新年会は初釜か

今年の着物初めは、昨日の新年会だった。
お正月にふさわしく白っぽい着物にしようかと、最初思った。
カタモノはふさわしくないから、タレモノだ。しかし、日中のパーティーである。
天候との兼ね合いもある。
先週は気温が10度以上に上り、雪が全部融けてしまった。だから、着物には
ありがたいが、太陽がまぶしい昼間に白っぽい着物は映えないような気がする。

結局、今まで袖を通す機会のなかったブルーの色無地にした。
松皮菱の地紋の生地をちょっと洋風なブルーに染めたものだ。
同じ生地を紫に染めた道行を合わせると、完璧なアンサンブルというか
まるでお茶席にぴったりの組み合わせだ。
新年会を、初釜だと思うことにしよう。

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         全て母のもので、裄直ししていない。
         道行の余った生地でショールも作ってある。
         ショールにしないで、その分丈を長く作って
         もらいたかったが、母サイズなのでいたしかたない。

c0188818_11465235.jpg

         帯は、ラメの入った紫の綴れ織で、
         お正月らしい華やかさを。
         帯締めと帯揚げを同色の薄紫にして
         洋装的なモダン・コーディネート。

会場は、去年と同じで、白い町トルンの庄屋の館。
大雪で集まりが悪かった昨年とうってかわり、暖かい好天だったが、そのためか、
かえって、あまり集まりがよくなかった。ハイキング日和なのだ。
ほとんど一年ぶりに会う人ばかり。それでも、わたしの去年の着物姿を憶えている
人が何人かいた。
給仕の人が、「また今年もお着物ですね。素晴らしい」と言うのにびっくり。

今年は、ハープとヴァイオリンと歌のトリオ演奏が入った。
乾杯の前30分ほどは、知り合いに挨拶して回る時間なのだが、その間中、バックで
バロック曲などを演奏していた。
会長による新年の挨拶のあと、20分ほどのミニ・コンサートのはずだったのだが、皆、
あいさつ回りとおしゃべりを続けるので、会場はざわついたまま、演奏は単なるバック・
グラウンド・ミュージックみたいになって、奏者にはかわいそうだった。
わたしは、最前列の椅子に座って、しっかり演奏を聴いていたが。
思い余ったのか、ヴァイオリン奏者が「次はモーツアルトのミサ曲から、ソプラノ歌手
にはとても集中力を要する難しい曲なので、皆様、少々お静かに願います」と
言い出す始末。
あまり上手い歌手ではなかったが、皆静まって拝聴した。
最後は、プッチーニの『わたしのお父さん』だったが、何を歌ってもべったりとした
声で、感情も込められていないし、単調でつまらない歌唱だ。
ヴァイオリンも酷かった。唯一の救いは、ハープだ。ペダルが3つある大型ハープを
持ち込んで、リキが入っている。ピアノでなく、ハープ伴奏というのがいい。しかし、
ハープは音が小さいので、トリオだと通奏低音くらいの役割しか得られない。
次回は、ヴァイオリンと歌抜きで、ハープだけの演奏を聴きたいと思った。

新年会は、学会シンポジウムも兼ねている。だから、パートナー用のおカタくないプログラムも
用意してあり、今年は、「修道院とビール」というテーマの講演と試飲だった。
まるでわたしのために用意してくれたようなものだ、と勇んで参加した。
しかし、メイン・シンポジウムのパネル・ディスカッションが、一般人にも興味深そうなテーマ
だったので、そちらに人が集中して、「修道院とビール」講演に集まったのは、3人のみ!
講演内容は、ごくごく一般向けで、掘り下げが全く足りないため、ベルギー・ビール好きに
とっては既知の情報ばかりであった。試飲は、いろいろできるのではなく、一人1,2本。
ウェストマルのトラピスト・ビール1本飲んだら、おなかが一杯になってしまった。

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        正真正銘のトラピスト・ビールのウェストマル。
        初釜にふさわしく(?)今年飲む初ビールだ。

ビールを飲みながら、他の参加者である2人の年配のご婦人たちとお話しすると、皆さん、
お子さんは皆デルフト工科大学出というので、お互いにびっくり。こういう偶然は珍しい。

       
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by didoregina | 2011-01-10 04:31 | 着物 | Comments(10)
Commented by straycat at 2011-01-10 14:40 x
道行を作った生地でショールも作るというのはいいですね。
トータル感があって使いやすそう。
でも昨今のような長めの丈にすると、生地が余らないので無理なのかな?
ショールは裏とか房なんかもつけているのですか?
色無地の色を決めるのは難しそう、思った通りの色にならないとガッカリでしょうね。
そちらで、お茶もなさっているのかとちょっとビックリしてしまいました。
新年会だったのですね。
Commented by レイネ at 2011-01-10 15:35 x
straycatさま、ショールは、余った布を二枚重ねにして縫っただけ、という感じですが、肩と襟元が覆える大きさでわりとどっしりしてます。昨日は暖かかったのでショールなしでした。
この色無地セットの色合いは、結構気に入ってます。地紋の光沢のせいか、フル・レングスのイブニング・ドレスのように華やかで。でも、去年誂えた絞りの着物は、色がイマイチ薄すぎで失敗。。。

お茶、子供の頃は習ってたんですが、大人になってからは全然していないので、再入門したいなあ、と思ってます。
Commented by Mev at 2011-01-10 19:30 x
お茶じゃなくてビールってところが、まことにレイネさんらしい。 レイネさんの着物、どんどん新しいものが出てきてすごいなあと感心するばかり!!このたびは蒼がきれいで清々しいですね。
Commented by レイネ at 2011-01-10 20:23 x
Mevさま、最新の修道院(ビール)情報として、ロシュフォール(ベルギー)のトラピスト修道院の建物が12月に火災にあって、かなりの部分が焼け落ちてしまったというのを、昨日初めて知りました。ビール造ってる修道院の主だった所へは行ったことがあるし、定義とかも知ってるので、講演内容に目新しいものは、それ以外ありませんでした。

着物は、里帰りのたびに母のものを裄直しに出してるんです。だから、新しい着物はほとんど買っていません。母は着物好きなので、箪笥二棹と行李にぎっしりで、帯も合わせて6枚から10枚くらい毎回持って帰るのですが、まだ底が見えません。着てあげないと、着物もかわいそうだし、もったいないので。
Commented by alice at 2011-01-10 21:42 x
外国でも映える色の組み合わせがいつも素敵ですね!

>着てあげないと、着物もかわいそうだし、もったいないので。

まったく同じ気持ちで、頑張って土曜日のオペラ仲間との新年会に着て行きました。やはり私もお正月はタレモノ・・・紫っぽい総絞りに白地に幾何学っぽい模様の袋帯、帯揚げと帯締めは水色でした。
そして、昨日は初釜だったのですが、朝から調子が悪くキャンセルしてしまいました。前日飲みすぎたみたい・・・オペラの話は尽きず、ついつい杯を重ねてしまいました。連日の着物プランができあがっていたというのに、情けない・・・。


Commented by レイネ at 2011-01-10 22:11 x
aliceさま、お褒めいただきありがとうございます。

オペラ仲間との新年会にお召しになったお着物、拝見したいです!
紫っぽい総絞りの、どういう紫なのか知りたくて。白地との帯も組み合わせも、どんな風なのか、お写真アップしてください。
紫って、赤系から青系までスペクトラムの幅が広くて色々あるし、日本の紫はそれに茶が混じったりして、繊細にして微妙。それに総絞りだと白が全体の半分くらいを占めるので、また雰囲気が変わるし。
それで、昨年失敗したんです。総疋田の白生地を染めてもらったんですが、ラベンダー色にしたら白とのミックスで丁度藤色っぽくなるんじゃないかと思ったのに、イメージとは異なり妙に昭和キモノっぽいものに仕上がってしまって。それに白い帯を合わせようと思ったんですが、冷え冷えした雰囲気になって、初夏のさわやかさが出ませんでした。

初釜、キャンセルされたんですか。。。残念でしたね。
Commented by ロンドンの椿姫 at 2011-01-11 08:37 x
今年の初着物ですね。とても素敵なブルーじゃないですか。大好きですよ、この色。帯によって雰囲気変るし、着回しが楽しいそう!
私はやっと明日が初着物なんですが、新年会ですから訪問着にします。もっとも、私は招待客ではなく、雇われ芸人なんですが、華やかにするのも大事な役目ですもんね、などど言い訳をして、派手な着物が着たいだけかも。
今年も、お互い、海外着物ライフを楽しみましょうね。そして、またどこかにご一緒しましょう。
Commented by レイネ at 2011-01-11 17:37 x
ロンドンの椿姫さま、今年も姫を見習って、着物でいろいろなコンサートや催し物に行きたいと思ってます。
色無地なので地味かなあ、と思ってましたが、地紋の柄が大きいのできらきらして、結構華やかでした。これからも活躍しそうです。トリオ演奏のソプラノ歌手が着ていたロングドレスと同じブルーだったので、ツーショット撮ればよかったなあ、と後悔。

なかなか訪問着を着る機会がないんです。華やかな場でないとめちゃめちゃ浮きそうで。。。着物は自分で着る機会を作らないとだめですね。またお琴の演奏に呼ばれてるんですか?いい機会ですねえ。

本当に、1年に1回は、どこかのオペラハウスでお会いできたら愉しいですね。ぜひ実現させましょう!
Commented by ろき at 2011-01-14 07:48 x
きりっとした青が新年らしいですね。色の組合せが渋い~。
この姿で修道院ビールというのがまた素敵(笑)。
わたしは着物は実家に送り返しちゃったのですが、こうしてレイネさまの着こなしを見せてもらうと、長く住む家が決まったらまた持ってこようかな~と思います。(まだ流浪中で・・・)
Commented by レイネ at 2011-01-14 16:32 x
ろきさま、色の組み合わせが渋いのは、着物も道行も母のものだからです。帯と小物の色を紫の濃淡にして洋服っぽいコーデにしたつもり。

着物お持ちなんだったら、次回のお里帰りの際には、ぜひお持ち帰りになって!展覧会やオープニングに着物って、まだ着たことないのですが、いかがでしょう?
絵の道具や材料は貸しスタジオにおいて、余ったスペースに着物を収納、という方向で考えてみてください。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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別名: didoregina
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モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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