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エメラルド海岸セイリング記その5 荒天時の過ごし方

セイリング・ヴァカンスの2週間ずっと好天が続けばいいのだが、大概1日くらいは荒天になる。
今回は、強風のため2回計3日間足止めを食らった。

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        投錨したカラ・ディヴォルペから強風のため出航できず、
        暇を持て余した2日目はゴム・ボートのレースを開催。
        風力6~7なので静かな湾内にも白波が立っている。

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        買い物やレストランでの食事には、ゴム・ボートに乗って陸へ。
        船外機が活躍した。(風が強すぎて手漕ぎでは危険だし無理)


フロティッラのリーダーは刻々と変わる気象情報を集め、風向きから判断して安全な港や投錨地を
選ぶ。参加艇が12隻と多いから、安全な場所確保もタイヘンだ。
そして、風力6以上では何か起きた場合フロッティラの保険が下りないので、出港を停止する。
強風の中、セイリングはできても、その後無事に入港・係留できる保障はないからだ。実際、強風で
コントロールがきかず、桟橋に上手く係留できなくて、隣のヨットや桟橋にぶつかり船体に傷つけた
ヨットもあった。

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        2週目の後半はラ・マッダレーナに3泊を余儀なくされた。
        港の桟橋に係留してもヨットは揺れにゆれ、コックピットに
        波しぶきがかかる。轟々たる風の音に耳が痛くなる。
        写真だと揺れも風の凄さももわからないが。

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          夕立のような驟雨が上がって、虹が出た。

コックピットにいるだけで波しぶきでぬれるし、船内にいると揺れで気分が悪くなる。なにより、ビュー
ビューと鳴る風の音で頭がかき乱されて落ち着けないから、晴航雨読という具合にはいかないのだ。
そこで、陸に上がって散歩や観光をするのが、荒天時のキマリ。

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          ラ・マッダレーナの町の路地裏。
          陸では風もさほど強くない。

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          夜になると広場に屋台が沢山出る。
          陸は毎晩賑やかだ。
         
小さな町なので歩きつくして、さすがに飽きたので、3日目はフェリーに乗って対岸のパラウへ。
ヨットのヴァカンス中にフェリーを使ったのは初めての経験だ。

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         サルデーニャ本島とマッダレーナ島を結ぶフェリーは、
         数社が運行して、ほとんどひっきりなしに往復している。

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         パラウの海岸。ヨットからでなくて陸から海に出るのは
         新鮮だ。砂浜に松林、巨石の奇岩のあるキレイなビーチ。

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         ラ・マッダレーナでいろいろ試したうち一番美味しかった
         ジェラートの店。手作りでミルト(サルデーニャの果実酒)味
         や、オレンジ・ピール入りチョコレートなどがおいしかった。

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         ニョッキに似たマッロレッドゥスというサルデーニャの
         フレッシュ・パスタを買ってきて、ヨットで自炊。

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         海老のトマト・ソースと相性抜群だった。

   
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by didoregina | 2011-07-30 21:33 | セイリング | Comments(2)

デルフトでのハイ・ティーは、飲茶風で正統的

外国旅行中には、帰宅したらあれを食べよう、あれも食べたい、と思うことがある。
特に地中海をヨットでセイリングしていると、ほぼ絶対に見つからない種類の食事が恋しくなる。
それは中華料理である。
オランダなら、どんな片田舎の村でも中国人の経営するインドネシア風中華料理屋が一軒はある。
どこもテイク・アウトに力を入れているので、簡単・迅速かつ安価に食べられる。
ところが、イタリア、クロアチア、ギリシャ、トルコの沿岸部には、中華料理屋はほぼ皆無だ。
今まで一軒も見かけたことがない。

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        ムール貝のパスタ(パパデッラほどの太さでマカロニ状に穴あき)

地中海料理はかなり好きなのだが、セイリング中は中華料理の味付けがなぜか恋しくなる。それで
帰ったら即、点心などを食べに行くのが恒例となっている。

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        サルデーニャ名物(?)メカジキのロール・クロケット

今回のセイリング中に恋しくなったものがもう一つある。ハイ・ティーである。

デルフトにあるレオニダス・ランチ・ルームは、ハイ・ティーの老舗だ。
以前、他人が注文したハイ・ティーがいかにもおいしそうだったので一度は試したい、と思っていた。
サルデーニャから帰ってからデルフトに出かけることになった。チャンス到来だ。
義母が講読している婦人雑誌の今月号にハイ・ティー特集が載っていて、レオニダスも出ている。
そのページを切り抜いて持っていくと、一人2ユーロ50セント割引とある。4人だと10ユーロ分。
これは大きい。

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        デルフトの旧教会とマルクト広場の中間辺りにあるレオニダス。
        中庭に面したティー・ルームには、ハイ・ティーのセッティング。

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        お天気がよかったら中庭でのお茶が最高。
        しかし、この日は雨模様で屋外でのお茶は無理。

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        甘くないもの各種のお皿一人分。真ん中にマッシュルーム・スープ、
        ツナのムース、卵サラダのシュー、クリーム・チーズのロール・サンド、
        ミニ・キッシュ、鮭のミニ・パイ、野菜のクロケット。

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        甘いものは、マフィンのようなスコーン、生クリームにジャム、  
        レオニダスのチョコレート、ブラウニー、デニッシュ・ペストリー、
        中央は、酸味が少しある生クリームにさくらんぼのソース。

ここでは、甘くないものと甘いもののお皿が2段のトレイに載ってくる。一皿の盛が一人分である。
甘くないものの種類が多くて、これだけでかなりおなかが一杯になる。ランチとして十分だ。
味は悪くない。内容はその日のお任せだが、アレルギーがあるかとか、食べられないものなどを
事前に聞いてくれる。

しかし、甘いものはちょっと種類も少なく大味でがっかり。
スコーンが、砂糖を控えたマフィンみたいな形状と組織なのと、クロテッド・クリームではなくて
固く泡立てた生クリーム(公称クロテッド・クリーム)というのが、イマイチだ。しかもジャムは
一種類のみ。どでかいスコーンにデニッシュでほとんど満腹状態になってしまったので、ブラウニーは
一口食べただけ。甘いものに関しては、改良の余地がある。

ちゃんとした食事代わりになる甘くないものの種類が多い、という点で、ハイ・ティーという看板に
偽りはないと言える。アフタヌーン・ティーとは違うのだ。ほとんど飲茶に近い。

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        通りに面した側は、普通の喫茶店のインテリア。

レオニダスで一番うれしいのは、お茶の種類が豊富(100種類とか)で、きちんと葉茶がポットに
入れられてくることだ。しかも、空になったら、中華料理屋と同じ要領でポットの蓋を開けておくと、
お代わりを持ってきてくれる。
中華の場合お湯を足すだけだが、ここではお湯の追加だけでなくお茶の葉っぱも新しくしてくれるので
別の種類のお茶にすることもできる。何にしますか、と訊かれる。そしてお茶は飲み放題だから、
4人で行って、都合10種類のお茶を飲んだ。
緑茶(ちゃんとした日本の煎茶だった)、デルフト、キャラメル、ザウダーゼー、ダージリン、
ラプサング・スーチョン、アール・グレイその他。
フルーツ系やフラワー系のフレーバー・ティーは香りがきつく飽きが来る。正統的なインドや中国や
日本のお茶は味もまろやかでよかった。

ハイ・ティーは17ユーロ50セント。(雑誌の割引で15ユーロになった)
ここはハイ・ティーが売り物なので、予約の必要がないのがうれしい。デルフトに行ったら、
お昼代わりにレオニダスでのハイ・ティーをお勧めする。お茶好きにも満足がいくラインナップだ。

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       デルフトでの新発見は、デルフト焼きのタイル貼り風の
       駐車チケット販売機。

デルフト焼きの工場ポーセレイネ・フレスでも、毎月最後の日曜の午後2時からハイ・ティーを
楽しめる。古いデルフト焼きのオリジナル茶器で供してくれるというから、次はここを狙いたい。
追記:ポーセレイネ・フレスのHPを何気なく見たら、2名以上でメール予約を入れれば、上記以外
の日でもハイ・ティー可能、となっていた。雑誌との提携企画で問い合わせが増えたためと見た。
一人17ユーロ50セント。工場見学込みで25ユーロ。
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by didoregina | 2011-07-29 06:22 | ハイ・ティー | Comments(4)

Seven Seas 輝ける7つの海  エメラルド海岸セイリング記その4

アサヒ・コムの速報ニュースで、スティーヴン・スピルバーグがヴァカンス先のイタリアのビーチで
モーター・ボートを爆走し罰金を食らう、という記事を読んで笑ってしまった。

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Seven Seas

ネット上の様々な情報を総合すると、7月11日にスピルバーグは、ゲストのグウィニィス・パルトロウ
を乗せてメガ・クルーザー Seven Seas号からスピード・ボートでラ・マッダレーナ島の砂浜に近づき
轟音と共に暴走。浜辺の人からの通報で駆けつけた沿岸警備隊に罰金約2万円を課せられた。

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        エメラルド海岸南部にあるTavolora(テーブル島)の南岸。
        海から垂直に屹立し圧倒的なマッスで迫る島が北風を防いで
        くれる。フロティッラから離れてここに投錨して一夜を過ごした。
        

丁度、私達も10日から同じ海域でセイリングを開始していたから、Seven Seasとは、多分どこかで
すれ違っただろう。Seven Seasは時価280億円らしいが、その程度のクルーザーなら、エメラルド
海岸には履いて捨てるほどいた。

英語やオランダ語のネット記事によると、そのクルーザーは、昨年オランダのアルブラッサーダムに
ある造船所で完成し、スピルバーグ自らが取りにやってきたらしい。(ただし、ドックにいた技術者は
スピルバーグ本人が来たというのは作り話だとも証言している)
船籍が英領ケイマン島になっているのは税金逃れのためのお約束だ。

全長86メートルのクルーザーには、図書館完備のアン・スイート・マスター・ルームのほか、VIP
ルーム2部屋およびゲスト・ルーム4部屋に計12人のゲストを迎えられる。クルーは26人。
通常の映画室のほか、室内プールに投影して泳ぎながら映画が見られる設備もある。
デッキ上には屋外プールが2つあるが、ヘリ発着時には自動的に水が抜かれ底がせりあがり、ヘリ・
ポートになる。週100万ユーロでチャーター出来るという。


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        テーブル島の南端から細長い砂洲が伸びている。  
        レストランが一軒あるほかは無人島であるここまで、
        小さなモーターボートに乗った行楽客がやってくる。
        昼は賑わうが、ここで夜を明かしたヨットは私達だけだった。
        2週間のフロティッラの場合、1週間で参加メンバーが
        変わるので、週末は1隻で航海のベア・ボートになる。
        フロティッラから離れて、小さな湾に投錨した3泊は
        楽園のような所ばかりだった。

このメガ・ボートSeven Seasは、なかなか豪勢な仕様である。(リンク先ページの
Discover Oceancoをクリックして Yachts 2005 onwardsから Y706 Seven Seasを選ぶ)
オランダでは、豪華クルーザーやスーパー・ヨットなどの造船が結構盛んだ。
デルフト工科大学の海事技術学科は、卒業後に技術を生かせる就職率ほぼ100%で、
学んだことが即仕事に繋がりサラリーもいいというので、長男に進学を勧めたのだった。
オープン・キャンパスに出向いて説明を聞くと、船の設計は物理・力学がメインのため退屈そうだと、
長男は建築学科を選んだ。スーパー・ヨットの設計なんてすごく面白そうなのに。

海洋は傍から見ればロマンの宝庫だ。しかし、それに携わる仕事は結構地味なもの。それが
現実。


        クイーンの『輝ける7つの海』Seven Seas of Rhye
        1975年初来日の時の映像が被さって、ファンには感涙モノ。
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by didoregina | 2011-07-27 11:21 | セイリング | Comments(0)

クルーザーとヨットは犬猿の仲? エメラルド海岸セイリングその3

クルーザーとヨットは、同じ海上、同じ湾内、はたまた同じマリーナにいても、双方相容れない
ものがある。互いに敵対視しているわけではないから、犬猿の仲、というのは当たっていない。
ペットを飼う人が猫派と犬派に分かれるように、クルーザー派とヨット派を分つのは、単に好みの
問題にすぎない。
ただし、双方とも自分の好みには絶対の自信があるので、蓼食う虫も好きずき、という憐憫に
近いものを感じながら相手を眺める。

ヨット派でよかった、という幸せを感じるのは、海上でイルカに会えた時だ。

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       写真ではよくわからないが、親子のイルカが3頭
       私達のヨットの下や周りや別のヨットとの間などを
       泳いだり跳ね上がったりしてくれた。
       海と同じ紺色なので、写真ではいるのかいないのか。

イルカは音に敏感なので、エンジンのモーター音を響かせて機走している船には近づかない。
風任せで進むヨットの帆やロープやその他のきしむ音は好きなようで、近くに寄って来ては
じゃれるように泳いで行く。地中海や北海でも、今までのセイリングでイルカに出会わなかった
年はない。

かように静寂を好むのはイルカだけではない。ヨット派は、皆、風と波の音だけの世界に浸る
ことを非常に愛するエコ派とも言える。
その証拠に、2週間のセイリングで使用したディーゼルはたったの23ユーロ分だった。
帆走している分には、燃料はいらない。
水だって惜しみつつ大切に使う。(水道の通じた桟橋に来ることがあまりなかったからだが)

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       投錨した湾で、朝起きて天気がよかったら、
       そのまま海に飛び込む。運動と水浴びを兼ねて。
       シャワー使用は海水を洗い流す程度に抑える。

それに対して、クルーザーが使う燃料と水は莫大なものになる。とにかく全てをぴかぴかに
していないといけないので、なんでも水でジャブジャブ洗い流すし、モーター・ボートは風力では
微動だにしないから、燃料を使った動力で動かすしかない。

出発したマリーナに最後に戻ると、レンタ・カー同様、使った燃料を補給して満タンにして返す。
そのための水上ガソリン・スタンドがマリーナにはある。水のタンクも桟橋で満タンにする。

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       ヨットとモーター・ボートとヘリコプターまで搭載した
       メガ・クルーザー。トルコでは、こういうのが港に近づくと
       「ビル・ゲイツが来た」などと言っていたが。 

しかし、私達は見た。でかいクルーザーに、陸から呼び寄せた燃料補給車からディーゼルを
入れているのを。それは、まだ許す。なぜか消防車がメガ・クルーザーの桟橋に来ていた。
怪訝な目の私達を尻目に、桟橋の水道蛇口からの普通のホースでは追いつかないらしく、
消防用の太いホースで消防車から大量に水を補給していた。これには、あきれてしまった。

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       ヨットでのセイリングは、水上でキャンピングしているようなもの。
       シャワーのついでに洗濯して干す。風ではためいて強い陽光で
       すぐに乾く。
       陸では山火事。散水のため飛行機やヘリコプターが飛んでいた。

地中海地方では、夏に山火事がとても多い。毎年どこかで出くわす。
海や湖から飛行機やヘリが汲んで、空中から放水する。消防車では間に合わないのだ。

カラ・デ・ヴォルペというこの湾には、同名のホテルが建っている。サルデーニャで1,2を争う超
高級リゾート・ホテルで、一泊20万円は下らないそうだ。同じ湾には、超豪華クルーザーが沢山
停泊していて、小型モーター・ボートが、ホテルとの間をひっきりなしに往復していた。小型といっても
3人はクルーが乗り込んでいるのが普通だ。(クルーは皆白いユニフォームだからすぐにわかる)

呉越同舟ではないが、わたしたちのフロティッラも同じ湾に投錨していたので、風景や海は共有。
しかし、クルーザー派とヨット派との交流は全くない。興味の接点がないのだから仕方ない。
ここでは、陸に上がるとピザも普通料金の2倍だった。しかし、湾内に投錨する限り停泊料はタダ。
メガ・クルーザー族の華やかなヴァカンスの様子を垣間見ることができた。









      
       
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by didoregina | 2011-07-27 00:48 | セイリング | Comments(4)

エメラルド海岸セイリング記その2 サルデーニャの物価はさほど高くない

サルデーニャ北部のエメラルド海岸は、世界のフゴーの遊び場だから物価はめちゃ高、という
イメージが刷り込まれていたので覚悟はしていた。また、湾内に錨を下ろして停泊することが多い
から、現金を多めに持って行くよう事前に言われていた。
確かに、チャーター代金、デポジットや保険およびフロティッラ料金、マリーナ停泊料などは、
クロアチア、ギリシャ、トルコに比べたら高い。でも、それはイタリアの物価から推し量れば
妥当な値段といえる。
それ以外の物価は、オランダから来るとめちゃ安に思えた。

物価の比較材料として一番判りやすいのは食べ物だ。

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     ムール貝とアサリのサルデーニャ風スープ

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     イカの網焼き

親子4人でレストランで外食した場合、飲み物込みで一番高かった時でも140ユーロだった。
出発港に到着した晩にフロティッラ参加者顔合わせの意味もあり、リーダーが予約して
くれたレストランは、前菜各種、パスタ4~5種、イノシシの煮込み、子豚の丸焼き、野菜、
チーズなどがタパス風に次々に出てきて、ワインと水は飲み放題、デザートにコーヒー、
食後酒まで込みで、一人35ユーロというものだった。
オランダでは考えられない値段である。

上の写真2枚は、2日目に行ったレストランで注文したもの。前菜と主菜、もしくはパスタなど
皆それぞれ好みに応じて別々のものを選んだが、トータルで85ユーロだった。ワイン込みで
4人分の食事代金である。
オランダでは、中華レストランでもこの値段は難しいだろう。

それ以外の日の外食も全てその間の値段で収まった。平均したら110ユーロくらいになろうか。
しつこいが4人分である。


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       富豪たちの集まるポルト・チェルボのマリーナ。

サルデーニャで物価が高いのは、ポルト・チェルボ周辺だけなのではないだろうか。

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       ポルト・チェルボにある別荘群の外観は目立たず控えめ。


ポルト・チェルボから山一つ越した岬の奥にある湾内に、昼食と昼寝のために錨を下ろした。

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       アンカー・ブイが設置してあり、メガ・ボートも来る美しい湾だが、
       ブイの係留料金を聞いてびっくり。一晩500ユーロとか。

風が強かったが、昼食と昼寝だけだからブイには係留せず錨を下ろしただけだったので、
料金は徴収されなかったが、コントロールのゴム・ボートが巡回してきた。

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       お昼の定番は、カルボナーラやツナとトマトのパスタ。
       電気があるところでないと冷蔵庫が使えないから、
       保存のきく材料で作るしかないのだ。


さて、昼寝を終えて錨を上げようとすると、我らのヨットが錨を下ろした場所の上あたりに大きな
モーター・ボート(クルーザー)がいつの間にか停泊している。錨を上げつつ辿り進むと、その
モーター・ボートのすぐ脇まで来てしまった。
大きなクルーザーには、錨専用クルーもいる。その人が顔を青くして、ぶつかっても大丈夫な
ようにフェンダーを出したりしている。
ぐるりとクルーザーの周りを回ってなんとか錨を上げることが出来たが、なんでアンカー・ブイに
留めないんだろう、と怪訝に思った。
後でリーダーにそのことを話すと、ブイの料金がめちゃ高だから、ということだった。
大きなクルーザーを持っててクルーにも不足しないフゴーなんだろうから、昼食のための停泊
料金500ユーロくらいケチるなよ、と思った。



       
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by didoregina | 2011-07-25 23:36 | セイリング | Comments(4)

サルデーニャのエメラルド海岸をヨットでセイリング その1

サルデーニャ北部を2週間セイリングした。

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          エメラルド海岸セイリングの予定ルート。

我が家にとっては全く新しい海域なので、行く前にあれこれ情報を集めると、「億万長者の
遊び場」とか、「美食の宝庫」とか、「地中海で一番澄んだ海」とかのバブリーで紋切り型の
表現が多く、「高級でシックでセレブで物価が高い」という固定観念が出来上がった。

しかし、実際に行ってみると、上記で固められたイメージは、ある意味では当たっていたが、
崩れていったものもある。

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         ケルン・ボン空港からオルビアまで2時間弱。
         そこからタクシーで30分弱のポルティスコがチャーター基地。
         マリーナを見下ろす丘は、夾竹桃の潅木で埋まる花の海。


今回も、フロッティラというシステムを利用した。リーダー船と12隻の参加艇とからなる船団だ。
新海域では安心のシステムだ。そして結果的に、かなり風力が強くマリーナ等のインフラも限ら
れたこの海域では、経験とコネの豊富なリーダーのアシストを相当必要とした。

今回フロッティラに参加した人達は、クロアチア、ギリシャ、トルコなどは制覇しているので、
新しい海域開拓に鵜の目鷹の目。この海域のオランダのフロッティラは今年が最初だから、
結集したのは、セイリング経験が比較的豊富なつわもの達(?)だ。
非常に社交的な人達で、子供もかなり大きくて我が家の子供たちと同年齢が多数で、しかも
主人と同種の職業の人が多いのに驚いた。要するに似たもの同士が集まったのだ。

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         マリーナ停泊料金は馬鹿高いので、ほとんどは
         静かな湾内に錨を下ろしての停泊。
         砂底なので、水が淡く澄んで、錨もしっかりと留まる。


マリーナでは小さなヨットでも一泊150ユーロの停泊料金は当たり前、と聞いていた。
自然の湾内でもブイに繋げば、他に全く何の設備がなくても高額の料金を徴収される所もある。
風が強すぎて錨だけでは危険だとリーダーが判断して、週末近くに出発港に戻ったのだが、
そこでも一泊122ユーロ取られた。通常なら、チャーター会社の基地であるマリーナ利用はタダ
である。

結局、悪天候のためそれ以外の港にも4泊したのだが、一泊平均70ユーロ弱だった。
値段だけ聞くとまあまあだが、マリーナではないので、トイレやシャワーの設備はない。
それでも、桟橋に無事係留させてもらっただけでも感謝しなければ罰が当たる、というくらいの
風の強さだった。

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          自然との調和が取れて美しい別荘が見え隠れする。
          木より高い建物はほとんどなく、色も周りの岩に溶け込んでいる。


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          2本マストのクラシックなスクーナー(右)と
          エレガントで美しいJボート(左)がすぐ脇を交差して、
          息を呑んだ。


クロアチアと比べると、行き交うヨットの数は非常に少ない。
スピード狂のイタリア人は、モーター・ボートのほうが好きなのだ。
そのモーター・ボートも半端ではない大きさで、世界の富豪が集まる海域という面目躍如だ。

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          モーター・ボート(クルーザー)3種。
          右のはまるでクルーズ船のようにでかいメガ・ボートで
          ディンギーですら、我が家が借りた35フィートのヨットよりも大きい。
          ヘリコプターを搭載したり、ジェット・スキーも数台完備。
          使用人やクルーが10人以上乗り込んでいないと航行不可。


                            
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by didoregina | 2011-07-24 19:34 | セイリング | Comments(6)

イングリッド・ヨンカーの詩に素敵な曲をつけたCD

カリスちゃんとルト様が親子の役を演じた、南アフリカの女流詩人イングリッド・ヨンカーの伝記
映画は、作品としては期待したほどの出来ではなかった。
今ちょっと彼女のリバイバルというか、ブームというほどではないが、彼女の名前をよく見かける。

ヨンカーがアフリカーンス語で書いた23の詩に、オランダのフランス・エールハルトというピアニ
スト・作曲家が曲をつけたものがCDになった。
歌手は、オランダ人ソプラノのシャルロッテ・マルジョーノだ。
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CDのタイトルはHierdie Reis。



このトレイラーを見て聴いて、曲の自然で自由奔放な美しさと歌声のみずみずしさに引き込まれた。
まるで、映画のヨンカー役だったカリス・ファン・ホウテンが歌っているかのような可憐さと洒脱さだ。

しかし歌っているのは、50台後半のマルジョーノである。その意外なギャップに驚く。
というのは、わたしが見聞き知っている彼女は、DVDになっているヴィーラーとモラビト演出による
DNOプロダクションのダ・ポンテ3部作に登場する中年女性歌手なのだから。
『ドン・ジョヴァンニ』のドンナ・エルヴィーラと『フィガロの結婚』のマルチェリーナ役(フィガロは
ルカ・ピサローニで、その母親というのにどんぴしゃ)だった、そのイメージが頭にこびりついている。
オバサン・タイプの外見と大人の女性らしいふくよかな声の持ち主だ。

別の動画を見てみよう。CDに収められている曲を作曲家自身のピアノ伴奏で歌ったライブ。



姿を見たらいつものマルジョーノだが、歌声はまるで少女のように叙情的だ。さらりとした歌い方の
センスがいいし、品もいい。
曲もいい。現代クラシック音楽のイメージとは少々異なり、清々しく耳になじみがいい。ちょっと
ドビュッシーの歌曲のような印象も受ける。
現代人の心に響いて染み入ってくるものがある。だから、もしかしたら、聞き継がれ歌い継がれて
後世に残るかもしれない。そんな気さえする。
このCDは、買いである。
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by didoregina | 2011-07-09 02:27 | CD | Comments(2)

オペラ・ザウドの『愛の妙薬』ライブTV放映

ファルケンブルクの野外劇場での実演を見逃したオペラ・ザウドの『愛の妙薬』だが、TVで
ライブ放映された。ありがたい。デン・ボッスのシント・ヤン大聖堂脇の広場パラードでの野外
公演のTV中継だった。

夏になると、オランダでも各地で野外オペラ公演が行われる。実際に体験すると、寒かったり
視界がよくなかったり、音響に難ありだったり、椅子のすわり心地がよくなかったりで、あまり
楽しめるものではないことも多いのだが、夏の風物詩でもあり、やせ我慢も時には必要だ。

c0188818_6154059.jpg2011年7月7日@de Parade
dirigent Stefan Veselka
regisseur  Nicola Glück
decor, kostuum en licht Pia Oertel
choreograaf Swanhild Kruckelmann
orkest Het Brabants Orkest
koor  Het Zuidelijk Theaterkoor

Andrea Giovannini Nemorino
Kim Savelsbergh Adina
Willem de Vries  Belcore
Piotr Micinksi Dulcamara
Fenna Ograjensek Giannetta

縦長の広場に仮設ステージが建てられ、後方にオーケストラ、前方が舞台になっている。
招待客などは前方の平土間みたいにしつらえた椅子席に座っているが、一般客は自ら持参の
折りたたみ椅子なので、多分、入場料タダのイヴェントなのだろう。
デン・ボッス市が全面的に後援し、銀行などのスポンサー名が舞台横に大きく出ている。

これは、なかなかに素晴らしいことだと思う。オペラ・ザウドは各地の巡業を終えて、野外で
今シーズン最後の(タダ)の公演を行い、ローカル局がTV中継するしたので、普段全く
オペラとは無縁の人たちもオペラの楽しさを味わうことが出来たのだから。食べ物や飲み物を
持ち込んでリラックスした雰囲気の客席だったが、最後には皆熱狂的な拍手や口笛で満足を
示していた。

成功の鍵は、わかりやすいストーリーで聴きやすい音楽という作品そのもののよさもあるが、
演出がミュージカル調で大衆にアピールしたことだ。

c0188818_6281110.jpg

    
舞台設定は60年代と70年代辺りのアメリカの高校で、登場人物は皆、アメリカン・コミックの
キャラクターみたいな鬘とポップなコスチュームで、視覚的楽しさ満点。
アディーナとネモリーノは高校生で、ベルコーレは女の子の憧れの的のボクサー、偽媚薬売りは
化学の教師。かなりとっぴな読み替えなので、それに合わせた字幕も現代的要素を散りばめた
意訳だった。nerdとかchillとかkickとかの現代的な単語(英語からの外来語だがオランダで普通
に使われている)が出てくるし、お金の単位もユーロで、金持ちを指すのにドナルド・トランプの名前
を出したり。歌っているイタリア語の歌詞はさすがに変えていないが、字幕では軍隊に入隊する
代わりにボクシング界に進出する、という風になっていた。

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       コミック・ヒーローみたいな鬘とメイク

町の中心のかなり広い広場に設営したステージでの実演なので、歌手は全員マイクをつけていた。
それが、メイクとと鬘にぴったり合っていて違和感がない。ミュージカル『グリース』よりももっと
ポップでアメリカンな雰囲気の、しかし歌唱も音楽も正統的なオペラなのだった。

オペラ・ザウドでは、女性陣は若手でも上手いのに、テノール歌手がいつも役不足なので、ネモリーノ
役が下手な歌手だったら全てが台無しになってしまうと、恐れていた。しかし、今回は、ちょっとだけ
フローレスに似た声のジョヴァンニーニという歌手が、歌唱も演技もかなり上手かったので、ほっとした。
ネモリーノのキャラクターにぴったりの人である。
アディーナ役のキム・サーベルスベルクは、このプロダクションでのはまり役だ、と思えた。若い娘役
にぴったりのリリコでさわやかなかな声だ。

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オペラ・ザウドもブラバント・オケも、今が正念場だ。オランダ文化相による文化予算ばっさり削減案
が国会で承認され、今後国からの補助がほとんどなくなる。首都にあるDNOやコンヘボは一流と
認められているので補助予算削減の対象外になっているが、地方のオーケストラは合併などの再編
成を強いられている。
地方自治体やその他のスポンサーから大口の補助がないと存続も危ぶまれる。マーストリヒトが本拠地
で、地方を巡業するオペラ・ザウドのようなオペラ団がなくなったら、地方の文化はおそろしく沈滞する。
デン・ボッス市を見習って、マーストリヒトのフレイトホフ広場でもオペラの野外公演を行うべきだ。
その際、今回のようなわかりやすい作品と大衆受けするプロダクションおよび無料公開で集客を図り、
オペラの楽しさを広める。そういうところから始めないと、大衆に的を絞って議席を増やした極右政党が
掲げる「オペラは、左翼エリートのための娯楽だから、税金をつぎ込むなどもってのほか。国からの
補助はカットすべし」という思い込みは払拭されない。

今月末、マーストリヒトの中心ではアンドレ・リューの恒例野外コンサートが1週間にわたって行われる。
入場料金はオペラ並みかそれ以上だ。それでも毎年大盛況である。生き残るためには、オペラ界も
リューを見習って大衆化路線を真剣に考えるべきだ。
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by didoregina | 2011-07-08 00:28 | オペラ映像 | Comments(4)

ハイ・ティーに目覚めて、シャトー・シント・ヘルラッハへ

なんだか唐突に、ハイ・ティーを極めたい、と思うようになった。
イギリスのアフタヌーン・ティーは、オランダではハイ・ティーと呼ばれる。多分、アメリカ的発想
で、ハイというのがなんとなくハイソなイメージを連想するので定着した名称なのだろう。
イギリス人やわたしが、いくら「正しくアヌタヌーン・ティーと呼ぼう」と提案しても無駄である。
もうオランダでは、ハイ・ティーというのが市民権を得ているのだから、反対するのはあきらめた。

ハイ・ティーで基本というか、はずせないクリテリアは、
1 お茶は数種類から選べ、ポットで飲み放題
2 きゅうりのサンドウィッチなど甘くないもの数種
3 スコーンにクロテッド・クリームとジャム
4 食べきれない量で多種の甘いもの
5 3段トレイに盛り付け
6 ちょっとすました雰囲気(できればお城)
7 テーブル・セッティング(美しい食器)
8 天気がよければお庭で(室内ならインテリアも重要)
9 値段は一人20ユーロ前後
10 上記以外での特色

上記クリテリアに基づいて採点した結果、ほぼ10点満点のハイ・ティーを先日体験した。
場所は、ファルケンブルク郊外にあるお城、シャトー・シント・ヘルラッハだ。

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      レストランとビストロのある本館(左)にくっついた形の教会(右)
      
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      その正面のフランス庭園は広くて、公園の趣。
      彫刻や像が点在するが、展示内容がよく変わる。

しかし、ハイ・ティーは、レストランでもビストロでも本館のテラスでもなく、ホテル客室のある
赤い別館のラウンジ・バーまたはサン・ルーム、またはその裏にあるハーブ・ガーデンを臨む
テラスで供される。

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      シャトー・シント・ヘルラッハの赤い別館の前で。

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      牧草地やうっそうとした丘を借景にエレガントなフランス式の
      キッチン・ガーデンが目の前にあるテラスからの眺めは抜群。

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      食用になるハーブやベリーや野菜や果物が植えられている。
      庭師さんたちが、新しいハーブを植えていたので訊いてみると、
      レストランで使われるので、有機栽培だそう。


そして、ハイ・ティーの内容は、満足という言葉では足りないくらいの充実度だった。
紅茶は、オランダだから予想通りティー・バッグだが、16種類から選べる。
お湯は足りなくなったらどんどん追加してくれる。

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      まず、サンドウィッチの大皿が来た。卵サラダのミニ・バゲットに
      きゅうりとチーズ、サーモンとルッコラのサンドウィッチが山盛り。

甘くないものから始めるのが正式で、サンドウィッチを食べ終わってから甘いものに移行する。
4人分の3段トレイの内容が凄すぎて、サンドウィッチは乗り切らないから、別皿でまず最初に
来たのだった。
ティーカップとソーサーはちょっと意外なモダンなデザインで、ティーポットはホテル用の偽銀器。

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      下段は、スコーン、ミニ・クロワッサン、ブリオッシュのラスク、
      クロテッド・クリームにレモン・カード。
      中段と上段は、果物のタルトレット、ブラウニー、ミニ・マフィン、
      ジェノア・ケーキ、ミニ・エクレア、果物のムース・タルト、チョコレート、
      アーモンドのガレットがそれぞれ人数分。
      ジャムは、イチゴ、ラズベリー、杏の3種。

さすがにサンドウィッチは残したし、ラスクまでは手が回らなかった。
これで、一人19ユーロ50セントというのは、安すぎるのではないだろうか。
12時半から、途中でお庭の散歩など入れて3時半まで、食べ、飲み、おしゃべりした。
まだまだ、ここのハイ・ティーは知られていないので、わたしたち4人以外のお客は2人連れ1組
だけだった。

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      途中で腹ごなしのため、ハーブ・ガーデンを散策。

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      奥に行くと、バラ園がある。気分は、ディアーヌ・ド・ポワティエだ。
      このテーブルと椅子の並べ方が結婚式っぽいな、と思ったら、やはり、
      白い薔薇の花びらが撒き散らされていた。

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        バラ園の一角には、つるバラのキャノピー。


ハイ・ティーの後、シャトーに隣接する教会を見学しようとしたら、お日柄もよろしいので結婚式の
最中だった。
案内のおばさんが「絶対に静かにしてるなら、後ろで見学してもよろしい」と特別に入れてくれた。
中に入ると丁度、花嫁・花婿がキスするところだった。

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         オランダでは珍しいバロックのフレスコ画も美しい教会。

ちょっとだけ見学のはずが、カトリックの式なので長くて、なかなかタイミングよく退出できない。
パイプオルガンの真下で式を見ていたら、ソプラノのキレイな歌が上から降り注いで聞こえてきた。
「リエージュ出身の作曲家フランクの『天使のパン』という曲よ」とバービーさんが教えてくれた。


  エリーナ・ガランチャがドレスデンで歌った。髪型もドレスも素敵だ。


追記:このブログ記事を読んだとしか思えない反応なのだが、シャトー・シント・ヘルラッハのハイ・
ティーは、8月からアフタヌーン・ティーと名称が変更された。
そして、値段も30ユーロに値上げ!(以前の内容に自家製ハーブ・カクテルが加わっただけ)
シャンペン付だと35ユーロ。ここの内容ならば、適正価格だ。
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by didoregina | 2011-07-04 17:14 | ハイ・ティー | Comments(14)

洋装・和装兼用のカクテル・ハット『メルーラ』

モナコ大公とシャルレーヌ妃の結婚式のTV中継を見ていた。相当の暑さとおぼしく、参列者は
扇子代わりに式典プログラム・ブックをぱたぱた扇いだり、真っ赤な顔に噴出す汗を拭いたりして
タイヘンだ。夏の結婚式は、だから、昔から避けるべきだと言われてきたのだ。
女性の服装は、地中海岸という土地柄からリゾートっぽのあるフォーマルで、夏らしい帽子が
目に付いた。
一番ノーブルで素敵に見えたのは、シャルレーヌさんの母親だった。それから、小さな子供たち
が被っていた民族風の麦わら帽子が、かわいらしさ抜群。そして、式を司る司教の僧衣のオリーブ・
モチーフも土地柄を表した洒落たデザインだ。

結婚式に合わせたわけではないが、藤色のシルク・タフタで薔薇なのか芍薬か判らないような形に
なってしまったコサージュを作り、それがメインの飾りになる小型の帽子を作った。

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洋装にはもちろんだが、小型のカクテル・ハットなので、着物にも合わせられる。
秋のウィーン遠征(ご存知マレーナ様の『セルセ』観賞)には、この帽子をもとにして着物を
コーディネートしようかと思っている。

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       藤色のようなパープル濃淡2色のシルク・タフタでコサージュを作り、
       ミッドナイト・ブルーの小型帽子に留めた。帽子と同色・同素材の
       小さな薔薇とリボンを添えて、一段濃い目の色のトリミングとループ。
       全体の色をまとめるために藤色のチュールをふんわりと。

帽子の名前は、メルーラ(ラテン語でクロウタドリ)。
命名の理由は、北部ヨーロッパでは春から鳴く声をよく聞くし、姿も見かけるブラック・バード
(クロウタドリ)が、裏庭のブドウ棚に巣を作ったからだ。

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      雛鳥が大口を開けている巣に、親鳥がせっせと餌を
      運んでいたのに気兼ねして、6月中はブドウ棚の
      下が利用できなかった。

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      昨日、巣が空になっているのを子供が確認した。
      木の枝やプラスチックなどを利用してうまく出来た巣。

c0188818_573494.jpg

      巣箱も設置してあるが、いつの間にか底が抜けてしまって
      使用不可能。かわいそうなことをした。

ブドウ棚の下は、自然の木陰が陽光を遮り、初夏から夏にかけてはブドウの実も小さくて邪魔に
ならず、食事やお茶や昼寝や読書にいいテラスだが、今年は、まだ一度も使っていない。

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      「朝顔につるべ取られてもらい水」の加賀千代女の心境になって一句。
      「ウタドリにひさしを貸して声ひそめ」(丸郷レイネ)


帽子の名前にもなったメルーラの曲もどうぞ。



リコーダーのアムステルダム・ルッキ・スターダスト・クアルテットによる、タルクィーニオ・メルーラ
作曲のLa Lusignuola(『夜啼き鳥』)
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by didoregina | 2011-07-02 22:25 | 帽子 | Comments(6)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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