クルーザーとヨットは犬猿の仲? エメラルド海岸セイリングその3

クルーザーとヨットは、同じ海上、同じ湾内、はたまた同じマリーナにいても、双方相容れない
ものがある。互いに敵対視しているわけではないから、犬猿の仲、というのは当たっていない。
ペットを飼う人が猫派と犬派に分かれるように、クルーザー派とヨット派を分つのは、単に好みの
問題にすぎない。
ただし、双方とも自分の好みには絶対の自信があるので、蓼食う虫も好きずき、という憐憫に
近いものを感じながら相手を眺める。

ヨット派でよかった、という幸せを感じるのは、海上でイルカに会えた時だ。

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       写真ではよくわからないが、親子のイルカが3頭
       私達のヨットの下や周りや別のヨットとの間などを
       泳いだり跳ね上がったりしてくれた。
       海と同じ紺色なので、写真ではいるのかいないのか。

イルカは音に敏感なので、エンジンのモーター音を響かせて機走している船には近づかない。
風任せで進むヨットの帆やロープやその他のきしむ音は好きなようで、近くに寄って来ては
じゃれるように泳いで行く。地中海や北海でも、今までのセイリングでイルカに出会わなかった
年はない。

かように静寂を好むのはイルカだけではない。ヨット派は、皆、風と波の音だけの世界に浸る
ことを非常に愛するエコ派とも言える。
その証拠に、2週間のセイリングで使用したディーゼルはたったの23ユーロ分だった。
帆走している分には、燃料はいらない。
水だって惜しみつつ大切に使う。(水道の通じた桟橋に来ることがあまりなかったからだが)

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       投錨した湾で、朝起きて天気がよかったら、
       そのまま海に飛び込む。運動と水浴びを兼ねて。
       シャワー使用は海水を洗い流す程度に抑える。

それに対して、クルーザーが使う燃料と水は莫大なものになる。とにかく全てをぴかぴかに
していないといけないので、なんでも水でジャブジャブ洗い流すし、モーター・ボートは風力では
微動だにしないから、燃料を使った動力で動かすしかない。

出発したマリーナに最後に戻ると、レンタ・カー同様、使った燃料を補給して満タンにして返す。
そのための水上ガソリン・スタンドがマリーナにはある。水のタンクも桟橋で満タンにする。

c0188818_7283525.jpg

       ヨットとモーター・ボートとヘリコプターまで搭載した
       メガ・クルーザー。トルコでは、こういうのが港に近づくと
       「ビル・ゲイツが来た」などと言っていたが。 

しかし、私達は見た。でかいクルーザーに、陸から呼び寄せた燃料補給車からディーゼルを
入れているのを。それは、まだ許す。なぜか消防車がメガ・クルーザーの桟橋に来ていた。
怪訝な目の私達を尻目に、桟橋の水道蛇口からの普通のホースでは追いつかないらしく、
消防用の太いホースで消防車から大量に水を補給していた。これには、あきれてしまった。

c0188818_7194642.jpg

       ヨットでのセイリングは、水上でキャンピングしているようなもの。
       シャワーのついでに洗濯して干す。風ではためいて強い陽光で
       すぐに乾く。
       陸では山火事。散水のため飛行機やヘリコプターが飛んでいた。

地中海地方では、夏に山火事がとても多い。毎年どこかで出くわす。
海や湖から飛行機やヘリが汲んで、空中から放水する。消防車では間に合わないのだ。

カラ・デ・ヴォルペというこの湾には、同名のホテルが建っている。サルデーニャで1,2を争う超
高級リゾート・ホテルで、一泊20万円は下らないそうだ。同じ湾には、超豪華クルーザーが沢山
停泊していて、小型モーター・ボートが、ホテルとの間をひっきりなしに往復していた。小型といっても
3人はクルーが乗り込んでいるのが普通だ。(クルーは皆白いユニフォームだからすぐにわかる)

呉越同舟ではないが、わたしたちのフロティッラも同じ湾に投錨していたので、風景や海は共有。
しかし、クルーザー派とヨット派との交流は全くない。興味の接点がないのだから仕方ない。
ここでは、陸に上がるとピザも普通料金の2倍だった。しかし、湾内に投錨する限り停泊料はタダ。
メガ・クルーザー族の華やかなヴァカンスの様子を垣間見ることができた。









      
       
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by didoregina | 2011-07-27 00:48 | セイリング | Comments(4)
Commented by Mev at 2011-07-27 14:09 x
やはりバカンスにおでかけでしたね。 おかえりなさいませ。
今回はサルジニアなのですね。 海、ものすごく綺麗ですねえ。クロアチアもすごいなと思いましたが、サルジニアも海の色が北の海とは全く違って吸い込まれるようですね。 食べ物も美味しそうだし安いし魅力的。 サルジニアで赤珊瑚を取っている人たちのドキュメンタリーをテレビで見たんですが、海溝のように深いところもあるとか。ちょっと神秘的なエリアだったんじゃありませんか?

キャンプ生活とはおっしゃいますが、やはりヨットは優雅ですね。
クルーザーはビル・ゲイツというよりなんとなくダース・ベイダー風?
Commented by レイネ at 2011-07-27 16:28 x
Mevさま、ヴァカンスから帰ってまいりました。
海の美しさでは、クロアチアと双璧です。石灰岩の岩だらけのクロアチア沿岸と比べて、サルデーニャには砂浜が多く、湾も遠浅で砂底。そして思わぬ浅瀬や岩礁がブイなどの表示なしにあるので、要注意。
なるほど!サルデーニャでは、赤珊瑚が採れるのね。シンボルのようになっていていろいろなモチーフ・デザインに使われていたし、珊瑚のジュエリー・アクセサリーも沢山見かけました。

メガ・クルーザー=富豪という連想で、ビル・ゲイツなんでしょうね。
Commented by galahad at 2011-07-27 21:58 x
レイネさんお帰りなさ~い! 綺麗な海ですね、イルカも寄ってくるなんて楽しそう。
ヨットとクルーザーは好みで違うんですか。 ヨットのほうがお船としてきれいでスポーツっぽいかんじがします。
私はぜーんぜん縁がなかったのですけど、出身校が昔はカヌー、今はヨット競技で好成績をあげてる学校。 ヨットの子たちはびしばし練習たいへんそうでした。
Commented by レイネ at 2011-07-28 00:48 x
galahadさま、ただいま。イルカの癒し効果は抜群です。
ヨット派とクルーザー派の性格は全く正反対で、犬派と猫派みたいなものですね。ヨットは、スポーツになりますが、クルーザーは。。。。
水上スポーツの盛んな学校って、いいですね。わたしも、30年前に戻れたら、ヨットか、カヌーかボート部に入りたいです。競技系だとしごかれそうですが。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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