モネ劇場の『ルル』

c0188818_17481310.jpgLulu
Alban Berg
2012年10月21日@モネ劇場

Muzikale leiding¦ Paul Daniel
Regie¦ Krzysztof Warlikowski
Decors & kostuums¦ Malgorzata Szczesniak
Belichting¦ Felice Ross
Dramaturgie¦ Christian Longchamp
Choreografie¦ Claude Bardouil
Video¦ Denis Guéguin

Lulu¦ Barbara Hannigan
Grafin Geschwitz¦ Natascha Petrinsky
Gymnasiast & groom¦ Frances Bourne
Maler & Neger¦ Tom Randle
Dr. Schön & Jack The Ripper¦ Dietrich Henschel
Alwa¦ Charles Workman
Schigolch¦ Pavlo Hunka
Tierbändiger & Athlet¦ Ivan Ludlow
Prinz, Kammerdiener & Marquis¦ Albrecht Kludzuweit
Theaterdirektor & Bankier¦ Rúni Brattaberg
Mutter¦ Mireille Capelle
Kunstgewerblerin¦ Beata Morawska
Journalist¦ Benoît De Leersnyder
Polizeikommissar, Medizinalrat & Professor¦ Gerard Lavalle
Diener¦ Charles Dekeyser
Eine Fünfzehnjährige¦ Anna Maistriau
Dans en schriftuur van de solo’s¦ Rosalba Torres Guerrero
Danser¦ Claude Bardouil
Orkest¦ Symfonieorkest van de Munt

日本から帰ってきてすぐの日曜、ブリュッセルまで出かけてマチネ公演を鑑賞した。
舞台には近いが、照明やヴィデオなどが目の前にあって死角の多い座席で、下手側がよく
見えない。
このプロダクションは、視覚的情報が盛りだくさんなので、見逃したものが多いだろう、
と思ってストリーミングでもう一度鑑賞してからのレポである。
モネ劇場のサイトから、11月28日までオン・デマンド・ストリーミング視聴できるので、
ぜひご覧になっていただきたい。

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      わたしの席のほぼ正面のロイヤル・ボックスに照明が当たっている。


ワルリコフスキの演出なので、演劇的アプローチだろうな、と思ったとおりだった。
音楽は二の次、とは言い過ぎかもしれないが、視覚重視の演出である。
その姿勢がはっきりと示しだされているのは、音楽が鳴る前に観客(登場人物だが)を一人一人
舞台上のカーテン前に案内して座らせる、という始まり方からも明白だ。

そして、ロイヤル・ボックスから英語の語りが聞こえてくる。語られるのはリリスの話だ。
リリスは、アダムの伴侶として神が土くれから創った女性である。男性との対等性もしくは
上位性を求めるリリスは、アダムに三行半を突きつけて楽園から出奔する。そして、彼女は
悪魔と結託して諸悪の根源になるのであった。(エヴァは、そのあとでアダムの肋骨から造られた)

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       リリスといえば、ダンテ・ガブリエル・ロゼッティのこの絵を思い出す。
       現在、ロンドンのテート・ブリテンでのラファエル前派展のために
       デラウェアから来ている!やはり、観に行くべきだろうな。。。


そういった一連の演劇的プロローグの後で、ようやく音楽演奏が始まり、実際にベルクがプロ
ローグとして作曲した導入部に入るのであった。
そこまでの間にも語りの内容とは無関係に少年が踊るバレエ・シーンがあるし、それから後も、
下手後方スクリーンにヴィデオ映像が映し出されたり、舞台では黒鳥のようなバレエ・ダン
サーが踊っていたり、上手後方のガラスの部屋の中やその後ろでメインの音楽や歌とは別の
芝居が行われていたりする。観客は、目も耳も同時に色々な情報を取り入れないといけないので
忙しい。
いくつかの異なった視覚要素が同時に存在しているから、いつも舞台が分断されている。

正面席(およびストリーミング映像)だったら舞台全体が見えているから、それらがある意味で
有機的に結合していることがわかるが、舞台を横から観る位置の座席だと非常に不利である。
いつでもどこかに死角があり、意味深かつ重要らしい出来事が見えないのでイライラした。
モネ劇場は、アムスの歌劇場のように舞台も客席も横に広くて死角がほとんどないというモダンな
造りではないから、視覚重視の演出にするなら、座席配置にも気を配ってもらいたいものである。

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        舞台装置の全体像。ラスト・シーンだが、上手前方でゲシュヴィッツが殺され、
        その後ろのガラス張りの部屋の中にルルが倒れている。下手前方では、幼い
        ルルを象徴する少女バレリーナがシゴルヒに連れられて舞台を去るところ。
        その後ろでは黒鳥のダンサーが踊っている。そのまた上部にヴィデオ映像。


無調の音楽は、ドラマチックな盛り上げ方がしばしば映画の効果音やサントラのような印象を
与える。
つまり、ストーリーに沿ってはいるが、音楽が主役になってはいない。あくまでも添え物・
二次的な存在になっているかのように聞こえるのだ。
『ルル』の場合、ベルクはかなり詳しいト書きに演出上の注意書きを加えていて、映像を流す
場面もその映画音楽になる部分も指定されているから、そういう印象はもともと織り込み済みで
ある。
全体的に、無声映画に添えられた楽団の演奏という雰囲気になるのだ。
そう感じてしまったのは、どうも、今回の演出は作曲家のもともとの意図よりもずっと視覚
重視の方向に行ってしまっていることと、歌手の声質にもよるのではないかとも思われる。
つまり、ヴィジュアル重視のため細身で軽い声の歌手を揃えた結果、歌唱も音楽も軽い印象に
なってしまったのだ。また、オーケストラ演奏に厚みが乏しいのは、毎度ながらモネの欠点で
ある。

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       バーバラ・ハニガンは、可憐なルックスもスリムな体型もルルにぴったり。

バーバラ・ハニガンは、音を取るのが難しい現代ものオペラに欠かせないソプラノで、声が
とても軽い。
下着やバレエのチュチュ姿で登場することが多いし、若々しいルックスもルルの印象そのもの
だからヴィジュアル重視のキャストにピッタリだ。
ただし、昔の録音の歌手と比較すると、あまりに軽い声質とさらりとした歌い方なので、歌唱
だけ取り上げた場合、主役としてのインパクトにイマイチ乏しい。
その軽さがスタイリッシュかつ現代的なので、今回の演出には正に適役なのだが。
爪先立ちでバレエ風に踊ったり、表情も豊かで演技も上手いのだが、歌唱に関してはどうも
一本調子でメリハリに乏しいような気がした。可愛いだけでなく、ルルは生来の悪女である
ことを歌唱でももう少し印象付けてほしいものである。

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           ルルとアルヴァ、そしてシェーン

シェーン役のディートリヒ・ヘンシェルは、ニヒルなルックスもスリムな体型も現代物にぴっ
たりのバリトンだ。やはり、モネには欠かせない歌手で、軽めの声である。
アルヴァ役テノールのチャールズ・ワークマンも同様。だから、ルルとシェーンの絡み、
ルルとアルヴァの絡みのシーンでは、軽い味の歌手同士なのでそれぞれとてもバランスが取れ
ている。全体的に、うまく均されていて1人だけ突出するという歌手がいなかった。

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視覚情報過多と言ってもいい演出なので、一度観ただけでは疲れてしまって消化不良になる。
何度か鑑賞するとよさがわかってくるプロダクションだ。

ワルリコフスキの『ルル』がファム・ファタールであるのは、ボーダーライン症候群で
『ブラック・スワン』の主人公のように解離性障害もあるという理由のようである。
そういう設定なら、なるほど、自分も周りの人物もことごとく破滅に導く彼女の行動にも
納得がいく。
また、クラシックのバレリーナであるルルには、ベルクの隠し子だった女の子の境遇や
生い立ちも反映されているようだ。
規律や束縛も欲しながら、放埓と安逸を求めてしまうという対極さがルルの中に存在し、
美貌と相まってその生き方が人々を魅了してしまったために起きた悲劇だ。
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by didoregina | 2012-11-13 11:50 | オペラ実演 | Comments(26)
Commented by 守屋 at 2012-11-14 01:41 x
こんにちは。「ルル」と「リリス」がどうつながるのかと全く判りませんでしたが、演出とはね。「リリス」を観て「ルル」にたどり着ける人はそれほどいないのではと感じます。

 一つ質問が有ります。来年は、「春の祭典」が生み出されて100周年だそうです。ロンドンでは既にサドラーズがそれにあわせて新作を企画していますが、オランダやベルギーでは何か面白そうな企画は有るのでしょうか?サドラーズにはバウシュの「春祭」をパリ・オペのダンサーで上演してほしかったです。

 1月3日は多分平気です。詳細が決まったらお知らせください。
Commented by レイネ at 2012-11-14 05:45 x
守屋さま、ルルとリリスを結びつけたのは、目からウロコというかなかなかの卓見だと思いました。

『春の祭典』百年記念は、パリのシャンゼリゼ劇場でのバウシュ振り付けヴッパータルによるバレエ(6月4日~7日)と、ロシアのザンクト・ペトルスブルクでサシャ・ヴァルツ振り付けによるマリンスキー劇場のバレエなどが本格的っぽいですね。
オランダでは、ロッテルダムのスカピーノ・バレエがEd Wubbe振り付け(1996年版)、アムステルダム・ピアノ・クアルテットによる演奏で上演予定(日程不明)。
アムステルダムのナショナル・バレエは、6月15日~22日までShen Weiによる新作振り付けで。
フローニンヘンは、5月24日(29日という説もあり)~6月2日まで、ハルサイ百年記念のTime Shift Festivalが開催されます。
ベルギーのブリュージュでは、ブリュッセル・フィルの演奏でJose Navasのソロ・ダンスによるハルサイが5月24日にあります。

ロンドン遠征はほぼ確定なんですが、日程がまだ未定なんです。12月初旬か1月初めか。。。

Commented by 守屋 at 2012-11-14 06:37 x
こんばんわ。勝手な質問への詳しい返信、ありがとうございます。ヴッパタールの公演は、観てみたいです。

 12月はかなりタイトな予定になっています。いずれにしても、決まったらメイルでお知らせください。
Commented by Vermeer at 2012-11-14 11:14 x
こんにちは。かなり込み入った演出だったのですね。レイネさんのように博識な聴き手でないと、現場で直截的に感応できないハイブロウなレトリックが駆使されている事が伝わって来ました。

偶然今週末にNHK・BSで、今年4月のシラー劇場の公演が放映予定です。
タイトルロールは6月の日本初リサイタルも素晴らしかった(今年最高のコンサートでした)、モイツァ・エルトマン、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢にD.ポラスキ、シェーン博士/切り裂きジャックにM.フォッレ、演出アンドレア・ブレート、指揮はもちろんバレンボイムです。

ハンニガンはブーレーズ御大の思し召し高いソプラノのようですし、、メジャー所では最近プティボンが一手引き受け状態ですが(映像ソフトが2種類もある)、エルトマンはさらにレッジェーロな声質、しかしソルフェージュ能力が破格に精密な歌手なので楽しみにしています。

さて、犬山では歓談にお邪魔させて頂き楽しかったです。先週末東京からの友人を連れて、岐阜・金華山~郊外の隠れ仏(白洲正子遺愛の十一面観音)と訪ねた後時間に余裕があり、犬山を少し案内しました。ひと月の違いでしたが、有楽苑の紅葉も始まり、すっかり晩秋~初冬の装いになっていました。
Commented by レイネ at 2012-11-14 16:16 x
守屋さま、ハルサイ100周年ということは知りませんでしたので、調べるきっかけを作って下さりありがとうございます。
バレエやダンスなしのコンサートなら、コンセルトヘボウでゲルギー指揮マリインスキーやデ・ドゥルンでネゼ=セガン指揮ロッテルダムフィルのもあるんですが、やはり、来年は踊り付きで鑑賞したいですよね。

ロンドン遠征は、やはり1月3日もしくは5日を目指したいと思います。
Commented by レイネ at 2012-11-14 16:30 x
Vermeerさま、モネのストリーミングご覧になりまして?期限があるのでお忘れなく。
生の舞台は一回のみの鑑賞なので、耳や目(舞台と字幕)やあらゆる感覚を駆使しないといけなくて、鑑賞後は疲れがど~んと。消化不良感が残ったので、ストリーミングで見直すと、ああ、こうだったのね、そういうことだったのか、とかなり納得できました。もう一度観て、もっと詳しいレポ書こうかしら。

シラー劇場の『ルル』も興味津々です。どなたか録画してくれないかなあ。(他力本願)

白洲正子の旅は辿ってみたくなります。実際に行ってみると割りとふつ~な印象で、彼女の感性だから書けたんだなあ、と思う場合もありますが。
有楽苑でのランデブーは楽しかったです。紅葉には早すぎましたが。箱根美術館では庭園をガラス越しに眺めて、立礼でお茶をいただきました。来年6月には、鎌倉の東慶寺での菖蒲を眺めながらのお茶を狙ってます。
Commented by 名古屋のおやじ at 2012-11-14 21:01 x
記憶に間違いがなければ、NYのシティオペラで、今回のルル役が歌ったサロメを聴いています。隣に座っていたアメリカ人に感想を求められ、"Salome without voice"と言ったら、"She can dance."という返答だったと思います。
Commented by bonnjour at 2012-11-14 23:25
ストリーミングでもう一度確認できるのは、制作者側のメッセージを的確に理解する上でも役立ちますね。とはいえ私は舞台に一時の夢を求めちゃうほうなので(でも宝塚ファンではありません、念のため)、おなごが惨殺される物語は苦手なのですが(笑)。

踊れると役が来るというのは、バロックオペラ界にも一人いたような?

今日、実家の部屋を整理していて、本棚の隅から86年のヴッパタールの日本公演(「カフェ・ミュラー」と「春の祭典」の2本立て)のプログラムが出てきて、思わず遠い目になっちゃいました。会場の国立劇場に土を敷き詰める大掛かりな舞台で話題になった覚えが。
Commented by 名古屋のおやじ at 2012-11-15 06:27 x
上記のコメント、ウェブでどうもヒットしないので、記憶違いのようです。
すみません。
Commented by レイネ at 2012-11-15 07:13 x
名古屋のおやじさま、ハニガンの声質でサロメは無理でしょうね。彼女は、10年以上前にOliver Knussen作曲・指揮の現代歌曲かモノ・オペラで聴いたのが初めてでした。ソツなく軽く歌いこなしてる感じで、きっとソルフェージュ能力がすごいんだなあ、と思いました。それ以後、20世紀や現代新作オペラで活躍してますね。役を選べば、歌手としては悪くないです。
Commented by レイネ at 2012-11-15 07:27 x
bonnjourさま、特派員報告@ナンシー、ご苦労様でした!2回、舞台をご覧になったら、細かい点にも目が行って作品とプロダクション理解も深まったことでしょうね。ケルンでは、視覚的な面白さは半減するかもしれないけど。。。

>踊れると役が来るというのは、バロックオペラ界にも一人いたような?

いやいや、某ダニエルちゃんとは違って、ハニガンはヴィジュアル面だけでなくきちんと音が取れるし歌も聞かせますよ。少なくとも、きらいな声じゃありませんし。

86年のヴッパタール日本公演とは、年季がはいってますね。わたしは、去年3D映画の『ピナ』の中で一部見ただけの「カフェ・ミュラー」。
Commented by Kinox at 2012-11-25 13:56 x
期限切れぎりぎりでしたが、流石モネ劇場、面白い演出でした。ハニガンは夏のWritten on Skinでとてもいいと思いましたが、バレエも踊れてここまで歌えてこの熱演とは、 かなりの逸材、今後どんな面白い企画に参加してくれるのか楽しみです。しかしウェブキャストだと生の歌唱の感じは分からないものですね。今回の現代の若い子っぽい感じの演出にあの透明な声が合ってていい感じだと思ってました。レイネさまはWritten on Skinもご覧になるんだったですよね。あれでの生での印象をお聞きするのも楽しみにしてます :-)
ボーダーライン症候群+解離性障害とは、なかなかいい解釈ですね。一見普通に見えるので付き合う周りは悩ましくて混乱してしまうのか。わたしもあの黒鳥の衣装になった時にふとあの映画を思い出してました。そうですね、周りで様々な人格のかっこをした「ルル」が独自の世界で色々やってるのもそういうことだった、あれは彼女の解離性のある心のうちだったんですね。勉強になりました、ありがとうございます! しかしベルクは怖いパパだこと、ふふ・・・
Commented by レイネ at 2012-11-25 17:31 x
Kinoxさま、モネ劇場の、というよりワルリコフスキ演出の『ルル』は、実演よりもストリーミングの方がいい、とわたしは思いました。同演出家による昨年の『メディア』@モネの時も感じたんですが、実演ではオペラというより芝居に音楽がバックに付いたような、音楽はサントラみたいで付随的な印象でした。
ハニガンの声も歌唱も現代的で軽くて好みなんですが、Kinoxさんに教えていただいたブーレーズ指揮シェロー演出ストラーテス表題役のヴィデオと比べると、声にもう少しドラマチックな要素があってもいいのになあ、と、ないものねだりをしてしまって。
Written on Skin@DNOは、里帰りおよび『ルル』と重なって、しかも、アムスに行くつもりでストリーミングはあえてパスしたので、結局どれも見れてないんです。なんとも不覚!でも、来年、ヨーロッパ各地で公演があるので、どこかでチャンスがないかと狙ってます。

ルルの存在と行動の不可解さをファム・ファタールという言葉で括っても、じゃあ、なんでファム・ファタールなのか、との問いには答えられないというもどかしさがあったのが、今回の解釈でなるほどねとすっきりした気分になりました。
Commented by Mev at 2012-11-27 20:29 x
ようやくストリーミング見ました!

全部見るのに3日かかりました。刺激が強すぎて。 印象はなぜか昔の紅テント。(支離滅裂で突飛な演出と視覚効果で、それなのになぜかすべてが実はつながっている、というようなトリックを見せられて感動していた) 

モネのルルはすごくよくできた演出だし、豪華だし、役者もうまいし、きれい。でも、ハッキリ言って2度見たいとは思いません。音楽が美しいとも思えないし。私は芸術的にはシロウトなので仕方ありませんね。

バレリーナの子どもたちがたくさん舞台に出てましたが、こんな破滅的な堕落したストーリー(ミスターグドバーを探してはこれをヒントにしたのかしら、みたいな。)でエロチックな舞台演出なのに、いっしょに出させていいんだろうか、児童虐待じゃないのかしら、とか思ってしまいました。この子どもたちの効果が視覚的に抜群に効いていただけに、その気持ちが強かったです。

モネは遠いけど、でも、絶対に行ってみたいですね。でもルルみたいなのじゃなくてオーソドックスに音楽を楽しめるやつに行きたいな、って思います。
Commented by レイネ at 2012-11-27 22:32 x
Mevさま、3日かけてのストリーミング鑑賞、お疲れ様でした。
ワルリコフスキの演出、確かに唐十郎入ってますね。だから、オペラ鑑賞したというより芝居観たという印象になってしまって、音楽が添え物的だったのが不満として残りました。
バレエ学校の生徒たち、本当に夜も出演してお疲れ様だわ。でも、さすがにベルギーの子供達だからか、日ごろの訓練の賜物か、舞台での集中力がすごい。(アムスで鑑賞したデボラ・ウォーナー演出の『ダイドー』でも劇団所属の子役がたくさん出演したけど、まだまだ舞台慣れしてない素人っぽくて、ちょっとハラハラしました)

今シーズンのモネ劇場の演目だけみると割とオーソドックスな感じですが、モネの場合、音楽が比較的オーソドックスなオペラでも演出はオーソドックスには絶対にならないので、その落差をお楽しみに。
Commented by アルチーナ at 2012-11-29 10:32 x
ようやく私もギリギリでなんと見ることが出来ました。
確かに歌手の声は弱いのかもしれませんが、コチラは映像での鑑賞なので惹きつけられて見てしまいました。本当にオペラを見ているというよりも演劇を見ているようです。
ハニガンもトウで立って踊るという話を聞いてはいたものの、実際に見るとかなりそのシーンが多いのに驚きました。バロックオペラ界の方とはだいぶ違いますよね。

まあ・・「ルル」は数度、見たことはあるものの今ひとつストーリーが分かっていないので、まあ本当にこの映像を見ての感想になってしまうのですが、女性性を髪と脚で表しているのかな?と思ったりしながら(そういえば、最後は少女たち、ロゼッティの絵のようにずっと髪を櫛っていましたね)それと対照的なバレリーナの手の表現も大変印象的でした。
又、ベッドが精神病院のようにも、バレエ学校の寄宿舎のようにも、娼婦の置屋のようにも見え、これも又、大変印象的。
時折ルルが車椅子や松葉杖などで脚を封印される(?)ようなのは何なのかな?と思って見ておりました・・・
Commented by レイネ at 2012-11-29 22:35 x
アルチーナさま、宿題を残したままみたいな気分だったことでしょう、ギリギリまで。
視覚的に盛り沢山で目と頭を忙しく使って見ないといけないプロダクションなのは面白いのですが、音楽がなんだかサントラみたいに聞こえてしまって、そこが不満でした。
ハニガン、声も体のスタイルもいいし、表情や演技も秀逸です。辛口になってしまったのは、ないものねだりだったかと。

ルルの髪の毛が長さやヘア・スタイルが場面によって変化するのは、彼女を愛する登場人物の望んだ姿を投影してるのか、ファムファタールとしての成長および没落の様子を表してるのか。
後方に置かれたベッドの群れは、確かにどれも当てはまりますね。
車椅子と松葉杖は、幼い頃から夢見ていたバレリーナとしてのキャリアの夢破れたことの象徴だと単に思ってました。

実演では幕が下りても黒鳥が長いこと踊り続けてるので、幕間の時間ずっと踊るのかしら、と。84年の東京ヴォードヴィルショーの芝居で佐藤B作が、幕間に『ボレロ』をずっと踊り続けてたのを思い出したのでした。
Commented by Vermeer at 2012-12-16 22:33 x
来年6月には、鎌倉の東慶寺での菖蒲を眺めながらのお茶⇒
鎌倉では東慶寺の他に明月院も花菖蒲が見所だと東京の友人が言ってました。明治神宮の菖蒲池は、都心である事が信じられないほど深い木立ち(今年6月に行った際は狸がいました!)に囲まれて趣き深いです。お出掛けになった事がなければお勧めします。
Commented by Vermeer at 2012-12-16 22:34 x
今更なんですが、花菖蒲→燕子花繋りって事で…。
僕もIris(花の語彙は日本語の方が多い気がしますね。アヤメ、イチハツ…)系の花が好きなんですが、有楽町・出光美術館の琳派芸術展に、酒井抱一『八ッ橋図屏風』を見たくて出掛けて来ました。震災で会期途中で中止となった展覧会の仕切り直しだったのです。

メトロポリタンにある光琳の同じテーマが有名過ぎるので、抱一はどう扱っているのかな、と思ってまして。

抱一なんだから悪い筈もないのですが、光琳と全く構図だから差異もよく分からないし、本家取りの謙遜なのか、迫力が今ひとつに思われました。

それより印象的だったのは、伝・光琳の白い芙蓉の屏風でした。花弁に銀の顔料が用いられているために、酸化のせいで黒い(よく見えて暗褐色)芙蓉?としか見えませんが、同じパターンの図柄が繰り返し描かれ、作家がこの花の姿に魅入られて大胆に構成した動機が感じられて興味深かったです。

抱一には十二ヶ月花鳥図張付屏風なんて六曲二双なんてのもあって、植物誌的な細蜜さでした。

出光美術館の最大(失礼!)の見所は、休憩ラウンジからお濠越しに眺望できる日比谷公園~皇居。サーバーからセルフでお茶も頂けます。
Commented by レイネ at 2012-12-17 06:21 x
Vermeerさま、菖蒲の名所情報、ありがとうございます。
実家の近くでは、加茂荘なんかも有名です。

出光美術館って、帝劇ビル内にあるんですね。帝劇は、高校や大学時代には何度か行きましたが、美術館には入ったことありませんでした。(当時からあったのかどうか。)でも、次回の里帰りには行きたいところがどんどん増えてしまうわ。
今日まで琳派展やってたのですね。やはり日本に帰ったら、ヨーロッパの美術館から巡回してる泰西名画などより、日本の美術品を見たくなります。
皇居のお堀端にも、今年の春、狸が出没したとか。また、10月には箱根の強羅辺りに猪が出るということで、皆様戦々恐々としてました。
Commented by 守屋 at 2013-01-30 03:12 x
こんばんわ。サウスバンクで始まった年間行事、「The rest is noise」のあるリサイタルにハニガンが出演したそうです。事前にタイム・アウトにインタヴューが掲載されていて、本人に曰く、「どの時代の音楽を選べというなら、20世紀を選ぶ」とのこと。彼女につくられた曲は100曲を超えるそうで。リサイタルの評価もかなり良かったようです。
Commented by レイネ at 2013-01-30 03:39 x
守屋さま、年末から海外出張が入り、年頭のロンドン遠征(ラファエル前派展鑑賞)は出来ずじまいでした。こちらからランデブーのお誘いしておきながら申し訳ありません。

現代オペラに意欲的なハニガンは、ちょっとマイナーな新作オペラにはなくてはならない貴重な存在ですね。`100曲を超える世界初演を行っているわけですから、歴史的偉業といえましょう。最近は、かなりメジャーな音楽祭や首都の歌劇場(モネなど)にも出演する機会が増えてご同慶。陰ながら末永い活躍を祈ってます。
Commented by M. F. at 2013-02-20 01:56 x
今シーズンでは殊に印象的な公演でした.

ワルリコフスキの演出はいつもながら散逸的なイメージから巧妙に大きな流れを作り出して見事だったし(バレエ学校の生徒の空恐ろしい演技付けまで含め)、シェーン、アルヴァそしてゲシュヴィッツのペトリンスキーも良かった.

逆に不満が大きかったのがダニエルの指揮で、部分部分までは練習してあるものの纏めずに放置しているような印象でしたが(優しい人なのかも、とちょっと…)、3回だけ登板したミヒャエル・ボーダーは見違えるほど整理しなおし手に汗握る出来.結局、ベルクは固有のドラマトゥルギーまできっちり捉えてくれないと満足できない、困った私(でも、誰しもそうなんじゃないかと思いますが).

ブーレーズ=シェロー版でのストラータスは勿論素晴らしいのですが、今あんなにアバウトな歌唱をされると困ってしまうかもしれないですね…そういう意味ではハニガンは妥当な配役だったと思います.でも二演目連続で題名役中途挫折(ルルはもう一人の方)はちょっと偶然とは言えなさそう.
Commented by レイネ at 2013-02-20 15:57 x
M. F. さま、今シーズンのモネは、『ルル』『椿姫』『マノン・レスコー』と続いた演目の演出上の統一感が感じられました。ギィ・ヨーステン演出の『ルクレツィア・ボルジア』がどうくるか。わたしは実演鑑賞予定は今のところないのですが、ご覧になりますよね?

>ワルリコフスキの演出はいつもながら散逸的なイメージから巧妙に大きな流れを作り出して見事

実演だと特に散逸的に感じてしまいます。大きな流れはもちろんあるのですが、舞台上の様々な場所で同時に色々な演技がされてるので、集中力が拡散されるというか。

モネはオケに問題ありだと思うことが多いですが、指揮者によってかなり異なった出来だったのですね。(ワルリコフスキの演出だと、音楽が霞んでしまって印象にあまり残らない。。。)

ハニガンは、現代ものに関して超売れっ子だから、あの頃は掛け持ちで大変だったのでしょう。
Commented by M. F. at 2013-02-22 04:41 x
ワルリコフスキは表面的な表象(今回で言えば俗っぽいブラック・スワンとか、マイケル・ジャクソンが出てきた事もあった)の裏に深層のイメージをすべり込ませてくるので、そこがぞくぞくさせられ興味深いと同時に、目に見えているもの以上に情報過多となって気を散らすと感じる一因になるのかもしれませんね.

そういえばハニガン、このルルのために、Written on Skinをアムス公演のみ抜けていたのを思い出しました.

ルクレツィア・ボルジアはもし都合がつけば…というより、今回は予定が合わずパスする事になりそうです.オペラ劇場ではなくCirque Royalでの公演というところにも興味を引かれますが.
Commented by レイネ at 2013-02-22 17:06 x
M.F. さま、先シーズンのエイミー・ワインハウスそっくりの『メデ』がソフト化・販売されてますね。そちらも断片化されたような舞台構成で、それはそれで興味深く鑑賞したのですが、フルスケールで全体がひとつにまとまる舞台とは対極にあるせいか、カタルシスが発散されず内にこもったままでやるせない気持ちになった覚えが。

以前、サシャ・ヴァルツ演出・振り付けのダンスがメインのような『ダイドー』(サラ様主演!)もシルク・ロワイヤルでの上演でした。見逃しましたが。今回のヨーステンによる『ルクレツィア・ボルジア』もそういう空間が必要な演出なのかしら。彼が選んだ映画はフェリーニの『そして船は行く』だし。
次回の演出家メルニエが選んだ映画はパトリス・シュローの『ガブリエル』ですね。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

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ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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