来季デュモーが出演するオペラから窺えるCT冬の時代

ヨーロッパ各地の歌劇場が、次々に来季の演目を発表している。
今まで比較的バロック・オペラ上演に熱心だった歌劇場でも、来季は全くないところもある。
(例えば、ネーデルランド・オペラ。モネ劇場だって寂しいものだ。)
そうかと思えば、バイエルン州立歌劇場では久しぶりにバロック・オペラが2作も上演される。

そして、ミュンヘンでの『ラ・カリスト』リバイバル公演のキャスト表の一番上になんと
デュモー選手の名前が挙がっているではないか。ティム・ミードがエンディミオーネ役で
出演することは既に知っていたので、すわミュンヘン初遠征なるか、と浮き足立ってしまった。
しかし、その下をよく見ると、題名役はダニエルちゃん。。。。

これは性質の悪い冗談かわたしへの嫌がらせか。それとも、ダニエルちゃんとわたしは運命の
赤い糸で繋がれていて分かち難いのか。わたしの遠征先に彼女の影はいつでも付きまとうのだ。
腐れ縁などと言って笑ってはすませられない。
しかも、デュモーの役は小さな役のかき集めみたいなもの。(以前、モネ劇場で鑑賞した『ラ・
カリスト』に同じ役でチェンチッチが出演していたのだが、全く印象に残っていないほど)
ミュンヘン遠征の夢は、あえなく崩れた。

チューリッヒ歌劇場の演目発表では、2月1月の『アルチーナ』(マレーナ様がルッジェーロ役)
に全神経を集中していた。でも、それ以外にも面白そうな演目が沢山ある。
例えば、今シーズンにも上演されたヘンデル・パスティーシュ・オペラのSaleが12月1月に
再演され、フォン・オッターと並んでデュモー選手も再登場!




5月6月公演の『ウリッセの帰還』にもデュモー選手は出演するが、ここでも複数のチョイ役だ。

こうしてデュモー選手の来季スケジュールをちらりと見ただけでも、カウンターテナーの冬の
時代を予感させるものがある。
箱の大きな歌劇場はバロック・オペラには不向きだから、ちゃんとした上演はヴェルサイユとか
アン・デア・ウィーンとかに集中してしまうのも仕方がない。それから、ドイツの地方都市の
歌劇場も侮れない。これらの歌劇場の来シーズン・プログラム発表に望みをかけよう。


↓は、デュモーの歌うヴィヴァルディの『スターバト・マーテル』


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by didoregina | 2013-03-21 15:08 | カウンターテナー | Comments(12)
Commented by Mev at 2013-03-22 17:40 x
デュモーはもしかしたら貧乏くじ引いてるのかもですよね。チッチがインタビューで「黙っているとトロメオばかり回ってくるから自分で事務所を立ち上げた」と言ってたとか。つまり、来る役を待っているだけの身だとこのような寄せ集め的なスケジュールになってしまう。来季はどこも同じような演目が並んでいるような気がして、なんとか気概のある音楽家とかプロデューサーはいないもんかしら、と思ってしまいました。
デ・ニースはどうしてよばれるのかしら。 もっとしっかり歌で勝負できる歌い手さんも多いと思うんですけど。なんかプロデューサーにしか見えないオーラでもあるのかしら。「あたしを使いなさいっ!」というような、、、それともギャラが破格に安いとか? あ、失礼しました。
Commented by アルチーナ at 2013-03-22 21:58 x
sale、興味あるのですが観に行かれます?どんな作品何でしょうね〜。
やっぱりバロック物はアン・デア・ウィーンかTCEになるんでしょうかね〜うむむ、とりあえず、来週の発表が楽しみですね。そういえば、イェスティン君もスケジュール一杯だけど、オペラは少なかったかも…
Commented by sarahoctavian at 2013-03-23 00:15 x
そうそうそうなのよ、バイエルンにもついにデュモー選手登場かと思いきやダニエルちゃんもセットで付いてきた。地元バロック不足で飢えてた私ゆえ滅多にない機会だからもちろん行くつもりですけどねー(笑)。オルフェオも皇帝ティトもキャスティング的に何となく肩透かしを食らった感は無きにしも非ず。ティトは「椿さんの」wトビー君だよね。来秋のベーレ父さんのも楽しみにしてるんだが、セストはううむ・・・劇場専属の若い子ちゃん。だれかしら??ワクワクなんて余計な期待をしていた私が甘かった。
フラちゃんが初ミュンヘン舞台に立つセメレはゲルトナープラッツ劇場の管轄。もしかしてウィーンのTaW的っぽい存在としてバロックに力入れてくれないかな?
Commented by レイネ at 2013-03-23 00:37 x
Mevさま、おっしゃる通りです。デュモーはマネージメント会社を替えて、もっといい所に移籍すべき。本人のサイトがないし、事務所のサイトもスケジュール・リニューアルがほとんどなくて、マネージメントは一体やる気あるのか疑問だし。万年トロメオのままで、いつの間にか旬が過ぎてしまったら最悪だわ。

>来季はどこも同じような演目が並んでいるような気がして、なんとか気概のある音楽家とかプロデューサーはいないもんかしら、
オペラ界もグローバル化の波は避けて通れないようで。モネ劇場の来季プログラムは一見すると地味~なんですが、限られた予算が厳しくてスター歌手も呼べないけど、かなり冒険してて覇気が感じられます。

ダニエルちゃんは、所属事務所が凄腕なんでしょうね。
Commented by レイネ at 2013-03-23 00:41 x
アルチーナさま、チューリッヒ遠征は2月を狙ってます。上手く日程を組み合わせると、『アルチーナ』に『コジ』と『ドン・カルロ』が鑑賞できるので。ただし、雪の時期なので飛行機が飛ぶかどうか、危険な賭だわ。スイスは物価が高いので、遠征は1回が限度。
Commented by レイネ at 2013-03-23 00:48 x
sarahoctavianさま、ダニエルちゃんとデュモーをセットにしないでほしいわ、全く。それ以外の演目は、スター歌手が出てたり演出にも興味あるけどわざわざ遠征するほどのものでもないし。『セメレ』の方は、バイエルンとは別の管轄の劇場なのね。でも、『セメレ』でのCTなんてほんの添え物的で、フラちゃんの持ち味が生かされる役とはとても思えません。それよりは、ウィーンで『リナルド』聴きたい。

ところで、バルセロナ遠征計画はいかがいたします?(ギーセンの『アグリッピーナ』に興味をお示しのようですが、サラ様マレーナ様+ダニエルちゃんの組み合わせはこれが最初で最後でしょう)
Commented by sarahoctavian at 2013-03-23 04:18 x
私たちの感覚だともっともっと魅力的な歌手を呼んでもっともっとレアで魅力的な演目を開発してほしいと思うのだけど、オペラ劇場は何だか違う方向に行こうとしてるような気がして残念であり歯がゆい。プロハスカちゃんの新CDをこの間購入・今聴きこんでるところ。例えば過去数年間あちこちに顔出ししてたダニエルちゃんよりも彼女のカリストのほうが聞きたい・観たい。
セメレで何で今更フラちゃんほどの人をそういう役に起用したのか、それもどうしても腑に落ちなくって。ワンテンポ以上遅れてるし感覚がズレてない?私みたいに「来てくれるだけでも涙出るほど有難い」と思ってる人、ミュンヘンにどのくらいいるのかなあ。。。なんてね。
はい、アグリッピーナ。サラ様マレーナ様のゴールデンコンビが見たいのは山々なのだが目下のところやはりバルセロナへの遠征は非現実的かも、なの。それに較べるとギーセンの方が近いし(笑)5月26日はマチネーなのでフランクフルトの友達宅に泊まれないとしても最悪でも日帰り可能。という訳で、いづれにしてもギーセンのチケットは押さえる方向です。だって~安いのよぅ~一番高くて27ユーロ!!
Commented by レイネ at 2013-03-23 05:46 x
sarahoctavianさま、ミュンヘンにはマーストリヒトから直通フライトがようやく開通するので、遠征するのもいいかなと思ってたんですが、どうしても行って観たい!と思える演目が見つかりません。残念です。『セメレ』にフラちゃんって、どういうつもりなのか全く歌劇場の意図が読めないわ。デュモー選手のチューリッヒでの役も同様。

ギーセンのは安すぎ!ドイツの地方都市の歌劇場は意欲的で、新人発掘にも余念がなく侮れませんね。フランクフルトの『エツィオ『にも行ってみたい!
チューリッヒの『アルチーナ』もフォルクスフォーステルング(しかもバルトリ姐は出演しない日)を狙えば安いよ。リセウへは、何年も前からずっと待ってた夢の共演なので、わたしは1人でも行きます!
Commented by M. F. at 2013-03-24 05:29 x
マルターラーの舞台をご覧になった事があるか分かりませんが、元々straight playの人ではなく本業の方でも様々なポピュラー・ソングが連鎖する一種の音楽劇スタイルがひとつの柱で、当然ながらオペラでも視覚面以上に音楽で仕事をする事に興味があるようです.歌手には普通にin styleで歌う事が期待されているとはあまり思えず.

このSALEは私もプレミエ時には行く機会を見つけられなかったのですが、普通にオペラを、歌手を聴く事に興味ある方が観て面白いものなのかは分かりません.オッターは以前バーゼルで制作したジェロルシュタイン大公妃殿下でかなりうまく適応していましたが(YouTubeで断片が見られます.エルヴェ・ニケ指揮)、ハルテリウスとデュモーの二人はどうでしょうね.

バイエルン州立歌劇場のNationaltheaterは大きいので、あそこでカヴァッリを観たいとは全く思いません…(器楽アンサンブルも、かなり増強かPAだろうし).どうしてせめてPrinzregententheaterの方にしないんだろう.
Commented by レイネ at 2013-03-24 19:04 x
M.F.さま、マルターラーの舞台は観たことないと思います。遠征するとなると歌手に重きを置いちゃうけど、普段のオペラ鑑賞は演出ありきの心構えで臨むので、近くの歌劇場での上演だったらSaleも見逃したくないのですが。
様々な演出への適応能力と演技の上手さでいったら、デュモーの右に出る人はCTの中にはいない、と断言できます。3人の異なる演出家による『ジュリオ・チェザーレ』でのトロメオ役のいずれもが、デュモーでなきゃ演出家の要求に応えるのは無理と思えましたし、コンティの『モレナ山中のドン・キーショット』での演技にも(ドゥグーも上手かったけど)脱帽でした。
Commented by Mev at 2013-03-26 17:51 x
モネのサイトもう一回見ました。10月のティトと6月のオルフェオを観てみたいなあと思います。とにかく行ったことがないのでどちらかひとつでも行ってみたい、という感じです~。
Commented by レイネ at 2013-03-26 18:44 x
Mevさま、モネは演目も演出家の開拓にもかなり意欲的なんですが、歌手が地味~なんですよね。それを補うように、トータルの演出で魅せてくれますが。アムスと違って横から観る席だと舞台が見切れるのが難で、正面席や平土間選ぶと高くつくんです。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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