カテゴリ:着物( 40 )

リセウでの『アグリッピーナ』に着物で  バルセロナ遠征記その5

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             バルセロナど真ん中のランブラス、そのまたど真ん中に建つリセウ歌劇場


世紀のオペラ・プロダクションを見るための遠征であるから、着物コーデは吟味に吟味を重ねた。
グルベ様リサイタル同様、『アグリッピーナ』鑑賞にも10代の時、お茶会用に誂えてもらった派手な
小紋で行くことにした。多分、手持ちの着物の中で一番華やかで若々しい色柄である。

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    慶長小袖風の柄行と色がゴージャスな歌劇場にはぴったり。
             

雑駁なランブラスからは想像もつかないくらい、リセウ歌劇場の中はエレガントでゴージャスな
雰囲気だから、いくらドレスアップしても浮きすぎるという心配はいらない。
着飾って来てくれてありがとうと、かえって、周りの人からも劇場からも感謝されるくらいである。


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                        フォアイエの天井


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             着物の地色が臙脂がかった赤や金なので、帯も格が合うように
             グリーンからパープルにグラデーションになって金粉も散らして
             ある綴りの袋帯。帯揚げと帯締めは紫。


劇場関係者や観劇に来ている人達にも予想以上に喜んでいただけたのは副産物であって、
主目的は、マレーナ様である。
着物を着て出待ちをしていれば、楽屋口から出てきたとたんに目につくので、向こうからすぐに
ハグしてくれるのだ。「また、会えてうれしいわ」と。

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              ゴージャス着物のわたしと、ランブラス仕様の格好のマレーナ様。
              すごくミスマッチだが、なんのその。「次はいつ会えるの?」と
              スターご本人から言われる至福!Cloud 9のわたし。


そのあと、ダニエルちゃんもやってきた。
彼女は、聞くところによると着物萌えタイプであるらしい。
とても愛想がよく、「どちらから?」とか「まあ、いつかウィーンにもいらしてたのね」とか、なかなか
離れない。
そこへ、ようやく最後にサラ様が楽屋口から登場。
しかし、なぜか立ち並ぶファンを避けるかのように、そそくさと夜の闇に消えて行きそうになった。
これは、まずい、とダニエルちゃんを振り切って、サラ様を追いかける。
ようやく後ろ姿に向かって、「素晴らしい舞台をありがとうございました」と声をかけることができ、
ちょっと振り向いてもらえた。ほとんど立ち止まらず、とてもお急ぎのご様子で、ツーショットなど
頼める雰囲気ではないのだった。

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                出待ち写真やツーショットは無理だったサラ様の
                アグリッピーナのカーテンコール写真。
                
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by didoregina | 2013-12-08 11:35 | 着物 | Comments(19)

日本の色、オランダの秋色、スペインで映える色

バルセロナ遠征に向けて準備に余念がない。
すなわち、着物コーディネートのことである。

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       ヨットのカバーの上に散る黄葉した銀杏の葉。

テーマは「スペインの秋」。つまり、10代の頃に作ってもらってお茶会や初釜で着た、ド派手な
小紋を着てみよう、と決めたのだ。
外国遠征だし、同行者がいないから、気兼ねなく一人で好きなようにコーディネートできる。
宿泊場所は歌劇場に隣接しているから、繁華街の人目を気にすることもない。

などと、くどくどと弁解めいたことを書くのは、10代の着物を50代が着ることに、やはり
かなり引っかかる点があるのを承知しているからだ。

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                 葡萄棚の葡萄。今年のは、粒が大きく実った。

まず、10代の着物だから、八掛の色が橙色とか朱色である。なるべく裾が翻らないように歩こう。
一枚目は、白地に鮮やかなグリーンが基調の百花総柄小紋。
若向けの着物なので、花の色の中でも赤や朱色を襟元に持ってきて仕立てられている。
これが結構曲者である。
渋い色の帯で着物の派手さを緩和しようと思って、正倉院柄の明度の落ちるグリーンの渋めの
帯との組み合わせを考えた。着物の上に置いて平面で見ると一見パーフェクトなのだが、実際
着てみるとかなりイタイ。
帯が地味な分、かえって襟元の赤が目立つ。ほとんど許されないほど若作りに見える。
それで、帯もやっぱり派手な銀糸の入ったオレンジの菊柄を合わせると、バランスが取れるのだった。

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                    庭の紅葉も今が盛り。

このくらい赤い色でも、スペイン遠征だからよろしいのでは、と選んだもう一枚は、多分、手持ちの
着物の中では一番派手な慶長柄小紋である。
これには、思った通り、深緑から深い紫にグラデーションの金の砂子をまぶしたような綴帯を合わせて
問題なく落ち着く。
赤と言ってもこの着物の赤は日本的な臙脂に傾くので、歌劇場によくある赤の椅子やカーペットとは、
トーンが異なると思う。
また、だから、かえって赤の着物でも悪目立ちしないのではという、深謀遠慮も。

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鮮やかなグリーンから黄色へのグラデーションがきれいな銀杏。

なぜに、2日とも10代の着物にするのかというと、袖丈合わせの問題があるためだ。
若い時の着物の袖丈は長めに作ってある。それに合わせて誂えた長襦袢でないと、着物の袖の
振りから長襦袢の袖がぶらぶらと浮いて出てしまう。着物の袖丈よりも長襦袢の袖丈が短いのは、
非常にみっともないのだ。また、長襦袢の柄行も派手な着物に合うものであることが肝心だ。
それで、一枚の長襦袢に合わせられる着物2点を選んだのである。

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                   長襦袢に、秋草の刺繍入り半襟を付けた。


着物の色は、その日の天候や照明にも影響されるし、外光の下やホールに入ってみると、家で
コーディネートした時とは違って見える。
帯締めや帯揚げの色合わせによっても、全体の印象が異なってくる。
試行錯誤しつつ、とにかく着てみるのが楽しいのである。

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                すっかり葉が落ちて、実だけ残ったイチジクの木。
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by didoregina | 2013-11-14 10:37 | 着物 | Comments(6)

深まる秋には蔦葉模様の大島紬と縮緬の染帯

秋に入って、コンサート・シーズンたけなわというのに、そしてほぼ毎週コンサートには行っている
のに、着物を着る機会になかなか恵まれない。
なんと、9月中旬のロッテルダムでの『さまよえるオランダ人』で、Mさんとgさんと3人揃っての着物
姿でネゼ=セガンに突撃して以来、昨日が今シーズン二度目の着物でお出かけであった。

思い返せば、アムステルダムとロッテルダムの2都市のコンサートを一日で梯子するという日には、
その日の大半を電車やトラムで移動しなければならないので、着物は最初から諦めた。
また、コンセルトヘボウでの、友の会会員向けリハーサルというのもあったが、リハにまで着物で
行くわけにはいくまい。
そして、日本に飛ぶ前日の晩にも、万難を排して(アクシデントに見舞われたが、ぎりぎりまで諦め
なくてよかった、と強運を神に感謝したほどの)ロッテルダムでの18世紀オケによる『コジ・ファン・
トゥッテ』コンサート形式を鑑賞したのだが、もちろん着物どころではなかった。
しかし、日本でのクリスのリサイタルには着物で行くつもりで用意万端整えていた。ところが、またも
急用が入ってしまい、名古屋にはぎりぎり到着で、着物に着替える時間はなかった。コンサート開始
時間に間に合っただけでもよしとしなければ罰が当たる。

そして、先週末の金曜日には、丁度オーストラリアに行っているTの定期会員チケットが余っている
からと、Hから、地元オーケストラ(今シーズンより国による財政補助が減って合併を余儀なく
された地元オケLSOとブラバント・オケの新星オケによる最初の)コンサートに誘われた。自転車で
行く予定だったので着物は用意しなかった。
だが、日曜日のマルコ・ビーズリーのリサイタルには着物で行くつもりで、秋らしいコーデをじっくり
考えて準備していたのだが、なんと当日は大雨強風の天気予報。着物は避けるのが無難だろう。
ああ、残念無念。次に着物を着るのは11月中旬のバルセロナ遠征時か、と思っていたところ、昨晩
またもや、Hから、Tの分も買ってあったチケット発見の知らせが。モダン・ダンスのスカピーノ・バレエ
団の公演である。
マルコ・ビーズリーのリヴェンジのチャンス到来!
日曜日に準備したが着ることができなかった着物のコーデをそのまま流用して出かけた。

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         秋には必ず袖を通したくなる、蔦葉模様が縦に織り出された大島紬。


公演会場には、思ったよりも早く到着したので、開演前にお茶を飲むことにした。
普段行くコンサートとは異なり、若い人が目につくのがダンス公演のうれしさ。一階のカフェは熱気
むんむんで混み合っている。
相席にさせてもらった年配の女性が、「まあ、お着物が素敵ね。日本人?」と声をかけてきた。
着物を着てコンサートに行くと、見知らぬ人から褒められるというのは、オランダではよくあることだ。
だが、この人の場合、単に着物の美しさを褒めてくれたのではなく、彼女が日本へ行った時の思い出
話が続いた。
「1970年に初めて日本へ行ったのよ。万博の年でした。いえ、大阪だけでなく、3週間色々な
場所を回ったのよ。教育関連の視察旅行だったのでね、半分は学校などの仕事関係で、半分は
観光。その時、京都でだったかしら、生まれて初めて着物を着た女性を見たの。そのエレガントさ!
ヨーロッパ以外の外国への旅行は、それが初めてでしたし、何を見ても珍しくびっくりしたけど、
日本人の訓練の行き届いて全てがしっかり機能している社会に接して感嘆したものよ。新幹線や、
電車が時間通りに発着して、きちんとホームのドアの位置に停まるのにも。学校の生徒たちも折り目
正しくきちんとしていて。お店に入れば、下にも置かれないほど大事にされるし、包装の丁寧で美しい
こと!ヨーロッパの外でこんなに文化的にも社会的にも発展している国があることに驚きました。
本当にいい経験をさせていただいて、楽しく美しい思い出ばかり残っているのよ。」
という具合に、43年前の美しい日本の思い出を熱っぽく語るのだった。

1970年の大阪万博には、当時10歳だったわたしももちろん行った。そこで、初めて世界各国の
外国人を目にした。未知との遭遇に等しいものであった。
当時、日本は高度成長の頂点に達して、何の不安も見当たらず未来は明るく輝いて、日本は世界に
その繁栄を誇ることのできた時期である。ああ、過ぎ去った日本の美しい姿よ、いまいずこ。

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           渋い大島には、明るく甘めの珊瑚色のロウケツ染め縮緬帯を合わせた。
           帯揚げ以外は、すべて母の箪笥からだから、多分昭和のもの。
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by didoregina | 2013-11-02 20:40 | 着物 | Comments(2)

昼食会には紬で

着物を着る回数が恐ろしく減っている。最後に着たのは、9月のストックホルム遠征である。
12月は、なるべくオペラなどに着物で出かけたいと思っているが、その前に丁度いチャンスが
あった。
オランダ生活を今年いっぱいで終えられ、もうすぐ日本に帰られるバービーさん、A子さんとの
お別れ昼食会だ。

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          レストランは、ファルケンブルクにあるジェローム

このレストランは、この1,2年、そのクリエイティブな料理が話題になっていて、ぜひ一度行き
たいと思っていた。
平日の昼間だと、町中でなく郊外にあるレストランは閑散としている。わたし達4人以外の客は、
もう一組だけだった。

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     突き出しは、山羊のチーズとラベンダー入りのミニ・タルト・サレ、
     キャッサバにイカ墨を混ぜた揚げ煎餅、パクサイとさやえんどう、ゴマのソース。

この写真のイメージや食材は中華っぽいが、れっきとしたフレンチである。色々な香りや味が
楽しめ、今日の料理に期待を沸かせるアミューズだ。

ランチだから、3コースのプリフィクスにした。各コースとも2種類の料理から選べる。

前菜は、
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    オランダの小エビ、ライ麦のクランブル、シコン、キャビアに卵のソースと森のキノコのソース。

もしくは、
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        マグロの照り焼きとゴマの薄焼き煎餅。


主菜は、
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        りんごとブラッド・ヴルストの上に乗っかったシャコの胸肉、キノコ、
        芽キャベツのピューレ、パースニップのピューレ、マスタード・ソース。

もしくは、
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        鯛の切り身、シュークルートのリゾット、キノコのソース。


本当は、メニューでは、前菜はステーキ・タルタルか小エビ、主菜は鳩か鯛となっていたのだが、
わたし達の好き嫌いには対処してくれて、小エビの代わりにマグロ、鳩の代わりにシャコとなった。


デザートは、チーズもしくは甘いもので、全員甘いものを頼んだ。

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        ホワイトチョコのソースの上に、チョコレート・アイス、チョコレート・ムース、
        八角風味のアイス、ピーナッツ・クッキー、チョコレート・グレナッシュ。

隣のテーブルで頼んでいたのをちょっと見ると、チャツネや甘酸っぱい果物ソースやシロップに、少し
ずつ5種類のチーズが盛り合わせてあり、そちらも美味しそうだった。

さて、着物の写真はレストランで上手く撮れなかったので、家に帰ってから撮ってもらおうと思い、
主人の帰宅を待った。しかし、そういうときに限って遅くなる。9時過ぎまで着物のままで待ち続けた。

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        母の(大島)紬の裄を直したもの。10月に日本から持ち帰ったので、
        早く袖を通してみたかったのだ。昼食会にはピッタリの色と質感。
        藍色の地に少し薄い青の縦縞の絣のグラデーション、銀色の線、
        そして十字の白と赤で花模様が織り出されている。


この着物は、ミステリアスで出自がわからない。
母は、着物の証紙や反物の端の部分は必ず残してあるので、ほとんどの着物は、どこの織物だ
とか、どこの染だとか、誰の作品だとかがわかるのだが、この紬だけ証紙が見つからない。
織り方だけ見ると大島っぽく、つるりとした質感もそんな感じなのだが、糸に節が入っていて厚みが
あり、経緯十字の花模様に対して、光沢のある縞模様のグラデーションの出し方が絣っぽくて、
変わっている。
かなり近くでじっくり見たり触ったりしないとわからないが、箪笥の中にある他の大島とは、大分
異なる趣なのだ。しかも、大島や他の紬だったら全て証紙が揃っているのに、これだけ証紙が
見あたらないというのも納得いかない。


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         若草色と抹茶色の中間のような淡いグリーン地の塩瀬に、黄土色の
         埴輪のような人物と橙色の鹿がロウケツで描かれた名古屋帯。


この日の着物コーディネートでは、銀杏をテーマにしたかった。ところが、なんと、銀杏の模様の
着物や帯を持っていないのだった。

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         そこで、銀杏の形の鼈甲の根付。帯の中に入っている
         懐中時計の蓋にも象嵌で銀杏の模様が。


お茶から着物に入ったせいか、根付を下げるのが性に合わない。だから、根付はこれのみ。
金具や石が光ったりする帯留も、同様にして持っていない。珊瑚のが一つだけ。

スキン写真の彫金で作った「角切銀杏」は、ペンダント・トップかブローチにしたいのだが、今の
ところ、純粋なオブジェである。
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by didoregina | 2012-12-07 18:01 | 着物 | Comments(8)

新春は白大島で

このところ、着物を着る機会がずいぶん減ってしまった。
なんと、ウィーン遠征で着たのが最後で、11月と12月は一度も着物でお出かけしていない。
また、今年の新年会は、会場が着物にはまったくふさわしくない場所である。

しかし、アンドレアス・ショルのコンサートには絶対着物で行こう、と思った。
本日は、穏やかな日の光も麗らかで春が遠からぬことを感じさせ、絶好の着物日和である。

初春らしい白大島に決めた。

白大島に対しては特別な感慨を抱いていて、憧れの着物だった。
50歳になったら白大島を誂えたいと願っていた。しかし、高価なものなので躊躇していたら、
大島紬大好きの母から3種類の白大島を譲ってもらえた。

最初の一枚は、数年前のロンドン遠征でサラ様のために着た。
二枚目の夏大島は、昨年50歳になったサラ・パーティで着用した。
そして、三枚目。これはアンサンブルであるから、お正月にぴったりだと思っていたが、
なかなか袖を通す機会がなかった。
わたしにとって、神聖にして犯すべかざる着物である。おいそれとは着たくない。お正月に
相応しいイヴェントがあるまでとって置いたのだ。
ショル兄のコンサートならば、白大島を着るまたとないチャンスである。

着物は決まった。しかし、帯のコーディネートに悩むのであった。

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      最初に思いついたのは、コントラストの強い黒の帯。
      雪輪に源氏香の模様が、冬らしい雰囲気。

なんだか、黒が強すぎるし、つるつるスペスペした大島の質感と合わないような気もする。

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      次に、上とは全く正反対の組み合わせで、
      同系色の刺繍帯を合わせてみた。上品な雰囲気。

白大島には同系色の帯を合わせると、華やかさが増し、しっくり来る感じだ。
帯揚げと帯締めは甘い色にして、白大島のパッキリ潔すぎるイメージを和らげる。

そして、アンサンブルなので、羽織紐もコーディネートしないといけない。

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        平たい変わり組(左)か、珊瑚(右)か。

        それとも、

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        丸組の珊瑚色(左)か、朱赤(右)か。


羽織を着るなら、帯の配分量が少なくなるから、メリハリをつけるために黒の帯がいいよう
にも思える。
げに、楽しくも悩み多きは、着物遊びである。
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by didoregina | 2012-01-11 12:12 | 着物 | Comments(10)

九月は単衣で

オペラやコンサートの新シーズンが始まった。着物の季節も再来だ。
車で行ける場所だったら、基本的に着物で出かける。
ウィッテムの修道院図書館でのエマ・カークビーのリサイタルには、草木染の単衣の紬を
着て行った。
今まで、教会でのコンサートに着物で出かけたことはない。石造りの教会と着物とはあまりに
ミスマッチに思えるからだ。
修道院の図書館は、書架や階段などがネオ・ゴシックの木で出来たぬくもりの感じられる
インテリアだったので、着物でも違和感がないどころかしっくりとマッチした。

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      グリーンの地にパステル・カラーで菱形のような模様を織り出した紬。
      竹の字を意匠化したデザインの塩瀬帯、茶色にパステル・カラーの
      入った帯締、白地に水色とピンクの源氏香柄の帯揚。
      

ブリュッセルにも車で行ったので、着物でオペラ鑑賞も可能だったが、マチネ公演だったし
その前に王宮を見学予定だったので洋装にした。

リエージュでのオペラ鑑賞には、もちろん着物を着て行った。家から一番近い歌劇場である。
車で25分くらいだ。

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        水色の紋ちりめん色無地単衣に砂子つづれの袋帯。
        三分紐に珊瑚のバラとゆりの帯留(デビュー!)、
        ローラ・アシュレーのバラ模様のスカーフを帯揚に。
        母の着物を裄直しせずに着たので、腕がにょっきり。
        帯地で手作りしたバッグはおニュー。

会場は黒と赤のインテリアなので、淡い色の着物ときらきら光る帯がばっちり映えたと思う。
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by didoregina | 2011-09-23 11:57 | 着物 | Comments(2)

Bravaご招待コンサートへ着物で

先週の日曜日、またもやBravaからの招待でコンサートに行ってきた。3度目の当選である。
4選なった某氏には及ばないが、4回応募したうちで落選だったのは、ネゼ=セガン指揮
ロッテルダム・フィルのベートーベン・プログラムの時だけだから、くじ運は強いのだろう。
今回は、ネーデルランド・フィルによるドイツ語圏作曲家でまとめたプログラムだった。

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2011年4月10日@Parkstadtheater Heerlen

Nederlands Philharmonische Orkest
Christoph Poppen, dirigent

Johann Sebastian Bach (1865 - 1750)
'Befiehl du deine wege' uit de 'Matthaeus Passion'

Felix Mendelssohn Bartholdy (1809 - 1847)
Ouverture ‘Die Hebriden’

Franz Schubert (1797 - 1828)
Symfonie nr. 7 in b ‘De Onvoltooide’

Johannes Brahms (1833 - 1897)
Symfonie nr. 4

当初、ネーデルランド・フィル(略してNedpho)の首席指揮者ヤコブ・クライツベルクが振る
予定だったのだが、去る3月15日に急逝された。
クリストフ・ポッペンが代わりに指揮台に立った。外見はビジネスマンっぽい感じで音楽家らしいカリスマ性に乏しいが、どぎつさがないさらっとした指揮姿。



まず、クライツベルク追悼のため、バッハの『マタイ受難曲』より「おのが道を委ねよ」が
捧げられ黙祷。

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そこから、メンデルスゾーンの『フィンガルの洞窟』、シューベルトの『未完成』へと繋がる
曲のいずれもが叙情性に満ちて心落ち着かせるもので、統一感の取れた選曲に感心した。
うららかな春の日の午後にぴったり。(しかしマチネはその日のみで、その前後3回はコンヘボで
の夜の演奏だった)

ブラームスの『交響曲第4番』は、バッハ、メンデルスゾーンを経て綿々と続く流れの本流の
集大成という趣で、派手さは少ないがとうとうと雄大さを増していく渋い曲だ。
小川が大河に流れ込み、ひたすら流れは澄んだままで海に注ぐ。前半は抑えに抑えていて、
第3章と第4章で奔流となり、余韻を残しつつ大海に呑まれる。

Nedphoの抑制の効いた演奏は、ロマン派の正道路線という感じで好感が持てる。妙に力んだ
ところがなく、さらりと都会的である。不満は全くない。
来シーズンからマルク・アルブレヒトを首席指揮者に迎えてDNOの専属オケになるから、
ネーデルランド・オペラのピットに納まることが多くなる。

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       草木染の単衣紬にモダンなスカーフのような柄の塩瀬帯。

現在、ヘーレン市内には、エレファント・パレードというアジアの象救済のためのアート運動で
いたるところにカラフルな象さんが立っている。
今までもカウ・パレードとか河馬(?)パレードとかいろいろあった。
数年前のカウ・パレードで、ストックホルムの町中に立っているカラフルかつアーティーな牛達を見た
時は、美しい街中のロケーションにほぼ実寸の牛の大きさがインパクトを感じさせた。しかし、それの
ミニチュア版が売られているのは、恐ろしく俗っぽくてぞっとしない。
       

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       象の形がまずよくないから、色を塗っても美しくなるわけが
       ない。見ていて哀しくなるほど酷いものが多い。
       これは、元テニス選手のリチャード・クライチェク作。

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       市民会館ホールに飾ってあるこの象は、トナカイの角と
       ガラスか樹脂のジャンク・ジェムが貼り付けられていて
       きらきらとゴージャスで、唯一アートっぽく美しい。








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by didoregina | 2011-04-16 10:36 | 着物 | Comments(2)

新年会は初釜か

今年の着物初めは、昨日の新年会だった。
お正月にふさわしく白っぽい着物にしようかと、最初思った。
カタモノはふさわしくないから、タレモノだ。しかし、日中のパーティーである。
天候との兼ね合いもある。
先週は気温が10度以上に上り、雪が全部融けてしまった。だから、着物には
ありがたいが、太陽がまぶしい昼間に白っぽい着物は映えないような気がする。

結局、今まで袖を通す機会のなかったブルーの色無地にした。
松皮菱の地紋の生地をちょっと洋風なブルーに染めたものだ。
同じ生地を紫に染めた道行を合わせると、完璧なアンサンブルというか
まるでお茶席にぴったりの組み合わせだ。
新年会を、初釜だと思うことにしよう。

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         全て母のもので、裄直ししていない。
         道行の余った生地でショールも作ってある。
         ショールにしないで、その分丈を長く作って
         もらいたかったが、母サイズなのでいたしかたない。

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         帯は、ラメの入った紫の綴れ織で、
         お正月らしい華やかさを。
         帯締めと帯揚げを同色の薄紫にして
         洋装的なモダン・コーディネート。

会場は、去年と同じで、白い町トルンの庄屋の館。
大雪で集まりが悪かった昨年とうってかわり、暖かい好天だったが、そのためか、
かえって、あまり集まりがよくなかった。ハイキング日和なのだ。
ほとんど一年ぶりに会う人ばかり。それでも、わたしの去年の着物姿を憶えている
人が何人かいた。
給仕の人が、「また今年もお着物ですね。素晴らしい」と言うのにびっくり。

今年は、ハープとヴァイオリンと歌のトリオ演奏が入った。
乾杯の前30分ほどは、知り合いに挨拶して回る時間なのだが、その間中、バックで
バロック曲などを演奏していた。
会長による新年の挨拶のあと、20分ほどのミニ・コンサートのはずだったのだが、皆、
あいさつ回りとおしゃべりを続けるので、会場はざわついたまま、演奏は単なるバック・
グラウンド・ミュージックみたいになって、奏者にはかわいそうだった。
わたしは、最前列の椅子に座って、しっかり演奏を聴いていたが。
思い余ったのか、ヴァイオリン奏者が「次はモーツアルトのミサ曲から、ソプラノ歌手
にはとても集中力を要する難しい曲なので、皆様、少々お静かに願います」と
言い出す始末。
あまり上手い歌手ではなかったが、皆静まって拝聴した。
最後は、プッチーニの『わたしのお父さん』だったが、何を歌ってもべったりとした
声で、感情も込められていないし、単調でつまらない歌唱だ。
ヴァイオリンも酷かった。唯一の救いは、ハープだ。ペダルが3つある大型ハープを
持ち込んで、リキが入っている。ピアノでなく、ハープ伴奏というのがいい。しかし、
ハープは音が小さいので、トリオだと通奏低音くらいの役割しか得られない。
次回は、ヴァイオリンと歌抜きで、ハープだけの演奏を聴きたいと思った。

新年会は、学会シンポジウムも兼ねている。だから、パートナー用のおカタくないプログラムも
用意してあり、今年は、「修道院とビール」というテーマの講演と試飲だった。
まるでわたしのために用意してくれたようなものだ、と勇んで参加した。
しかし、メイン・シンポジウムのパネル・ディスカッションが、一般人にも興味深そうなテーマ
だったので、そちらに人が集中して、「修道院とビール」講演に集まったのは、3人のみ!
講演内容は、ごくごく一般向けで、掘り下げが全く足りないため、ベルギー・ビール好きに
とっては既知の情報ばかりであった。試飲は、いろいろできるのではなく、一人1,2本。
ウェストマルのトラピスト・ビール1本飲んだら、おなかが一杯になってしまった。

c0188818_12294942.jpg

        正真正銘のトラピスト・ビールのウェストマル。
        初釜にふさわしく(?)今年飲む初ビールだ。

ビールを飲みながら、他の参加者である2人の年配のご婦人たちとお話しすると、皆さん、
お子さんは皆デルフト工科大学出というので、お互いにびっくり。こういう偶然は珍しい。

       
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by didoregina | 2011-01-10 04:31 | 着物 | Comments(10)

弁慶格子

弁慶格子というのは、大柄のギンガムチェックのことだ。
きっぱりとモダンな模様で遠めにも目立つからか、歌舞伎の衣装にもよく用いられる。
それが江戸時代の流行の源泉になったのだろう。

c0188818_16521674.jpg

         弁慶格子の大島紬の長羽織

太い縞同士の交差ということで、九鬼周造の『「いき」の構造』では、粋の度合いがあまり高くない
柄とされているが、歌舞伎では遊び人や勇みの人・荒ぶる人や艶っぽい人妻の衣装にも使われる。

c0188818_16534164.jpg

         勇同士酉道連(いさみどうしとりのみちづれ)と題がついた
         浮世絵。このワルッぽい男は、多分、蝙蝠の安だ。
         半纏と襦袢の模様が弁慶格子。

c0188818_171275.jpg

         二枚の版画を対で買った。この美男子は多分、切られ与三郎。
         暮れの風物詩、酉の市の熊手を担いでる。熊手と綿入れ半纏に
         富の字が入ってる。お富さんのことだ。
         こちらは、いかにも市川系の顔つき。

この二枚の版画はオークションで手に入れたものだが、いろんなストーリーが語られていて
見ていて飽きない。というより、なぞや疑問のほうが浮かぶ。
描かれているのは、多分、遊び仲間の与三郎と安なんだろうと推測するが、安にはこれだと
わかる決め手がないし、与三郎は顔に傷がない。『与話情浮名横櫛』や『切られお富』とは
別に、この二人とお富が登場する芝居があったんだろうか。それとも、現在ではほとんど上演
されない場面を描いたものなのか。
与三郎の半纏の模様にも何か意味がありそうだ。
また、二人のかついでいる毛布みたいなものにも、文字の一部のような模様が見える。
識者の助言を待ちたい。
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by didoregina | 2010-12-14 09:19 | 着物 | Comments(4)

黒地の着物に同系色焦げ茶の帯とケープ

ロシア舞踊ショーに招待された。民族舞踊とバレエとアクロバットがミックスしたマス・ゲームっぽい
振付のショーは、クルーズなんかでのエンタメだったら上等だろうが、お金を払ってまで見たいとは
思わない。
この劇場ではスポンサーとして招待されると別室で、開演前のコーヒー、幕間の飲み物、終演後の
ビュッフェと、とことんいろいろ供されるので、着ていくものに悩むことになる。招待もこれが最後だ
ろうから、少し渋派手でいこう、ロシアのイメージなら赤と黒、というわけで、自分サイズで着易く
気に入っている泥染めの縞大島にした。

c0188818_48371.jpg

       黒地に幅と間隔の異なる赤の縞模様が
       織り出された大島。

いつもついつい白っぽい帯を合わせがちだが、今回は、straycatさんの泥藍大島と同系色の
帯という大人っぽいコーデに触発されて、帯を暗色の同系色にしてみた。

c0188818_411532.jpg

       今の季節限定の蔦葡萄の柄の洒落袋帯
       象牙色の冠組の帯締め
       帯の葡萄と同じ少し茶がかった鴇色の帯揚
       草履は、黒地に金襴の切り嵌め

この葡萄柄の帯はとても長く、表地の反対側が雪輪に源氏香になっていて、一本で2通りに
使える。(裏表の柄違いではなくて、表の模様が二種類)
着ると、手の部分がとても長くなるし、その部分は別の模様なのだが、同系色なのでほとんど
気にならない。ふんわりとした織地で復元力が高いので、あまりしわにならないから、手の部分を
別の時にはお太鼓にできるのである。
葡萄柄の方を出して着るのは、初めてだ。


帽子の先生Pは、変わった道具フェチである。
ミシンそっくりで、しかし糸を通す部分がなくて、針は表面がぎざぎざになったものが5本という
パンンチング・マシンもそのひとつ。
それを使って、ウールの大判ショールにフエルト加工用の綿羊毛を打ち込んでみた。
着物用に、膝くらいまでの丈の防寒ショールが欲しかったのだ。

c0188818_4311449.jpg

       秋らしい乱菊模様をフリーハンドで描いた。

c0188818_4324367.jpg

       着方によって模様の出方が異なる。
       (着物の上に羽織る場合は打ち合わせも異なるので)

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       マントのような大判ショールは、黒に近い濃いグレー。
       それに白に光沢のあるシルクの入ったものと薄いグレーの
       ウールの綿で絵を描いた。(こちらは表側)

c0188818_436499.jpg

       五本のぎざぎざ針で、糸なしで打ち込むので、
       裏にもしっかり模様が出るが、光沢はない。
       生地に模様が一体化するのだ。(こちらは裏側)

ウールのパンチングは、楽しい手芸だった。
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by didoregina | 2010-10-31 20:39 | 着物 | Comments(2)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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