マルコ・ビーズリーによる真夜中の物語 Il Racconto di Mezzanotte

マルコ・ビーズリーのあの特徴ある声が大好きだ。テノールでは彼ほど気に入った歌手が他に
思い浮かばないほど。
ようやく、その彼のリサイタルに行くことができた。オランダ・ベルギー各地12か所で行われた
真夜中の物語ツアーの千秋楽だった。

c0188818_1944970.jpgMarco Beasley
Il Racconto di Mezzanotte
2013年10月27日 @Studentenkapel Eindhoven

Severino Corneti (1530 - 1582)
Pigliate l'alma mia (uit: Canzonette alla napolitana, Antwerpen 1563)

Anoniem
Le sette galere (traditioneel lied uit Corsica)
Pizzica tarantata (traditionele dans uit Apulië)
Nycholay sollempnia (uit: Ms. Cividale, cod. LVI, begin 14de eeuw)
Kyrie cunctipotens (gregoriaanse trope, op tekst van Roccu Mambrini)
Deus ti salvet Maria (traditioneel lied uit Sardinie)

Guillaume Dufay (1397 - 1474)
Vergine bella (uit: Ms. GB-Ob, Canonici misc. 213)

pauze

Anoniem
Eufrosina (uit: Fillius Getronis; Livre e Jeux de Fleury, Orléans MS 201)

Marco Beasley
Il Centurione, forse (scheldirade naar een traditioneel lied uit Apulië)

N. Acquaviva / T. Casalonga
Lamentu a Ghjesu (op tekst van Roccu Mambrini)

Anoniem
Magnificat (gregoriaanse paraphrase)

Severino Corneti (1530 - 1582)
Signora mia (uit:Canzonette alla napolitana, Antwerpen 1563)

Marco Beasley
Tu dormi (naar een frottola van B. Tromboncino, 1470 - 1535)

Anoniem
Jesce Sole! (smeekbede op Napolitaans kinderrijmpje)

c0188818_19485462.jpg


コンサート会場は比較的こじんまりした教会で、とにかく開場と同時に入場して一列目の席を
確保したのが幸いして、目の前1メートルほどの距離で彼の語りと歌を聴くことができた。
たいがい自由席である教会でのコンサートでは、場所選びが重要である。音響がいったいどう
なっているかは(残響の長さと反響の仕方など)、実際に聴くまでわからないから、なるべく
前の方に座って、直接の音をじかに聴くのが安心である。また、特にステージを設置しないことが
ほとんどだから、遠いとよく見えなくてイライラするし、柱の陰になったりする席もある。

プログラムは、中世からルネッサンスのイタリアおよびフランドルの伝統音楽(民謡)および教会
音楽なので、会場が教会というのはいかにもふさわしい。
ステージ代わりに、歌手の立ち位置辺りの床には、一面に電池式の豆電球のロウソクが置かれて、
ニセの炎がまたたいている。夜の雰囲気演出のためである。
真夜中の物語と題しているが、この日のコンサートはマチネであった。

そして、これらの曲を全くのソロで伴奏もなくアカペラで歌いつつ、合間には英語で曲の説明をしたり、
真夜中の物語をイタリア語で朗読するという具合で、大変に内容の濃い独り舞台であった。
こういう形式で、パワー全開のコンサートを行い、しかも客席が至近であるから、大変な集中力を要
すると思うのだが、歌唱には力んだところがなく、滑らかで耳に心地よい。
ストーリーテラーでもある彼の面目躍如だ。

歌われたイタリア民謡はほとんんど南部のものであるから、彼独特の粘りのある歌い声によく合い、
伸びもよく、重くならない歌唱と相まって、思い出したのは、この夏、エオリア諸島で食べた美味しい
ピザの台である。
かみごたえがあるのになんとも言われぬ軽みと味わいもあり、病みつきになってしまう。それが、彼の
魅力である。



教会なので、出演者の楽屋はキッチンで、一つしかないトイレも客と共用。公演前にビーズリーと
すれ違ったのだが、彼がとても小柄であることにびっくりした。オランダ人と比べてはもちろんのこと、
わたしよりも小さいのだ。
ずんぐりむっくりした体型だが、姿勢はとてもよく、発止と見張る目線が力強い。さすがのオーラが
漂う。

コンサート・ツアーの前後には、ラジオやTVにも出演して、インタビューのみならずスタジオでも
アカペラの歌唱を披露してくれていた。すごいバイタリティーだ。



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by didoregina | 2013-11-01 12:01 | コンサート | Comments(2)
Commented by さわやか革命 at 2013-11-03 11:57 x
伴奏もなくて完全ソロだったのですか! それはすごい。聞きたかったですねえ。
来日公演では、二度目の時は彼の声の調子が悪くて残念無念でした。また来てくれればいいんですけど。
Commented by レイネ at 2013-11-04 01:24 x
さわやか革命さま、そうなんですよ、全くのソロ、完全独り舞台でした。教会が会場だし、語りと中世やルネッサンスのわりと厳かな歌で構成されているので、彼が司祭のミサに与ってるような感じでもありました。オランダにはよく来るようです。日本にも行ってもらいたいですね。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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