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捨てる神あれば拾う神あり   Mission Impossible 3

1月もあと1回のコンサートを残すのみとなった。明日31日のLSOとネリー・ミリチョウによるプーランクのモノローグ・オペラ「人間の声」だ。ロッテルダムでの公演評は上々なので期待してよいだろう。

来月以降ですでにチケットをゲット済みのものは、

2月22日 ブリュッセルのモネでカヴァッリのオペラ「カリスト」

2月28日 エイントホーヘンのフィリップス・ミュージック・センターでオランダ放送響とワディム・レーピンのコンサート

3月15日 ライクホルト城でゼフェリン・フォン・エッカルトシュタインのリサイタル

3月28日 ヘーレンでORWの「椿姫」引越し公演

4月3日 ロンドンのROHで「ダイドーとイーニアス」

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そう、前回のチケット・ゲット大作戦で決着のつかなかったレーピンのチケットが手に入ったのだ!
フィリップス・ミュージック・センターでは、リターンチケットが出るとウェイティングリストに載っている客には電話がかかってくるシステムだと書いた。しかし、本当にそんな面倒なことしてくれるの?とかなり懐疑的だった。2月になったらこちらから電話してみようと思っていた矢先、昨日の朝、電話が入った。
「2月28日のコンサートのウェイティングリストに載ってますが、まだ興味はおありで?」と。「もちろん、もちろん。」と答えると、意外なほどあっけなくS席チケットが2枚手に入った。

ああ、神は我を見捨てなかった!
捨てる神あれば拾う神ありとは、今も生きる故事成語なのだった。

レーピンは、わたしにとって「様」がつく数少ない男性アーチストである。
にきびだらけの童顔で諏訪内晶子さんと最年少同士で優勝を争った1989年のエリザベート王妃コンクールの時からずっと応援している。去年からちょっとまた追っかけ気味でもある。
6月のブリュッセル、9月のエイントホーフェン、そして来月。

奇しくも演奏曲目は、丁度20年前の優勝凱旋コンサートでベルギーのトンゲレンで聴いたのと同じブラームスのヴァイオリン・コンチェルト。ああ、どんなに成長したか、幼いうちに生き別れになった弟に再会するような気分。
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おまけとして、コンサートの翌日同ミュージック・センターでレーピンによるヴァイオリンのマスター・クラスが開かれる。もちろん、見に行く。今シーズン、彼はここのアーチスト・イン・レジデンスなのだ。
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by didoregina | 2009-01-30 20:42 | コンサート | Comments(0)

選択科目:映画学

次男の父兄会に行ってきた。来年(高1)から選択する科目についての説明会である。
2歳上の長男と同じ学校だから、もう分かっていることが多いのだが、一応出かけた。

息子たちにけしかけたのは、「映画学」の選択だ。結局、長男はとらなかったが。
理数系に強い学校で医学部進学の生徒が多いのに、こんなに楽しそうな自由選択科目があるんだからとらなきゃソン、とわたしは思うのだ。

「映画学」担当教師の説明によると、カリキュラムは、年間10本の映画を鑑賞しその内容の詳細分析(ショットごとに見たり、テーマや語り方を探る)と、映像学(カメラワーク、効果音、モンタージュ、映画音楽、ライト技術)講義のほか、実際に短編映画、ヴィデオクリップとアニメを作るという。

実際に「フェイス・オフ」の始めから10分くらいを観て、以下の設問に答える、という模擬授業を行った。(皆さんもどうぞ答えてみて)
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1.冒頭の音楽はどんな雰囲気を表現しているか?

2.その音楽はいつ変わったか、そしてその変化の意味は?

3.画面が回転するときは何を示唆するのか?

4.フェイス・オフのゼスチャーは?

5.なぜ、冒頭シーンは白黒なのか?

6.その中で唯一カラーだったものがあるが、なぜか?

7.出演者名がクレジットされるが、なにか気づいた点は?

8.Archerの性格はどのように描かれているか?

9.Castorの性格はどのように描かれているか?

10.Polluxの性格はどのように描かれているか?

11.CastorとPolluxにまつわる故事を説明せよ。

12.なぜ、Castorは聖職者の服装をして合唱隊の女の子に手を出したのか?

13.Archerの職場風景と仕事内容を描写せよ。

14.Castorが飛行場に到着したシーン描写を詳述し、その意味を考えよ。

15.Castorの弟に接するどのような態度からその兄弟関係が示唆されるか?

以上の設問に、はい、ハーイと手を上げて答えたのは父兄たちで、だんだんクラスが熱を帯びてきた。
終わったあと、「こんな授業ならとりたい」「夕方から父兄向けの講座を開講してくれたらいいのに」と、興奮気味だったのは、父兄ばかりだった。
父兄向けのラテン語は人気がなかったが、父兄向けに映画講座を開講したら満員御礼になるだろう。これをとらないなんて、子供たち、もったいないよ!
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by didoregina | 2009-01-29 23:38 | 映画 | Comments(7)

「ジェイムズ2世の戴冠式」@聖母教会

マーストリヒトの聖母マリア協会で、オランダ・バッハ協会による「ジェイムズ2世の戴冠式」ライブを聴いてきた。
1685年ウェストミンスター寺院で挙行された戴冠式のための音楽をオランダ・バッハ協会が演奏し、当時の年代記記述者による詳細な式典の記録を、NOS夜8時のテレビニュース(NHKニュースみたいなもの)アナウンサーのフィリップ・フレーリクスが読み上げるという、かなり変わったコラボ上演である。
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2009年1月28日
Onze Lieve Vrouw Basiliek in Maastricht

Programma
John Blow (1649-1708)
– God spake sometime in visions
– Let thy hand be strengthened
– Behold, o God our defender
– Let my prayer come up

Thomas Tallis (ca. 1505-1585)
- Come, Holy Gost, our souls inspire

Henry Purcell (1659-1695)
– My heart is inditing
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Georg Frideric Handel (1685-1759)
Coronation Anthems:
- Zadok the Priest, HWV 258
- Let thy hand be strengthened, HWV 259
- The King shall rejoice, HWV 260
- My heart is intiding, HWV 261

Uitvoerenden
De Nederlandse Bachvereniging
(koor en orkest)
Richard Egarr dirigent
Philip Freriks verteller

  
      聖母教会内部(祭壇)と教会外観


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夜8時半からの公演で開場が8時なので8時10分ごろ入場すると、出遅れもいいところで会場はもうほぼ満席。今回はバービーさんとマリーさん(どちらも日本人の奥様)もごいっしょだったので3人並んで座れて柱の陰にもならない席は、もう後から2列目しか残っていない。教会内部は寒いだろうと思ってわたしはパンツにダウンジャケットだったのに、バービーさんは感心にもキモノで来てくれた。ものすごく重ね着して、毛布のようなひざ掛けも忘れずに。



前半は、ジョン・ブロー、トマス・タリス、ヘンリー・パーセルの全6曲。

これらの曲間全てに、微に入り細をうがつという形容がぴったりの実況中継が入る。実際の戴冠式に臨めなかった聴衆にその様子を見てきたように全て聞かせちゃいます、というコンセプトなのだ。
どのくらい詳しいかというと、参列者の名前から大司教や王様のほぼ一挙一動・式次第全部を読み上げるのだ。その詳細さに辟易してきて、また、そのつど音楽が断ち切られるのがうっとうくなってきた。
フィリップ・フレーリクスは好きなニュース・アナウンサーなのだが、ここまでやらせるのは、聴衆・話者どちらにとっても酷だ。

後半は、ジョージ2世の戴冠式のためにヘンデルが作曲した「戴冠式アンセムス」だけで、実況中継は入らなかったので、音楽に没頭できた。
これで、ヘンデルの株がずっと上がった。前半の曲の作曲家はえらい迷惑をうけたものだ。

実際は、少年合唱団ではなかったが、曲目は同じ。Handel "My heart is inditing"
The Holland Boys Choir


聖母教会での音楽会に来たのは、パイプオルガン演奏会を除けば、初めてだ。
響きがよすぎて、合唱の声が溶け合ってしまうようで、歌がよく聞こえない。歌詞を聞き取るのは不可能だ。
合奏は、作曲家の技量に負うところか、耳が慣れてきたためか、終わりに近くなるほどよくなった。前半は、マイクを通した実況アナウンスで耳がおかしくなり、その合間の音楽はほとんど楽しむ余裕がなかったのが悲しい。

最後に、カッコよかったコントラ・バスの写真を撮らせてもらった。1750年ごろのオリジナルで、オランダ製。板がとても厚そう。でもそのせいでびんびん響きすぎというわけでもなかった。
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by didoregina | 2009-01-29 16:07 | バロック | Comments(0)

ナクソス島のアリアドネ@ORW

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2009年1月25日 リエージュ 王立ワロン歌劇場
Ariadne auf Naxos by Richard Strauss

Direction musicale  Patrick DAVIN  Édouard RASQUIN [03/02]
Mise en scène  Laurence DALE
Chorégraphie  Daniel ESTÈVE
Décors et costumes  Bruno SCHWENGL
Lumières  Christophe Chaupin
Nouvelle coproduction OPÉRA DE MONTE-CARLO/OPÉRA ROYAL DE WALLONIE

La Prima Donna / Ariadne  Monique MC DONALD
Zerbinetta  Daniela FALLY
Der Komponist  Giuseppina PIUNTI
Der Tenor / Bacchus  Janez LOTRIC
Ein Tanzmeister  Cristiano CREMONINI
Brighella  Enrico CASARI
Scaramuccio  Pietro PICONE
Ein Musiklehrer  Olivier ZWARG
Harlekin  Roger JOAKIM
Truffaldin  Lorenzo MUZZI
Najade  Priscille LAPLACE
Dryade  Federica CARNEVALE
Echo  Kelebogile BOIKANYO
Ein Lakai  Patrick DELCOUR
Der Haushofmeister  Martin C. TURBA
Ein Offizier  Franz GLATZHOFER
Orchestre OPÉRA ROYAL DE WALLONIE

夫婦そろって欲を出して、初日のマチネを観に行った。チケットが半額になったからだ。
しかし、結局お安い買い物にはならなかった。
まず、前日は24キロのサイクリングをしたあと、夜12時までディナー。当日の朝、再びサイクリングをして、3時からのマチネに出かけたのだ。

家からリエージュのオペラ座までは車で20-30分の距離だ。キモノを着る時間も十分ある。よし、行こう、と。

しかし、退屈な1幕目(これはいわばプロローグなんだから、状況の説明だけでいい。もっと短ければいいのに)のあと、フォアイエでワインを飲んだのがよくなかった。
ああ、ようやく歌が沢山聴ける、コミカルな場面交代を見て楽しもう、と思ったのもつかの間、睡魔に襲われいつの間にかこっくり、はっと目を覚ましても集中力が続かず眠ってしまう、という繰り返しになってしまったのだ。

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元凶は一杯のワイン










オケの演奏は、R.シュトラウスの甘く耽美的な音を出すのに全く不向きだったので、音楽に酔えない。また、アリアドネ役以外に知った歌手はいない。彼女、6月の「ドン・カルロ」では、年増みたいで役の雰囲気に合わないエリザベッタだったが、今回は役柄に結構収まって声量もたっぷりなので、彼女が歌うときだけ目が覚めるのだった。

そして、居眠りの合間には、スーザン・ソンタグがカテゴライズしたキャンプの概念にどうしてR.シュトラウスのオペラが入るのだろうかということばかり、考えていた。
たしかに、ワグナーと比べたら、音楽もテーマも荘厳ではないから、キャンプだと言えば言えるだろう。R.シュトラウスは、いわばオスカー・ワイルドに近い美学の人だと思う。下世話な内容に気取りを盛り込んでいる、その軽さがキャンプなのかもしれない。
しかし、時代とともに作品を見る目が変わり評価も変わる。今、R.シュトラウスのオペラをキャンプ趣味だといっても、なかなか肯いてくれる人はいないと思う。というより、キャンプの概念自体が変わってしまったのだろう。
そんなことを考えていたが、夢の中で考えたことゆえ支離滅裂で、結論は出なかった。

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by didoregina | 2009-01-28 00:34 | オペラ実演 | Comments(5)

キモノでオペラ

1年前に突然思い立った。「キモノを着てオペラに行きたい!」と。
去年は、都合30回ほどキモノでお出かけ、が実現できた。そのうち、コンサートやオペラは半分以下だったが。

今年は、まだ始まったばかりだが、ほぼ週1回キモノでお出かけのペースが確保できている。しかし、オペラに着て行ったのは25日が最初である。だって、一人でキモノでお出かけしても楽しくないから。

リエージュのオペラ座は、内装がナポレオン時代風でかなりケバイので、キモノの背景にはぴったりだ。モダンなアムスの歌劇場だったらキモノで行く勇気はない。とっても不釣り合いできっと浮いてしまう。

日曜日のマチネ、しかし初日、という微妙なシチュエーションなので、考えた末に、「粋筋のお姐さんがご贔屓のお客と観劇」というヴァーチャル設定で、黒の泥染め赤ストライプの縞大島に、ひげ紬に素描の牡丹柄の帯にしてみた。ぜんぜん見えないが、帯揚げは白地に赤の飛び絞りで、玄人風に。

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by didoregina | 2009-01-27 23:56 | 着物 | Comments(0)

ペーターのリサイタル・ライブ録音

ピアノの先生、ペーターが2週間前にロッテルダムのデ・ドゥルンで演奏した際、誰かがひそかに録音したものをユーチューブで発見。隠し録音のためノイズが入り音も貧弱だが、記録の意味もあり、Rfrauさんのリクエストに応えてアップしてみる。動画ではないので、見栄えがトホホなのは、乞うご容赦。


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by didoregina | 2009-01-27 17:27 | コンサート | Comments(2)

ABOへ非情の仕打ち、危うし、ヨーロッパ・ツアー

トン・コープマンにとって、2009年はとことんついていない年だ。大殺界に違いない。

アルチーナさんのブログで再三取り上げられたように、アムステルダム・バロック・オーケストラ(ABO)の東京でのコンサートがキャンセルになった。招聘元が自己破産申告をしたためだ。
日本のバロック音楽ファンの皆さん、残念ね、チケット買っても払い戻しが利かない人は可哀相、と、自分はオランダにいるので、いわば対岸の火事として眺めていた。こっちは安全だとタカをくくっていたのだ。

しかし、今日のNRC経済新聞夕刊の文化欄には、去る24日にアムステルダムのコンセルトヘボウで行われたマチネ・コンサート評の代わりに、大きな見出しで「トン・コープマン、『マタイ受難曲』をキャンセル」と出ているではないか。24日のコンサート・チケットは売れ行きがよくなかったようで、前日まで「チケットまだあります」と新聞に広告が出ていた。とっても行きたかったが、人の世のしがらみで同日同時間サイクリングに参加しなければならなかった。
だから、新聞に評が載るのを楽しみに待っていたのだ。しかし、キャンセルというのは24日のコンサートのことではないのである。

4月1日から始まる予定のヨーロッパ・ツアーが次々とキャンセルの憂き目にあっているというのだ。
以下は、新聞記事とトン・コープマンのオフィシャルサイト(本日付の急告なのでオランダ語のみ)で裏取りした内容の詳細である。

原因は、クレジット・クランチの影響と助成金カットの二重苦。

まず、マドリッドでは、コンサート主催側の資金繰りがうまくいかずキャンセル。
続いて、本家のライデンで2回行われる予定のコンサートも、クレジット・クランチの影響で大手スポンサーのラボ銀行が撤退。
イタリアとオランダのツアーでは、『マタイ』より短くて人員も少なくてすむ『ヨハネ』に急遽プログラムを変更して対処しようとするが、イタリア2都市はそれに不満で話し合いは決裂。
トン・コープマンのサイトによると、「ドイツの某バロック・オーケストラが、そこに割って入り、こちらは助成金が付くので安く『マタイ』を演奏しますからいかがでしょう、とコンサートを横からさらっていった」そうだ。
アムスのコンセルトヘボウでは、キャンセルするABOのかわりになる「同レベルのオケ」による『マタイ』に変更する予定だ。

ABOには2008年まで年間336,000ユーロの助成金が出ていたが、2009年1月付で交付凍結。そして、スポンサーや補助金を探す人員5人が首切りになった。練習するにも金はかかる。回数が減ってしまったコンサート収入だけではまかないきれない。

「音楽家と音楽ファン双方にとって最悪の状況」だとコープマンは語る。
「ここまで、政府にもスポンサーにも見放されたら、われわれの力だけではどうにもならない。個人の皆様のご助力にすがりたい」と悲痛な声が聞こえてくる。

わたしの力では及ばないが、せめて花でも贈って慰めてあげたい。
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by didoregina | 2009-01-26 20:41 | バロック | Comments(10)

ヤン・トーロップとヨハン・トルン・プリッカー

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花の中で一番好きなのは、チューリップだ。オランダに住んでいてありがたいのは、花がとっても安いこと。とくに国花ともいえるチューリップは、文字通り二束三文で買える。今日は、スーパーで10本一束のチューリップが、2束で5ユーロだった。

こんなに可愛らしい色合いのチューリップを見ると思い出すのは、クロラー・ミュラー美術館で見たオランダ象徴派の画家、ヨハン・トルン・プリッカーの「チューリップの国の花嫁」という絵だ。(なぜかこの絵を、ヤン・トーロップの絵だったと勘違いしていて、ネットサイトで検索したが出てこない。象徴派やアールヌーヴォーの画集をひも解いてようやく間違いに気づいた。)

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Johan Thorn Prikker (1868 - 1932) The Bride (1893)
元のタイトルは単に「花嫁」なのに、わたしは「チューリップの国の花嫁」という日本語で記憶している。映画だとよくとんでもない日本語タイトルになったりするが、この絵に付けられた日本語はとってもよろしい。(もしかしたら、わたしが勝手にそう名づけたのかもしれない)

ついでといってはなんだが、ヤン・トーロップの「3人の花嫁」も見てもらいたい。こちらは、象徴派でも、ジャワ生まれゆえか、バックのモチーフが東洋的・瞑想的だ。花嫁は左から、「神聖・天上」「清純・人間」「ファム・ファタール、地獄」を象徴している。

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      Jan Toorop (1858 - 1928) The Three Brides (1893)

トルン・プリッカーはデン・ハーグ生まれケルン没、トーロップはジャワ生まれデン・ハーグ没で、この2枚の絵は、同年に描かれている。二人はきっとどこかで出会い影響しあっているはずだ。

次の映像を見ると、ヤン・トーロップの画風の変遷がよくわかる。また、ガーシュインの音楽がよくマッチしている。絵を見ると音楽の記憶が呼び覚まされることがよくあるが、テーマがある美術展では、会場でそれにぴたりと合った音楽を流して欲しいとわたしは思う。


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by didoregina | 2009-01-26 16:54 | 美術 | Comments(0)

風に吹かれて、サイクリング

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10年続いた主人のハイキングクラブは、去年からサイクリングクラブに変わった。
大学時代の友人5人で、毎年9月に1週間アルプス縦走を行っていたのが、10年を区切りに、サイクリングに宗旨替えしたのだ。
1週間の留守宅を守る奥さん方を交えて、冬に交歓会を行うのも恒例行事だ。
今回は、マース川沿いのサイクリングになった。エルスローから全長24キロを自転車で走るのだ。

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   河川敷に生える樹齢1000年の木と馬たち。対岸はベルギー。

川の堤を走ったり、教会を取り囲む集落や知らない村をいくつも通りぬけ、12キロの折り返し地点には、おりよくカフェがあるのでそこで休憩。

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そんじょそこらにある村のカフェとはわけが違う。自前のビール醸造所を持っているのだ。
ワーヘニンゲン農業大学を卒業した若者が2年ほど前に建てた、De Fonteinという名前の醸造所が敷地内にあり、フレッシュな自家製樽入りビールが5種類もある。
これは、もちろん、試さないわけにはいかない。
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最初に名前で選んだEuleteulという不可思議な名前のビール(右)は、香りも味もハチミツ風味でコクがある。甘いので飲みやすいが、アルコール度数8.5%!
左のMaaskanter(マース川沿い、の意味)は、ちょっとブラウンで、これも悪くない。
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一杯で終わるわけがなく、次はSteinder Wit。ちょっとにごり酒のような白ビールだが、これもすっきりと酸味はほのかで、おいしい。アルコール度数4.5%なので、本当はこちらから始めるべきだった。

どれも、ベルギービールのような洒落た味わいで、飲み心地がまろやか。癖になりそう。
これは、いいめっけもん、また来よう、と決めたのはいいが、まずは、あと12キロ自転車をこがなければならない。ちょっとフラつき気味になりながら、川風に吹かれて酔いを醒ましつつ出発点の友人宅に戻った。
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by didoregina | 2009-01-25 23:52 | サイクリング | Comments(4)

(after) The Fairy Queen 妖精の女王

c0188818_23492863.jpg2009年1月21日
Theater aan het Vrijthof

Muziek- Henry Purcell

Muzikale leiding - Emmanuelle Haïm (12, 16, 17, 18 dec & 7, 10, 11, 13, 24, 25 jan & 4, 7 feb) & Jonathan Cohen (17, 19, 20, 21 & 30 jan)

Assistenten muzikale leiding – Jonathan Cohen, Philippe Grisvard
Regie – Wouter Van Looy
Dramaturgie – Ian Burton
Choreografie & video – Vivian Cruz
Sculpturen – Freija Van Esbroeck
Kostuums – Johanna Trudzinski
Decor – Sascha van Riel
Lichtontwerp – Peter Quasters
Dans - Erika Méndez Ureña, Sheila Rojas, Luis Villanueva, Alejandro Chávez

Solisten - sopranen: Susan Gilmour Bailey, Hanna Bayodi-Hirt, Elise Caluwaerts, Elodie Fonnard – contra-tenor: Owen Willetts – tenoren: Daniel Auchincloss, Ben Breakwell, Simon Wall – bassen: Neill Bellingham, John Mackenzie, Nicholas Warden

Muzikale uitvoering – Le Concert d'Astrée:
Viool – Agnieska Rychlik, Maud Giguet
Altviool – Delphine Millour
Cello – Claire Thirion
Blokfluit – François Lazarevitch, Yann Miriel
Hobo – Yann Miriel, Vincent Blanchard
Fagot – Emmanuel Vigneron
Luit – Laura Monica Pustilnik or Carola Grinberg
Clavecimbel – Philippe Grisvard

Coproduction – Opéra de Lille, La Clef des Chants, Opéra de Dijon, Muziektheater Transparant.

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パーセルの「妖精の女王」は、セミ・オペラ(歌わない台詞と歌と音楽が混在)で、全体にドラマとしての統一的な流れを欠くため、通常のオペラに比べ演出が非常に難しく、上演の機会も少ない。リサイタルで歌の部分だけ歌われたり、音楽部分だけ録音されたCDはあるが。
だから、今回の上演は、タイトルにわざわざ after と入れているように、シェークスピアの「真夏の夜の夢」に題材を採ったパーセルの歌劇をモトにした翻案もの音楽劇と見るほうがいい。
また、長々とクレジットを入れたのも、楽器演奏、歌、ダンス、舞台美術、マスクが渾然一体となり、どれ一つが欠けても不完全になってしまう一風変わったプロダクションだったからだ。今回のプロダクションでは、歌手が主役では全くなかったと言っていい。

主役は、2組の恋する男女(ダンサー)で、準主役は、古楽演奏のコンセルト・ダストレーだった。
歌手たちは、地味なワンピースとシャツにズボン姿で、主役級ダンサーの後方で結構難しい振り付けのダンスをしているので、最初、その他大勢の群舞ダンサーかと思ったくらいだ。それが、朗々と台詞を読みそのあと歌いだしたので、歌手とわかった次第だが、メインには最後までなれなかった。

楽器演奏のみの音楽部分が多い作品だと、どうしても、踊りや舞台装置で視覚を補わないとさびしい舞台になってしまうのでは、という危惧を抱いてしまうものだ。
だが、音楽だけでは、なんとなく水っぽいから、踊りを加えて実だくさんの汁にしてしまおうという発想は、どうにも安易で好きになれない。そのせいで、歌がどうしても添え物的になってしまうからだ。音楽だけで、こってりとしたスープを作り出して満足感を与えることは可能なはずなのに。

それにしても、観客に対して、イマジネーションを使うことを強いる舞台だった。それに慣れるまで結構時間がかかり、その世界に没入できた頃は、終わりに近かった。事前に勉強をした人でないと、楽しめないかもしれない。しかし、玄人が多かったとみえて、ブラーヴォーは、結構飛んだ。
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by didoregina | 2009-01-22 16:46 | バロック | Comments(6)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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