は音量が少ないから、大ホールでのコンサートには向いていない。だから、
会場選びからして間違っているのだ。

好意的に見れば、歌唱のミキシング処理は、音響増幅というよりも、微妙なエコーをかけていた
ので、教会で聴くような残響効果を出して中世のイメージにしたかったのかも、という気もする。

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        4人の器楽奏者(Shield of Harmony)とショル兄。


オズワルド・フォン・ヴォルケンシュタインという数奇な運命を辿った中世後期の人物が作った
歌を、ショル兄が歌う前に、歌詞内容を俳優がしゃべり聞かせるのだが、粗野な響きのオランダ
語の俳優らしいもったいぶった台詞回しと、ショル兄の天使のような声および雅趣のあるメロディー
との共通点は全くない。

舞台上には、上下左右4箇所にテーブルが設置されているので、歌手と俳優と楽器奏者が、
場面を変えるごとくあちこちに移動する。それは酒場であったり、砂漠であったり、城であったり
天国的などこかであったりする。
なにしろ、ヴォルケンシュタインは、外交官兼吟遊詩人として、ヨーロッパ全土のみならず、
グルジアやモロッコにまで足跡を残している人物なのだから。
そして、歌われる内容も、冒険談から貴婦人への愛やマリア賛歌まで、中世の吟遊詩人らしく
幅広い。


      エイントホーフェンのコンサートの隠し撮りがアップされてる。
       実際に聴いたときより、この動画のほうがマシに聴こえる。

最初からマイクを通したショルの声にショックを受け、邪魔な俳優にも拒絶反応を起こしてしまい、
最後まであまり楽しめなかった。面白いなと思ったのは、ショル兄がバリトンの声で歌った2曲だ。

しかし、会場は大いに盛り上がり、ブラヴォーが飛び、毎度おなじみスタンディング・オヴェー
ション。
それから、最初のほうで、俳優がしゃべるオランダ語の台詞をショル兄が同時にオランダ語で
ハモったのだが、発音が自然でスムーズで上手い。

その人気とオランダ語の巧みさのなぞが解けたのは、TVトーク・ショーに出演しているショル兄
の動画を見てからだ。
人気番組に登場したおかげで、チケット売れ行きが上がったろうし、コンサート聴衆に受けた
理由も合点がいく。
なんと、12分にわたるTVでのインタビューを、ショル兄は全てオランダ語で通したのだ。それが
またびっくりするほど上手い。オランダに住んでるわけでもないのに、ここまで巧みに操れるとは。
これで好感度は最高に達したろう。
このインタビューはなかなか優れているので、動画とともに内容を訳して次回紹介したいと思う。


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              白大島のアンサンブルでお正月らしく。


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            同系色のつなぎ糸の帯に、オレンジ色の帯締め、
            珊瑚色の羽織紐、少しトーンが暗めの帯揚げ。


コーディネートも気張って着付けも進んだところで、黒地に雪輪と源氏香の帯を巻きつけてから、
帯枕が見つからない。ありとあらゆる可能性のある引き出しを2度開けて探したが、ない。
前回着物を着たのは、10月のウィーンである。きっと、ホテルに帯枕を置いてきてしまったの
だろう、と諦めて、2部式の付け帯にした。これなら、普通の帯枕ではなく器具でも装着できる。

しかし、その器具の装着感は、「大リーグボール養成ギプス」に近いような違和感を伴う。
使う紐が2つ増えるし、背中はがっちりと固められて苦しい。
コンサートの最中に、肩が凝って二の腕も痛くなってきた。「大リーグボール養成ギプス」効果が
効いている感じだ。すなわち、拷問に近い。
音楽的にも、肉体的にも、苦しくて、幸先のあまりよくない今年のコンサート初めだった。
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by didoregina | 2012-01-16 08:38 | コンサート | Comments(18)

冬の旅

今朝は、久しぶりに氷点下になった。凍りついた車のウィンドーをがりがりとやったりするのは、
今年初めてだ。
しかし、雲のない青空に日差しが眩しい。すぐに気温も上がるだろう。
主人の日曜朝の日課である聖ピーター山のランニングに同行して、車で山の頂上(211メートル
マーストリヒト最高峰)まで来た。ここで1時間半後に待ち合わせすることにして、わたしは、
カメラ片手にハイキングともいえない散歩に出た。

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        犬を放しに来たり、マウンテンバイクやランニングやハイキングの
        人たちで日曜は賑わう、山の上。遠くに聖ヤン教会の赤い塔と
        聖セルファース教会の2つの塔が見える。

山道はまだ凍り付いているので、泥道と化さないうちに坂道を下って、村の方へ。
アンドレ・リューの住むお城を通り過ぎると、筋向かいは山上の聖ピーター教会。
日曜朝のミサに与る人たちの車で駐車場は一杯だ。

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            もくもくと白い水蒸気が排気口から出ている。 
            ここの教会内部は暖房が効いていそうだ。        
  

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          教会横の墓地に立つ立派なお墓。


教会の前の道を進むと、ほどなく、こんな曰くありげな門を見つけた。
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          「我に挨拶することなくこの場所を通り過ぎるべからず」

この門が開いているのも、この文句も初めて目にする。

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     中を覗くと小さなチャペルで、右手奥の庭には洞窟のようなものが作られ、
     マリア像が立っている。
     「ルルドの洞窟」と称しているから、病気治癒の霊験あらたかであるらしい。


左手にマース川を臨みながら一本道を進み、見晴らしのいいテラスのあるカフェ・スラバンテで
カプチーノ。営業は11時から(ミサが終わる時間)と一応明記してあるが、10時半だったが
もうけっこう賑わっていた。

坂道を今度は登って、山の頂上に再び出る。

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       ベルギーとの国境近くに建つリヒテンベルク城跡。
       冬枯れの木立と城址という組み合わせには、歌心を誘うものがある。
       藤村かミュラー(シューベルトの『冬の旅』の詩)か。

城址の先は、セメント工場と材料の石灰採掘場で、フェンス越しに広大な採掘場が見える。

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         1年半前、この採掘場で上演された演劇を観賞した。


冬なのに、山の上にも草刈機の代替として羊が放牧されてる。

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       草地を求めて移動するので、電気ショックの流れる赤いフェンスも可動式。

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         一頭だけ、群れから離れて木立の中にいる羊。


羊のいる木立の風景が、イングマール・ベルイマン監督作品『処女の泉』のあるシーンを
思い出させた。
一頭だけいる羊が、まるで潅木に絡みとられた処女のように見える。

この山の植生や、林や草地の印象が北欧的なので、あの映画の舞台になったといわれたら
信じるだろう。
とはいっても、映画『処女の泉』を見たのは、30年前のことである。。。

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by didoregina | 2012-01-15 16:22 | ハイキング | Comments(6)

わたしの選んだ2011年ベスト映画

Volkskrant紙のオンライン版で、読者の選ぶ2011年ベスト映画という企画を見つけた。
オランダで昨年公開された映画のタイトルがアルファベット順に並んでいるのを、ドラッグして
1位から10位まで並べて投票するのである。(確か5位まででも可)

そのリストの中でわたしが見た映画は以下の18作だった。(アルファベット順。拙ブログ記事に
リンクを貼った。ただし、『ピナ』と『ナンネル』はレビューを書かなかった。)

Black Butterflies

Le Gamin au Velo

Jane Eyre
 
The King's Speech

Mammuth

Melancholia

Midnight in Paris

Nannerl, la soeur de Mozart

Never let me go

Norwegian Wood

Nova Zembla 3D

Pina 3D

Profession : Heartbreaker

Tinker Tailor Soldier Spy

Tous les Soleils

Tree of Life

The Turin Horse

We need to talk about Kevin


観てから大分経つものは印象が薄れているし、ベスト10を選ぶのは少々骨が折れた。
以下がわたしの選んだ2011年映画ベストテンだ。

1. Melancholia
2. Tinker Tailor Soldier Spy
3. We need to talk about Kevin
4. Tous les Soleils
5. Never let me go
6. Jane Eyre
7. The King's Speech
8. Nova Zembla 3D
9. Le Gamin au Velo
10. Pina 3D


はっきり言うと、6位以下は大差ないが、無理やり順番をつけた感じ。
もっと言えば、1位の『メランコリア』と2位(邦題『裏切りのサーカス』)以外の順番は、さほど
重要でもない。
3D映画を2作観たのだが、ダンス・ドキュメンタリーの『ピナ』はまだしも、3Dにする必然性は
さほど感じられなかった。

それよりも、自分のリストに載っているのはほとんどがリュミエールで上映されたものばかりだという
事実に改めて驚いた。
野外上映の『マムート』、一般ロードショーの『ノヴァ・ゼンブラ』、TV放映の『ナンネル』以外は
全てリュミエールで観たものだ。

かようにリュミエール贔屓のわたしだから(?)、ご愛顧が認められたかのように懸賞にも当たった。
「『ヒステリア』上映記念、エロティック映画DVDボックスが当たる!」という懸賞に応募したら
当選したのだ。
Femme Fatale とSecretaryという怪しげな映画DVDとリュミエールのタダ券一枚のセットである。

今年から、リュミエールも数年ぶりに50セントの値上げに踏み切り、通常料金8ユーロ50セント、
月曜夜および水曜昼は6ユーロになった。(それでも安いのに変わりはない)
タダ券を利用して、普段見ることのないような映画を月・水以外の日に観に行こうと思う。
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by didoregina | 2012-01-13 14:44 | 映画 | Comments(0)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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