ポンペイにて

金曜日にナポリ空港到着後、どこに行って何をしてどこに泊まるか。
翌日夕方にサレルノでヨットのチェックインするまで、1日半の時間がある。
いろいろと候補があって、悩んだ。
ポンペイは絶対に外せないし、位置的にナポリからサレルノに行く丁度途中にある。
荷物の問題もある。遺跡観光中、ホテルかどこかで預かってもらわないといけない。
一番無駄のないルートと荷物預かりの件を勘案して、ナポリ観光も宿泊もせずに素通りして、
ポンペイに宿泊することに。翌日朝一番に遺跡入場するために、程遠からぬB&Bを予約した。

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             ポンペイの民家の庭に実るレモンは、ボンタンのような大きさ!

ポンペイでは、ホテルやB&Bが安い。朝食が豪華と評判のところを選んだのだが、確かに、イタリア
らしからぬ内容の朝食で満足できる。フレッシュ・フルーツ・サラダ、オーブンで焼きあがったばかり
のペイストリー各種、ヨーグルト、ジュース、コーヒー各種、チーズ、ハム、サラミ等がテーブルに
運ばれてきた。
冷房のよくきいたツイン・ルーム(各部屋にシャワー、トイレ付)が50ユーロ。一人25ユーロでこの
内容はお得だ。

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             翌朝、サレルノのハーバー桟橋で、チャーター会社による朝食サーヴィス。
             ヨットのチャーターは15回以上経験しているが、朝食が出たのは初めて。
             クロワッサンのようなパンにクリームやチョコレートが挟んであったり、貝の
             形をしたパリパリのペイストリーなど、ポンペイでのB&Bも同じだった。
             桟橋の簡易テーブルにクロスをかけ、エスプレッソ・マシンまで設置。


夏の遺跡観光は、なるべく朝のうちに済ますことが肝心だ。昼頃からは日陰がなくなる。
入口(チケット売り場とは別)のインフォ窓口で無料マップをもらう。
オーディオ・ガイドを借りる。遺跡は、町そのものだから広大なので、マップとオーディオガイドで
ポイントを絞った観光ができる。

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                          バジリカ跡

なるべくマップに記された番号の順番通りに、家族4人が離れ離れにならずに観光しようとするが、
オーディオ・ガイドの説明を聴いていると次々に別の見どころが出てくるし、各人のテンポや好みが
異なるので、一緒に見て回るのは結構難しい。

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                        ユピテルの神殿


マリナ通りには壮麗な神殿やフォロなど大きな広場が多く、説明も多くなる。
もうすでに、このあたりでバラバラになってしまったので、主人が号令をかけ集合する。

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                       アポロの神殿とアポロ像

アポロ像の実物は、ナポリの博物館にあるようだが、このつやつやしたおしりの後ろ姿が美しい。
頭の形とショールのようなまといものを持つポーズと相まってまるで女性のようにも見えるが、腿や
ふくらはぎの筋肉がやっぱり男性だ。


メインの大通りから北に行くと、民家の内部が見学できる。食堂や台所、風呂場やサロンなど、
床のモザイクや、壁や台座の装飾なども凝っていて、爛熟した文化の気配が。

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              学生らしき人たちが崩れた遺跡の修復か調査を行っていた。


町はずれの豪壮な墓地のある通りを通り抜けて、北西に建つ秘儀荘に向かう。
ポンペイは、今年に入ってまた大規模な修復工事中とのことで、ここが閉まっていたら嫌だなあ、
と心配していたが、入れない部屋もあったが、目的の壁画は見ることができた。

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ディオニッソスの秘教に入信する若い女性。期待と不安の入り混じった表情。


バッコスの信女を自任しているから、ポンペイの秘儀荘の壁画を見ることは長年の夢だった。
まず、外から窓に縦に作られた木の日よけブラインドみたいなもの越しに壁画を見る。
遮光と暗さと光を自分で調整しながら、秘儀の行われる部屋の中を覗き見するという按配で、
隠微な趣がある。
部屋の中には入れないが、ぐるりと回ると部屋の入口までは来られる。そこで3面に描かれた
壁画を拝観。感嘆して、思わず拝みたくなるほどだ。
いわくありげなポーズでストーリー性に富んだものなのだが、部屋は暗いし、ディテールは美術書
その他で見た方がわかりやすい。
ポンペイの町からも、それから人々の表情からも、とてもギリシャ的なものが感じられるのだった。

秘儀荘の外に出ると、屋根越しにヴェスヴィオ山が真近に迫る。この距離で火山が爆発したら
助かりっこないよね、と思わず納得。
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by didoregina | 2013-08-14 10:11 | 旅行 | Comments(8)
Commented by fumieve at 2013-08-14 18:06
こんにちは。やはりポンペイにいらしたのですね。よかった!やはり生で見るのは全然違いますので・・・。
「クロワッサンのようなパンにクリームやチョコレートが挟んであった」、これはイタリアの一般の朝食、
「貝の形をしたパリパリのペイストリー」、これはナポリの名物お菓子です!あのあたりだと朝食にも出るんですよね。これもどちらも味わっていただいてよかった!
Commented by レイネ at 2013-08-14 18:42 x
fumieveさま、ナポリからどこに行こうかと悩んだ日程作成ではお世話になりました。そして、ポンペイは予想以上に面白かったです。遺跡としての残り方が他のどことも違って、当時の生活感が充満してますね。

貝の形のパイみたいなのがオーブンからそのまま出されたB&Bの朝食はよかったし、ジェラートやグラニータにブリオッシュを組み合わせるというのも珍しく、美味発見がいろいろできました!
Commented by hbrmrs at 2013-08-15 22:13 x
イタリアの朝食って、やたら甘いパンが多くて、朝からもたれませんか?(笑)

ポンペイ、懐かしいです。離ればなれにならないように気をつけなければならないのは、そのとおりです。私は友人と一緒に行って、その友人とはぐれてしまいましたから。
Commented by レイネ at 2013-08-16 05:58 x
hbrmrsさま、甘いパンというよりお菓子ですね、あれは。塩の入っていない固いパンよりは数十倍うれしいけど、毎日だと飽きるかも。

ポンペイは、本当に広大なのにびっくり。もともと町だったわけだから当然なんですが、通りに家や劇場や神殿などが並んでいて、全体の見通しがきかないから、同行者とはぐれたらアウトですね。
Commented by Mev at 2013-08-21 00:34 x
おお!ポンペイは一度は行ってみたいです。シチリアと同じくらい行ってみたいです~。
続きを拝読しなければ。
Commented by レイネ at 2013-08-21 03:44 x
Mevさま、さすがにポンペイのインパクトは大きく、今まで行ったどの遺跡と異なる生々しさを感じました。
わたしも、シチリア本島に行きたい!と思っています。
車での旅行なら、クロアチアのイストラ半島もおすすめ!チッチと社長も毎年のように行ってるようだし。。。
Commented by 守屋 at 2013-09-28 22:22 x
こんにちは。今朝、大英博物館でポンペイ展を観てきました。照明が暗すぎて全く楽しめませんでした。やはり、現地に行くべきですね。

 ちなみに、大英博物館にはほとんど足を踏み入れたことはないのですが、来月から始まる「春画展」を効率よく観るために年間会員になりました。春画展がどれほどに人気を博すか判りませんが、5回くらい行けばもとは取れそうなので。
Commented by レイネ at 2013-09-29 17:35 x
守屋さま、大英博物館でのポンペイ展を扱ったBBCの番組など見ると、面白そうな展示物もありそうなんですが。壁画やモザイクなど現地で見られなかったものなど。ポンペイはその規模の大きさと生活感が普通の古代遺跡と異なり圧倒的でした。

一つの展覧会に5回はなかなか行けまんが、近くに住んでたら会員になるのもいいかも。普段は入場無料でも特別展だけは別料金なんですね。オランダではミュージアムカードという年間パス(50ユーロ+申し込み手数料5ユーロ)で、ほとんどすべてのミュージアムに入れます。特別展は上乗せ料金別払いになりますが。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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