オステンドの不思議なオブジェたち   ヨットでのんびりゼーランドその1

昨年に引き続いて、今年も6月にヨットでノルマンディーまでセイリングする計画を立てた。
ヨットでのセイリングは風任せとは言わないまでもかなり天候に左右される。
悠悠自適の身分ではない私たちの場合、夏休み以外に取れる休暇は連続2週間が限度だ。
特に帰路の風を考慮に入れないといけない。行ったはいいが、戻れなくなったら困るのだ。

第一のルートとして、ゼーランドからベルギーの北海沿岸を経て北フランスのノルマンディーを
目指すという計画を立てた。
荒天および逆風を考慮して、オランダの北海岸を北上してワデン海の島々を巡り、アイセル湖に
入ってゼーランドに帰港するというのが、第二案であった。
第三案としては、ドーヴァー海峡を渡ってイギリスに行くというのもあった。

結果はいかほどか。

c0188818_665688.jpg


まず、天候以外に予期せぬトラブルが、出発前に発生したのであった。

ヨットは、HとTの持ち船であるが、自分たちが使用しない期間はチャーター会社に委託して
ヨットを貸している。6月最初の週末から出発予定であったが、その週末にはすでに借り手が
付いていたのだ。持ち主本人よりも借り手優先である。それで、当初立てたプランを若干ずらして
月曜日に出発することにした。
ところが、土曜日の夜、貸していたヨットが浸水したとの連絡が入った。キールをどこかにぶつけた
らしい。チャーター会社はヨットを水からクレーンで上げて点検したが、損害保険会社のエキスパート
が週末明けの月曜にGoサインを出さないと出発は不可である。もしも、キール破損による浸水で
あるとすると修理に数か月はかかるだろう。事態は予断を許さない。

c0188818_618828.jpg

            オステンドの海岸にある不思議なオブジェは海上からも目を惹く。

チャーター会社メカニックによる修理を保険会社の船舶損害エキスパートが月曜朝に認可したので、
月曜日正午に、ゼーランドのシントアナランドにあるマリーナを出港。
最初の帰港予定地フリッシンゲンを目指す。
ところが、やはり浸水は続いていた。しかも舐めてみると塩味がする。これはまずい、と午後3時に
Uターンすることを決定。
海水が浸水しているのではと心配する私たちに、船の真水タンクかどこかからの漏れ以外ありえな
いとメカニックは主張する。その晩は、シントアナランドに一晩泊まって様子を見ることになった。
排水を済ましても、翌日にはわずかながら浸水が見られる。しかし、真水のようである。
結局、火曜日早朝に改めて出航。

1日の遅延を取り戻すため、フリッシンゲンには寄らずに、北海に出て、長い航行の末、暗くなる前に
ベルギーのオステンドに到着。

c0188818_634196.jpg

            オステンドでは、北海から町に入港してすぐのところにある
            王立北海ヨットクラブのハーバーに停泊。
            魚市場の建物の裏手で、河岸には魚料理のレストランがずらり。


その晩、複数の天気予報を比較し、潮流および満干潮の時間を睨みつつ計画を練り直した。
最新の予報では、北北東の強い風が今後2週間続くということなので、ノルマンディーに行くまでは
順風なのだが、その後、帰路の風が逆風になるのでドーヴァー海峡の狭い北海の潮流にうまく乗ら
ないと、ヨットの微々たるエンジン馬力ではオランダへ戻るのがかなりきつくなる。
ただでさえグレーで波の荒いあの海域を強風の逆風と高い波のうねりの中、数日かけて戻るのは
嫌だ、という意見が強い。
すなわち、進路を短く北に取ってゼーランドに戻り、ほとんど内海のゼーランドでのんびりとセイリング
して2週間の強風をやり過ごすのがよいのでは、という意見が趨勢だ。

c0188818_6463945.jpg

           オステンドの海岸に立つ不思議な像。一人は海をにらみ、
           下の方のもう一人は立小便してるように見えるのだが。。。

翌日は、オステンドでもう少し天候の様子見。ノルマンディーを目指すならば、次の帰港予定地は
フランスのダンケルクだ。
陸に上がると、風は海上ほどではない。午後には日も射してきた。
海岸沿いや町の公園や繁華街やもっと町中のハーバーなどを散歩して過ごす。

c0188818_6563835.jpg

           オステンドの公園池の彫刻像。クラシカルな顔つきの頭が
           水の上に出ているモダンアート。説明板があったが、思い出せない。

結局、北風が強くなる前に針路を北にとることにして、翌々日早朝にゼーランドに向けて出航したので
あった。
慎重を期したのだ。
ノルマンディー上陸作戦は昨年6月にも失敗している。1週間や2週間では、オランダからの往復は
かなりきつい。主人は何度か北海耐寒セイリング訓練と称して一週間でイギリスやノルマンディーの
往復を行っている。2日夜間航行してどこにも帰港しないならば行って帰ってこれないわけではないが、
ヴァカンスなのだから、耐えるだけのセイリングはご免である。サバティカルなり退職後なり、4週間以
上続けて自由になる時間が取れるようになってから、ノルマンディーは再挑戦することになるだろう。
[PR]
by didoregina | 2013-06-16 00:15 | セイリング | Comments(0)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


最新のコメント

Vermeerさま、多分..
by レイネ at 01:38
トマスのソロ・コンサート..
by Vemeer at 01:25
Vermeerさま、この..
by レイネ at 20:56
詳細なレポート、楽しく拝..
by Vermeer at 18:02
ロンドンの椿姫さま、それ..
by レイネ at 17:03
大満足のマスタークラスで..
by ロンドンの椿姫 at 23:41
鍵コメさま、ヴェロニカ・..
by didoregina at 18:57
Mevrouwさま、北海..
by レイネ at 18:46
レイネ様も怒涛の更新で、..
by Mevrouw at 23:33
Mevrouwさま、サー..
by レイネ at 22:10
Mevrouwさま、夏の..
by レイネ at 22:05
新作オペラに挑むのは本当..
by Mevrouw at 20:56
クロアチア~ベネチアを自..
by Mevrouw at 20:27
Mevrouwさま、ご高..
by レイネ at 20:19
ようやく一息つける日なの..
by Mevrouw at 19:57
Mevrouwさま、癒し..
by レイネ at 16:49
このところネットからも音..
by Mevrouw at 16:37
斑猫さま、もうすでにパリ..
by レイネ at 16:57
ロンドンの椿姫さま、まさ..
by レイネ at 16:54
こんにちは CT研究会..
by 斑猫 at 00:16

以前の記事

2016年 11月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月

タグ

最新のトラックバック

究極の愛を描いたワーグナ..
from dezire_photo &..
バッハが人類に残したメッ..
from dezire_photo &..
バッハが『ロ短調ミサ曲』..
from dezire_photo &..
ルター派のプロテスタント..
from dezire_photo &..
ダンテの『神曲』 ”地獄..
from dezire_photo &..
ポン=タヴァン派、総合主..
from dezire_photo &..
倉冨亮太さんの繊細な美し..
from dezire_photo &..
ダイナミックで刺激的な多..
from dezire_photo &..
贅沢と快楽に生きる娼婦な..
from dezire_photo &..
バッハとヘンデルの音楽性..
from dezire_photo &..

カテゴリ

全体
バロック
映画
オペラ実演
オペラ映像
オペラ コンサート形式
着物
セイリング
コンサート
美術
帽子
マレーナ・エルンマン
イエスティン・デイヴィス
クイーン
CD
20世紀の音楽
旅行
料理
彫金
ビール醸造所
ベルギー・ビール
ハイ・ティー
サイクリング
ダンス
ハイキング
バッグ
教会建築
カウンターテナー
演劇
未分類

検索

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

音楽
映画

画像一覧