Sailing to Venice その1 クロアチアのクルク島からイストリア半島のプーラ

2016年夏のセイリングは(自分の)ヨットでヴェネツィアに行く!というのが目的で、
中学生時代からの長年の夢がとうとう叶った。
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クロアチア北部クヴァルネル湾にある大きな島クルク島南部のプーナット港からヨットを
チャーターした。今回はフロティッラという船団ではなく、ベアボートといって自分たち
のヨット一隻のみでの2週間のセイリングである。クルーは我が家族4人で、甥と姪が一部
区間メンバーに加わった。
プーナットへはリエカ空港から予約してあったタクシーで40分ほどだ。タクシーの運転手
によると、昨晩までの数日は激しいボラ(クロアチアに特有の北東からの強風)が吹きま
くり、車の運転は危険なため道路や橋は閉鎖。もちろん飛行機の欠航も相次ぎ、今日到着
の私たちは相当ラッキー!ということだ。

目的地がヴェネツィアと決まった昨年末にヨットの出発港とヨットを探し始めた。
ヴェネツィアを含むフロティッラがほとんどないことと、クロアチアでのセイリングは10
回近くしていてほぼ全海岸を知っているのと、主な寄港地であるクヴァルネル湾やイスト
リア半島の港にも停泊経験があるのでベアボートとしたが、あまり不安はなかった。
ヨットはプーナット港のギャラントというチャーター会社の、ババリア37フィート・
クルーザーに決めた。キャビン3部屋で6人は悠々と乗れる。
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12月にヨットを選んで予約、チャーター料金半額を前払いし3月にヴェネツィアのマリーナ
に予約を入れたのだが、そこに思ってもみない落とし穴が待っていた。
ヴェネツィアのマリーナが、ヨットの大きさ、持ち主証明登録その他の詳細を訊いてきた。
今までマリーナに事前予約という経験がないので、そういうものかと思ってクロアチアの
チャーター会社に問合せると、「予約のヨットは2014年建造で、当時クロアチアはEU加
盟していなかったため、その船にはクロアチア海域以外への航行許可証がありません。
従って、ヴェネツィアに行くことは不可能です。」という返事ではないか。これがなんと
4月里帰りの飛行機乗り継ぎ途中で入ったメイルで、青天の霹靂。一気に暗雲が立ち込めた。

ヴェネツィアが目的でヨットをチャーターしたのに行けないとなると、全ての計画を立て
直さなければならない。オランダに戻ってからチャーター会社にその旨連絡、妥協案として
「2015年建造の同型ヨットならEU海域航行も可能です。現在、同じ時期にそのヨットの
予約が入っていますが、交渉次第では交換してくれるかもしれません。その代り250ユーロ
増しになります。」という返事。とにかく、少々高くなってもいいから、拝み倒してでも
交換してくださいと頼んだ。数日後、交換OKとの連絡がきて、胸をほっとなでおろしたの
だった。
しかし、危ないところだった。もしも、ヴェネツィアのマリーナに事前予約を入れてなかっ
たら、このことは現地に着くまで知らず、直前になってクロアチアから出られなくなって
いたのかもしれない。うううむ、納得いかない点は残るものの、問題は一つクリアできた。

納得いかないというのは、クロアチアのEU加盟は2012年であり、EU云々が理由なのであ
れば2014年建造の船でも2015年の船でも変わりはないはずである。
ただし、クロアチアは未だシェンゲン圏には入っておらず、国境ではパスポート・チェック
がある。

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クルク島プーナットから1日目のセイリングは35海里(約55キロメートル)。
ツレス島沿いに南下して、ロシニ島のイロヴィックという細長い入り江のブイに
係留。古城の前で快適。対岸の村には上陸せず自炊し、一晩ヨットで過ごす。

翌日の目的地はイストリア半島南端の都市プーラである。
実はプーナットからのクルーは、主人、私、長男、甥の4人で、次男と姪はユトレヒト大学
の所属クラブ創立何十年祭パーティ出席のため、土曜日出発が叶わず、月曜日にプーラで
合流することになっていた。
つまり、ボラが吹こうが何だろうが、月曜日にはプーラにいないといけないというプレッ
シャーがあった。
プーラには何度か行っているから不安はないものの、市内および近隣に3つのマリーナが
あり、さてそのどこに寄港して2人を乗せるのがよいだろうという問題があった。
一番いいのは町中のマリーナで、目の前がローマ時代の闘技場という絶景。しかし混雑が
予想され、場所が確保できるかどうかわからない。このことを出発前にチャーター会社に
話すと、マリーナに電話予約すれば?とのこと。そうか、そういう手があった。出発港内
ではヨットのWi-Fiもスイスイだったので、プーラ・マリーナにオンライン予約をした。
これで目的港が決まり一安心。
立地は町中だし、合流もしやすい。

この日もあまり風がなく、午後2時間くらい帆走したのみで、朝早く発ったが午前中ずっと
エンジンを使った機走。予約してあるから、マリーナにはあまり早く着く必要はない。午後
5時頃を目安にプーラに向かった。走行距離は45海里(約73キロメートル)だが、ヨットだ
と8~10時間かかる。

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プーラ市内一等地にあるこのマリーナは比較的小規模だから、フロティッラでは寄港しない。
ベアボートのよさだ。11年前に初めてここに舫って、目の前にある闘技場を肴に飲んだワイ
ンの味は忘れられない。
夜9時すぎに、空港からバスで町に着いた次男と姪もヨットに乗り込み、6人でまた自炊の
食事をとった。

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今回のヨット、ドリ号は、さすがに昨年建造されたばかりで新しく、なにより中も外も居住
空間が広いく快適なのと、様々な細かい工夫が要所要所にあってうれしい。ヨット・デザイ
ンも日進月歩である。
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by didoregina | 2016-08-19 18:25 | セイリング | Comments(0)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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