昼食会には紬で

着物を着る回数が恐ろしく減っている。最後に着たのは、9月のストックホルム遠征である。
12月は、なるべくオペラなどに着物で出かけたいと思っているが、その前に丁度いチャンスが
あった。
オランダ生活を今年いっぱいで終えられ、もうすぐ日本に帰られるバービーさん、A子さんとの
お別れ昼食会だ。

c0188818_03803.jpg

          レストランは、ファルケンブルクにあるジェローム

このレストランは、この1,2年、そのクリエイティブな料理が話題になっていて、ぜひ一度行き
たいと思っていた。
平日の昼間だと、町中でなく郊外にあるレストランは閑散としている。わたし達4人以外の客は、
もう一組だけだった。

c0188818_0425486.jpg

     突き出しは、山羊のチーズとラベンダー入りのミニ・タルト・サレ、
     キャッサバにイカ墨を混ぜた揚げ煎餅、パクサイとさやえんどう、ゴマのソース。

この写真のイメージや食材は中華っぽいが、れっきとしたフレンチである。色々な香りや味が
楽しめ、今日の料理に期待を沸かせるアミューズだ。

ランチだから、3コースのプリフィクスにした。各コースとも2種類の料理から選べる。

前菜は、
c0188818_049652.jpg

    オランダの小エビ、ライ麦のクランブル、シコン、キャビアに卵のソースと森のキノコのソース。

もしくは、
c0188818_0532951.jpg

        マグロの照り焼きとゴマの薄焼き煎餅。


主菜は、
c0188818_0551473.jpg

        りんごとブラッド・ヴルストの上に乗っかったシャコの胸肉、キノコ、
        芽キャベツのピューレ、パースニップのピューレ、マスタード・ソース。

もしくは、
c0188818_111420.jpg

        鯛の切り身、シュークルートのリゾット、キノコのソース。


本当は、メニューでは、前菜はステーキ・タルタルか小エビ、主菜は鳩か鯛となっていたのだが、
わたし達の好き嫌いには対処してくれて、小エビの代わりにマグロ、鳩の代わりにシャコとなった。


デザートは、チーズもしくは甘いもので、全員甘いものを頼んだ。

c0188818_145491.jpg

        ホワイトチョコのソースの上に、チョコレート・アイス、チョコレート・ムース、
        八角風味のアイス、ピーナッツ・クッキー、チョコレート・グレナッシュ。

隣のテーブルで頼んでいたのをちょっと見ると、チャツネや甘酸っぱい果物ソースやシロップに、少し
ずつ5種類のチーズが盛り合わせてあり、そちらも美味しそうだった。

さて、着物の写真はレストランで上手く撮れなかったので、家に帰ってから撮ってもらおうと思い、
主人の帰宅を待った。しかし、そういうときに限って遅くなる。9時過ぎまで着物のままで待ち続けた。

c0188818_1135748.jpg

        母の(大島)紬の裄を直したもの。10月に日本から持ち帰ったので、
        早く袖を通してみたかったのだ。昼食会にはピッタリの色と質感。
        藍色の地に少し薄い青の縦縞の絣のグラデーション、銀色の線、
        そして十字の白と赤で花模様が織り出されている。


この着物は、ミステリアスで出自がわからない。
母は、着物の証紙や反物の端の部分は必ず残してあるので、ほとんどの着物は、どこの織物だ
とか、どこの染だとか、誰の作品だとかがわかるのだが、この紬だけ証紙が見つからない。
織り方だけ見ると大島っぽく、つるりとした質感もそんな感じなのだが、糸に節が入っていて厚みが
あり、経緯十字の花模様に対して、光沢のある縞模様のグラデーションの出し方が絣っぽくて、
変わっている。
かなり近くでじっくり見たり触ったりしないとわからないが、箪笥の中にある他の大島とは、大分
異なる趣なのだ。しかも、大島や他の紬だったら全て証紙が揃っているのに、これだけ証紙が
見あたらないというのも納得いかない。


c0188818_1362265.jpg

         若草色と抹茶色の中間のような淡いグリーン地の塩瀬に、黄土色の
         埴輪のような人物と橙色の鹿がロウケツで描かれた名古屋帯。


この日の着物コーディネートでは、銀杏をテーマにしたかった。ところが、なんと、銀杏の模様の
着物や帯を持っていないのだった。

c0188818_146438.jpg

         そこで、銀杏の形の鼈甲の根付。帯の中に入っている
         懐中時計の蓋にも象嵌で銀杏の模様が。


お茶から着物に入ったせいか、根付を下げるのが性に合わない。だから、根付はこれのみ。
金具や石が光ったりする帯留も、同様にして持っていない。珊瑚のが一つだけ。

スキン写真の彫金で作った「角切銀杏」は、ペンダント・トップかブローチにしたいのだが、今の
ところ、純粋なオブジェである。
[PR]
by didoregina | 2012-12-07 18:01 | 着物 | Comments(8)
Commented by straycat at 2012-12-09 00:44 x
とっても美味しそうなランチ。
そういえば最近こんなお洒落なフレンチには縁がないので、お写真を眺めて無性に食べたくなってしまいました!こういうのは女性同士でお洒落して行くのがいいですね。

私も最近とんと着物はご無沙汰です、どうやら精神的なゆとりがないと着物が着れないタチのようで・・。
うちにも大島は何枚かありますが、どれも証紙はないですよ。昔は証紙をとっておくという習慣がなかったのかと思っていましたが、そうでもないのですね。これだけ織り方と糸が変わっているとのことですが、大島も段々需要が減ってきて、もしかしたら新しい商品開発の一環として色々模索しているのかもしれませんね。
帯は鹿と埴輪なんてとっても個性的だけど、大島とも相性がよくて、しっくり馴染んだコーディネイトになっていますね。そうか、お茶席では帯留めは避けた方がいいんですね。私も根付は使い方がよく分かりませ~ん。
Commented by レイネ at 2012-12-09 07:46 x
straycatさま、お食事会は、昼食くらいが重くなくて丁度よく、女子会になると楽しさも倍増。車の運転担当だったので、お酒をほとんど飲まなかったのでお財布にも優しいのでした。

>私も最近とんと着物はご無沙汰です、どうやら精神的なゆとりがないと着物が着れないタチのようで・・。

お仕事がお忙しそうですものね。でもきっとだんだんと着物熱がぶり返してきますよ。

母が証紙や布を取って置いたのは、例えば、着物に穴が開いてしまった場合、同じ布なら上手くかがってもらえるから、という理由もあったようです。しかし、天井からの雨漏りで、箪笥の一番上にしまっておいたので、それら全てにカビが。。。

>もしかしたら新しい商品開発の一環として色々模索しているのかもしれませんね。

確かに、この紬は新しそうな感じもします。でも、母は着物の手入れをきっちりしていて、何度も着ないうちにすぐクリーニングに出してしつけ糸が付いた状態で保管してあるので、古びた感じのものは一着もなく、どの着物もまるで仕立てたばかりのようで、新しいのか古いのか見当が付かないのです。

straycatさんお持ちの帯留めは素敵なのが多いし、小物でお洒落ができて楽しそうです。
Commented by galahad at 2012-12-10 16:41 x
ステキな紬ですね。 写真だときっと実際の色と違うのでしょうけど、藍色が綺麗。 糸に節があって光沢がある縞模様、牛首紬でしょうか?
Commented by レイネ at 2012-12-10 17:41 x
galahadさま、ミステリアスな紬の産地鑑定にご協力いただきありがとうございます。
牛首とは思いもよりませんでした。でも、そういう高級な紬だったら絶対に証紙を残すはずなんですが。。。
節と光沢ある糸で織った絣のグラデーションの縦縞模様というのが大島らしくないんですが、十字かT字の白と赤で織り出した花模様が大島っぽくて、謎です。
Commented by alice at 2012-12-11 13:38 x
写真では不確かですが、色と柄行が大島っぽいですね。私も光沢のある紬は大好きです。寒くなると結城の出番なのですが・・・こちらでは雪道で防寒草履姿になるのが、うっとおしくて、あまり着なくなります。

次第に着る意欲が薄れてきていたのかも・・・50代60代が一番着物に手を通す時期(ある程度華やかでもOKですし)だったな~と最近は懐かしむ感じです。
私もお茶から着物入門した口なので、そういえば根付は一つも持っていませんでした。来週京都へ行くので、ひとつ買おうかしら。
Commented by レイネ at 2012-12-11 20:24 x
aliceさま、鑑定団にご参加ありがとうございます。花模様の柄行は大島そのものなんですが、縦に入っている細い筋の光沢がラメみたいで銀色に光るのが、ちょっと大島らしくなくて。また、緯糸に節が感じられます。

冬は、ほっこりした感触の着物に手を通したくなりますね。お天気さえ許せば。防寒草履ってのがあるんですね、さすが雪国。今晩は雪にも雨にもなりそうもないので、久しぶりに着物でオペラ鑑賞予定です。

京都に行かれたら、和の小物を求めるのは楽しみですね。いいものをゲットされたら、ご公開ください。
Commented by アルチーナ at 2012-12-13 14:07 x
私は鑑定団に加われませんが・・・
ケルンはお着物で??もうすぐですね!羨ましいです。

料理も美味しそうです!一度に色々な食感が味わえそうな雰囲気♡
それから確かに蒸籠があったり、煎餅やら胡麻やら八角やら・・
中華っぽいですね。
Commented by レイネ at 2012-12-13 17:12 x
アルチーナさま、『アルタセルセ』ケルンへはもちろん、着物で行きます!サイン会も楽しみ。しかし、歌手の皆様の体調はどうなのかしら?

ジェロームの料理は、食材も調理方法もしっかり基本を踏まえつつトレンドを押さえていて、満足できました。ちょっとだけアジアン風味を加えてるのがトレンディーなんでしょう。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


最新のコメント

Vermeerさま、多分..
by レイネ at 01:38
トマスのソロ・コンサート..
by Vemeer at 01:25
Vermeerさま、この..
by レイネ at 20:56
詳細なレポート、楽しく拝..
by Vermeer at 18:02
ロンドンの椿姫さま、それ..
by レイネ at 17:03
大満足のマスタークラスで..
by ロンドンの椿姫 at 23:41
鍵コメさま、ヴェロニカ・..
by didoregina at 18:57
Mevrouwさま、北海..
by レイネ at 18:46
レイネ様も怒涛の更新で、..
by Mevrouw at 23:33
Mevrouwさま、サー..
by レイネ at 22:10
Mevrouwさま、夏の..
by レイネ at 22:05
新作オペラに挑むのは本当..
by Mevrouw at 20:56
クロアチア~ベネチアを自..
by Mevrouw at 20:27
Mevrouwさま、ご高..
by レイネ at 20:19
ようやく一息つける日なの..
by Mevrouw at 19:57
Mevrouwさま、癒し..
by レイネ at 16:49
このところネットからも音..
by Mevrouw at 16:37
斑猫さま、もうすでにパリ..
by レイネ at 16:57
ロンドンの椿姫さま、まさ..
by レイネ at 16:54
こんにちは CT研究会..
by 斑猫 at 00:16

以前の記事

2016年 11月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月

タグ

最新のトラックバック

究極の愛を描いたワーグナ..
from dezire_photo &..
バッハが人類に残したメッ..
from dezire_photo &..
バッハが『ロ短調ミサ曲』..
from dezire_photo &..
ルター派のプロテスタント..
from dezire_photo &..
ダンテの『神曲』 ”地獄..
from dezire_photo &..
ポン=タヴァン派、総合主..
from dezire_photo &..
倉冨亮太さんの繊細な美し..
from dezire_photo &..
ダイナミックで刺激的な多..
from dezire_photo &..
贅沢と快楽に生きる娼婦な..
from dezire_photo &..
バッハとヘンデルの音楽性..
from dezire_photo &..

カテゴリ

全体
バロック
映画
オペラ実演
オペラ映像
オペラ コンサート形式
着物
セイリング
コンサート
美術
帽子
マレーナ・エルンマン
イエスティン・デイヴィス
クイーン
CD
20世紀の音楽
旅行
料理
彫金
ビール醸造所
ベルギー・ビール
ハイ・ティー
サイクリング
ダンス
ハイキング
バッグ
教会建築
カウンターテナー
演劇
未分類

検索

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

音楽
映画

画像一覧