カテゴリ:旅行( 60 )

クリスマス・イルミネーションのデルフト

雪と寒波の合間を縫ってデルフトに出かけた土曜日は、晴れ間が多くていい天気だった。

8月に長男は、同じデルフト市内ながら広いアパート(しかも駅前)に引っ越した。
2年間住んでいたのは、デルフトの小さな旧市街を囲む運河の外側にあるアパートで、狭いことは
もうめちゃくちゃ狭いが、立地は抜群。東門が目の前で窓から眺める風景は、フェルメールの描いた
デルフトのイメージに近いものだった。
移ったのは、元東インド会社の建物の奥にある中庭に面した元建築学科の建物で、廊下や階段も
広々している。

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      道路に面した側は、17世紀の東インド会社デルフト事務所

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      歴史的建造物なので、蘭・英語の説明版が付いてる。

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      運河を挟んで向かい(右)は、軍事博物館。

日暮れの早くなった町に出ると、クリスマスのイルミネーションが瞬いている。

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      ベーステン・マルクト(動物市場)広場は、スケート・リンクに。

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         新教会の裏側


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         運河にも電飾のデコレーションがされてるのが珍しい。


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         マルクト広場に建つ市庁舎は、背景の空と雲に暗く浮かび上がって、
         おどろおどろしいホラー映画の雰囲気だ。


デルフトがロケ地となった映画では、ヴェルナー・ヘルツォークの『ノスフェラトゥ』(1979)が
有名だが、この広場や市庁舎も登場した。
クラウス・キンスキーのドラキュラが乗ってきた船からネズミが上陸して町に疫病が蔓延した。
ヒロイン、ルーシー役のイザベル・アジャーニが歩いた場面そのもの。

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              映画『ノスフェラトゥ』のポスター


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       市庁舎(右)とマルクト広場に建つ家々は、そっくりそのまま映画に使われた。


フェルメールの墓碑がある旧教会の裏側に来ると、冬の名物オリーボレン(拳骨大の揚げ菓子)の
屋台が光り輝き、妙にシュールな光景が出現。

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by didoregina | 2012-12-09 20:10 | 旅行 | Comments(4)

ブリュッセルのアールヌーヴォー建築 その1

ヴィクトール・オルタの設計したアール・ヌーヴォーの邸宅が、ブリュッセルにはいくつか
残っている。
遠征時に利用するブリュッセル中央駅やその裏手にあるコンサート・ホールのボザールは、
既にアール・ヌーヴォーよりも後の時代のアール・デコ様式の建築だが、やはりオルタ設計
である。
今まで、なんと彼のアール・ヌーヴォー時代の建物を実際に見る機会がなかった。
それで建築を専攻する長男と共に、ブリュッセルまで出かけてピン・ポイントで見て回った。

まずは、アヴェニュー・ルイーズからちょっと脇に入ったヤンソン通りにあるタッセル邸から。

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         EU関連のオフィスになっていて内部見学不可。
         丁度ランチから戻る人が中に入るところだったので、玄関ドアの
         奥にあるステンド・グラスのようなものがちょっと見えた。

いかにもアール・ヌーヴォー然とした淡いブルーがかったミント・グリーンの鉄柵のあるファ
サードが、同じ通りにある他の建物とは歴然と異なるし、ブリュッセルのアール・ヌーヴォー
建築巡りツアーのグループが道に立ってたりするから、すぐにわかった。

次は、アヴェニュー・ルイーズにあるソルヴェイ邸。

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       こちらは、事前に団体で申し込めば内部見学可能。
       ドアのガラス越しに、ゆったりした玄関ホールや廊下が見えた。

もちろん予約なしだったので、ここも内部見学はできなかった。こちらは、大通りに面して
間口も広々とした堂々たる館である。窓枠と同化したかのような色合いの鉄製装飾が渋く、
ファサードだけ見ると、曲線の要素が少なくいため、ちょっとデコに近い印象だ。

しかし、アール・ヌーヴォー建築は、外から眺めただけでは全く予想がつかないような、
内装の細かいディテールにこそ、その真価が発揮されるものだから、中に入ってみないこと
には如何とも言いがたい。装飾から発展したジャンルだけに、建築の場合でも細部の美しさが
命でもある。

ようやく、現在は博物館になっているオルタ邸に入って内部見学ができた。ここは午後2時
からオープンなので、今まで入場の機会に恵まれなかったのだ。(しかし内部は写真撮影禁止)

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          外から見ると結構地味な外観。

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          外側は隣り合った二軒だが中で繋がっている。

パブリック的なスペースである食堂や客間などは、床も壁もタイル貼りで、なんだか寒々し
ていて、腰を落ち着けたくなくなる。音楽室や書斎も同様だ。ビジネス関連の客には、あまり
長居してほしくなかったのではないかと思えるほど。
それが、階上に行けば行くほど、居間や寝室や客室などのプライヴェートな空間になるので
インティームな内装で個性が発揮されて、ディテールも美しく凝っているのだった。
特に美しさと機能性が印象に残るのは、館の中央にある階段だ。その部分の屋根がガラス張り
になっているので明るく開放的で、廊下のかわりに階段が用途の異なる個々のスペースを
中央でまとめしかも分離する役割を果たしている。オルタのアール・ヌーヴォー建築の美しさが
ここに凝縮されている。

最上階の庭に面した側のお嬢さんの部屋が立地的にもいいし、一番気に入った。
主寝室のアン・スイートになっているバス・ルームは、当時としては最新設備のものだろう。
大きなシャワーも、ドアで仕切られたトイレも、クローゼットも機能的で使い勝手がよさそうだ。

アヴェニュー・ルイーズに戻る途中のデファック通りには、オルタと同時代の建築家ポール・
アンカールの自邸がある。

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      こちらは、ファサード上部壁面のモザイクと壁画装飾が特徴的。
      同時代とはいえオルタとは全く異なるアプローチで、絵画を装飾に
      そのまま取り入れたアール・ヌーヴォー建築である。

この家は、周囲と全く相容れない壁画で正面ファサードを飾っているから、とても目立つ。
はっきり言って、非常に派手で自己主張が強い。

同じ通りにやはりアンカールによるシャンベルラーニ邸がある。
この家のある側を歩いていて、知らずにバルコニーの下を通ったとき不思議な感覚を覚えたので、
通りを渡って反対側から眺めたら、やはりアール・ヌーヴォーの建物だったのだ。
正面から見なくても、その無言の圧力とでもいうものを傍を通っただけで感じさせる、という
のが凄い。
しかし、1階部分はそっけない作りでアール・ヌーヴォーらしさを感じさせないから、この
感覚を覚えなかった長男からは「偶然でも、よくわかったね」とびっくりされた。世紀末芸術
に関しては、年の功というか、知らずと血肉となってるのかもしれない。

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     写真に写ってる人と同じ位置を歩いてるとき、第六感がピンと来た。


さて、この日最後に見たアール・ヌーヴォーの建物は、現在、楽器博物館となっている元百貨
店のオールド・イングランドだ。とはいっても、外から眺めただけ。ここは、最上階のレスト
ランの屋上テラスからの眺めが最高だ。しかし、いつも非常に混んでいて、そこで席が確保
できたのは一度だけだ。

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     元オールド・イングランド、楽器博物館の塔のある角を下から眺める。

この建物を設計したのは、ポール・サントノワという建築家で、この人は、なんとギャルリー・
サン・チュベール(グラン・プラス近くにあるアーケードで、モネ劇場に行くときは必ず
ここを通り抜ける)を設計したジャン・ピエール・クリュイスナールの孫。ついでに、お祖父
さんの方は、ブリュッセルのコンセルヴァトワール(音大)の設計も担当したという。
いずれの建築物もなぜか音楽に関係してるのが不思議というか、なんとなく縁を感じる。








        
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by didoregina | 2012-11-17 21:12 | 旅行 | Comments(6)

Dutch Design Week @ Einthoven

エイントホーフェンで10月20日から28日まで開催されていた Dutch Design Weekに、
26日(金)に行って来た。
エイントホーフェンと言えば、フィリップスの城下町である。また、工科大学やデザイン・アカデミー
も有名で、国外からも沢山の学生が集まる。(工科大学があることとハイテク関連企業も多い
ことからIQの高い人の割合が多く、オランダで一番賢い町と言われている)

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        メイン会場のカフェと、ひねりの利いたポスターの数々。


デザイン・ウィークの会場は、主に、町中(Inner City)とブーケンラーン駅周辺 (Strijp)の
二箇所に分かれる。日曜日に一足先に出かけた子供達の勧めるStrijpエリアに行ってみた。
そこは元フィリップス工場跡地の広大な再開発地帯で、ダッチ・デザインの雄Piet Hein Eekが
拠点を構えている一角もあり、広義のデザイン地域になっている。


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ブーケンラーン駅からレッド・カーペットが伸びる元工場跡地は、インダストリアルな建物を
リフィットして、クリエイティブな職業の人を集めるスタジオ、アトリエ、店舗、カフェおよび
住居として再開発中。
元工場の建物は既にそういう利用がされていて占有率が高いが、今後、跡地には小学校や文化
施設も建設され、町として再生・発展していく模様。


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      急に冷え込んだので、街路で薪を焚く変わった形のストーブが目に付く。
     

とにかく様々な分野の各種様々なデザインが集まっていて、全体的に、学園祭風の雰囲気だ。
模擬店のような感じの食べ物屋やカフェが多いのが、寒い日にはうれしいし、お値段も安め。
なにしろ、ダッチ・デザイン・ウィークではどこも入場料を取らないのだ。それどころか、期間限定で
売り物は普段よりも安くなっている。同行の皆さんも、色々お買い上げ。


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      今回は、靴は買わなかったが、なかなか魅力的な靴が展示されていた。
      これは、シュー・キーパーの形を爪先と踵にそのまま応用したデザイン。


家具、雑貨、衣類、食器、アクセサリーやグラフィック・デザインなどのほか、電気機器の
プロダクト・デザインまで多岐に渡るのが、このダッチ・デザイン・ウィークの特徴だ。


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      ハイテク・デザイン家電の見本市という雰囲気のブースもある。
      3Dコピー機とか、小さなソーラー・パネルを縫いこんだ衣類とか。    
      これは、間仕切りになる長薄手スピーカー。意外なほど音がいい。



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プラスチックのショッピング・バッグを割いて撚って糸状にしたものを織ったリサイクル布。
元の色がいい感じに混じって優しいパステルになった。でも、やはりごわごわした手触り。
これでまたショッピング・バッグにしたら、ヘンなロゴが目立たなくていいかも。







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      カフェでまったり。日刊の立派なデザイン新聞も無料。


見本市的要素もあるのに、学園祭風の楽しさで、入場無料なんだから、また来年も行きたい。
金曜日だったので、午後遅くなると人出が多いのも当然だ。出品・出展はオランダが主だが、
内容はグローバルでインターナショナルだ。もっともっと国際的に注目されてもいいと思う。

     
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by didoregina | 2012-11-01 09:21 | 旅行 | Comments(0)

富嶽七景

富士はまことに日本一の山である。それは、高さのことだけを言うのではない。
四季や一日の天候や雲のかかり方や日の当たり具合で様々に変化するその姿。
思わず手を合わせてしまうほどの神々しさをたたえ、いくら見ても見飽きることがない。
今回の里帰り中は秋晴れの天候に恵まれて、美しい富士山の姿を目いっぱい愛でることができた。


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        箱根の早雲山から果てしなく続く急峻な上り坂を登りつめると
        峰の分岐点近くで富士山が拝める。疲れが癒される。


早雲山から大涌谷まで、普通なら登りのロープウェーで行くところを、山歩きした。
これが、もう、心臓破りの坂の連続で、傾斜が急なので休む場所もほとんどない。
このコースを選んだのを後悔したが、後戻りもできない。2時間、かなりのハイペースでひたすら
頂上を目指し、歩を進めた。
木が茂っていて、峰に出るまでは視界が利かない。しかし、そこから先に見え隠れする富士山は
絶景だ。


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        秋は夕暮れ。 夕日のさして山の端と近くなりたるに、、、


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        どんなへなちょこ写真家でもきれいに撮れるフォトジェニックな山。


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          大涌谷へと降りる山道の正面に富士山が現れた。


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          色調が、ほとんど東山魁夷の絵の世界。


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        大涌谷からロープウェーで早雲山に下る途中の、ほぼ赤富士。


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            東海道新幹線の車窓から。新富士駅付近。


富士山は、日本人の心の中のカミそのものだ。
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by didoregina | 2012-10-24 12:24 | 旅行 | Comments(9)

美しい日本の私

京都では、前回書いた理由で、神社・仏閣などに行く時間がほとんどなかった。
一日目は、かろうじて八坂神社だけ、暗くなる前に入ることができた。そして、夕闇迫る祇園に
二年坂・三年坂そしてねねの小道のそぞろ歩き。その頃には、清水寺はとっくに閉まっていた。
京都二日目は、泊まったホテルの前が二条城なので、朝食後に即見学。その後、嵯峨野・嵐山に
行ったのだが、商店街にある畳屋や提灯屋に時間を取られ、和紙の店でもじっくり腰を据えたりして
やはりお寺に入る時間は残らないのだった。

翌日、犬山ではダブル・デートの約束があった。
オランダでPから帽子作りを習っていたK子さんとY子さんにPは任せて、ブログ友のgさんVさんと
オフ会をしよう、という欲張りプランである。
まずは、犬山城見学の前に、城下町にある素敵な茶亭『有楽』(うらく)でお茶。

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        冷たい抹茶には、抹茶の氷ボールが浮かんでいる。
        お代わりにお湯を注してくれるので、二杯分楽しめる。

犬山は、磯辺邸や堀部邸など、豪商や武家の旧家の建物が別の用途に利用されているのが面白く、
わたしのディスカバー・ジャパンというテーマにピッタリの町だ。

犬山城は、靴を脱いで天守閣の中に入って木の急な階段を登ると、各階の意匠がオーセンティックで
窓からの木曽川も美しく、小さいながらとても雰囲気のいいお城である。

その後、名鉄犬山ホテルで待ち合わせたgさんVさんと共に、ホテル敷地内にある『有楽苑』(うらく
えん)を見学した。

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        織田有楽斎の茶室『如庵』が移設された庭園『有楽苑』

犬山には、機会があれば行きたくてたまらなかった。
なぜかというと、小・中・高と足かけ7年に渡って習っていたお茶が有楽流(うらくりゅう)であり、その
始祖・有楽斎(うらくさい)にちなんだ建物が残っているからだ。
しかし、茶室『如庵』は国宝なので、内部見学は月に一度の許可制である。滞在日程には合わな
かったのが残念だが、『有楽苑』にはガイドさんが付いてくれ、普通なら見逃すような細かい点まで
じっくり見ることができ、とても有益だった。

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         名カメラマンのgさんによる撮影

織田有楽斎(おだ・うらくさい)は織田信長の13歳年下の弟で長益といい、武芸にはあまり才能が
なかったようだが、茶人・数奇者としては波乱万丈の人生を送った面白い人物である。
禁制になる前にキリシタンになり、その洗礼名ジョアンから号および茶室を『如庵』と名付けたと
言われている。
武士としては臆病者だったおかげか、織田・豊臣の戦国時代を生き抜き、最後には徳川方に属し、
家康から数寄屋橋付近の土地と屋敷を拝領している。その辺りが有楽町(ゆうらくちょう)として
現在まで名前が残っている。(しかし、「うらく」という呼び方で残してもらいたかった)

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         国宝三名席の一つ、『如庵』は、竹を様々に使った
         意匠が美しい。暦貼りの腰貼りや有楽窓なども見逃せない。
         外から、中をじっくりと覗かせてくれた。

gさんもVさんも、なかなかの数寄者でいらっしゃるので、ガイドの説明に頷いたり、感嘆したりの
楽しい見学となった。このお二人という同好の士を同行に得たのは、まことに幸いであった。

庭園には、美濃の和紙で作られた「灯りアート」がそこここに置かれていて、秋の夕刻には灯りが
燈るようになっている。

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          庭に置かれた和紙の「灯りアート」のひとつ。

締めとして、旧正伝院書院(有楽斎の隠居所)で、お茶を頂いた。
清々しい竹や緑の多いお庭に点在する茶室や書院を見学したあとのお茶は格別で、豊かに心を
満たしてくれた。文字通り、美しい日本を満喫の午後であった。

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by didoregina | 2012-10-23 09:38 | 旅行 | Comments(8)

ディスカバー・ジャパン

元祖アンノン族(死語)だと自負している。
中学に入って読み始めた雑誌「anan」の旅のページにわたしの旅心は刺激され、小京都への
旅を夢見たものである。
実際に一人旅をしたことはほとんどないのだが、心はアンノン族である。
日本に里帰りして各地を旅行すると、ディスカバー・ジャパンというコピーを思い出しては郷愁を覚え、
山口百恵の歌う「いい日旅立ち」が頭の中をぐるぐる回るという具合である。

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     ディスカバー・ジャパン、しかも京都といえば、これ!
     嵯峨野 鳥居本の平野屋さんは、今でも旅行ポスターの定番。


今回の里帰りには、帽子の師匠Pという道連れがいた。彼女に、美しい日本を見せてあげなくては!
という使命感に燃え、色々と計画を立てた。
日本は初めてであるが、テキスタイル全般に興味があるPと一緒だと、例えば京都に行っても、
(外人)観光客の喜びそうな場所を訪問する時間がなかった。
なんと京都に二泊したのに、寺社を一つも見学できなかったほどである。
(ホテル正面にあった二条城だけはかろうじて見学)

その代わり、観光客があまり来ないような路地にある昔ながらの店や、普通のアーケード商店街に
ある小さなお店に入っては、色々なものを見せてもらっては遊んだ。

例えば、絹の白生地を扱うお店 ↓
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デッドストックの着物や反物を置いている小さな店や、畳屋さん、提灯屋さん、和紙の店などに
入り込み、説明を聞いたりするのは楽しく、しかもお安く珍しい買い物ができるのだった。

近くにある有名店には若い子達や観光客がうじゃうじゃいるのに、私たちにとってヴァルハラである
そういう店にはほとんど客足がない。だから、お店のおばあちゃんやおじさん、おばさんなどが
とても愛想よくじっくりとお相手をしてくれるので、一旦入るとなかなか出られず、結果として寺社
見学の時間が全く取れなくなったのであった。

Pは、帽子やバッグやスカーフなどを作るためやインテリアに使用するための反物、帯地、畳表、
畳の縁、紙布などをかなり沢山、しかも信じられないほど安くゲットできて、大満足であった。
その後、デパートなどに行って値段を比較すると、とてもいい買い物ができたことを実感。
おもわず、二人でにんまりした。
もしも飛行機の荷物の重量制限がなかったら、もっともっと買い込んだことだろう。

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      食事の時さえ忘れるほど、飽きずに日本のいいモノを探し回った。
      気が付けば落日が近い時間になり、提灯に灯がともっている。
      次回は、こんなお店でゆっくりと美味しいものを味わいたいものだ。
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by didoregina | 2012-10-22 14:51 | 旅行 | Comments(15)

夕映えと残照のストックホルム

半日ゆっくりとヴァーサ号博物館およびスカンセン島の水辺で過ごした後でも、北欧の日はまだ
長い。
夕方から、王宮のあるスタッツホルメン島の旧市街ガムラ・スタンに散策に出かけた。

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      ホテルから遠からぬ国会議事堂の前に来ると、ハーフ・マラソンをやっていた。
    
通常、フル・マラソンやハーフ・マラソンは、朝9時とか正午もしくは遅くとも午後1時のスタート
であろう。それが、午後6時頃まで走っているというのは、スタート時間が相当遅いのだろう。
北欧ならではである。

昨晩オペラがはねると、歌劇場隣の広場に見慣れぬテントがいくつも立っていたので、マレーナ
様も、「何かしら」と怪訝そうにしていたのだが、ようやく訳が分かった。そこが、フィニッシュ
地点になるのだった。

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       緩い上り坂になっているので、車椅子の出場者には大変だ。

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       夕映えの国会議事堂の前で。一人旅なので自分が写ってる写真は少ない。

国会議事堂のある島を通り抜けてまた橋を渡ると、王宮と旧市街のあるスタッツホルメン島だ。
ガムラ・スタンの狭い通りには、小さなギャラリーや個人経営の雑貨屋などが多くて、中世の
雰囲気が残る路地には、夕方になると人通りも少なくて、ほっと一息つける。

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       ガムラ・スタンにはこういう路地が沢山あり、個性的なお店も多い。

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       ショーウィンドーのひとつ。ポスターの色使い、特にピンクの発色が
       いかにもスウェーデン。(わたしもその日は薄いピンクのジャケットに
       サーモン色のブラウスとスカーフでスウェーデン風コーディネート)

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        大聖堂や教会の塔を目印に路地を適当に歩くと広場にでる。


小さな島なのに教会が多く、味のある広場もそこここに。めったやたら適当に歩いても、島の
面積が狭いからすぐに水辺に出るし、迷う心配はない。

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       日が大分傾いたので、町並みも優しい色調になった。

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       栗の木の立つ小さな広場のレストラン

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         ノーベル博物館前の噴水のある広場で。

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         王宮の下から残照に浮かぶ対岸の国立美術館を臨む。

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         王宮の下にある石垣が、いかにもストックホルムらしい岩。

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         王宮の坂道から、残照の海と町並みが見える。


島々からなる首都ストックホルムは水に囲まれて、ゆったりとしてしかも堂々としている。本当に
美しい町だ。一人旅でも、なんとも落ち着ける。
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by didoregina | 2012-09-29 22:36 | 旅行 | Comments(0)

ストックホルムの水辺は陽光溢れて

ストックホルムを訪れるのは、8年振りである。
しかし、なんとなく土地勘が残っていたので、町歩きは容易だった。

週末に二泊したので、土曜日はまるまる一日観光(およびショッピング)の時間がとれた。
しかも、一人旅だから、誰にも気兼ねなく(特に家族旅行だと、お互い色々と譲歩しないと
いけない)好きなように歩いたり、訪問場所や食事するところを決めることが出来る。

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      マレーナ様の予報どおり、土曜日はいいお天気!水辺の散歩は気持ちいい。

水辺を歩いて、スカンセン島にあるヴァーサ号博物館へ。
ここは、なぜか8年前に訪問しなかったのだ。ホテルのフロントの人の説明が自虐的で
あったせいで、あまりたいして観るべきものはないような印象を持ったせいだ。
彼曰く「17世紀の軍艦なんですが、処女航海で進水した途端に沈没したんです」

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           ヴァーサ号がすっぽり収まった博物館の外観

1638年に国王グスタフ二世アドルフが国威をかけて作らせた軍艦ヴァーサ号は、進水式直後に
横風を受けて首都の湾内に沈んでしまった。国王列席で、宿敵ポーランドに向かう処女航海での
沈没という不名誉な事件だったので、なるべくなら忘れたいという思いの過去の汚点であった。
しかし、それを333年後に引き上げて、20世紀の科学の粋を集めて水抜きしつつ保護膜で覆って、
最終的にジグソーパズルのように再構築して、95%オリジナルの姿を展示しているのだ。
低い水温と、バルト海のしかも汽水に近い塩分の少ない海の底に眠っていたおかげで300年以上
経ってもほとんど傷んでいないという僥倖に支えられてはいるが、まったくもって圧巻。
当時の建造技術の素晴らしさを偲ばせるその姿にも、それを今に蘇らせた科学技術にも脱帽するほか
ない。

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         実物は凄い迫力の船首だが、わたしが撮るとしょぼい。。。

オランダ、ベルギーおよびイギリス各地の海洋・海事博物館には、機会があれば訪問している。
しかし、ヴァーサ号博物館は、その迫力と展示内容全てにおいて比肩するものなし。ピカイチの
超一流である。(ポーツマスにある海事博物館は、規模とヴァラエティの豊富さで、ユニークな
存在だが、ヴァーサ号博物館の場合、単独の船でここまで見せる面白さが群を抜いている)

とにかく、実地体験すべき博物館で、誰でも楽しめること請け合いである。まずは、博物館の
ガイド・ツアーに参加して、そのあとゆっくりと自分のテンポで各展示を見て、引き上げ作業の映画を
観れば完璧。スウェーデン、おそるべし、を実感するだろう。
スカンジナビアで一番集客力のある博物館というのも、納得だ。なにしろ、ほとんどオリジナルの17
世紀の軍艦を観ることができるのは、世界中でここだけなのだから。
オランダのバターフィア・ドックで建造されたバターフィア号や7プロヴィンシーエン号のレプリカなど、
ヴァーサ号を目の当たりにしたあとでは、色あせて見える。

ヴァーサ号のオリジナルの迫力に伯仲するのは、ヘンリー8世が造らせた16世紀のメアリー・ローズ
号の水抜きが完了してその姿をわれわれに見せるときであろう。

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        8月に遠征したウィーンの美術史博物館での、個人的な大発見は、
        エストニア人でネーデルラントで修行・活躍したMichel Sittowに
        よる『メアリー・ローズ(?)の肖像画』(1514年頃)。
        メアリー・ローズはヘンリー8世が溺愛した妹で、描かれているのは、
        ヘンリー8世の最初の妻アラゴンのキャサリンという説もあるのだが、
        ウィーンではメアリー・ローズか、ということになっていた!そして、
        彼は最愛の妹の名前を船にも付けたのだろうか。謎は謎を呼ぶ。


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        アムステルダムも港湾に面している首都だが、ハーバーの近くまで
        ヨットで帆走することは無理。ここでは、船の航行量が少なく混みあって
        いないのと水域幅が広いため、帆走可能なのを目の当たりにしてびっくり。

日当たりのいい水辺を選んで歩くと、このスカンセン島にもヨット・ハーバーが。ぜひぜひ一度、
ヨットでストックホルムにアプローチしてみたい!

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        日当たりのいい酒精飲料博物館のカフェ・レストラン。外はヨット・ハーバー

前回も、ストックホルムでは近代美術館のカフェで美味しいビュッフェ・ランチを食べたので、今回も
ミュージアムのカフェに行ってみた。地元の人が大半で観光客も混じり、いい感じに賑わっている。

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        倉庫を改装したと思しきインテリアのカフェの天井

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          スウェーデン北部の地ビール。グラスのロゴに注目のこと。

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          椅子の背にも同じロゴが。

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         ロブスターとシーフードのスープで満腹。

メニューはスウェーデン語のみだったので、近くの人に英語に訳してもらった。
小エビが山盛りに乗っかって下のパンが見えないサンドイッチとか、シーフードは豊富なので比較的
安い。
夕食は、セブン・イレブンで買ったザリガニ・サラダにしたが、これも、ザリガニが全体の3分の1を
占める充実度。カンタレッラの山盛りトーストを試したかったが、お腹が破裂しそうなので諦めた。
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by didoregina | 2012-09-22 22:10 | 旅行 | Comments(4)

女一人旅でも楽しいウィーンの食事

ウィーンに行くのは、オペラ鑑賞が目的であるから、オペラ2公演なら二泊、1公演なら一泊だ。
町自体がコンパクトで見所が近くにかたまっているから、ホテルからどこにでも徒歩でいけるし、
ぎゅっと濃縮された感じで満腹感を得ることができるのだ。
今回、一日目は、フライト遅延で半日潰れてしまったので、カルルス・プラッツにあるウィーン・
ミューゼウムに行く予定は叶わなかったが、さほど残念にも感じない。

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     クリムト・イヤーのため、天井付近のフリーズが至近距離から見られる
     ウィーンの美術史美術館。8月は月曜も開館。空いてるしラッキー。


一日目は日曜だし、ホテルにチェック・インしたのが午後5時だったから、7時半開演のオペラに
間に合わせるため早目の夕食を取る以外は何も出来なかった。


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         ナッシュ・マルクトを挟んでアン・デア・ウィーン劇場の
         ほぼ向かい側にあるカフェ・レストラン「アマコルド」は
         ウィーン風イタリアン。ポーク頬肉の煮込みとハーブ入りニョッキ。


翌日は、半日たっぷりと美術史美術館で過ごしてから、遅めのランチ兼ディナー。

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         シュテファン寺院の修復も大分進んだ。


グラーベンも街角や広場に面したカフェ内外はどこも暑そうだ。外は日差しが強くて、店内も
温度が高いからメランジュを飲む気もケーキを注文する気も起こらない。

前回のウィーン遠征で気に入ったレストラン「プラフッタ」が、外に大きなテラスを出していた。
風通しのいい通りで日陰が涼しそうだ。


c0188818_15483717.jpg

         国立歌劇場からほど近い「プラフッタ」の内装はトレンディー。


ここは、給仕の目配りが行き届いていてサーヴィスも速いし、テラスもゆったりとして
リッチな気分になれる。
「夏なのにターフェルシュピーツを注文してもいいものでしょうか。なんだか寒いときの
食べ物のような気がして」と訊いたら、夏でも全くかまいませんよ、とのことだった。
ターフェルシュピーツとは、子牛肉と野菜を煮込んだポトフみたいなものだ。

c0188818_1602237.jpg

         鍋や付け合せ一式が大きなお盆に盛られて運ばれてくる。
         まず、薄焼き卵の千切りみたいなのが入ったカップに
         スープを注いでくれる。


c0188818_164276.jpg

         スープのあとは、自分でお皿に肉や野菜や付けあわせを盛る。
         肉の塊は大きく、こんなのが2つ入ってる。付け合せは左から
         卵サラダみたいなタルタルソースみたいなもの、パンをミルクで
         ふやかしたようなもの、野菜煮込み、煮たりんごにホース・
         ラディッシュをまぜたもの。


大きなウィーナー・シュニッツェルは、一人前2枚(!)なので、暑い中食べる気が起こらな
かった。それに対して、このターフェルシュピーツはあっさりとして、夏でも美味しく食べられた。


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         〆にウィンナ・コーヒー。カプチーノならぬフランツィスカーナ。


一人旅で嫌なのは、食事のとき間が持たない、というのがあるが、ウィーンの場合、不都合は
感じなかった。女一人旅に優しい町だ。
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by didoregina | 2012-08-21 09:16 | 旅行 | Comments(0)

フライト・トラブルにはどう対処する?

ウィーンへの一泊遠征から無事戻りました。
往きの飛行機がトラブり、ひやひやさせられましたが、ネバーギブアップ、前進あるのみ!の
不屈の精神でなんとか乗り切りました。
しかし、乗客の運・不運は紙一重に近かったのです。今後の皆様のご参考になればと思い、
一部始終顛末を書いてみます。

まず、日曜朝9時40分デュッセルドルフ発のエア・ベルリン便(ウィーン着11時20分)が
機体のテクニカル・プロブレムのため遅延、修理にどれだけ時間がかかるかわからないため、
出発時間無期延期というアナウンスが9時20分ごろありました。搭乗間際のアナウンスです。
その飛行機自体、ウィーンからの折り返し便だったのですが、デュッセルドルフ到着は15分ほど
遅れていました。
乗客はドイツ人がほとんどのようで、皆、落ち着いたものでした。

出発時間無期延期というからにはかなりのダメージのようだし、嫌な予感がしました。
しかし、まだ朝だし時間には余裕があります。動向をひとまず見極めようと思いました。
新たな情報は30分後にということでしたが、その30分は出発予定掲示板を見るたびに毎回
更新されていき、詳しい情報はまるで入ってきません。11時になると、暫定出発予定時間は
13時という表示に変わりました。一応、出発の見通しが立ったらしい、というわけです。

丁度そのアナウンスのあった瞬間に、最悪の場合に備えてウィーンに行く別便を探すため、
トランスファーおよびチケット・サービス・カウンターに行ったのですが、一応出発のめどが立った
ようなのでカウンターの人も冷静だったし、フライト変更の必要性はさほど感じませんでした。

6時半にヨーグルトとミューズリの朝ごはんを食べただけなので、ちょっと早めのお昼ご飯を
11時半にレストランでとり終わったら「エア・ベルリンのAB8240便乗客は皆様搭乗口
カウンターに来てください」というアナウンスです。何だろう、と思って行ってみると、ミネラル・
ウォーターとスナック菓子入りの紙袋が配られています。

c0188818_15512369.jpg

         格安フライト会社にしてはまあまあよく出来たサーヴィス

デュッセルドルフ空港は、ケルン・ボン空港に比べると格段に大きな空港です。先月も、ここから
ウィーン経由でクロアチアのスプリットに飛んだばかりです。その際は、オーストリア航空を利用
しました。今までのウィーン遠征にもオーストリア航空を使っていたのですが、今回はもう少し
安いエア・ベルリンにしてみました。だって、往復88ユーロなんですもの。昨年、やはりエア・
ベルリンでサルディーニャまで飛びましたが、アルコール飲料以外の飲み物はタダだし、サンド
イッチも出たしサーヴィスは悪くなかったからです。ウィーンまでは1時間30分のフライトですし。

さて、乗り換えの心配のない乗客がほとんどなのと沈静なドイツ人が大部分なので、待たされても
文句は出ないし、テクニカル・トラブルでは仕方ない、と諦めてるようでした。
アナウンスのたびに、皆息を詰めて聴こうという態度になり空気が張り詰めるのが感じられます。
しかし、だんだんとアナウンスはドイツ語のみになっていきます。それで、オランダ人の老年女性
二人組はアナウンスを聴き損ない、紙袋が配られているのを知らなかったりしていたので、
搭乗口カウンターでもらえることを教えてあげました。
この二人のおかげで、こういう場合の情報確保の重要性をわたしは逆に教わったのです。

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           ウィーン空港の新ターミナルビルが6月に完成。
           黒と白が基調で擦りガラスが多用された素敵なデザイン。
           壁の表示は、ソル・ルヴィットの壁アート風の意匠!


12時15分頃には客室乗務員たちが乗り込んで行ったので、これで一安心と思ったのも束の間。
13時に果てしなく近くなっても、搭乗案内アナウンスはありません。皆じりじりと待っているのに。
そして、13時になると一旦乗り込んだ客室乗務員達が戻ってくるではありませんか。
結局、13時10分ごろに、その便の欠航がアナウンスされました。そして、別便に乗るために、
チケット・サービスおよびトランスファー・カウンターに行くようにとのこと。しかし、それら全てはなぜか
ドイツ語のみのアナウンスなのです。
聴き終わるや否や、わたしはサービス・カウンターに向かいました。誰よりも早く行って並ぶのが大切
だと本能的に悟ったからです。

サービス・カウンターにはまだ詳しい連絡が入っていないようで少し混乱していましたが、10数人
集まったところで聞かされたのは、上階の搭乗口に行って別のウィーン行きに乗るようにとのこと。
やはり、ドイツ語のみの説明なので、隣に立っていた人に英語で確認しました。
そして、例のオランダ人おばあちゃん2人組が来たので、急いで上階に行くように誘いました。

上階の搭乗カウンターでの説明は、荷物は元々の飛行機に積まれたままなので、ウィーンに
着いたら遺失物カウンターでウィーンの住所またはホテル所在地を指定し運んでもらうようにとのこと。
それはそうですが、飛行機まるまる一便の欠航なので、遺失物カウンターも長蛇の列になるでしょう。
それより、今ここでもしくは飛行機の中で書類に記入した方がスムーズにいくのに、と思っていると、
小さなお子さん連れの方から優先的に今出る別便に乗るようにとの指示です。
別のオランダ人カップルは、「子供の次はメンバーシップ・カード所有者が優先だろうな」と言いつつ
カードを出したりしています。
わたしはとにかく列の前の方に進み、「あと4人!どうぞ」という係員の声に、ドイツ人3人組に
仲間入りさせてもらい、出発直前の飛行機に向かいました。
「空いてる席に座ってください」とのことなので、最前列通路側に。するとドアが閉められました。
結局、その便に乗れたのは20人弱だったと思います。一瞬の判断で勝負が決まりました。
少しでも躊躇したり仲間と相談したりしていたら間に合わなかったはずです。メンバーシップ所有者の
オランダ人カップルも老年女性二人組も、搭乗口ではわたしのすぐ近くにいたのに結局乗れなかった
のです。
振り替え便として目を付けていた12時40分発のウィーン行きに幸運にも乗れ、安堵しました。
その便の出発も1時間遅れたことになり、ウィーン到着は15時15分頃でした。

c0188818_1781372.jpg

             後光が射すゼセッションは、幸運の象徴

ウィーンの空港に着いたら、とにかく一番乗りで遺失物カウンターに向かうのが肝心です。
幸運にも最前列通路側の席だったので、誰よりも早くバッゲージ・クレームに着きました。
カウンターで、荷物が積み残されたので別便で着くはずだからホテルに届けて欲しいと説明しましたが、
案の定、欠航で荷物積み残しという連絡はウィーンに入っていないので、「到着の飛行機から荷物は
まだ積み出されていないのでそちらでお待ちください」と言われて埒が明きません。
そうこうするうちに、20人ほど同類の仲間が集まりました。その中のおじさんがドイツ語でカウンター
嬢に噛んで含めるように説明するとようやく判ってくれました。しかし、20人は一挙に対処し切れ
ません。だから、一番乗りするのが重要だったのです。

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             ウィーンでの定宿ベートーヴェン・ホテル(右)は
             アン・デア・ウィーン劇場の楽屋(正面)の筋向い。

なんだかんだで、ウィーンのホテルに着いたのは、午後5時でした。
ホテルのカウンターでは、「お客様だけではありませんよ。荷物が出てこなかったのは。多分、夜
10時頃には届けられるでしょう」と言われました。結局、荷物が届いたのは午前3時でした。
荷物がないと部屋に行っても何もすることがありません。着替えも出来ません。
そして、せっかく準備した着物も着るチャンスを失ってしまいました。

しかし、残りの乗客は当日夜までにウィーンに着くことが出来たのでしょうか。翌日になってしまったの
ではないかと案じています。
状況判断が上手くいき、一人だったおかげで小回りが利いたのが勝因でした。
着たきりすずめですが、19時30分のオペラ開演には間に合いました。
それどころか、別の僥倖にもめぐり合うことができたのです!
その件に関しては、別の記事にしたいと思います。
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by didoregina | 2012-08-14 10:23 | 旅行 | Comments(12)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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