住人感覚のデン・ハーグとスヘベニンゲン

昇天祭の休日には、Rのヨットでゼーランドの東スヘルデをセイリングの予定だった。
しかし、天候が優れない。最高気温12度くらいの予報だったので、暖房設備のないRの
ヨット(クルーザー・タイプではあるが)での寝泊りはあまりに寒そうだ。

それでセイリングの代わりに、Rの住むデン・ハーグに遊びに泊りがけで行くことになった。
独身貴族である彼の住居は、日本大使館と市立美術館のほぼ中間にあり、中央駅とスヘベニ
ンゲン海岸を結ぶトラムの停留所がドアの前という素晴らしい立地だ。1896年建造のアパルト
マンの一階(庭付き)と二階を繋げて1人で住んでいるので、便利な上、スペースは有り余るほど。

中央駅横の大きな公園マリーフェルドは、インドネシアのお祭りで賑わっていた。
そこから、観光客がほとんど来ないデン・ハーグの静かな小道を散歩した。
住人による案内で町を歩くと、観光とは視点が異なるから、ガイド・ブックには載っていない別の
面を発見できて楽しい。

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      エッシャー美術館の裏辺りはとても静かで、まるでデルフトのよう。

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      小さな運河にかかる橋の上がテラスになっているカフェで昼食。

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       デュヴァルから出たエキストラ・ホワイト・ビール Vedett。
       しかし、ほとんど濁っていず酸味もなく、ドイツのヴァイツェンと
       ピルスの中間のような感じ。


町を散策した後は、自転車でスヘベニンゲンまでサイクリング。
Rの家の前の道を真っ直ぐ自転車で行くと、5分くらいで港に着く。

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昔は漁港や荷揚げの港として賑わったが、現在は、ヨットのほうが優勢だ。
4月に北海でヨット・トレーニングを行った主人も、イギリスに渡る前このハーバーに係留した。

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     丁度、46フィートはありそうな大きなヨットが入港してきた。
     (そのヨットの後ろにある建物のレストランで夕食。)

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        港や海岸や堤防の突端までサイクリング。

Rがヨット用に買った折りたたみ式自転車は、頑丈な作りでしっかりした乗り心地の優れもの。
重いが折りたたむとコンパクトになるので輪行にピッタリで、電車への持ち込みもタダ。

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        堤防の突端は港の入り口で灯台が。その向こうに霞むのは北海を行く船。


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        ヨット・ハーバーまで戻って、ヨットを眺めながらテラスで夕食。

夕方、一日の航海を終えヨットを入港し終えてほっとした表情の人たちが、日に焼けた顔で
桟橋を歩いているのがテラスからよく見える。
今回、わたし達はヨットではなく自転車でヨット・ハーバーまで来たのだが、ヨットから陸に
上がってうきうきと歩く人々の充実感の漂う顔を眺めるのは楽しく、彼らの満足感がこちらにも
伝わってくる。

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       このレストランは、デン・ハーグ市内にあるベルギー・ビール専門カフェ
       Rootzの経営で、こちらにもベルギー・ビールが70種も揃っている。
       Rootz at the Harbour 別名Belg van Scheveningen(スヘベニン
       ゲンのベルギー人)というからには、料理も満足できる。


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       ブリュッセルの「小便小僧」に対抗するアントワープの「いけない子」
       Deugnietという名前のビールのラベルは怪しげ。。。


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        3コース・メニューは、各コース数種類から選べて25ユーロとリーズナブル。
        前菜は別々のを選んだ。向こうはカルパッチョ、手前はグリル野菜のサラダ。

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        主菜は、3人ともスヘベニンゲン風魚鍋にした。

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        寒くなったので、デザートはレストランの中で。クレム・ブリュレ。


ビール・ニューで確認したら、先々週ブリュッセルでは6ユーロもしたシメイは、ここでは4ユーロ
60セント。納得いく値段である。
各料理に合うビールとワインが品書きには書いてあるので、メインの魚料理にに合うビールを頼むと、
「魚料理には、ビールは合いません。」とビール専門のレストランなのに白ワインを勧められた。
グラスなら、ビールより安いくらいである。

実は、メインを食べ終えて会計を頼んだら、レシートには3コース・メニューとあった。
「デザートは注文してないのに」と文句を言うと、「2コースだけでも同じ値段です。デザートは
サービス料金なんです。それでは、コーヒーでもいかが?」と訊かれたので、「中でデザートを
食べる!」と断固たる調子で宣言し、クレム・ブリュレとレモン・タルトを持ってこさせた。「お客様は
典型的なオランダ人ですね」(つまりお金には細かい)と言われてしまった。
ベルギー人らしい給仕は1人もいなかったが、皆とてもフレンドリーで、客も給仕もお互いずけずけ
言い合えるのがオランダらしくていい。
ブリュッセルのグラン・プラス周辺だと、なんだかどこでも給仕は慇懃無礼で、そのくせ観光客と
見ると誤魔化してふんだくろうとする輩が多いような気がする。
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by didoregina | 2012-05-18 23:45 | 旅行 | Comments(6)
Commented by Gatto at 2012-05-19 11:32 x
きれいな街ですね。
料理もビールも美味しそう。
僕の場合ビールはドクターストップがかかってしまいましたが。(汗)
東京は夏日がちらほら、ヨーロッパもそろそろ気持ちのよい季節ですね。
Commented by レイネ at 2012-05-19 16:18 x
Gattoさま、デン・ハーグは、さすが女王陛下がお住まいだし、国会や国の行政官庁や国際機関、各国大使館が集まる実質上の首都なので、公園や緑地がとても多くて建物もイギリス的な重厚な雰囲気です。でも、小さな運河がある通りはひっそりとして可愛い。

ビールが飲めないと、日本の夏は乗り切るのが辛そうですね。ワインなら大丈夫なんでしょうか。お大事になさってください。
日本は、今、さわやかな風薫る五月でしょう。
Commented by hbrmrs at 2012-05-19 20:40 x
ビール好きのワタクシがやって来ました(笑)。美味しそう!
ベルギービールの特色は、ジョッキもあるけど、ワイングラスのようなグラスで飲むのがおしゃれです。種類もたくさんあって、迷ってしまいますよね。

デン・ハーグはマウリッツハイス美術館目当てで私も訪れましたが、やっぱり在住の方が散策する界隈は我々観光客とは違うのでしょうね。
でも、緑が多くてとてもきれいな町という印象は残っています。

スヘベニンゲンについて、以前日本のテレビで紹介されていました。「スヘベ人間」英語読みすると、いかがわしい表記になる町ということで。ひどいなー(笑)。
Commented by レイネ at 2012-05-20 02:56 x
hbrmrsさま、暗くなる前にスヘベニンゲンから自転車でRの家に河岸を移して、またもやベルギービール三昧。マレツーとブルッヘス・ゾット(ブルージュの阿呆)とクワックという、かなりマニアックなビールが冷蔵庫に入ってました。クワックは、あの特別グラスで飲まないと面白さ半減なんですが、ご存知?まだベルギーのカフェで試していなかったら、次回はぜひとも!クワックという名前をお忘れなく。

マウリッツハイスは改築のため閉館しているので、現在『デルフトの眺望』と「真珠の耳飾の少女』や『トゥルプ博士の解剖教室』などの国宝級絵画は、デン・ハーグの市立美術館に移されてます。しかし、『真珠の耳飾の少女』は、また来月から日本やアメリカ巡業するので、オランダでは見られなくなります(その賃貸料金で、改修工事費のかなりの部分が賄えるようです)。『デルフトの眺望』だけは国外には門外不出のようですが。(同様に、コンセルトヘボウ・オケも日本ツアーすると中国ツアーに比べてかなりの儲けになるそう)

カタカナ表示だとスケベニンゲンとか、いろいろありますね。
Commented by Mev at 2012-05-24 22:05 x
デンハーグは広々してお金持ちふうの街並みですよね。スヘベニンヘンはなんだかいつも混んでいるというイメージでなかなか行けてません。でもすてきなレストランもあるし、ちゃんと行ってみたいです。(でもこれからますます混むだろうなぁ、、、)

そういうえば、Soldier of Orangeのなかでスヘベニンヘンをちゃんと発音できるかどうかでドイツ人とオランダ人を区別してましたよね。あれは実際やっていたんでしょうか、、、、?
Commented by レイネ at 2012-05-25 06:30 x
Mevさま、わたしもスヘベニンゲンは、混雑した観光地海岸のイメージを持っていたんですが、ヨット・ハーバーの辺りはまるで別世界でした。このレストランもお勧め。(夜になると中は、オーストリアのスキー場のカフェ・バーみたいな盛り上がり)

スヘーフェニンヘンと正確に言えたらオランダ人の証し、という口答試験みたいなものは、ナチス占領下のオランダを舞台にしたパルチザンもの映画では必ず出てくるお約束シーンですから、実際にもあったんでしょう。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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