オランダ北部への旅 その2 フローニヘン

人身事故で止まっていた電車が復旧したので、フローニヘンまで行くことができた。
子供たちは途中で引き返したがったが、目的はフローニヘンでのフォルテピアノ・リサイタル
だから、とにかく前進あるのみ、と叱咤激励した。一人で先に進めばよかったのだが、それが
難しい事情があったのだ。

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     フローニヘン駅。Isaac Gosschalk設計で1896年完成。
     ゴシックとルネッサンス様式を取り入れた赤レンガの駅舎は、
     なかなか立派で美しい建築物だ。

オランダ鉄道NSの春季割引切符をオンライン購入していた。通常料金なら、マーストリヒト~
フローニヘン往復は、二等車でも一人45ユーロ以上かかる。それが、レンテ・トゥアーという
割引切符なら一等車に二人で一日中乗り放題で45ユーロ。オンライン購入だと40ユーロだ。
しかし、オンライン・チケットには生年月日と名前が印刷されているので、他人に譲渡できず、
検札の際にはIDを提示しなくてはいけない、という厳しい制約がある。わたし名義で購入した。
3人で行ったので、もう1枚は、割引切符を購入。わたしは平日9時以降と週末は40%割引に
なるOVカードを持っている。また、長男は平日はタダ、週末は40%割引になる学生OVカード
を持っている。次男だけ特典カードを持っていないが、カード所有者と一緒に乗る場合は、お供
3人も同じ恩恵が受けられる。つまり、次男だけ個人行動が出来ない。だから、結局3人で
乗りかかった船から下りられなくなり、7時間かけてフローニヘンまで行くことになったのだ。


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     駅前の運河の中洲に建つフローニンガー美術館。
     アレッサンドロ・メンディーニ設計のポスト・モダン(1994年)
     黄色っぽい金色の部分は、教会の塔のようにも見える。

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     外壁や内装に、フリースランド名産のタイルが多く
     使用されている。

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     平べったい円形のパビリオンは、フィリップ・スタルク設計。
     夕闇に包まれた美術館周辺は、お堀端の趣き。


マーストリヒトのボネファンテン美術館とフローニンガー美術館はよく比較されるが、建築様式
としては、対照的だ。アルド・ロッシ設計のボネファンテンは、赤レンガの外装で直線的、マッス
を強調し威圧的・男性的な印象だが、メンディーニのデザインは、軽くて明るく楽天的。後者の
ほうがわたし好みだ。
建築スタイルは対照的だが、建築年代や地方都市の水辺という立地条件が似ている。
所蔵品も、あまり財源豊かでない地方都市の美術館だから、これは、という惹きつける物に
乏しいのも同様だ。だから、ピュアに建築物と現代アートの特別展覧会を売りにするのも似ている。
マーストリヒトの場合、話題性のある現代アーチストの展覧会が時たまある。ベネトンの広告で
有名な写真家トスカーニのほか、ピーター・ドイグ、リュック・トイマンス、エリザベス・ペイトン、
フランシス・アリスなど。

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      美術館内部見学の時間は、残念ながらなかった。
      つい最近改装なった美術館のカフェ・レストランは必見。
      マールテン・バースによるクレイ・シリーズの家具とインテリア。

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      プラスチック粘土をこねて造ったような椅子やランプ。
      質感が視覚的に迫るように上手く表現されている。
      エイントホーフェンのデザイン・アカデミー出身のダッチ・
      デザインの雄。
      カフェは凄く混んでたが、ここでサンドイッチのお昼をとった。
      味は普通だが、給仕がすごく早かった。

c0188818_18531639.jpg

      フローニヘンのシンボルともいえるマルティーニ塔。
  フローテ・マルクトに建つ97メートルの塔は1487年完成。

そそくさとミュージアム・カフェで昼食のあとは、コンサート会場のルーテル教会へ急いだ。
3時10分前に駅について、3時ごろ昼食、コンサートは4時から始まるから、のんびりしている
暇はないのだった。


オランダ鉄道NSは、電車が遅れた場合、切符代金の払い戻しをする。30分以上59分の遅滞なら
半額、60分以上なら全額だ。今回は3時間だったが、それ以上の賠償は出ない。しかし、往復
切符を買っているが、遅れのなかった帰り分の料金は戻らないから、半額の払い戻しになる。
こういうことをして、自分の首を絞めてるような気がする、NSは。
      

      
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by didoregina | 2011-03-23 11:03 | 旅行 | Comments(5)
Commented by アルチーナ at 2011-03-24 13:32 x
カフェの赤い照明と鏡の縁、可愛いですね。
ポストモダンの建築も何となく久しぶりに見た!!!感じ(笑)
タイルにも興味ありますが・・接写はございません??
モネの来シーズンも興味深いですね。
ドグー、知りませんでしたが、気になりますね~・・
Commented by レイネ at 2011-03-24 15:27 x
アルチーナさま、美術館建築を見る、というのも大きな目的だったのですが、時間がなくて。。。
外装や内装のタイルなどの写真は、美術館のホムペでどうぞ。www.groningermuseum.nl/enです。入場客数が予想以上に多いため、床や階段などが磨耗したので、つい最近内装を大幅に改装。Eigen huis en interieur2月号 とELLE decorationオランダ版3月号に特集記事が出てました。

モネはよさそうです。ドグー、パリやウィーンなど結構あちこちで活躍してます。祝『ポッペア』@ケルン再演!ピオーは出ないけど。。。
Commented by Mev at 2011-03-24 21:54 x
ご無沙汰しています。フローニンヘンには以前一度行きましたが、この美術館には行っておりません。いつか行ってみたいと思います。

今は今日明日無事で生きていけるかなということしか考えられなくて、、、、。 1年後に、「去年の今頃は大変だったわよ~」なんて笑っていたいものです。
Commented by レイネ at 2011-03-26 00:25 x
Mevさま、貴ブログを拝見しますと、つくばでもいろいろと大変ですね。明日の予測がつかないって、どんなにか不安で心配なことでしょう。こちらでもニュースに一喜一憂の毎日ですが、どよおんと暗い気分になることの方が多いです。本当に、笑いながら振り返ることが出来るような精神的余裕が復活することを祈るのみ。
Commented at 2011-05-27 16:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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