カテゴリ:バロック( 33 )

ヨハネット・ゾマーの一人語り

土曜版のNRC紙にヨハネット・ゾマーの一人語りのようなインタビュー記事が載っていた。
音楽誌でないのがミソで、たとえるなら日経のわたしの履歴書に近い面白さがあり、今まで知られ
ていなかった情報満載で興味深い。
まず、囲みCV欄に生年月日と年齢が明記されている!この件は、彼女のサイトやマネージメント
のサイトおよびウィキなどにも触れられていないのだ。
以下、記事内容を訳してみた。

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人生の教訓  「好きだから続けられる」

ヨハネット・ゾマー
生年月日・場所  1964年3月13日 ウィールデン。
学歴  普通高校、ヘンゲローとデーフェンターの高等検査実験専門学校、アムステルダム音大
    演奏家コースを1997年に卒業。
職業  ソプラノ個人業、マスタークラスを行う。
キャリア  ナショナル・レイスオペラの『ペレアスとメリザンド』で主役(2005年)
     エディソン・クラシック賞(2008年)
     『恋するエルコレ』でデ・ネーデルランド・オペラにデビュー(2009年)
     フランス・ブリュッヘン指揮『ロ短調ミサ』東京公演に参加(2011年)
     ザ・ジェンツとガーシュインCD録音(2012年)
     鈴木雅明指揮『メサイア』東京公演に参加(2012年)
プライベート  既婚・子供なし

ヨハネット・ゾマー(48歳)は、ソプラノ歌手。来週からアムステルダム・バロック・オーケストラと
バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』を歌う。
                       記事:ブレンダ・ファン・オッス


基盤
「わたしの声は、父の声に似ています。ソプラノなんですが、本当のソプラノと比べると暗くて
クリーミーなんです。我が家では皆なにかしら楽器の演奏をしていました。わたしはフルートを習って
いました。長姉が音大へ進学したので、練習の大変さと音楽の世界の競争の厳しさを目のあたりに
しました。だから音楽の楽しみを失うのが恐くて、別の道に進もうと思ったのです。」

転機
「検査実験室で5年間微生物検査技師として働きました。趣味として合唱団で歌っていました。何か
変化を求めていたとき、才能がとてもあるんだから声をもっと訓練したら、と、ある人から言われたん
です。それで、音大の声楽の入学試験を受けたら、3校全部に合格しました。アムステルダム音大
に入学して1,2ヶ月のうちに、これだわ!と確信しました。」

赤裸
「音大に入ったときは27歳になっていました。これがよかったと思います。もしも18歳で入学して
いたらついていけなかったでしょう。やることなすこと全てが細部まで顕微鏡で見つめられるような
具合で、強靭な精神力を要求されるからです。どんなに建設的な批評であろうと厳しい目にさらされ
るのに変わりはなく、歌手の場合、丸裸の姿をさらすことになるのです。楽器の後ろに身を隠すわけ
にはいかず、自分自身の勝負になるからです。」

性格
「才能は重要な要素ですが、芽が出るかどうかは性格によっても左右されます。学生時代、トン・
コープマンやフィリップ・ヘレベッヘの合唱団で歌っていましたが、重要な瞬間に足を一歩前に進め、
つかめるチャンスは逃がさないという態度で臨んでいました。だから、卒業前にすでに、様々なCD
録音にソリストとして参加できましたし、レイスオペラの『ドン・カルロ』のテバルド役でオペラ・デビュー
を果たすことも出来たのです。」

個性
「バロック音楽畑の歌手だと思っている人が多いでしょうが、わたしは音楽的にマルチタレントだと
思います。時にはピアニストとのリサイタル、時にはフル・オーケストラといっしょのコンサートでも
歌いますし、オペラ出演も好きです。美しい衣装を着て舞台を動いていると気分が高揚します。
非常に異なる様々なスタイルの歌をレパートリーにするというのは通常あまりないのですが。最近、
ジョージ・ガーシュインの曲を録音しました。そうする必要があるのかと訊かれますが、変化によって
わたし自身の感覚が鋭利になれるのです。」

直感
「いつでも、伴奏には忠実に、聞こえてくる音に声を合わせます。バロック・オーケストラの伴奏と
モダン・オーケストラの伴奏では、わたしの歌うバッハも異なって聴こえるはずです。古楽器の透明な
音に合わせて、ヴィヴラートなしで澄んだ声で歌うようにするからです。歌うときには、霊媒になった
つもりで、オーケストラの音がわたしの声に凝縮されホールに広がると、今度は聴衆の注目を再び
オーケストラの音に向かわせたりします。そうすると、わたしからエネルギーが放出されて、パワー
ウーマンになった気分になるのです。」

平衡
「仕事には多くのことが要求されます。演奏旅行や、プレッシャーに打ち克つこともそうです。
また、演出家が変わった要求をすることもあります。モンテヴェルディのあるプロダクションでは、
20分間歌いながらフェンシングさせられたことがあります。健康管理のため食べ物に気を使い、
水泳をしたり、コーチからアドヴァイスを受けたりしています。今また、オランダ東部に住むことに
決めたのもその一環です。アイセル川のそばにいると心が安まります。でも、一番重要なのは
歌うことを心から楽しむことです。それで、歌手を続けていくことができるのです。」
     
          
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by didoregina | 2013-01-13 12:42 | バロック | Comments(4)

Alto Giove 聴き比べ

今年の目標として「カウンター・テナーを極める」を掲げた。
しかし、各地の歌劇場でのバロック・オペラ上演回数ががっくりと減ってしまった今シーズンは、
CTの生の声に接する機会があまり多くなかった。
また、バロック・オペラが演目にあっても、キャストにはCTではなくメゾ・ソプラノが選ばれること
の方が多い。実力ある若手CTが次々と育っているといるというのに、これはどうしたことだろう。

歌劇場のプロダクションやキャスティングに望みを託し手をこまねいているばかりでは、CTの未来
や立場には不確実な要素が多すぎるから、自らイニシアティブをとって魅力ある企画でCTを売り
出そう、と、マックス・エマニュエル・チェンチッチとそのパートナーによるプロダクションの『アルタ
セルセ』がナンシーの歌劇場での実演にこぎつけたのは、今年のあまり明るいとはいえないCT界に
とってもバロック・オペラ界にとっても画期的な出来事だった。
『アルタセルセ』には、人気の点でも実力の点でも今が旬で素晴らしいCTが5人も勢ぞろい
しているという点もユニークだ。もう一人のテノール歌手と合わせて歌手は男性ばかり。

ナンシー以外のヨーロッパ各地での巡業公演は、全てコンサート形式であるというのが惜しまれる。
特に、当初は共同企画の姿勢を示したケルン歌劇場が、財政縮小を余儀なくされたため、公演
回数を減らし、しかも舞台形式での上演ではなくなったというのが、ファンとしては辛いところだ。

さて、前置きが長くなったが、12月のケルン歌劇場でのヴィンチ作『アルタセルセ』公演の前祝い
というか、気分を盛り上げるために、(なぜか)ポルポラのオペラ『ポリフェーモ』中の有名アリア
Alto Gioveの聴き比べ大会を開催したい。

まずは、映画『カストラート』から。歌はデレク=リー・レイギンによる吹き替え。


 

10月の東京でのオフ会はCT愛好者の集まりであった。そのとき、どのCTを聴いたのが最初で
深入りのきっかけになったのか?という質問があった。とっさには思い出せなくて、マイケル・チャンス
かも、意識して実演を聴いたのはベジュン・メータからかな、というあやふやな回答をしたのだが、
やっぱり、レイギンの声がわたしのCT萌え原点である。

この曲といえば、PJことフィリップ・ジャルスキーの十八番である。彼の歌は皆様よく聴く機会が
おありかと思うので、ここではちょっと意外な人による音源と動画を紹介したいと思う。

↓は、デヴィッド・DQ・リーの歌に、ヤニク・ネゼ=セガン(!)によるピアノ伴奏。



ピアノ伴奏がなんだかロマン派っぽいのがご愛嬌だが、リーの歌唱は彼の個性である溌剌たる
パワーに満ち溢れしかも叙情性があって素晴らしい。この2004年の録音はかなりレアではないか。
この二人の組み合わせはカナダ人同士というつながりだろうか。

意外にも、CTによるこの曲の録音でいいものが見当たらない。メゾやアルトならば、ヴィヴィカ・
ジュノーやアン・ハレンベリの歌唱がCTやカストラートの印象に近いものを与える。
しかし、もっと意外なのは、ソプラノ歌手が歌っている場合が、結構多いのである。
ヴェロニカ・カンヘミやカリーナ・ゴーヴァンなど。(追記・訂正:ゴーヴァンはポルポラの曲を集めた
CDを出しているが、この歌は録音していない)

ここでは、より意外かつレアな映像を紹介したい。ユリア・レージネヴァが歌っているもの。


         尻切れトンボでもうしわけない。


ユリアちゃんといえばまだ20代前半だから、この動画の頃はもしかしたら20歳になったかならないか
の年齢かもしれない。この早熟な歌唱力は驚異的。七色の声とテクニックを駆使できるユリアちゃん、
恐るべし。

聴き比べに格好の歌手といえば、ケルメス姐だ。ユリアちゃんとは声質も年齢もルックスも曲への
アプローチも対極に位置していると言えよう。

シモーネ・ケルメスの新しいCD DRAMMAから。



バロック・オペラのニナ・ハーゲンかと思える見かけとは裏腹に、ここでの彼女の歌唱は清楚かつ
さらりとしたもので、感情の込め方に嫌味がない。天上および地上の王を慰めるための歌という
真髄を突いたと思える表現力はさすがである。
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by didoregina | 2012-11-20 19:52 | バロック | Comments(10)

今年のヴェルサイユ・フェスティヴァルはヘンデル祭り!

6月8日から7月13日まで連日、ヴェルサイユ宮殿で繰り広げられる音楽祭の今年の
テーマは『ヘンデルの勝利』で、素晴らしい充実のプログラムだ。

ヘンデルのオペラやオラトリオのほか、『王宮の花火』や『水上の音楽』などの演奏会が、
宮殿内の王室礼拝堂や歌劇場、鏡の回廊および庭を会場として行われる。バロックの精華を
これ以上は望めないほど雰囲気がマッチした会場で鑑賞できるのだ。
プログラムのみならず、出演者のラインナップもすごい。

気になるものだけ挙げても以下のとおり。

6月11日 『オルランド』@王立歌劇場 カーティス指揮 主役がイェスティン・デイビスで、
     ロベルタ・マメリ、クリスティーナ・ハンマーシュトロム他の出演!

6月12日 『アルチーナ』@王立歌劇場 ルセ指揮レ・タラン・リリク、カリーナ・ゴーヴァン、
     アン・ハレンベリ、デルフィーヌ・ガルー他

6月13日 チェチリア・バルトリのリサイタル@鏡の回廊、題して『ヘンデルのヒロイン達』

6月14日 『ジュリオ・チェーザレ』@王立歌劇場 ダントーネ指揮アカデミア・ビザンチーナ
     ソニア・プリーナが主役で、パオロ・ロペスがセスト。

6月19日 4人のカウンター・テナー・ガラ チェンチッチ、サバタにTerry Wey とVince Yi

6月22,28,29日 『王宮の花火』もちろん外で。

6月24日 『サウル』@王室礼拝堂 

6月25日 『エジプトのイスラエル人』@王室礼拝堂 クリストファーズ指揮ザ・シックスティーン

6月26日 『ソロモン』@王室礼拝堂 マクリーシュ指揮ガブリエリ・コンソート、イェスティン
     君がまたもや主役!

6月27日 チェチリア・バルトリのリサイタル@王立歌劇場、Sacrificium!

6月28日 アレクサンドル・タローのピアノ・リサイタル@王立歌劇場 『ラモー賛歌』

7月1日 『セルセ』 スピノジ指揮、マレーナ・エルンマン主役!アドリアーナ・クチェロヴァ、
     デヴィッド・DQ・リーにヴェロニカ・カンヘミ!


7月5,6,7日 サヴァール指揮による『水上の音楽』@大運河

7月6日 アイム女史指揮ル・コンソール・ダストレーによる『水上の音楽』他@王立歌劇場、
     ソニア・ヨンケヴァ出演

7月6日 マックス・エマヌエル・チェンチッチのリサイタル@鏡の回廊 『ヘンデルのヒーロー達』

7月10,11日 『メサイア』@王室礼拝堂 ザ・キングズ・コンソート

7月11日 『タメルラーノ』@王立歌劇場 ミンコフスキー指揮MLG、 クリストフ・デュモー!
     ユリア・レジネーヴァ、ティム・ミード他の出演

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イェスティン君主演の『オルランド』は、なかなか期待できそうだし、脇を固める女性陣も手堅い。

『アルチーナ』と『ジュリオ・チェーザレ』には、バロック・オペラに欠かせない女性歌手たちが
勢ぞろいする。

『セルセ』は、昨年のウィーン公演での面子から、キャストは少々替わったが、興味津々だ。
会場が発表されてないが、どこだろうか。コンサート形式だろうが、マレーナ様の演技にも期待。

そして、〆の『タメルラーノ』がスゴイ。デュモー選手もとうとうミンコさん好みの仲間入り?
今後もご贔屓にしてもらいたいものである。デュモーとユリアちゃんとの若手パワフル・コンビが
早々に実現するのが聴きものだ。
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by didoregina | 2012-05-25 13:43 | バロック | Comments(27)

春のサラ様祭

ディドナートが主役降板した『アリオダンテ』ヨーロッパ・ツアー、サラ様による代役騒動(?)の
続きです。

3月6日のコンセルトヘボウに続いて、本日3月7日はロッテルダムでの公演です。
ロッテルダムのコンサート・ホールDe Doelenのサイトでは、コンセルトヘボウのサイトとほぼ
同時に、ディドナートが降板しサラ様が代りに歌うことを発表していたようです。しかも、そこには
ディドナートのお詫びメッセージが彼女のサイトから引用されていて、その時点で既に、彼女は
病気のためヨーロッパへ来ることもツアーで歌うこともできないと公表していたのでした。

ツアーは、この週末にウィーンでの公演後、来週の火曜日に再びオランダのエイントホーフェンに
戻ってきます。
わたしが行くのはエイントホーフェンでの公演ですが、そこのサイトでの降板および代役発表は
ようやく昨日になってからでした。
そして、今日、主役変更を知らせる手紙(!)が届きました。Eメールではなく郵送です。
しかも、「10日までなら払い戻しも受け付けますから、用紙に記入して返送してください。切手は
不要です」と、まあ恐ろしく下手に出ているのです。
これは、一体どういうことなんでしょうか。ディドナートで持つ『アリオダンテ』という訳でしょうか?
コンヘボも、払い戻しを受け付ける旨のメールなどを送信したんでしょうか?

エイントホーフェンでの『アリオダンテ』のチケット売れ行きは芳しくありませんでした。安売りの
オファーが来るんじゃないかとも思えましたが、1ヶ月前に待ちきれず正規料金で買いました。
そこへ持ってきて、主役変更なのでチケット払い戻しを受け付けるなんて、一体客席はどんな具合に
なってしまうのでしょう。がらがらだったらと考えるとぞっとして、当日が恐ろしいほどです。

サラ様がタイトルロールを歌う『アリオダンテ』は、わたしにとって理想的で願ったり叶ったりなの
ですから、エイントホーフェンのホールに「素晴らしい代役を見つけてくれてありがとう!」と感謝と
激励の手紙を送ろうか、などと思ってしまいます。


ついでに、サラ様のサイトで今後のスケジュールを見ると、4月にヘレヴェッヘ指揮デ・フィルハー
モニー、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントによるドボルザークの『スターバト・マーテル』にソリストと
して参加するではありませんか。場所はゲントとアントワープです。
アントワープでは、De Singelというコンサート・ホールで4月21日と22日にコンサートを行うよう
ですが、なぜかホールのサイトにはこのコンサートのことは載っていません。オケのサイトには
日時も会場も明記されているのですが、オンライン・チケットのリンクが切れています。
これも、一体どういうことなんでしょうか。
今月、アントワープにプレガルディエン指揮(!)でショル兄がソリストとして参加する『ヨハネ
受難曲』を聴きに行きます。同行の友人は『スタバ』も好きそうなので、ドボルザークの『スタバ』
にも誘ってみようかと思いますが、まず、ホールに電話で確認しないことには。。。

サラ様が出演するオペラ、2月のロンドンでの『ばらの騎士』と6月7月のパリでの『イポリトと
アリシー』を見たいなあ、と思っていたのですが、思わぬ近場でお目にかかることができそうな
この春は、わたしにとってサラ様祭りの様相を呈しています。


2009年@リセウでのモンテヴェルディの『ポッペアの戴冠』よりサラ様ネローネとミア・ペルションの
ポッペアが歌うフィナーレのデュエットとカーテンコールです。


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by didoregina | 2012-03-07 21:16 | バロック | Comments(4)

Bach Dag バッハ・デイのコンサート動画

1月28日と29日は、バッハ・デイと称して、それぞれユトレヒトとアムステルダムで朝から晩まで
バッハのコンサートが行われたようだ。
ユトレヒトでは3つの教会で、クイケン・クワルテットによる『音楽の捧げもの』や、ヴォーカル
コンソート・ベルリンによるバッハのモテットなどの演奏会が催された。

アムステルダムのMuziekgebouw aan 't IJ(アイ湾に面した音楽ホール)で行われたコンサート
の模様をAVRO放送局がユーチューブにアップしたのを見ることができる。
こちらは、Musica ad Rhenumによるフルート・ソナタと、ダニエル・ロイス指揮のヴォーカル
コンソート・ベルリンによるバッハとシュッツだ。

ヴォーカルコンソート・ベルリンのコンサートは、先週木曜日にマーストリヒトの聖ヤン教会でも
同じプログラムで行われた。ただ、チケット代金28ユーロというのが微妙に高い気がして、多分
安売りオファーが来るだろうから、そしたら行こう、と思っていたのだが、残念ながら来なかった。

だから、アムステルダムでのコンサートの様子がアップされているのを見つけて、しめしめ、と
思った。

↓ ダニエル・ロイス指揮ヴォーカルコンソート・ベルリンによるバッハ『主に向かいて新しき歌を
  歌え』BWV 225 Singet dem Herrn ein neues lied



AVROは、この他にバッハのモテットでは、BWV229『来たれ、イエスよ、来たれ』
BWV227『イエス、わが喜び』、BWV226『御霊は我らの弱きを助けたもう』と、
シュッツの『カンツォーネ・サクレ』より『ああ、悲しきかな主よ』と『汝は何の罪を犯せしか』
をアップしている。


また、めっけモノとしては、ジェド・ウェンツ率いるムジカ・アド・レーヌムによるバッハのフルート・
ソナタBWV1030,1033,1035がアップされている。ウェンツによるフラウト・トラヴェルソと
チェンバロのミヒャエル・ボルグステーデとチェロのヨブ・テル・ハールの丁々発止の演奏が見られ
楽しい。

↓ ムジカ・アド・レーヌムによるバッハのフルート・ソナタ BWV1035


      バロック・フルート演奏のみならず、バロック・オペラの指揮にも活躍する
      ウェンツは、2010年にライデン大学に歴史的ジェスチャーの論文を提出して
      博士号を取得した。
      
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by didoregina | 2012-02-02 13:51 | バロック | Comments(4)

オペラ・プログラミングでのCT不遇

今シーズン、アムステルダムの歌劇場にはCTが登場しない。
3月にヘンデルのバロック・オペラ『デイダミア』が上演されるのだが、主なキャストは女性
歌手(サリー・マシューズ、ヴェロニカ・カンヘミ、オルガ・パシチュニク、シルヴィア・トロ・
サンタフェ)で、男声はテノールとバリトンのようだ。

コンセルトヘボウほかで行われるコンサート形式の『アリオダンテ』も女性キャスト(ジョイス・ディドナート、マリー・ニコル・ルミュー、カリーナ・ゴーヴァン他出演)でCTは登場しない。

ブリュッセルのモネ劇場では、3月に一回だけあるコンサート形式の『テオドーラ』にかろうじて
ローレンス・ザゾが登場するのと、『オルランド』のベジュン・メータだけだ。

かように、アムス、ブリュッセルともオペラではCT不遇のシーズンとなっている。
(その代わり、コンサートでは結構CTを聴く機会はある。)

ケルンの『ポッペアの戴冠』の前後に、我が家から比較的近いが日帰りはかなり苦しい都市で
目を引くバロック・オペラが上演される。

2月にカールスルーエでヘンデル・フェスティヴァルがあり、今年のオペラは『アレッサンドロ』だ。
主演はローレンス・ザゾ。フェスティヴァル中、カウンターテナー・ガラ・コンサートも行われ、チェンチッチファジョーリリーサバタが出演する。

また、3月にフランス北部のリールでも『ポッペアの戴冠』(アイム女史指揮)が上演される。
チェンチッチがネローネ、ティム・ミードのオットーネという魅力的なキャスト。
ポッペアは、去年のリールでの『ジュリオ・チェザーレ』(クリストフ・デュモー主演)でクレオパトラ役だった美人のソニア・ヨンチェヴァ。彼女は劇場付属歌手なのだろうか。
リールもケルン同様料金設定が非常に低いので、交通の便がよかったらぜひ行きたいところだ。
(家から200キロ以上だから車で2時間以上かかるし、国境を2つ越えないと行けないので、
電車でも乗り継ぎのため時間がかかりそう)

リエージュ(ORW)でもアントワープ(フラームス・オペラ)でも、今シーズンのプログラム
にはカウンターテナーの登場する演目は皆無である。

こうしてみると、CT出演のオペラ上演機会はだんだん先細りになっている傾向なので、来シー
ズンには目を光らせたい。

TVでは、1月10日にMezzoで去年のパリの『ジュリオ・チェーザレ』(アイム女史指揮、
ザゾ主演、ナタリー・デセイがクレオパトラ、デュモがトロメオ)、1月14日に今年のシャン
ゼリゼ劇場での『狂えるオルランド』(スピノジ指揮、ルミュー主演、フィリップ・ジャルスキー
ルッジェーロ)を放映する。早く新しいレシーバーが届かないかな。多分、両方とも間に合わない。。。
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by didoregina | 2012-01-05 17:15 | バロック | Comments(12)

今年の目標:CTを極める!

一年の計は元旦にあり。
こちらでも新年の挨拶に続いて「今年の抱負は?」「目標は?」と聞かれる。

主人の今年の目標は「アイスクリーム断ち」である。健診の結果、コレストロール値が高めだった
からだ。職業柄、健康や食事には気をつけているし、スポーツも普段から色々ずっと続けている。
だから、コレストロールを減らすには、アイス断ち以外の方法が考え付かないという。
そして、我が家では毎晩のデザートがアイスクリームなのである。
アイスクリームを食べても太らない、食べた後は内臓や体温が急激に冷えるため、体がエネル
ギーを燃やして体温回復に努めるからだ、と確信しているのだが、わたしも主人に合わせて今年は
アイスを控えることにしよう。

しかし、一年の計は、やはりそういう消極的なものではなく、積極的なものでないといけない。
当初、とっさには答えられなかったが、3が日を過ぎたところで妙案が浮かんだ。
カウンター・テナーを極める!というものである。

来週のアンドレアス・ショルのコンサートを皮切りに、チケット購入済みのコンサートやオペラは、
バロック主体なので、新旧様々のカウンター・テナーの声を聴くことになるからだ。

2月には、フィリップ・ジャルスキーのコンサートをコンセルトヘボウで聴くし、3月にはクリストフ・
デュモーのコンサートもある(これは実はチケット未購入)。
4、5月のモネ劇場の『オルランド』は、ベジュン・メータが主演だし、4月の『ポッペアの戴冠』
@ケルンでは、フランコ・ファジョーリデヴィッドD.Q.リーが、ネローネとオットーネ役で激突!
6月には、マックス・エマニュエル・チェンチッチ主演の『ファルナーチェ』(コンサート形式)もある。
9月以降の新シーズンでは、まだ不確定だが、12月には、注目の若手CTが揃い踏みする
『アルタセルセ』公演がケルンで予定されている。

2012年は、だからわたしにとって、CTの当たり年なのだ。
特に、12月の『アルタセルセ』@ケルンは、CT年のフィナーレにふさわしい華々しいイヴェント
になること必至である。

CTの声ほど、録音と生とで印象の異なるものはない。こんなに声量が少ないの?とびっくりしたり、
生身から発せられるオーラや舞台でのカリスマ性に恍惚となったり。
また、一回聴いた印象だけで、その人の資質を決め付けることは避けるべきであるのは、他の歌手の
場合も同様だ。だから、なるべく沢山聴く機会を持つようにしたい。

一年の計が立って、晴れ晴れした気分になった。
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by didoregina | 2012-01-04 16:21 | バロック | Comments(8)

家の周りが羊に占領された

復活祭の前から、アーバン・シェパードの羊の群がだんだん近づいてきているのがわかった。
町の緑地の草を羊に食べさせながら、徐々に移動しているのだ。
ゼーランドの週末から戻った月曜の晩、寝室の窓を開けるとめええという声が聞こえた。
見ると裏庭の筋向いの草地に羊が沢山いる。
そして昨日、とうとう我が家の脇から前に広がる市の管轄である緑地に、羊飼いの掛け声と共に
羊の群れが引っ越してきた。

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      我が家の前の緑地が牧場と化した。

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      市からすれば、草刈の手間がはぶける。
      裏庭にも2,3頭来て貰いたいものである。

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      数日滞在して、また別の緑地に移動するのだろう。
      羊の数は、数えていると眠くなるので不明。


羊といえば、キリスト教にはよく登場する。宗教歌にも、Agnus Deiというのがある。


      アレッサンドリーニ指揮コンチェルト・イタリアーノ、サラ・ミンガルド独唱
      ヴィヴァルディの『グローリア』よりDomine Deus, Agnus Dei
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by didoregina | 2011-04-28 09:34 | バロック | Comments(2)

『しばし楽の音に』 Music for a while

この1週間、TVやネットのニュースや新聞の電子版に目が釘付けで、ブログ記事を書く
気にはなれなかった。暗澹たる気持ちになるばかり。
音楽で気が晴れることもある。癒し効果のありそうなものを探してみた。

音楽には癒し効果があるのだ、というそのものずばりの歌詞でぴったりなのは、パーセルの
『しばし楽の音に』
様々な歌手が歌っているが、これはドーン・アップショー↓



Music for a while.
Shall all your cares beguile:
Wondering how your pains were eased.
And disdaining to be pleased,
Till Alecto free the dead.
From their eternal bands,
Till the snakes drop from her head,
And the whip from out her hands.


ドーン・アップショーといえば、彼女の歌うグレツキの『交響曲3番』も、わたしにとって
不思議と精神安定作用が強い。久しぶりに聴いてみた。





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by didoregina | 2011-03-18 22:11 | バロック | Comments(14)

ヴェックマンとラインランドの聖ニコラス

12月5日は、聖ニコラスの日だった。オランダの子供たちにとっては、クリスマスよりも重要な
日だ。いい子にしてるとプレゼントがもらえる。
また、その夜は家族や親戚が集まってプレゼント交換をする。中身よりも重要なのは、シュープ
リーズと呼ぶ凝ったラッピング(それ自体がアート)と韻を踏んだ詩である。

子供たちが大きくなって、この日を祝わずに済むようになり、師走ストレスが大分緩和された。
プレゼントを極秘で買い込んで仕舞っておいたり、夜なべで手作りしたり、シュープリーズや詩を
作成するというのは、精神的にも金銭的にも親にとっては大変な負担である。

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ここ数年は、ドイツのラインランドに住む義弟が、聖ニコラスの日にチャリティー・パーティーを開く。
クリスマス頃毎年行っているナミビア、ジンバブエ、南アフリカなどの孤児への寄付金集めだ。
無駄なプレゼント交換をするよりも、その何分の一かでも寄付にまわしたほうがずっといい。

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     もうすでにクリスマスの飾りつけになっているテーブル。
     オランダでは、聖ニコラスの日が過ぎてからクリスマス・
     デコレーションになる。ツリーを飾るのも12月6日以降。


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     クリスマスには家にいないから、ツリーもシンプルに。

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     ブリオッシュ種で出来たパンの人形、ヴェックマン。
     小さいのでも20センチはあるから、食べ応えあり。

このパンは新顔だった。ヴェックマンというのだと教えてもらった。
本来は、聖マーティンの日(11月11日)に食べるものらしい。ローマ兵だった彼が貧しい病人に
自らのマントを切って与えた故事を偲んで食べる(?)ヴェックマンはパイプ(司教の杖が原型
らしい)を手に持っているのが正式。
ドイツでもラインランドのこの辺りでは、オランダ・ベルギー同様に聖ニコラスの日も祝うので、12月にも
このヴェックマンが出回るのだという。

キリスト教の聖人でも、人気の度合いが国や地方によって様々だ。オランダでは、聖マーティンは
ほとんど知られていず、提灯行列やハロウィーンみたいに戸別にお菓子を貰いに来たりしない。
地方による新教と旧教の勢力分布の違いもあるのだろうが、カトリックの強いオランダ南部では、聖
マーティンの日は祝わない。マーティンという名前が、ルターを連想させるからだろうか。
子供たちがシュタイナー学校(どちらかというと新教系)に行っていたときは、かなり大掛かりというか
原始的に祝った覚えがある。子供が現在通う学校はカトリックが母体で、その名もセント・マーテンと
いうのに、まったくお祝いをしないというのもおかしい。
オランダ南部はラインランドとは文化・習俗・言語的に近いものをしばしば感じる。同じ国内でも新教・
旧教の違いによって、文化のギャップが存在するのと比べて興味深い。



        レオンハルト翁の弾くチェンバロで聴くヴェックマン

ドイツにはマティアス・ヴェックマン(1616-1674)というバロックの作曲家がいた。
シュッツの弟子で、彼からイタリアのガブリエッリやモンテヴェルディの様式も習った。また、スウェー
リンクの影響も受けたらしい。そして、フローベルガーとは終生の友だった。だから、これらの人々の
影響の感じられる鍵盤曲や声楽曲を作曲している。
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by didoregina | 2010-12-06 21:11 | バロック | Comments(4)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

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ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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