Bravaに感謝!招待コンサートでハナちゃん発掘!

またまた、Bravaからのコンサート招待に当選した。昨年はほとんど当選しなかったと
記憶するが、今年は、リンブルフス・シンフォニー・オーケストラ(地元LSO)とオランダ
期待の若手ピアニスト、ハネス・ミナーによるオール・Rシュトラウス・プログラムのコンサート
当選に続いて2度目である。

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          4月に行ったけど、忙しくて記事に出来なかったコンサートで
          ピアニストのハネス・ミナーとツーショット。

今回当たったのは、リンブルフ州の作曲家デイというかなりマイナーなテーマのコンサートで
あるが、そういうものこそ、タダ券でも貰わない限り聴きに行こうとはなかなか思わない
から、当選してうれしい。

土曜日の朝から晩まで、地元出身の作曲家による主に世界初演の曲を、地元の演奏家が
演奏するというものだが、特に興味を覚えた午後からのコンサートを三つ聴くことにする。

Limburgse Componistendag @ Theater Heerlen 2012年6月30日

Studium Chorale & Ensamble 88 dirigent Hans Leenders
Simons Three Shakespeare Sonnets
Leenders Hoc est praeceptum meum

Ensemble 88  & Hannah Morrison
Van den Booren Duende

Heerlense Oratorium Vereniging dirigent Emmanuel Pleijers
Lambrechts Impressions Maritimes, Carmen Laudationem

大体、コンサート当選のお知らせは、当日の2日前くらいに来る。
それから同行者を探すのは、なかなか大変だ。興味を持ちそうな友人を誘うが、「残念ながら
予定が詰まっていて」と4人から丁寧に断られた。それで、長男と行くことにした。

しかし、ヘーレンの市民会館窓口で「ブラーヴァの無料コンサート券に当選したんです」と
告げるも、わたしの名前のチケットはなぜか用意されていなかった。
当選を知らせるメールは、もちろんプリント・アウトしていかなかった。いつも、名前を言うだけで
さっとチケットが出てくるからだ。
今回は、どうやら、Bravaがわたしの名前を劇場に通達し忘れたようである。
顧客としてこの劇場にはわたしのデータが登録されているので、窓口の人の信用を得ることが
できたのは幸いであった。
そして、あまりにもいい天気だから、多分現れそうもないだろう、と窓口担当者は、アペルドー
ルン(ヘーレンから200キロほど北の町)在住の当選者のチケットを替わりにくれた。
(Bravaには、そのいきさつを書いて苦情メールを送ったが、返事はまだ来ない。)

午後の部の会場(大ホール)の客席は、3分の1も埋まってはいなかった。
内容のマイナーさと、外の天気のよさの相乗効果であるから、いた仕方ない。

最初の曲を作曲したのは、まだ若いマレイン・シモンズ。子供の頃からヴァイオリンと作曲の
神童として名を馳せたが、20代後半になったであろう最近は作曲に的を絞っているようだ。
シェイクスピアのソネットを、ア・カペラの現代的混声合唱曲にしたものだ。
無調でしかも合唱の各人ばらばらで必然性のない不協和音で出来上がっていて、しかも伴奏
なしだから、音程を取るのが大変そうである。全員、それぞれ、出だしや主要各所で音叉を
耳に当てて音を取っていた。
面白いのは、ソネットが進むにつれて、だんだんとわかりやすい音楽の形に変化していって、
最後の方は、いかにもシェイクスピアらしい歌曲の趣になって終わるのだった。
聴き終えると、数世紀の音楽史を遡るような感じの大作だ。
このソネットを聴く限り、作曲家シモンズは、オペラ作曲への意欲満々のように思われる。
現代曲のオペラへの批判という意図も含まれているかもしれない。ただし、作曲家自身は、
ミュンヘンでのリハーサルのため、世界初演の機会に同席できなかった。

二番目の曲は、合唱指揮で活躍しているハンス・レーンダース作曲。
指揮者としての彼は、主にポリフォニーからバロックの宗教曲をレパートリーとしているから、
作曲作法も、バッハを思わせる。ラテン語の歌詞をカノン主体の混声で歌わせていく。現代的な
要素は、ビブラフォーンが活躍する器楽演奏部分以外には全くない。18世紀の曲だと言われたら、
信じてしまうだろう。
合唱団は、大分以前『ヨハネ』を聴いたときよりも、ずいぶん進歩しているのに驚かせられた。

その後、小ホールに移動。
アンサンブル88は、構成人員をフルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロの四人に縮小し、
真ん中に立った歌手が、まずオランダ語で詩の朗読をする。太陽や宇宙、気象など自然賛歌
から愛を歌うものまで様々だ。ベルギー訛のオランダ語の発音が美しい。
それから、おもむろに室内楽の演奏に合わせて、素直かつストレートで張りのある好感度抜群
声の、小柄で細身の外見からは意外なほど十分な声量で会場を満たすのだった。
わたしを含む会場は、彼女に魅入られてしまった。Who's that girl?

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         声にもルックスにも清楚な美しさが光る Hannah Morrison

オランダではほぼ絶対不可欠なスタンディング・オヴェーションは、その日のプログラムでは
それまで起きなかったが、ここにきてようやく歌手と作曲家に対するスタンディング・オヴェーション
になった。わたしも、真っ先に立ちたい気分だった。

プログラム・ブックには名前すら、歌手に関する記載がなかった。長男の隣に座った人の話に
よると、その歌手はスコットランド人とアイスランド人のハーフであるという。
帰宅してから、アンサンブル88のサイトで調べると、ハナ・モリソンというソプラノだとわかった。
それからは、ネット・サーフィンである。
両親はたしかにスコットランド人とアイスランド人らしいが、オランダ育ちで、マーストリヒト音大
出身である。
最近では、ハナちゃんは、ポール・アグニュー指揮およびテノールとして出演のレ・ザール・フロ
リッサンによるモンテヴェルディの『マドリガーレ』コンサートに参加している。


         この『マドリガーレ』コンサートも全編タダでMediciTVのサイトから視聴可能。

そして、なんと、ラルペッジャータの『聖母マリアの晩課』コンサートでもソリストだった!
その今年6月14日のサン・ドニ音楽祭でのコンサートがArte Live Webから、全編あと164日間
視聴できる。(下線部分にリンクを張ったので、ぜひ!)
ハナちゃんは、8月24日26日にインスブルック古楽祭にもラルペッジャータのソリストとして
Il Parideに出演する。

魅力的な若手ソプラノをこうして発見することができ、タダ券をくれたBravaには感謝に堪えない。
ハナちゃんからは、今後、目が離せない。
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by didoregina | 2012-07-02 17:25 | コンサート | Comments(2)
Commented by Mev at 2012-07-03 03:04 x
おおっ!貴重な若手をまたまた発掘なさったのですね!
ラルペッジャータといっしょに出るってことはやはり実力者。サンドニ音楽祭の動画今見てますー。久々にラルペッジャータ聴きます。相変わらず美しくて流れがあって。そうですか、このヒトが歌ってたんですかー。 良いコンサートに行かれましたねえ。
Commented by レイネ at 2012-07-03 05:57 x
Mevさま、この日は、ハナちゃん発掘というエキサイティングな体験ができて大満足。会場も、うれしいサプライズという感じで沸きました。
ラルペッジャータと共演する歌手には、上手い人や面白い人もいるけど、ちょっとゲテモノというか引けちゃう場合もあります、私的には。
でも、ハナちゃんは、これから機会があったら追っかけしちゃうわ!


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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