カテゴリ:着物( 40 )

籠染めの綿紬浴衣と手作りサブバッグ

綿紬の浴衣の仕立ておろしを着て、洞窟でのコンサートに出かけた。
節のある細い糸で織ってあるから薄くても張りがあり、綿なのにきれいな光沢もあるので、
浴衣でもお出かけ着になる。
地は薄い青で、そこに表裏異なる模様が藍で染めてある。男もののような地味な模様だ。

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籠染めという技術は、去年最後の職人さんが廃業したそうで、竺仙にある在庫分しか、もう
手に入らない。長いこと箪笥にしまったままだった反物を去年仕立てに出して初めて知った。

白っぽい紗献上かなんかの帯ですっきり装いたいところだが、紗献上は持っていないし、白だと
浴衣の青い色が移りそうでこわい。
結局、オレンジ色に生成りの筋を織り出した葛布の帯を組み合わせた。紺にオレンジというのが、
どうも昭和の民芸っぽいレトロな色あわせだが、いたしかたない。

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       着物の柄が小つきだから、本当は白の帯でもっと粋にしたい。
       ちょっと泥臭いコーディネートになった。


別布のハギレで、着物用の大きめサブバッグも作ってみた。
紺地に水色と生成りと臙脂の縞模様が織り出してある、これも木綿の紬だ。
(遠州紬の縞紬のハギレであることが、偶然判明した。)

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赤を利かせるために、クロコ型押しのレザーの手提げ紐と同じ色合いのブランドタグを
アップリケで留め付け、ファスナーには韓国土産の狐チャームを下げた。
裏地は桜色の絹の胴裏で、帯芯を中に入れた。
ファスナーと縫い糸以外は、全て残り物で作ったので、材料費は果てしなく0に近い。
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by didoregina | 2010-09-01 16:50 | 着物 | Comments(5)

6月は学年末

6月は学年末なので試験シーズン、そして年末と同じくパーティ・シーズンでもある。

主人が通うイタリア料理教室の、学年末試験を兼ねた食事会があった。
合否を賭けるという真剣なものではないので、生徒達の料理の腕前は、まあ、去年とほぼ同じで、特筆すべきものはない。というより、料理のセンスのない人は、何年習おうと進歩しないんだ、ということを改めて知らされた、というべきか。
毎レッスン後の週末に、主人が復習を兼ねて作ってくれる料理のほうが、ずっと美味い。
料理に期待するより、着物を着るチャンスだ!と思って出かけた。

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     カジュアルな食事会に高価な着物は場違い。
     いいお天気でもあったので、浴衣で。
     半襟なし。しかし、名古屋帯と足袋。

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     生成りの生紬の帯は、しゃっきりと
     夏らしい締め心地。素描で筍の絵。
     濃い色の浴衣に白っぽい帯で爽快感を。

5月には、とうとう一度も着物を着てお出かけの機会が作れなかった。反省している。
6月は、パーティーが多いので、とにかく着物を着ようと思う。

本日は、ピアノの発表会だった。毎年6月にライクホルト城で行うのだ。
今年は、奏者の人数は少ないが、一人当たりの曲は多かったり長い曲だったりして、時間的には例年と同じくらい。超初心者はもう生徒にいないので、幼稚園に入ったか入らないかの子が練習曲を弾いて聴衆の微笑を誘う、というシーンが見られなかったのが残念。

Angelica
Duvernoy Edude nr.1 en 3
W. Carroll The wood fairies

Jill
Y. Tiersen Comptine d'un sutre ete

Rosalie
Beethoven Fur Elise

Shayan
J. Strauss Persische Mars

Caio
J. S. Bach Prelude
C. Ph. E. Bach Solfegietto
C. Debussy Le petit negre

Tim
J. Brahms 3 Walsen op. 39
F. Chopin Mazurka op. 67 nr. 2
Mazurka op. 7 nr. 2
Mazurka op. 7 nr. 1

F. Heller Etude op. 46 nr.1

David
J. Haydn Deel 1 uit Pianoconcert in D hob. XVIII.11
F. Liszt Liebestraum nr. 1
G. Gershwin Prelude nr. 1

Pauze

Reine
C. Debussy Prelude uit 'Suite Bergamasque'
La plus que lente

Carine
F. Chopin Polonaise in cis op. 26 nr. 1

Chris
J. S. Bach/Busoni Chaconne in d

前半が子供の部で、後半が大人の部である。
多い年には30人くらい参加するのだが、今年は異常に少ない。初心者が淘汰されたのと、大人は別の用事で都合が付かない人が多かったからだ。
初心者は発表会用の曲の準備などできないから、弾く曲から教則本の傾向がわかる。Duvernoyというのが、今回唯一聴けた初心者向け教則本の作曲家だ。
Hellerも練習曲としては、こちらでは有名。ハノンとチェルニーを合わせたような感じだが、ずっとロマン派的な音楽になっているので、弾くのも聴くのもさほど苦痛ではない。

ティルセンの曲は、映画「アメリ」のサウンドトラックで有名だ。ミニマル音楽に属するのだが、センチメンタルでキャッチーなメロディなので、中学生に人気。技術的には易しい曲だが、聴く人の心に迫る度合いが高く、効果的だと思う。

それに対して、今時の発表会で「エリーゼのために」を弾くというセンスがわからない。わたしの子供時代、60年代なら許せる。まだまだ、発表会向けの曲が開拓できていない時代だったからだ。「エリーゼのために」は、ピアノ練習者ならバイエルが終わった頃必ず弾くから、手垢・耳垢にまみれ、誰でも知ってる曲だから皆聞き耳を立てていて、間違えたらすぐにわかるし、上手く弾いてあっと言わせるという成功率はごくごく低いのだ。案の定、ひどい演奏だった。

以前、次男の音楽学校の発表会で、高校生の女の子が「渚のアデリーヌ」(!)を弾いて、わたしをうんざりさせた。今ではその名を覚えている人も少ないだろうリチャード・クレーダーマンが、80年代初めに弾いて有名になった曲である。こんな懐メロでしかも当時からダサかった曲を21世紀になっても弾く人がいる、というのに耳を疑い、こういう曲を生徒が自分で選ぶわけがないから、教師または親の良識を疑った。

シュトラウスの「ペルシャ風マーチ」を弾いたシャイアンという男の子は、フル・ネームがえらく長いので、貴族かなんかの由緒ある家柄なんだろうなと思ったら、師匠のペーターが面白い裏話をしてくれた。
シュトラウスJr.が当時のペルシャのシャーのために作った曲で、シャイアンはそのシャーの末裔だというのだ。だから、この曲は彼のためのものでもある、と。

カイオもティムも小学生なのに、上手く弾く。上がらないというのも羨ましい。

前半のトリは、ダーフィッド。ハイドンの「ピアノ協奏曲」は、ペーターがデジタル・ピアノでオーケストラ・パートを演奏した。デジタルだといろいろな音が出せるから、こういうときは便利だ。
リストもガーシュウィンも、パーフェクトだった。ピアノを習い始めて3年ぐらいしか経っていないというのに、恐るべき子供(中1)である。しかも、この選曲の妙には感心した。古典派のピアノ協奏曲、ロマン派のリスト、そしてジャズの要素の入ったガーシュウィンである。選曲のセンスも才能のうちだと、わたしは確信している。

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後半は、わたしのドビュッシーから。2週間後に控えたコンサート(!)のためのリハーサルにしようと、着物で演奏した。草履だと、ペダルの感覚が違う。袖は全然邪魔にならなかった。
前日のレッスンでは、2回弾いて2回とも問題なしだったのに、当日はアガってしまって、ひどい出来だった。しかし、あまり有名な曲でないのが幸いした。この曲を聴きつくしている家族とペーターには「あがりまくって、酷いね」といわれたのに、何人かの人は、「いい演奏でしたね」と言ってくれた。聴いたことがない曲だと、間違えてもわからない。だから、選曲は重要なのだ。

カリンとクリスは、音大出てるし、コンクールや人前で演奏するのにも慣れてるし、安心して聴くことが出来る。この二人には、わたしのコンサートでもゲスト演奏してもらうつもりだ。特にカリンは、あがるということが全くないと、ペーターが太鼓判を押す生徒だ。クリスは、超難曲を選んだから、いくらミスタッチがあっても、一般聴衆にはわからないだろう。

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     有松絞りの浴衣は、黒に近い濃紺地に
     白の七宝つなぎ。その中に藤色がところどころに。
     帽子絞りの蝶のような大きな花がアクセント。
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by didoregina | 2010-06-13 22:13 | 着物 | Comments(8)

不本意ながらカーニヴァル考

カーニヴァル期間中、マーストリヒトの人間は、人口統計上3つの区分に分類でき、その比率はほぼ同等で3分割できる。(地元の某旅行代理店の見解に基づく)

第一のグループは、カーニヴァルを毛嫌いして、オーストリアやスイスなどにスキー、もしくはカリブ海やカナリア諸島などに避寒に出かける。これらの人々は、金銭的に余裕があり、社会的地位および知的見地からも比較的上層部に属する。
第二のグループは、根っからのお祭好きの庶民階級である。年に一度の楽しみだと割り切り、この3日間のため貯めた金を衣装とお酒に湯水のようにつぎ込む。
第三のグループは、消極的にパレードなどを見物する側に回る。
第二、第三のグループには、観光客が大量に入り込み、空席になっている第一のグループの座を埋める形になるため、カーニヴァル期間中、マーストリヒトの総人口は普段と変わらない。

カーニヴァルというのは、日本人には基本的に理解できないものだと確信している。
パレードを見物しただけでは、阿波踊りを見物しただけみたいで、片手落ちもはなはだしいものだ。
参加したと豪語するには、仮装しただけでは弱すぎる。3日間、こちらのカフェからあちらのカフェに河岸を変えつつ、騒ぎ続ける気力がないといけない。カフェでは、ビールを飲み、カーニヴァルの歌にあわせて、知らない人とでも踊らなければいけない。この馬鹿騒ぎを3日間続け生き残った者のみ、カーニヴァルの正規参加者と認められるのである。

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            義弟の奥さんが作ったカーニヴァルのポスター。

人生の半分をオランダ南部、カーニヴァルの本拠地で過ごしてきたが、カーニヴァルに浮かれる人々の心理は未だ理解したとは言えない。
それで、本当ならカーニヴァルから逃げ出したかったのだが、不本意ながら、ドイツのラインランド地方の小さな町ケンペンのカーニヴァルに出かけた。義弟の奥さんの誕生パーティだったからだ。

ケンペンのカーニヴァルは、なんと3年に1度しか行われない。ドイツでは、ケルンなどライン川沿いの地方がカーニヴァルの本場だが、こういう小さな町では、毎年は祝われない、というのも不可思議である。
TVで見るラインランドのカーニヴァルは、山車も派手だが、度肝を抜かれるのは、ばら撒かれるお菓子の量だ。それを、今回、この小さな町でも実体験した。パレードに参加したグループは119で、それらが雨あられのごとく、駄菓子をばら撒くから、ダンボール一箱やショッピングバッグ一杯分は軽く集まる。ざっと見ても、消費するのに1年かかるんじゃないか、と思われるほどだ。

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         小さな町だから、パレード団体も規模がかなり小さい。
         見物人もパレード参加者も、体を内側から温めるため、
         外では、ジンやウィスキーなどの強い酒を飲みながらの我慢大会。
   
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         パレードのトリは、カーニヴァル・プリンス。
         この町には「プリンス・クッキー」で有名なLUの
         工場があるので、クッキーもどーんと一巻づつばら撒く。

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         マーストリヒトのように観光地でないのでカフェも少ないから、
         合間には、義弟の奥さん(アーチスト)のアトリエで飲み食い。

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         もちろん、着物で出かけた。
         雪がまた降って、零下2,3度だったが、
         重ね着したら、結構平気だった。
         ウールの紅型風着物に、黒地に漆で唐獅子牡丹の
         派手な絵の羽織。

着物の威力はまたしても絶大で、見物していたら、ギフト箱入りチョコレートをパレードの人から手渡された。これで、当分の間おやつには事欠かないだろう。

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         お約束のダンス。この人、かなりリードが上手だった。

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         ご当地のカーニヴァル菓子は、ベルリナーみたいな
         ジャム入り揚げパン。

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         オランダ南部のカーニヴァル菓子は、ノネフォッテン(尼さんのお尻)
         お土産代わりに手作りを持っていったら好評だった。
         
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         ノネフォッテンは、イースト入りの生地をリボン結びにした形が特徴。

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         二次発酵させてから、ラード入りの油で揚げるのがコツ。
         カラリとまわりはしっかり歯ごたえがあり、中はふんわり。
         狐色より濃い目にしっかり焼き色を付け、砂糖をまぶす。
      
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by didoregina | 2010-02-15 22:05 | 着物 | Comments(14)

ひとりで着物あそび

コンティの「ダビデ」は、マイナーなオラトリオでもあり、平日の夜のコンサートでもあるので、人を誘いにくい。それで、一人で出かけた。車で行ける範囲なら、一人で着物で出かけるのも苦ではなくなった。
会場は、地元ながら、ほとんど1年ぶりくらいのフレイトホフ劇場である。ここに来れば、必ず知り合いの一人か二人には出会えるはずだ。

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週末まで積もっていた雪もすっかり溶け、寒くもなく、雨も降らない、着物日和である。
オランダ・バッハ協会という地味なアンサンブルの演奏であるから、やはりカタモノ。しかも気取りがない琉球絣柄の信州紬にしよう。しかし、真綿の手紡ぎ・草木染・手織りなので、生地は厚くても光沢があり、織り出された絣模様は平板ではないから、夜の劇場の照明には意外と映えるのである。

絞りの短い丈の道中着を合わせた。絞りの色と模様が可愛くて気に入っているが、丈が半端でなく短いから、どうしても普段着っぽくなる。しかし、同系色の着物に合わせると、短い丈がかえってキュートにも見える。
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      例によって母の箪笥で見つけた。裄だししても短いので、
      合わせられる着物が限られる。

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      道中着を脱ぐと、客を迎える女将風。
      こうやって、ひとりで着物遊び。

着物姿なので、一人でいても、知らない人から声をかけらたり、褒められたりする。
休憩中、思ったとおり、知人2名を発見。泥縄式レクチャーを拝聴したため、飲み物を半分以上残してしまった。休憩が短すぎるのである。席に戻ると、気がつかなかったけど、同じ列で二人おいて隣の座席だった。
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by didoregina | 2010-01-22 14:46 | 着物 | Comments(2)

草履の嫁入り

友人Cがサラになったパーティで、着物姿のわたしは、熱い視線を感じていた。
その視線の源を辿ると、Cの姪のアンネちゃんから発せられていることがわかった。
彼女の父親(オランダ人)によると、中学生のアンネちゃんは、ファッション・モード全般に一方ならぬ興味を示していて、クリスマス・プレゼントに母親(オランダ人)から着物を貰った。お正月には、その着物姿を披露したそうである。
どのような着物姿だったのか、また、彼らの言うところの着物とは一体どんなものだったのか、知るのが怖いような気もする。一般に、オランダでキモノといえば、バスローブのことを指す。それか、せいぜい日本土産のガイジン向け浴衣である。

アンネちゃんのその日の服装を見れば、彼女の趣味はなかなかのものであると知れた。ロンドンやアントワープでファッションを勉強している学生みたいな感じ、といったら分かってもらえるかもしれない。手作りっぽいスカートもボレロも個性的で、一筋縄ではいかないこだわりが感じられるのだった。

シャイな彼女に代わって母親が、「ほら、レイネさんの足元を見て。キモノにはこういうものを履くのね!」と感嘆している。その間、アンネちゃんはわたしの着物姿を食い入るように眺めている。
それで、わたしは思わず「足のサイズはいくつ?わたしの若い頃の草履で、履けなくなったものを上げるわ」と言ってしまった。熱い視線にほだされたのである。
彼女はオランダ人にしてはかなり華奢で、足も小さく、サイズ36だと言う。

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      10代の頃の草履。わたしには小さすぎ、派手でもう履けないが、
      アンネちゃんにはぴったりのサイズだ。

足袋といっしょに、ついでに歌麿の美人画の印刷された日本土産の団扇も付けてあげよう。
思い出もあり、気に入っていて捨てられなかった草履の嫁入り先に、またとないいい人を見つけて、親としてはうれしい限りである。
今までは頂くばかりだった着物まわりの小物だが、自分が身に付けたものを人に差し上げるというのも、心躍るものだ。そんな縁が広がるのも着物ならではの世界だ。
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by didoregina | 2010-01-20 13:50 | 着物 | Comments(2)

サラを見た

昔は、50歳を超えたら長生きの部類に入ったので、オランダでは、今でも50歳の誕生日は盛大に祝う。日本で還暦を祝うというのと、少々似ているかもしれない。

そして、50歳の誕生日を迎える人は、男性ならアブラハム、女性ならサラ、と呼ばれる。
神の恩寵を受け非常に長生きした、聖書に登場する夫婦である。
20年位前まで、わたしは(そして多分大部分のオランダ人も)、50歳=長生き、の象徴としてアブラハムとサラの名前を使い、長寿のお目出度さにあやかるのだと思っていた。しかし、この命名には、聖書に基づいた故事成語成り立ちの背景があるのだ。

ヨハネによる福音書8. 56に、ユダヤ人たちとイエス・キリストとの論争が書かれている。
様々なことを見てきたように堂々と話すイエスに対して、ユダヤ人たちは「あなたは、まだ50歳にもならないのにアブラハムを見たのか」とつっこんだ。

ここから、50歳になったら、アブラハムを見たと堂々と言ってもいい、というこじつけ解釈につながり、さらに、50歳の誕生日の人はアブラハム本人になっちゃうというふうに、変遷していったのだ。
サラは、アブラハムの妻だったので、女性で50歳になった人はサラと呼ばれる。このこじつけもまた凄い。

とにかく、友人Cがめでたくサラになった。
お誕生パーティ会場は、偶然ながら、主人が月に一度料理を習っているイタリア料理店であった。

総勢60~70人くらい集まったと思う。
夜8時からなので、テーブルに着席して食事が供されるわけではない。
しかし、飲み物はふんだんに振舞われ、立ったまま一口で食べられるイタリアンのつまみがいろいろ出てくる。例えば、リコッタを茄子の薄切りグリルで巻いたものとか、ガンバの串焼きとか、イタリア風フィッシュ・ボールとか、大判トルテリーニの揚げたのとか、チーズと葡萄ストロープの乗っかったトーストとか、、、、
自分で好きなものを取るビュッフェ形式でなく、こういう風に、一口で食べられるものや、小皿に乗せてフォークだけで食べられるものを給仕が配っていく、というのが最近のパーティの傾向である。

友人8人で200ユーロ分のプレゼントを贈ることにした。
親しい仲なので、お金は水臭い。劇場や映画やレストランや本屋の金券は、もらってうれしいものである。しかし、今回のサラは病気が重いため、外に出るのが難しいから、金券を贈っても使う時を逃しそうである。それで、全権を任せられたわたしがCDとDVDのセットものをどーんと選んだ。
モンテヴェルディのオペラ全集CD8枚組み、モーツアルトのダ・ポンテ3部作DVD4枚組み、音楽史講義CD11枚組み、名画解説DVD9枚組みで、いったい合計何時間分になるんだろうという代物である。

サラからのじきじきのお願いでもあったから、ひどい降りの雨で、積もった雪がびしょびしょに溶けているという最悪の天候にもかかわらず、着物で出かけた。例のごとく、皆さんに好評だった。

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    黒の泥染め縞大島に、弁慶格子柄(ギンガムチェック)の大島の長羽織。
    帯はK子さんのお母様から譲られた臙脂の紬地。
    半襟と帯締めの色をクリーム色で合わせてみた。

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    先日、お土産にいただいたあめ色の簪を挿した。
    大島に大島の組み合わせだと、長羽織の艶っぽさが出ないが、
    唯一持っている長羽織であるから、致し方ない。
    未使用の新古品、ジャストサイズをネットで購入したもの。
    格安だったが、着物雑誌によく出ているメーカーのタグ付き。
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by didoregina | 2010-01-17 11:59 | 着物 | Comments(10)

流水に渦巻き文様の道行

昨日、写真アップができなかったのは、エキサイトブログ側の不具合によるものだった。
復旧したようなので、再再度トライ。

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もとは、わたしが10代の時に作ってもらった、お茶席用の真紅の色無地。
いくらなんでも、今では派手すぎて着れないだろうから、道行きに仕立て直したらどうだろうか、と思いつきの電話をかけたのは、丁度2年前の今頃だった。
母は、わたしが急に罹った着物熱に驚きつつも喜び、即、仕立て直しに出した。
そして、その年の3月に日本に帰ったら、この道行が出来上がっていた。詳しい相談に関して、わたしは全くの蚊帳の外だった。
母は懇意にしている呉服屋さんに頼んで、呉服屋さんは京都の悉皆屋さんに依頼し、着物の色を染め替え、それに合った裏地も選んで、わたしサイズの道行に仕立て直してくれた。

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羽裏は、祇園祭の山鉾の絵が描かれている愛らしいもの。呉服屋さんの女将さんは京都出身だから、彼女の好みが反映している。
色に関しても、わたしにはまったく相談がなかったが、わたしや母の箪笥の中身はよく知っている女将さんが、着物にあわせやすい色を選んでくれた。サイズはゆったりめで、その下に長めの羽織を着ても隠れるくらいの丈に。

地色を元の色より薄く染め替えることが出来るとは、その時まで知らなかった。
結果として、地紋の大きな流水が、はっきりとよく見えるようになった。
問題は、漆で描かれた渦巻きが、染め替えしても残るかどうかだった。
呉服屋さんの女将さんは心配していたが、引き受けてくれた悉皆屋さんが、請け負ってくれた通り、渦巻きは、しっかりと残った。

流水に渦巻きは、女性にとっておめでたい吉祥文様であるという。
思い出の残る着物を作り変えた道行は、自分サイズで、上品な色合いが着物を選ばず、とても着やすい。
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by didoregina | 2010-01-12 19:29 | 着物 | Comments(4)

鏡開き

毎年1月には、次男の通う柔道道場で鏡開きを兼ねた試合が開催される。特に試合慣れしていない初心者を対象としたものなので、黒帯を取るための練習に励む次男は出場できないが、時計・点数係として馳せ参じた。
道場の鏡開きは昨日だったが、暦では、本日11日が鏡開きの日である。

庭のテーブルに降り積もった雪のエッジが丸くて、鏡餅そっくり。
誰かがケーキのように切り取ったが、これをもって我が家の鏡開きとしたい。
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昨日アップした道行の写真では、肝心の地紋や漆の模様が見えないので、接写した。
しかし、なぜか、どうやってもその写真のアップが出来ない。「ファイルサイズがゼロです、正しいファイルが選択されているかご確認ください」という注意が出るのみである。なに、これ?
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by didoregina | 2010-01-11 09:57 | 着物 | Comments(4)

2010年着物初め

1月15日までが松の内なら、今年初めての着物は、なんとか間に合った。
毎年恒例の、主人の仕事関係の新年会である。丁度同じ日に、ヨット・クラブの新年レセプションもあったが、仕事関係を優先した。

今年は、白い町として有名なトルンの庄屋、グローテ・ヘッゲが会場。
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週末は大雪だったので、100人ほど参加表明の返事があった招待客のうち、実際来たのは約半数。こればかりは、いたしかたない。家から出たくない、その気持ちはよくわかる。
主人は主催者側なので、どうしても行かなくてはいけない。しかし、わたしが着物を着ようとするをみて、「道がぐちゃぐちゃだけど、大丈夫?」と心配気味。

これを楽しみに、数日前から、あれこれコーディネートを考えていたし、着物以外の準備もしていない。車でドア・ツー・ドアなら大丈夫だろう。

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    やはり、ちょっとフォーマルな新年会には、垂れ物の着物。
    しかし、華美になりすぎないよう、江戸小紋の万筋にした。
    バッグは、クリスマス後のバーゲンで、17ユーロ。

ちょっとだけハイソで、文化教養もある人が集まるので、着物で出かける甲斐のあるパーティである。
たしか去年もお着物でしたね、とか、お美しいとか、素晴らしいお召し物で、とか、めったに聞けない賞賛を浴びた。パーティに格と華やぎを添えてくれてありがとう、という意味で褒めてくれるのだ。

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      初めて自分で買った帯の初おろし。
      黒地に雪輪に源氏香。
      帯締めと帯揚げは浅黄~グリーンの濃淡で
      いつものワゴンセールではない、ちょっといいもの。

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      柔らかものには、道行が合う。
      お茶を習っていた10代の頃に誂えた真紅の色無地を
      2年前に染め替え、深みのある朱色の道行きに作り直した。
      色を薄くしたら、地紋の流水がよく見えるようになった。
      銀色っぽい漆で渦巻き模様が描かれていたのが、
      色抜き・染め替えを経てもしっかり残った。  
      悉皆やさんは、漆の模様は消えるかもしれませんと
      心配していたが。
      染め替えと仕立て直しを、思いつきで頼んだのだが、
      母のこと、裏地にも凝ったので、涙が出そうなほど
      高くついた。

知人はほとんど皆、キャンセルしたので、知った人はほぼゼロのパーティだったが、着物のおかげで、いろいろな人が話しかけてくるので、社交面では面目をほどこした。主人も着物の威力を見直し、喜んでくれた。

     
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by didoregina | 2010-01-10 21:15 | 着物 | Comments(12)

雪降る宵は、蝋たたきの着物で

なんと、ホワイト・クリスマスになった。
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オランダでは、気象庁が正式に「ホワイト・クリスマス」と定義するのは、デ・ビルトの観測定点地面がクリスマスの両日(25と26日)、雪で覆われた状態になった場合のみ。局地的積雪では、正式にホワイト・クリスマスとは断定されない。
毎年、今年はどうか、と国中で気にかけるのだが、なかなか実現しなかった。前回のホワイト・クリスマスは1981年だったというから、待ちに待ったもの到来である。

雪の降るイメージにぴったりで、しかも色がクリスマスらしい、蝋たたきで雪を散らしたような絵羽模様の紬を着た。
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       降る雪が、積もっていくような絵羽模様。
       地模様も氷割れのようにむらむらとした濃淡。
       帯は、母が結び糸というテクニックで繋いだ糸を
       緯糸にして織ってもらったもの。
       帯締めは、伯母が組んでくれたもの。

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       今年は、イブから泊り込んで義妹宅でクリスマスを
       祝ったから、クリスマス・ストレス・フリー。
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by didoregina | 2009-12-27 11:00 | 着物 | Comments(13)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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