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フライト・トラブルにはどう対処する?

ウィーンへの一泊遠征から無事戻りました。
往きの飛行機がトラブり、ひやひやさせられましたが、ネバーギブアップ、前進あるのみ!の
不屈の精神でなんとか乗り切りました。
しかし、乗客の運・不運は紙一重に近かったのです。今後の皆様のご参考になればと思い、
一部始終顛末を書いてみます。

まず、日曜朝9時40分デュッセルドルフ発のエア・ベルリン便(ウィーン着11時20分)が
機体のテクニカル・プロブレムのため遅延、修理にどれだけ時間がかかるかわからないため、
出発時間無期延期というアナウンスが9時20分ごろありました。搭乗間際のアナウンスです。
その飛行機自体、ウィーンからの折り返し便だったのですが、デュッセルドルフ到着は15分ほど
遅れていました。
乗客はドイツ人がほとんどのようで、皆、落ち着いたものでした。

出発時間無期延期というからにはかなりのダメージのようだし、嫌な予感がしました。
しかし、まだ朝だし時間には余裕があります。動向をひとまず見極めようと思いました。
新たな情報は30分後にということでしたが、その30分は出発予定掲示板を見るたびに毎回
更新されていき、詳しい情報はまるで入ってきません。11時になると、暫定出発予定時間は
13時という表示に変わりました。一応、出発の見通しが立ったらしい、というわけです。

丁度そのアナウンスのあった瞬間に、最悪の場合に備えてウィーンに行く別便を探すため、
トランスファーおよびチケット・サービス・カウンターに行ったのですが、一応出発のめどが立った
ようなのでカウンターの人も冷静だったし、フライト変更の必要性はさほど感じませんでした。

6時半にヨーグルトとミューズリの朝ごはんを食べただけなので、ちょっと早めのお昼ご飯を
11時半にレストランでとり終わったら「エア・ベルリンのAB8240便乗客は皆様搭乗口
カウンターに来てください」というアナウンスです。何だろう、と思って行ってみると、ミネラル・
ウォーターとスナック菓子入りの紙袋が配られています。

フライト・トラブルにはどう対処する?_c0188818_15512369.jpg

         格安フライト会社にしてはまあまあよく出来たサーヴィス

デュッセルドルフ空港は、ケルン・ボン空港に比べると格段に大きな空港です。先月も、ここから
ウィーン経由でクロアチアのスプリットに飛んだばかりです。その際は、オーストリア航空を利用
しました。今までのウィーン遠征にもオーストリア航空を使っていたのですが、今回はもう少し
安いエア・ベルリンにしてみました。だって、往復88ユーロなんですもの。昨年、やはりエア・
ベルリンでサルディーニャまで飛びましたが、アルコール飲料以外の飲み物はタダだし、サンド
イッチも出たしサーヴィスは悪くなかったからです。ウィーンまでは1時間30分のフライトですし。

さて、乗り換えの心配のない乗客がほとんどなのと沈静なドイツ人が大部分なので、待たされても
文句は出ないし、テクニカル・トラブルでは仕方ない、と諦めてるようでした。
アナウンスのたびに、皆息を詰めて聴こうという態度になり空気が張り詰めるのが感じられます。
しかし、だんだんとアナウンスはドイツ語のみになっていきます。それで、オランダ人の老年女性
二人組はアナウンスを聴き損ない、紙袋が配られているのを知らなかったりしていたので、
搭乗口カウンターでもらえることを教えてあげました。
この二人のおかげで、こういう場合の情報確保の重要性をわたしは逆に教わったのです。

フライト・トラブルにはどう対処する?_c0188818_174555.jpg

           ウィーン空港の新ターミナルビルが6月に完成。
           黒と白が基調で擦りガラスが多用された素敵なデザイン。
           壁の表示は、ソル・ルヴィットの壁アート風の意匠!


12時15分頃には客室乗務員たちが乗り込んで行ったので、これで一安心と思ったのも束の間。
13時に果てしなく近くなっても、搭乗案内アナウンスはありません。皆じりじりと待っているのに。
そして、13時になると一旦乗り込んだ客室乗務員達が戻ってくるではありませんか。
結局、13時10分ごろに、その便の欠航がアナウンスされました。そして、別便に乗るために、
チケット・サービスおよびトランスファー・カウンターに行くようにとのこと。しかし、それら全てはなぜか
ドイツ語のみのアナウンスなのです。
聴き終わるや否や、わたしはサービス・カウンターに向かいました。誰よりも早く行って並ぶのが大切
だと本能的に悟ったからです。

サービス・カウンターにはまだ詳しい連絡が入っていないようで少し混乱していましたが、10数人
集まったところで聞かされたのは、上階の搭乗口に行って別のウィーン行きに乗るようにとのこと。
やはり、ドイツ語のみの説明なので、隣に立っていた人に英語で確認しました。
そして、例のオランダ人おばあちゃん2人組が来たので、急いで上階に行くように誘いました。

上階の搭乗カウンターでの説明は、荷物は元々の飛行機に積まれたままなので、ウィーンに
着いたら遺失物カウンターでウィーンの住所またはホテル所在地を指定し運んでもらうようにとのこと。
それはそうですが、飛行機まるまる一便の欠航なので、遺失物カウンターも長蛇の列になるでしょう。
それより、今ここでもしくは飛行機の中で書類に記入した方がスムーズにいくのに、と思っていると、
小さなお子さん連れの方から優先的に今出る別便に乗るようにとの指示です。
別のオランダ人カップルは、「子供の次はメンバーシップ・カード所有者が優先だろうな」と言いつつ
カードを出したりしています。
わたしはとにかく列の前の方に進み、「あと4人!どうぞ」という係員の声に、ドイツ人3人組に
仲間入りさせてもらい、出発直前の飛行機に向かいました。
「空いてる席に座ってください」とのことなので、最前列通路側に。するとドアが閉められました。
結局、その便に乗れたのは20人弱だったと思います。一瞬の判断で勝負が決まりました。
少しでも躊躇したり仲間と相談したりしていたら間に合わなかったはずです。メンバーシップ所有者の
オランダ人カップルも老年女性二人組も、搭乗口ではわたしのすぐ近くにいたのに結局乗れなかった
のです。
振り替え便として目を付けていた12時40分発のウィーン行きに幸運にも乗れ、安堵しました。
その便の出発も1時間遅れたことになり、ウィーン到着は15時15分頃でした。

フライト・トラブルにはどう対処する?_c0188818_1781372.jpg

             後光が射すゼセッションは、幸運の象徴

ウィーンの空港に着いたら、とにかく一番乗りで遺失物カウンターに向かうのが肝心です。
幸運にも最前列通路側の席だったので、誰よりも早くバッゲージ・クレームに着きました。
カウンターで、荷物が積み残されたので別便で着くはずだからホテルに届けて欲しいと説明しましたが、
案の定、欠航で荷物積み残しという連絡はウィーンに入っていないので、「到着の飛行機から荷物は
まだ積み出されていないのでそちらでお待ちください」と言われて埒が明きません。
そうこうするうちに、20人ほど同類の仲間が集まりました。その中のおじさんがドイツ語でカウンター
嬢に噛んで含めるように説明するとようやく判ってくれました。しかし、20人は一挙に対処し切れ
ません。だから、一番乗りするのが重要だったのです。

フライト・トラブルにはどう対処する?_c0188818_17112071.jpg

             ウィーンでの定宿ベートーヴェン・ホテル(右)は
             アン・デア・ウィーン劇場の楽屋(正面)の筋向い。

なんだかんだで、ウィーンのホテルに着いたのは、午後5時でした。
ホテルのカウンターでは、「お客様だけではありませんよ。荷物が出てこなかったのは。多分、夜
10時頃には届けられるでしょう」と言われました。結局、荷物が届いたのは午前3時でした。
荷物がないと部屋に行っても何もすることがありません。着替えも出来ません。
そして、せっかく準備した着物も着るチャンスを失ってしまいました。

しかし、残りの乗客は当日夜までにウィーンに着くことが出来たのでしょうか。翌日になってしまったの
ではないかと案じています。
状況判断が上手くいき、一人だったおかげで小回りが利いたのが勝因でした。
着たきりすずめですが、19時30分のオペラ開演には間に合いました。
それどころか、別の僥倖にもめぐり合うことができたのです!
その件に関しては、別の記事にしたいと思います。
by didoregina | 2012-08-14 10:23 | 旅行


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

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プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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