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フランクフルトまで長距離バスで遠征

フランクフルト歌劇場で上演中のオペラ『リナルド』を鑑賞するために
ヨーロッパ内で近年恐ろしいほど路線を拡張しているフリックスバス(Fバス)
に乗って遠征してみた。
このFバスはもともとベルリンが発生の地で、ここ数年でドイツ国中から周辺
諸国の各地に路線を拡大しているのだが、まずは安いのが一番のメリット。
平日の便にしたため、マーストリヒトからフランクフルトまで17ユーロだ。
フランクフルトまで長距離バスで遠征_c0188818_22403520.jpg

3年前に急遽ロンドンからヴェルサイユ遠征することになり、帰途パリから
Fバスを利用してみたのだが、丁度Fバスのパリ・マーストリヒト路線
開通プロモ価格1ユーロだった。普通に買うと30ユーロはしたはずだが。)
その時は、午後3時頃パリ発の予定だったバスの到着が1時間遅れ、その後
運転手の休憩45分も必要なのでパリ出発が遅れて渋滞にひっかかり、パリを
出るまでが大変時間がかかった。途中ブリュッセルでトイレ休憩があったが
自分で適当にその辺のカフェ探せという運転手の態度にはむっとした。
それ以来、積極的にFバス利用しようという気は起らなかった。

今回は急に回ってきたオペラのチケットを無駄にしまいと思って、しかも
応援しているJJオルリンスキ君が主役を張るしせっかくだから行こうと
いう気になったのだが、どうせならなるべく安く上げようとFバスにしてみた。
というのは、日本に里帰り中、高速バスを何度か利用してその安価かつ便利で
スムーズなのに感動したというのもある。

しかし、日本の高速バスとヨーロッパの長距離バスとではサーヴィスに雲泥の
差があることを思い知ることにもなったのだが。
まず、Fバス料金は破格値であるから、必要以上のサーヴィスは期待できない。
すなわち、車内の掃除が行き届いていたり、時間に正確であったりという
日本では当たり前のことがなかなか実現難しいのだ。
二階建てバスで座った一階の座席はゆったりとして、リクライニングもでき、
往復ともサロンテーブルを挟んで向かい合った席が確保でき、寝たり食事
したりするのには便利だった。
車内トイレは利用したことがないのでなんとも言えないが、往きのバスの
トイレからは悪臭が漏れてきていた。途中ガソリン補給のため停まったSA
でトイレに行けた。
マーストリヒト~フランクフルトは車で飛ばせば2時間半から3時間(途中
アウトバーンでの渋滞にハマらなければ)の距離であるが、Fばすでは約
5時間の予定。

近年とみに増えている不法移民およびテロなどを取り締まるためか、途中で
私服警官が数人乗り込んできたのには驚いた。ID確認ということで、
私の場合パスポートを見せたら即OKだったが、結構詳しく行先や乗った
場所その他訊かれている人たちもいる。そして、ゴミ箱や荷物置き場を
チェック。乗客の何人かはバスから降ろされてもいる。その中の一人はほぼ
拘束されているではないか。。。
それで時間がかかり、予定よりも到着は1時間以上遅れた。渋滞に引っか
からなかったからよかったものの、当日夕方以降着の便は利用しない方が
精神衛生上よろしかろうと思う。
フランクフルトまで長距離バスで遠征_c0188818_22415814.jpg
通路隔てた隣に座っていたおっさんとアーヘン過ぎたあたりからおしゃべりを
始めて、結局到着まで5時間以上喋り続けた。というのは、彼はプロのクラ
オタと呼べる人物で、趣味や興味が似ていて次から次へと話が弾んだのだ。
(ローマ音楽院で作曲・指揮法・音楽学を学び、リエージュとデュッセルド
ルフの歌劇場でアシスタント指揮をしていたが、現在はバイエルン放送で
クラシック番組を担当している、ヴェルディ研究家。CTは専門外ながら
クラシック音楽界全般に詳しいので最新CT情報にも通じていて、JJ君の
名前を出す前に、「ポーランド出身の27歳の若手CTが話題」と、彼の噂は
知っていた。)
こういう出会いがあるのも、袖振り合うも他生の縁というか、一人旅遠征
の楽しさだ。

フランクフルトのFバス発着所は、中央駅脇の某日系ホテルの向かい。
各地方面へのバスが出ている。往きに乗ったバスはミュンヘン行きで、
復路に乗ったバスはオステンド行きだった。長距離バス乗り降りの難点は
発着所に屋根がないこと。雨降りだったら悲惨だ。

3年前にはまだ発展途上という感じだったが、ノウハウが蓄積できて以前とは
比べられないほど便利になってきているFバスには、今後またお世話になる
ことがあるかもしれない。



by didoregina | 2017-10-02 22:43 | 旅行


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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