グラインドボーンにはゴージャスな訪問着がぴったり

わたしにとっての聖地であるグラインドボーンには何を着ていくか、は大きな課題だった。
一世一代の夢の晴れ舞台であるから、天候も考慮に入れつつ、気張って選ぶ必要があるのだ。
8月も下旬となると、イギリスは涼しい。ほとんど日本の11月のような気候である。
それで、夏着物はやめて、手持ちでは一番ゴージャスな訪問着と金糸の派手な袋帯という
組み合わせで行くことにした。
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日本では、年齢から言って、こういう派手な着物を着たら顰蹙を買うだろう。
しかし、グラインドボーンではお褒めの嵐・雨あられと称賛の的である。ここでは、
ゴージャスであればあるほど好ましいのだ。
曰く「民族衣装を誇り高くお召しになって素晴らしいこと!」「着飾った人が少ない
のは遺憾の極み」「華やかなお着物で会場に華を添えて下さりありがとう」等々。
わざわざ褒めるために来てくれる人たちや、すれ違いざまに「素敵!」と言ってくれたり
トイレで並べば、皆から感嘆される。
着物選びは大成功だったといえよう。



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ご一緒したロンドンの椿姫さんも、友禅の訪問着でゴージャスに。




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最前列中央席に座ったから、後姿も重要である。
髪飾りと、コサージュも帽子も手作りのカクテルハット。
帯も金糸の袋帯で華やかに。



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敷地は広大で、マナーハウス前から広い芝生の庭が牧草地、池などに続く。

そして、ここでは開演前および幕間での芝生の上でのピクニックが特徴である。

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会場のグラインドボーンには、車で行くか、電車でルイス駅まで行ってシャトルバスに
乗る。ピクニックの荷物もバスケット、クーラーボックス、椅子、テーブル、クロスに
カトラリーと食器まで持ち込むから、電車で行く人はもう大変だ。ロンドンのヴィクトリア
駅でこういう人たちを見かけ、まず度肝を抜かれた。ブラックタイにキャリーバッグや
ピクニック・バスケットという組み合わせの妙。




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芝生の上で、テーブルを組み立てる。テーブル・セッティングといっても文字通り
組み立てるところから始めるから大変だ。



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現地まで持ち込まずとも、椅子もテーブルもピクニックの中身も全部予約できる。
電車で行く場合は、それが無難だろう。でなければ、シートと毛布を芝生の上に敷いたり、
備え付けベンチの上でピクニック。ピクニックテーブルを予約しても好きな場所を選べる。
また、日本のお花見のように混み合ってはいないから、場所取り要員は不要である。
開演前にセッティングしたピクニック道具は、オペラの間中、外に置いたまま。
開演前1時間半と二度目の幕間1時間半にピクニックを楽しむのだ。
しかし、8月後半ともなると、外は寒いのみならず暗くなるのも早い。二度目の幕間に
芝生の上で食事をするのは暗いし寒いし、我慢大会みたいなものだろう。

それで、電車で行った私たちは、迷わずレストランの中での食事を予約した。


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今年、80周年を迎えたグラインドボーン音楽祭は、資産家のジョン・クリスティー氏が
妻のソプラノ歌手、オードリー・ミルドメイのために建てたオペラハウスでの公演が
もともとの始まりである。だから、ミルドメイの名前を冠したレストランで幕間には
食事をしたかった。
今回鑑賞したヘンデルの『リナルド』はバロック・オペラの通例通り、非常に長い。だから開演時間も通常より早く17時。そうしないと、ロンドンへ帰る電車に間に合わないからだ。
しかし、実際1時間ちょっとで3コースの料理を食べ終えられるのだろうか、という危惧は杞憂に終わった。予約したテーブルにはすでに冷たい前菜が置かれ、給仕はてきぱき、食べ終えるのを待つかのように次の料理がサーブされるし、お勘定もすぐに来た。


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敷地内には、イギリスらしい高低差のあるフラワー・ボーダーやガーデンもある。
自分の家にいるかのようにリラックスした態度で散歩できるのがセレブ気分である。




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オルガンルームは、クリスティー家のサロンの趣。

というわけで、開演の1時間45分ほどは顔見世よろしく優雅にそぞろ歩いて、皆さんに
着物を堪能していただいた。








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by didoregina | 2014-08-21 17:24 | 着物 | Comments(8)
Commented by 守屋 at 2014-08-22 02:51 x
こんばんわ。今年の夏は天気良いですが、寒くなり始めは例年とおり、でも飴が振らなくて良かったですね。お二人の着物が芝生にいい具合に映えて。
Commented by レイネ at 2014-08-22 04:15 x
守屋さま、涼しいのを通り越して寒いですよね。本当に、お天気には恵まれました。着物での芝生の上や庭園のそぞろ歩きも、皆さまに着物をよく見ていただけるようコートは脱いだので、お日様が出てたのがありがたかったです。
Commented by Mev at 2014-08-22 16:55 x
お二人とも美しい晴れ姿!!幸せのおすそ分けありがとうございました~。
Commented by レイネ at 2014-08-22 18:24 x
Mevさま、ありがとうございます。念入りな準備の甲斐ある、素晴らしい体験ができました。来年のグラインドボーンには一家そろって出かけようと夢見てます。。。。
Commented by ロンドンの椿姫 at 2014-08-23 05:50 x
楽しい一日でしたね! あんなに着物で褒めてもらったことないですよ。散々迷った着物コーデもお天気のおかげで理想的な華やかさとなり、夢のような時でした。ご一緒して頂いて、ありがとうございました。では、また来年ここで集合しましょう! 
Commented by レイネ at 2014-08-24 06:16 x
ロンドンの椿姫さま、本当に楽しく充実したパーフェクトな一日でした。おかげさまで、長年の夢が叶った幸福感に浸っています。ありがとうございました!来年はチケット争奪戦が厳しくなるかもしれませんが、ぜひまた行きたいと思いますので、しっかり計画を練ってベストの席が取れるようにしたいですね。
Commented by ろき at 2014-08-27 01:05 x
待っていました、グラインドボーン、レポート。のわりにチェックが遅れてますが。
楽しまれて何よりです。和服が晴れの場にしっくりなじんでいますね。
雨が降らなかったのも強運です。また来年もいいチケットが取れますように。
Commented by レイネ at 2014-08-27 03:31 x
ろきさま、もう一週間前になりますが、未だ夢さめやらずの気分です。
お天気に恵まれたのみならず、最前列中央の席が取れたし、日本からはVさんというエスコートがご一緒してくれて、出待ちも上手くいったんです。信じられないほどの強運続きでした。
来年のグラインドボーン演目も正式発表され、イエスティン君はヘンデルのオラトリオ「サウル」でダヴィデ役で出演。オラトリオなのに演出付きの新プロで、チケット争奪戦になりそうですが、特等席が取れるよう頑張ります!


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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