ベルギー・ワインのシャトー見学と試飲

ベルギーといえば、ビールの国である。
一般的なラガー・ビールやピルスナー・タイプならば、ドイツやチェコが本場かもしれないが、
ベルギー・ビールは味付け・製法がヴァラエティに富み、さながらフランスの各地方の様々な乳で
作られたチーズのごとく種類が多いので、地ビールやスペシャル・ビール開拓の楽しみがある。

しかし、今回行ったのは、ビール醸造所ではなく、ベルギーのワイン総生産量の3分の1を生産する
シャトー・ヘヌルスエルダレンだ。
大学時代からの友人HとBが、結婚26周年を総勢10人の友人と祝うため、ツアーを企画したのだ。

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           シャトー本館と前庭。
           地下は、13世紀からのワイン・セラー。


ヘヌルスエルダレンは、マーストリヒトからベルギーのトンゲレンに向かう途中にある村だ。
ワインのシャトー見学には試飲が付き物だから、その後の車の運転がネックとなる。HとBは
9人乗りマイクロバスをレンタルした。お酒は全くたしなまないBが運転手である。しかし、総勢
10人のグループだから、乗れない人が出てくる。それは、くじを引くまでもなく、シャトーから
一番近いところに住むわたしたちに当たった。仕方がない。でも、その前後のプログラム
(ランチとディナー)がなかったら、路線バスか自転車で行こうかと思った。

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           シャトーに至る並木道の木には、
           ヤドリギが沢山ついている。
           このあたりは、第3と第4氷河期の間に
           ウクライナあたりから飛んできた表土が
           堆積して5メートルのローム層を形成。
           ヤドリギが多く見られるのは、地表が
           ローム層の証拠だそう。

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           黒鳥が散歩してる庭。

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           6ヘクタールの葡萄畑は、完全な有機栽培。
           ローム層の下は、石灰質。根は1年に2,3メートル
           伸びるから、植えてから2年後には石灰層に達し、
           葡萄の収穫が可能になる。

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           主にシャルドネと発砲葡萄酒用種を植えているが、
           赤ワインも作っている。ピノ・ノワールの赤を
           試飲したが、イマイチ、イマニくらいの味だった。

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           南東に面した緩やかな斜面なので、1日中日が当たる。
           しかし、日射はブルゴーニュなどと比べると弱いから、
           1房の葡萄に対して陽光を吸収させる葉っぱの数は
           13枚とかなり多い。

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           病気の見張り番として赤バラが植えられている。
           葡萄よりもバラの方がデリケートだから、バラが病気の
           警告をしてくれる。

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           ここは、新しい樽の並ぶ貯蔵セラー。
           第二次発酵で出来る炭酸ガスを逃がすため、
           左手前の樽には蓋がされていない。
           圧搾機や、葡萄の搾り滓(マール)から蒸留酒を
           作る機械のある作業場や13世紀のセラーも見せて
           くれた。

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           シャンパンと同じ製法で、自然発酵の炭酸ガスが
           とても多い発泡酒。
           シャトーお勧めのズワルト・パレル(黒真珠)は、
           辛口で炭酸ガスが多いので飲み口は重く、ゴージャス。
           おいしいのにお値段は一瓶16ユーロと、他のワインよりも
           ずっと安いからお買い得。

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           すごく詳しいガイドと突っ込みおよび質問の多すぎる
           グループだったので、見学に2時間かかった。
           その後、5種類のワインを試飲したが、この値段で
           この味なら、フランス・ワインでもっと上等なのが
           買える。地元産ワインという珍しさ以外あまり価値が
           感じられない。一番おいしかったのは、2003年の
           100%オークの樽に2年寝かせたシャルドネ。しかし
           一瓶26ユーロ出して買うほどのものでもない。
           産直でこの値段だから、レストランだととんでもない値段に
           なるだろう。シャトーのカフェでも一杯5ユーロもする。

           
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by didoregina | 2010-11-07 11:43 | 旅行 | Comments(2)
Commented by straycat at 2010-11-09 22:57 x
ワイン作りには、それに適した土地柄というのがあるんですね。
葉っぱが太陽光を吸収するために多めについてるなんて、環境に適応した品種を工夫して栽培しているんですね。
関東では山梨のワイナリーがアクセスが良くて、あちらに帰ったら私も一度は行ってみたいなと思っているんですよ。
ぶどう狩りとワイナリー見学がセットになっていたりするみたいで、圧搾機でぶどうを搾るとか、一度やってみたいです。
Commented by レイネ at 2010-11-10 02:37 x
straycatさま、完全有機栽培というのは結構大変で、収穫が上手くいかない年もあるようです。また、糖度を上げるために、砂糖を添加したりしないで、開花から収穫までの期間を長くしてしかも遅くすることで工夫しているようです。北に位置するので開花は6月終わりごろ、それから収穫までは最低4ヶ月かかります。10月に入ると日中と夜間の温度差が激しくなり、自然に糖度が増すので収穫が10月下旬というのも理にかなっているそう。

甲府だったら、ぶどう狩りとのセットのワイナリー見学も楽しそうですね。日本の葡萄は食べてもおいしいので丁度いいわ。ついでに温泉など組み合わせたら最高。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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