オペラ・プログラミングでのCT不遇

今シーズン、アムステルダムの歌劇場にはCTが登場しない。
3月にヘンデルのバロック・オペラ『デイダミア』が上演されるのだが、主なキャストは女性
歌手(サリー・マシューズ、ヴェロニカ・カンヘミ、オルガ・パシチュニク、シルヴィア・トロ・
サンタフェ)で、男声はテノールとバリトンのようだ。

コンセルトヘボウほかで行われるコンサート形式の『アリオダンテ』も女性キャスト(ジョイス・ディドナート、マリー・ニコル・ルミュー、カリーナ・ゴーヴァン他出演)でCTは登場しない。

ブリュッセルのモネ劇場では、3月に一回だけあるコンサート形式の『テオドーラ』にかろうじて
ローレンス・ザゾが登場するのと、『オルランド』のベジュン・メータだけだ。

かように、アムス、ブリュッセルともオペラではCT不遇のシーズンとなっている。
(その代わり、コンサートでは結構CTを聴く機会はある。)

ケルンの『ポッペアの戴冠』の前後に、我が家から比較的近いが日帰りはかなり苦しい都市で
目を引くバロック・オペラが上演される。

2月にカールスルーエでヘンデル・フェスティヴァルがあり、今年のオペラは『アレッサンドロ』だ。
主演はローレンス・ザゾ。フェスティヴァル中、カウンターテナー・ガラ・コンサートも行われ、チェンチッチファジョーリリーサバタが出演する。

また、3月にフランス北部のリールでも『ポッペアの戴冠』(アイム女史指揮)が上演される。
チェンチッチがネローネ、ティム・ミードのオットーネという魅力的なキャスト。
ポッペアは、去年のリールでの『ジュリオ・チェザーレ』(クリストフ・デュモー主演)でクレオパトラ役だった美人のソニア・ヨンチェヴァ。彼女は劇場付属歌手なのだろうか。
リールもケルン同様料金設定が非常に低いので、交通の便がよかったらぜひ行きたいところだ。
(家から200キロ以上だから車で2時間以上かかるし、国境を2つ越えないと行けないので、
電車でも乗り継ぎのため時間がかかりそう)

リエージュ(ORW)でもアントワープ(フラームス・オペラ)でも、今シーズンのプログラム
にはカウンターテナーの登場する演目は皆無である。

こうしてみると、CT出演のオペラ上演機会はだんだん先細りになっている傾向なので、来シー
ズンには目を光らせたい。

TVでは、1月10日にMezzoで去年のパリの『ジュリオ・チェーザレ』(アイム女史指揮、
ザゾ主演、ナタリー・デセイがクレオパトラ、デュモがトロメオ)、1月14日に今年のシャン
ゼリゼ劇場での『狂えるオルランド』(スピノジ指揮、ルミュー主演、フィリップ・ジャルスキー
ルッジェーロ)を放映する。早く新しいレシーバーが届かないかな。多分、両方とも間に合わない。。。
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by didoregina | 2012-01-05 17:15 | バロック | Comments(12)
Commented by アルチーナ at 2012-01-06 10:38 x
トップ画像はテーブルランナーですか?モダンで素敵ですね♡
それはそうと・・日本から見るととても充実してますよ!!
でも意外と日本にもカウンターテナーっているみたいで、機会があったら聴いてみたいと思っています。
色分け、変わったんですね!そうか・・なんとなく前回の色分けだと、イェスティン・デイヴィーズは緑かな?とか勝手に思っていたのですが・・

いいなあ!パリのチェーザレ!でも無理そうですか?見るの。
Mezzoは再放送無いのでしょうか・・??みたらどんな演出だったのか聴きたいです!
Commented by レイネ at 2012-01-06 17:19 x
アルチーナさま、鋭い!デルフト工科大学でのディプロマ授与式の前に供されたランチのテーブル・ランナーです。招待状も紙ナプキンも会場のデコレーションは全てこのピンクのPデザインで統一されてました。

CTの色分けはその日の気分によって変わります。というか、一緒に並べるCT同士の力関係によって。。。

Mezzo、再放送はけっこうしてるようですから、パリの2作もいつか観たいものです。
Commented by さわやか革命 at 2012-01-06 23:18 x
まこと、生カウンターテナーほど当たり外れの激しいものはありません。
「こんなはずじゃなかった!チケット代返してくれ~」
となる率が他の声域より高いような。

日本だとオペラに出るCTは上杉清仁、彌勒忠史あたりですかね。
そういや、BCJのコーラス隊のアルトは、以前は男3女1だったのに、先月のクリ・オラでは男女比が逆転してました。日本でも出番が減少か?
Commented by レイネ at 2012-01-07 03:43 x
さわやか革命さま、名前もCDも相当売れてるCTでも、生で聴くとがっくりすることがありますね。生で聴く機会はそれでなくても少ないので期待して臨んで、音程が不安定すぎたり声量が少なすぎたりすると。。。だから、歌劇場ではリスク回避の意味でCTのキャスティングを減らしてるんじゃないかと勘ぐってしまいます。

弥勒さんは、独特のキャラとテクニックでオペラ舞台もこなせる数少ない日本人CTと言えましょうね。(藝大の『アリオダンテ』での印象が結構強烈でした)
合唱団の中のCTってのは、これまた影が薄いジャンルですが、がんばってほしいものです。
Commented by galahad at 2012-01-07 11:21 x
オペラに出る日本人CTって私は弥勒さんくらいしか知りません。
弥勒さんは昨年もびわ湖ホールでルネサンス音楽コンサートの企画なんかもなさってて、正統派ってかんじ。
最近増えてきたとはいえ、とくに声楽を含む古楽の需要そのものが日本では少ないので多難でしょう。
CTで名を知られている人たちって(日本人で)クロスオーバーのコンサートしてるだけですよね。そんなの、イロモノでしかないと思うけど。
レイネさんがそちらでお聴きになるCTのコンサートは、もちろんバロックピースでしょう? オペラが少なくてもじゅうぶんうらやましい!
Commented by レイネ at 2012-01-07 17:45 x
galahadさま、オペラ舞台もこなせるCTは、世界的にも希少でしょうが、近年、パワフルで魅力的な若手が次々に登場・活躍しているのがうれしいです。
日本って、古楽コンサートが結構頻繁にあるような印象ですが、まだまだ需要は少ない?クラシック全体から見たら、古楽は小数派かもね。
キリスト教の祝祭を中心とした宗教曲の伝統が根強いヨーロッパでは、教会をはじめとしてCTの活躍の場は多いし、当然バロックがリパートリーですね。PJくらいかもね、バロック以外も歌うのは。あ、メータの新CDはちょっと新機軸かも。それと、ショル兄の来週のコンサートは中世ドイツの吟遊詩人の歌!
Commented by Mev at 2012-01-07 19:13 x
オランダではCTのコンサートは結構ありますよね。Concertgebouwマガジンでも「今年はCTの年!」というタイトルでジャルスキーの特集記事があったんです。でもたしかにオペラにはあまり起用されない。声量なのかな。スタミナ不足なのかな。 だからこじんまりの会場以外は採用されないとか?ザゾは声量あるから大きな会場でもよく登場するのでしょうかね。 とにかく私はオペラにはあまり行けないので(高いあるいは遠いので)、せっせとコンサートを探して通います!ショル、ジャル、デュモーの3つはチケッゲット済みなので確実に行きます~。
Commented by レイネ at 2012-01-07 19:22 x
Mevさま、おお、コンヘボも「今年はCTの年」宣言してるんですか!
それで、結構コンサートも多いのね。うれしいことです。

コンヘボでのショルのコンサートは、プログラムがよそのとは違うみたい。わたしが行くヤツは、オズワルド・フォン・ヴォルケンシュタインという吟遊詩人がテーマ。
チェンチッチの『ファルナーチェ』@コンヘボは、コンサート形式ですが、一応オペラだし、比較的チケット代金が安いですから、ぜひ。
まずは、PJのコンサートでお会いしましょ。(わたしにとっては、初生PJよ!)
Commented by アルチーナ at 2012-01-08 13:30 x
ドイツの記事などでは大分、カウンタテナーのCDは取り上げられているようで、結構、注目!という感じなのかな?と思ったりしますが・・どうなんでしょうね?
日本ではバロックオペラが一時期テレビなどでも放送があったような気もしますが(それもフランスバロックだったからCTは全く出番はありませんでしたけれども)最近は全く・・

日本人CTに関しては、弥勒忠史さんと上杉清仁さんの演奏会形式のオペラで聴きました。後は・・BCJの合唱団で参加していた青木洋也さん。少しだけソロの出番があったのですが、ソリストのテノールよりも全然声が大きくて驚きました。
弥勒さんはこの間聴いた時、ふーっと連れていかれてしまいそうな瞬間が一瞬有って良かったです。(ファジョーリにもジャルスキにもこういう感覚は無かった・・まあ、会場のキャパの問題とかもあるかもしれませんが・・)

ジャルスキってそんなに声量無いですかね・・??
先日見かけたフランスのジャルスキのコンサートの記事にもそんな事が書いてあったのですが・・ただ、この間、聴いた印象ではオペラよりも宗教音楽の方が向いているような印象を持ちましたけれども・・

Commented by レイネ at 2012-01-08 19:57 x
アルチーナさま、今年は各国でCT注目!なのかしらね。
そういえば、ラモーのオペラにCTって登場しませんね。。。

弥勒さんは、(日本人離れした)存在感があり、日本のバロック・オペラの屋台骨を支えてくれる貴重な人ですね。魂の遊離感があったとは、すごい。

PJは、なにしろ生で聴いたことがないので。。。でも、5月と8月のザルツブルクでの『ジュリオ・チェーザレ』に出演するんですよね。まさかタイトルロールってことはないだろうけど、何の役?トロメオはデュモー選手でキマリだろうし。セストとか?それとも、ずっと軽い役?
galahadさんが、5月に観賞されるのよ。
Commented by アルチーナ at 2012-01-10 14:27 x
ああ・・スミマセン・・皆さんのコメントを読みながら色々と思ったことを勝手に書いてしまいました。ジャルスキはオペラよりもコンサートの方が好きと、インタビューで答えていたのでオペラに出ないのはそれもあるかも。

galahadさんのレビュー楽しみですね。配役に関してはもう答えてもらっているようなので・・後はヨッヘン・コヴァルスキーがニレーノで登場するようですよ!
Commented by レイネ at 2012-01-10 16:07 x
アルチーナさま、どうぞ、遠慮なさらず思ったこと色々と書き込んでください。2月のPJのコンサートはヘンデル・アリアです。一人舞台だし、いいんじゃない。
でも、今年は、オペラ舞台にもけっこう登場しますね。『カラヴァッジョ』って、以前インタビューで言ってた、彼のために作られたとかいう新作オペラかしら。

ニレーノ役は、盛りが過ぎたCT専門って感じの役で、ヘンデルもよく考えた?


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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