怒涛のカウンターテナー・ルネッサンス・イヤーを振り返る

「今年はカウンターテナー・ルネッサンス」宣言を行ったのは、今年2月8日の記事だった。
しかし正確に言うと、丁度一年前の12月17日が、わたしにとってのカウンターテナー・
ルネッサンス・イヤー元旦であったのだ。
すなわち、ケルンでヴィンチ作曲『アルタセルセ』を鑑賞した日である。http://didoregina.exblog.jp/19021085/

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その日から、めくるめくセンセーションと驚愕と出会いに満ちた一年が始まった。
その怒涛の一年を振り返ってみたい。

この『アルタセルセ』のCD録音および、ヨーロッパ各地での舞台形式およびコンサート形式
上演は、現在ヨーロッパで進行中のCT革命のマイルストーンとして21世紀音楽史上に残る
画期的出来事だった。
比較的マイナーなバロックオペラの全曲録音・上演であることに加えて出演歌手は男性のみ、
そして現在注目すべき若手実力派カウンターテナー5人が出演したのだった。フィリップ・
ジャルスキー、マックス・エマニュエル・チェンチッチ、フランコ・ファジョーリ、ヴァラール・バルナ=
サバドゥス、ユーリ・ミネンコ。
(同様の先例としては、男性歌手のみ出演しかも若手カウンターテナーが9人登場して、
クリスティー指揮、ラザール演出で、ランディの『聖アレッシオ』がすでに2007年にカーン、
パリなどで上演されているが、わたしは未体験)

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ケルンでの『アルタセルセ』公演は、当初の予定とは変わって、コンサート形式での上演と
なった。舞台形式でないことを残念に思ったのだが、実際に鑑賞してみるとコンサート形式だと
歌唱に集中できるからそれはそれで悪くないのだった。

カウンターテナーの声と歌唱は、録音を聴いただけでの判断は禁物だ。
生の舞台で見て聴いて、ようやく個性が発見できたりよさを納得できたり欠点もわかるものだ。
その際、CTが1人だけ登場するオペラよりも複数登場のオペラの方が、比較対象が多くなって
面白さの度合いはずっと高まる。
また、舞台上ではCT同士の間で、ある種のライバル意識も働くため、単独の場合よりもずっと
素晴らしい歌唱を披露するということが往々にして起こる。
個々のCTの個性がぶつかり合って炸裂するのを眼にし耳にする醍醐味!
彼ら若手CTは、いずれ劣らぬ実力を誇り、つい数年前までは考えられないほどの多様性を
見せる。技術の進化した、現在のヨーロッパにおける最新CTの姿がこのプロダクションでは
まとめて堪能できるのである。


TV放映された『アルタセルセ』舞台の全編ヴィデオ。


              キッチュで安っぽくケレンミ溢れる演出でバロックオペラの本質抽出。



そして、2月には、ヘアハイム演出によるヘンデルの『セルセ』をデュッセルドルフで鑑賞した。
http://didoregina.exblog.jp/19232452/



2011年にウィーンで、マレーナ・エルンマン主演、スピノジ指揮、エイドリアン・ノーブル演出の
『セルセ』を鑑賞しているので、デュッセルドルフでのヘアハイム演出のタイトルロールをCTの
ヴァラール・バルナ=サバドゥスが歌うことに興味津々だった。
マレーナ様とサバドゥス君の声はよく似ていると思う。彼の声、特に高音は、表面を覆う膜が
引き伸ばされて薄くぴんと張った感じで、ストレートに響く美しいメゾそのもので耳に心地よい。
そして、核に男性的な野太さを感じさせるのだが、全体のテクスチュアにマレーナ様の声と
共通する部分が多い。肺活量が多そうなのは、男性であるCTの長所か。
マレーナ様のズボン役は、実際に舞台鑑賞すると驚愕するくらい、姿かたちも態度も演技も
男性そのものになりきり、他のメゾ歌手の追随を全く許さない。
セルセ役をCTが歌うことは稀なのだが、サバドゥスの自然な高音がそれを可能にし、
若さと舞台映えするルックスも相まって、マレーナ様セルセと拮抗する出来栄えだった。
ヘアハイム演出のスラップスティックそのものの舞台、Xerxes=Sex Rexという設定では
CTの方が無理がなく、彼は正に適役。
弟アルサメーネ役がやはり若いCTのテリー・ウェイで、サバドゥスとはいいコンビであった。


サバドゥスは、夏のエクサンプロヴァンス音楽祭でも、カヴァッリ作『エレナ』のメネラオ役に
抜擢された。爽やかな歌唱が印象的で、将来有望株No.1であることを再確認した。
(TV放映のみの鑑賞だったが)

TV放映された『エレナ』の全編。





7月には、アムステルダムのDNOでブリテンの『ヴェニスに死す』を鑑賞した。
http://didoregina.exblog.jp/20490829/

この作品に登場するCTは1人で、アポロ役のティム・ミード。生の彼の声を聴くのは初めてだ(と思う)。
しかし、このオペラはブリテン作曲ゆえかほぼテノールの独り舞台という趣で、CTの歌唱および登場
部分は予想以上に少ないため、ミードの歌唱はノーブルでストレートでいかにも英国系CTらしい
なあ、という程度の言うもがなの感想しか持たなかった。
初めて鑑賞するこの作品そのものにも演出にもとてもハマったのに、CTにはさほど特別な感慨を
抱かなかったのは、歌手のせいなのか、それとも、あまりに濃いヨーロッパ大陸(および南米)の
CTに耳や感覚が慣れてしまって、淡白な英国人CTの歌唱があっさりしすぎで物足りなく感じたの
かは、定かではない。

演出のウォーナー女史のインタビュー入りトレイラー。スカラ座公演でのCTはイエスティン・デイヴィス。






9月には、アムステルダムのコンセルトヘボウで、コンサート形式のヘンデル『アレッサンドロ』。
http://didoregina.exblog.jp/20785631/

これも『アルタセルセ』同様、今を時めくパルナッソス・アート・プロダクションズによる製作だ。
ラング氏主宰のこの事務所は、近年、若く優秀なCTを集結させて、比較的マイナーなバロック・
オペラの全曲録音やその舞台化などに意欲的に取り組んでおり、CTルネッサンスもこの事務所
抜きにしては考えられない。ヨーロッパのCT界最先端を牽引しているのである。

こちらは、一年前に録音されたCDプロモーション用トレーラー




出演のCTは、マックス・エマニュエル・チェンチッチ、シャビエル・サバタ、ワシリー・コロショフ。
個人的な好みではあるが、主役で花形歌手であるチェンチッチの成熟しきった声と歌唱よりも、
サバタの温かみを感じさせる豊かな低音からリリカルな明るさのある高音まの幅の広さ、そして
会場全体に届くプロジェクションに感嘆させられた。やはり、CTの歌唱は生で聴いてナンボ、
そして複数のCTが同じ舞台に立つことで個性の比較が容易にできて楽しさ倍増だということを
再確認したのだった。



特にCTが重要な役を演じたわけでははないが、バルセロナで鑑賞した『アグリッピーナ』にも
オットーネ役でディヴィッド・ダニエルズが出演していた。
http://didoregina.exblog.jp/21059013/



この動画をご覧いただくと、CTの新旧の違いが一目瞭然であろう。
ダニエルズ氏は、アングロサクソン系CT旧種の代表格と言える。ファルセットのようにしか聞えず
(「女の腐ったような声」と形容した人もいる)、変化に乏しい歌唱で、パワー不足の感が否めない。
一昔前のCTのイメージそのものである。
ただし、氏の名誉のために付け加えると、リセウでの実演で接した彼の歌唱は、この動画ほどは
酷くなかった。会場の音響が良かったせいだろうか、豪華キャストの中で彼一人が足を引っ張るの
ではないかと恐れていたほどではなく、ホッとしたのであった。



バルセロナ遠征から戻って間もなく、わたしにとってのカウンターテナー・ルネッサンス・イヤーに
急展開が起こった。
イエスティン・デイヴィスとの出会いである。
ヨーロッパのCT達とは全く異なる進化を遂げた、イギリスのCTを再発見することになったのだ。
(パーセル3曲とブリテンの『カンティクルズ』コンサートの英文記事を書いた。)
http://didoregina.exblog.jp/21023113/

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バロック・オペラおよびCTを熱く語る、(在欧)日本人とヨーロッパ人から成るコミュニティーに日夜
浸っていると、イギリスやアメリカでのCT動向に疎くなる。CT先進圏の真っただ中にいるものと
思い込んでしまうからだ。
そして、もともとヨーロッパ大陸と、英米というアングロサクソン国とではCTのキャラクターも大きく
異なっているのだ。
ヨーロッパでは、バロック・オペラには欠かせない存在だったカストラートの再来を思わせるような
装飾や色彩感に溢れた、ベルカント様式を感じさせる歌唱を、男性ならではのパワーで聞かせる
実力を持つ頼もしい新CT種が百花繚乱のごとく咲き誇っている。
それに対して英米のCTは一般的に、聖歌隊出身であるためか清廉で上品だが、色気の足りない
歌唱が主流のように思われる。
これら両者をいっしょくたに語ることはできない。CTと言えども、ほとんど異なるカテゴリーに属して
いるからだ。
その違いを、友人の言葉を引用しつつ例えると、「ヨーロッパのCTは金銀使った彩色写本の趣で、
英米のCTは石に彫ったローマ字体のようだ」
前者は、直射日光を避けた修道院の図書館で見ることができる写本の彩色が施されて装飾で
飾られた文字のどこか隠微な匂いのする人工的な美しさで、後者は、楷書体のようにストレート
かつシンプルだが外光の下で映える健康的で端正な美しさである。

そして、いつの間にか、イエスティン・デイヴィスは、ヨーロッパのCTとはまた別の方向ではあるが、
新種CTらしい進化を遂げていたのだ。


彼を意識して聴いたのは、2011年のウィーンでの『狂えるオルランド』でルッジェーロ役を歌った時
だった。http://didoregina.exblog.jp/17015440/

その衝撃は忘れられない。いわゆる教会系のケレンミのないストレートさで勝負の歌唱なのに
しっかりと男性的かつパワフル、安定したプロジェクションで声はびんびんと飛んでくる。
ボーイッシュな澄んだ高音から中音域・低音まで滑らかに繋がり、アジリタも気持ちよく、かつ、
歌心に深みを感じさせるのだった。これぞ進化したCTの理想の声と歌唱ではないかと思った。
なんとなくお行儀のよすぎるようなイメージだった彼と、ヴィヴァルディ(およびスピノジ指揮)との
相性の良さも意外だった。

2006年録音のヴィヴァルディ『グリゼルダ』から、イエスティン・デイヴィスの歌うコッラードのアリア
Alle minacce di fiera belva



しかし、彼の場合、その後出演したオペラ・レパートリーに現代ものが多かったことと、活躍の場が
イギリス、アメリカ、もしくは南ヨーロッパであることが多かったので、実演に遭遇する機会がなんと
2年間なかったのである。その間、彼は、メトロポリタン歌劇場のブリテンのオペラ『真夏の夜の夢』で
主役を張るくらいに成長していた。

ブリテン作曲『カンティクルズ』のヴィデオ・リンクを張るので、ご視聴いただきたい。
http://www.theguardian.com/music/video/2013/nov/20/britten-centenary-the-canticles-video

ティペット、ブリテン、アデスによる編曲によってかなり現代的な味付けとなり、わたしの舌には
馴染みがないほど変貌していたパーセルの3曲とカンティクルズ2曲を彼が歌うのを聴いて、
ボーイッシュという形容を使うのはためらわれるほど大人っぽい深みのある声で、高音にも
男性らしさが混じっているし、熟成された中低音の美しさに新たな衝撃を受けたわたしは、
コンセルトヘボウに続いて、二年間の空隙を埋めたいという念に駆られ、ブリュッセルのモネ
劇場に同じプログラムを聴きに行ったのであった。

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年の終わりに近づいてから思わぬ新発見に巡り合うことのできた2013年は、わたしにとってまさに
センセーショナルなCTルネッサンスの一年だったのだ。
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by didoregina | 2013-12-19 16:32 | カウンターテナー | Comments(18)
Commented by ロンドンの椿姫 at 2013-12-20 08:53 x
私が一人でキャーキャー言ってたイエスティン君をレイネさんにも気に入って頂けて、とても嬉しいです。「英米の」と括られるとDダニエルズと一緒にされそうで嫌ですが、イエスティン君はイギリスでは人気がぐんぐん上がり、最近はかぶりつき席をゲットするのが困難になってきてます。でも、3月にご一緒できるオペラは舞台に近い席ですから、楽しみですね。
Commented by アルチーナ at 2013-12-20 09:15 x
この1年の中にはデュモーを聴く機会がなかったのですね。でも、あと一ヶ月ほどで。。。一年の総括をするのはちと早かったかもしれませんが(笑)年末ですし、アルタセルセから数えると丁度1年ですし。デヴィッド・ダニエルズ、生では聴いた事が無いので声の存在感などはわからないのですが、古い録音を聴くと良いなと思いますし、今をときめくCT達からは一目置かれてますよね。あの世代ではオペラが歌えるCTとしてはやはり注視に値する歌手ではあったのだろうと。。。やはりメータは例外で、CTは声の衰えが早いのでしょうか。。。(涙)
Commented by Mev at 2013-12-20 16:27 x
こうしてみると、絢爛豪華なCT鑑賞イヤーでもありましたねえ!レイネさんと半分以上同じものを聴いているので、大きくうなずいております。(そういえば、私はメータのWritten on Skinを聴きましたが、これは衝撃的でした。彼は仰るとおり特別だと思います。)
Commented by レイネ at 2013-12-20 16:45 x
ロンドンの椿姫さま、あら、貴ブログのイエスティン記事には以前からいつもコメントしてキャーキャー言ってましたよ、わたしも。とにかく生舞台が少ないので、くヨーロッパでのイエスティン君の知名度は、かなり低いと思います。彼が出演したオペラって、CT好きバロック・オペラファンからはあんまり相手にされない(現代)ものが多いのと、ヨーロッパでは異なるタイプの新人類CTが綺羅星のようにいて活躍中なので。先週のブリュッセルのコンサートがモネ・デビュー、それもパドモア・リサイタルの共演者扱いだったんですよ。イギリス、そしてアメリカでの状況とは雲泥の差です。
3月のオペラ、本当に楽しみです。彼の演技観るのも。
Commented by レイネ at 2013-12-20 16:56 x
アルチーナさま、『アルタセルセ』@ケルン一周年を記念して、一年間のまとめ記事にしてみたんです。〆がイエスティン君という意外な展開に驚いたこともあって。そうなんです、一番贔屓にしているデュモーの生には接する機会がなかったんです!一番悔しいのは、ケルンでの『時と悟りの勝利』ユリアちゃんとの共演を聞き逃したこと!選手のサイト、スケジュールのアップ・デートがほとんどないので、直前に知ったのですが行けませんでした。DD氏って何歳?メータと同じくらいかな?でも、やっぱり昔のトレーニング・メソッドとテクニックだと衰えが早いのも仕方ないですね。若手CTの声の寿命を考えるのってとても怖い。。。。
Commented by レイネ at 2013-12-20 17:05 x
Mevさま、そう、ご一緒したり別の日だったりしても、ほとんど同じオペラやコンサートに行ってますね!リストアップしてみると、たったこれだけ?というほど少ないのが意外に思えるほど、濃い充実のCTイヤーでした。
Written on Skinは、ヨーロッパ各都市で異なるCT出演の公演があったので、どれか一つは行けるだろう、という消極的姿勢だったのが敗因で、結局アムスのメータのも見逃し。先月パリでイエスティン君が出演してたのにも。。。
Commented by sarai at 2014-01-08 15:26 x
レイネさん、このCTルネッサンスのまとめは凄い充実ぶりですね。知っている人はあまり、いません。ご推奨いただいたフランコ・ファジョーリのコンサート(ザルツブルグ精霊降臨音楽祭)、残席が少々ありましたので、ばらばらの2席を購入しました。フランコ・ファジョーリはこれからチェックしてみます。
バルセロナのリセウのカーセン演出の《ワルキューレ》、あまりの配役の素晴らしさに思わず、チケットをぽちっと購入してしまいました。フォークト+カンペのほうです。
結局、レイネさんの誘導のとおりになりました。これって、完璧?(笑い)
また、情報があれば、よろしく。《ワルキューレ》ついでに、ウィーンでも《神々の黄昏》も聴こうかって思っています。
Commented by レイネ at 2014-01-08 22:22 x
saraiさま、なんと、ザルツブルクのファジョーリのコンサートチケット取られたんですね!よろこばしい限りです。私の周りには彼の濃~いファンが多いのですが、実際にザルツまで行ける人は限られてるので、私たちの代りにじっくり聴いてきてください!彼は別名、男バルトリですから、一般的CTよりもずっとベルカント寄りなので、特にCTファンでなくともお気にいるのではないかと思います。1月18日にドルトムントで、カルダーラのマイナーオペラにファジョーリが出演。世界初録音を兼ねたライブ・コンサートを聴きに行きます。
そして、結局バルセロナにも行かれるとは、完璧です!こちらも羨ましいです。誘導大成功。また、ツボにはまるものが見つかったら推奨させていただきますね。
Commented by M. F. at 2014-01-11 01:33 x
カーン劇場の《聖アレッシオ》はDVDになりましたが、まだウェブ配信など珍しかったころにFrance2だか3だかのサイトで見ることができて、音楽とともにラザール演出の幻想性に魅了されたことを覚えています.あれも小柄でどこか女性的なジャルスキがとても合っていましたね.クリスティ自身もEratoへの録音では題名役のプチボンはじめマルティオを除いて女声を使ってましたからエポックメイキングだったと思います.尤も結構カットがあるらしいのですが、楽譜を持ってない(さすがにimslpにはない)ので確認できず.バルナ=サバドゥスはフランクフルトのラ・カリストの折に聴いている事が判明しましたが、作品に疎かった事もあってほとんど覚えていません.

そういえば話は逸れますが、ペーテル・エトヴェシュの最初のオペラ《三人姉妹》(1997)は主役3人をカウンターテナーが歌うという趣向でしたが、リヨンとパリでの初演(天児牛大演出)以降女声で代用する上演がほとんどの気がします.
Commented by レイネ at 2014-01-11 08:22 x
M.F.さま、ラザールは来月カールスルーエでヘンデルの『リッカルド・プリモ』を、蝋燭を照明に使ったHIP舞台演出します。しかもファジョーリが出演!見に行ける人が羨ましい。映像化またはMEZZOかどこかで放映してくれたらいいんですが。
サバドゥス君もラ・カリストに出演してたんですね。このオペラにはCTが何人か出演するんですが印象に残らないんですよね。わたしも数年前にモネで見たんですが、エンディミオーネ役のザゾだけしか舞台で追っていなかったので、なんとチェンチッチが出演していたのに、全く覚えていないという。。。

エテヴェシュの『三人姉妹』をCTが歌うって、キワモノっぽさが前面に出されていそうな感じですね。そういう危ない感じのCT起用というのは最近は流行らないのでしょう。それよりも、メゾがズボン役で歌ってきたけどもともとはカストラートのために作られた男性役をCTが奪回しているというのが最近の風潮で、先祖返りというか正統的な器用ですよね。それを可能にさせるほど増えている若手CTのテクニックの向上と活躍が喜ばしく、それを追うのは非常にエキサイティングなんです。
Commented by M. F. at 2014-01-11 16:49 x
ラザールがリッカルド・プリモですか、ヘンデルは初めてなのではないでしょうか?何となく微妙に合わなさそうに思うだけに、逆に見てみたくもあります(笑)いつも思うのですが、蝋燭を大量に点すと歌手の喉には悪くないのでしょうか?
ザゾは現今の新進に見られるCTならではの妖艶さよりは、ソフトな声が良いですね.ニケ=コンセール・スピリチュエルの演奏会形式《テオドーラ》ディディムスで聴いたのみですが、普通に20時始まりで終電を非常に気にしたら、第3幕は大半カットであっさり終わってしまい拍子抜けしたのを覚えています.

エトヴェシュのオペラは確かに意外性を狙ったのでしょう…ベンジャミンのWritten on SkinでもCTが使われていましたがもっと自然な感じでしたね.
Commented by レイネ at 2014-01-13 19:16 x
M.F.さま、カールスルーエのラザール演出蝋燭ショー『リッカルド・プリモ』は、早くに売り切れになったようで、実演鑑賞できないのが悔しいです!蝋燭にもいろいろあるから、歌手の喉への影響はどうなんでしょうね。アロマ使ったりして?液体パラフィンとかもあるし。
ザゾは、いい意味でのアングロサクソン系CTの典型だと思います。自然できれいな声で男性的清潔感が漂うけど、隠微な隠し味がまったくなくて物足りないという。ヘンデルには向いてますね。

Written on Skinの実演見逃しが痛恨なんですが、なんとコンサート形式でティム・ミードが5月に歌うことを発見して、遠征しようかどうか悩んでます。
Commented by 守屋 at 2014-01-18 07:36 x
こんばんわ。ロイヤルでの「リトゥン・オン・スキン」、DVDで発売になっているようですね。今日のタイムズにレヴューが掲載されていました。4つ星です。
Commented by レイネ at 2014-01-18 08:31 x
守屋さま、DVDはROHで収録されたものなんですね。Mezzoかどこかで放映されたのはたしかエクスアンプロヴァンスでの録画だったと思うのですが、いつでも見られると思っていまだに観てないんです。どちらもCTはメータですね。昨年11月のパリでの公演(イエスティン君!)の音声だけのは聴きました。動画がないとちょっと詰まんないですけど。
Commented by 守屋 at 2014-01-18 16:09 x
おはようございます。あのオペラは、動きが無いとちょっときついかもしれないですね。周辺情報ですが、椿姫さんが速報してくださったバービカンの演目で、ハニガンの指揮・歌唱が2015年5月に組まれています。また、作曲者のベンジャミンも注目を集めています。というのは、現在エリザベス女王の作曲家(タイトルど忘れ)であるピーター・マックスウェル・デイヴィスが3月でそのタイトルを返上することを公言していて、その後継者候補の一人としてベンジャミンの名前が取り上げられています。ただ、女王を始め王室メンバーが彼の作曲スタイルをあまりお好みではないらしいとの話もあるそうです。

 同じバービカン情報で、イェスティンが10月4日にバービカンの「ポッペアの戴冠」のオットーネにキャストされています。競演は、アントナッチとコノリィです。
Commented by レイネ at 2014-01-18 19:55 x
守屋さま、ベンジャミンのあのオペラ、音楽も結構美しいと思いますが、やはり舞台鑑賞してナンボなんでしょうね。ハニガンは今年コンヘボでも歌い振り(指揮)デビューします。プログラムは憶えていませんが。。。

バービカンの来シーズン情報はもちろんすでに知ってますよ。10月4日の『ポッペア』は好きなオペラだし贔屓歌手総出演ですから、当然ロンドンに遠征します。(Vermeerさんへのコメント返しでも言及してます)
アントナッチとサラ様なんて、熟女同士の面白い組み合わせだし、ダニエルちゃんは出ないし、イエスティン君のオットーネなんて最高です。守屋さんも行かれます?
Commented by M. F. at 2014-01-19 01:15 x
ジョージ・ベンジャミンはメシアンの最後の弟子ということで、嘗てIRCAMで制作したパンパイプ協奏曲アンターラ創作のドキュメンタリー+本番演奏映像が制作されましたがソフト化してほしいです.在りし日のメシアンが出てきて、彼はモーツァルトのように何でも聞こえるのです、みたいな事を言います.Nimbusから出ているロンドン・シンフォニエッタの優しい演奏もいいですが、EICのどこかストイックな演奏が好きでした.フルート独奏は現在も同アンサンブルに所属するソフィー・シェリエとエマニュエル・オフェール、パンパイプ等の音はサンプリングして微分音で弾けるようにしてあり、そのヤマハDX-7の独奏がエマールと野平一郎でした.
マーティン・クリンプとの第1作《Into the Little Hill》をパリ・オペラ座のアンフィテアトルに観に行ったのも思い出.アヌ・コムシとヒラリー・サマーズに今回もアムス公演を指揮したフランク・オッリュ指揮アンサンブル・モデルン、前座でガース・ノックス(元アルディッティQヴィオラ)とジュヌヴィエーヴ・シュトロッセの弾いた《ヴィオラ、ヴィオラ》が忘れ難いです.
Commented by レイネ at 2014-01-20 09:31 x
M.F.さま、ベンジャミン・ファンでもいらっしゃるんですね。なるほど、メシアンの弟子とは、なんとなく思い当たるような、全然別タイプのような。。。ご教示いただいたもの、全く知りませんでしたので、この機会に聴いてみたいと思います。ありがとうございます。
ミュンヘンで『ラ・カリスト』をご覧になったGさんによると、ティム・ミード最高!とのことなので彼が歌うWritten on Skin(ベンジャミンが指揮)聴きに遠征してしまおうか、とも。でも、遠征って、やっぱり歌手のキャンセルがあるから怖いというのを実感してしまいましたから。。。。。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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