Sail Amsterdam 2010

船ヲタも帆船ファンもヨット好きも一般観光客もフツーの行楽客も、とにかく、昨日始まったイヴェント
セイル・アムステルダム2010に集合だ。
5年に1度開かれる、世界最大の帆船祭りである。
目玉は帆船だが、大小さまざまの一般船も合わせて総勢600隻が、アムステルダム中央駅北側にある
アイ川(もしくは運河もしくは湾)に集結するのだ。
朝10時に北海沿いのアイムイデンを出発した帆船群は、午後1時ごろアムステルダム到着予定だ。
その入港の様子をナマで見ようとする行楽客が、電車に集中した(主催者および国鉄が車で来るのは
自粛するよう呼びかけた)から、朝9時少し前のマーストリヒト発電車は、すでに始発駅から満員。
エイントホーフェンで臨時車両を増結した。
定刻11時半に、電車はアムステルダム中央駅に到着。駅構内にセイル会場までの順路が表示されて
いるが、入港観覧のために集まった人の波に押されて歩けば、迷いようがない。

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           アムステルダムのプロモーション・ロゴ兼アート・オブジェ
           I amsterdamの、いわずもがなの日本語訳

駅の北口は、アイ川に面している。そこから右手に少し歩いて、格好の見物場所を確保した。
何年経っても進まない駅の改築工事現場の囲いコンクリートブロックの上である。こういう時だけは、
工事にも感謝しなければならない。というより、いつもの不便の貸しに落とし前を付けて返してもらおう。

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           入港予定の1時を1時間以上すぎてから、北海運河がアイ川になる
           あたりに、アムステルダム市号が、帆に風を受けて堂々と登場。

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           2時間半も待った。しかし、ヨット・ハーバーのシックスハーフェン
           正面といういい場所を確保したので、礼砲と共に現れる船の全景が
           よく見える。クリッパーのアムステルダム市号は、ダーウィンの
           ビーグル号と同じ航路で地球の生態変化の科学研究のための
           世界一周航海を終えて、アムステルダムに戻ってきた。
           それを誇るかのように、パレード先頭で雄姿を飾る。

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           お供の船を従えて、湾内を回る。このページェントの混雑具合は、
           まるでナポレオン時代の海戦さながらの趣。海洋フェチの血が騒ぐ。

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           こちらは、トラファルガー海戦を描いたパノラマ。
           ポーツマスの海事博物館で見られる。海洋フェチ必見である。

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           スウェーデンの東インド貿易船イエテボリのレプリカ。
           17,18世紀、航海と貿易の黄金時代の船は、オランダでも
           いくつかレプリカが建造されているが、芸術品のような美しさ。

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           ロシアのセードフ。現役では世界最大の帆船だそうだが、
           帆を張っていないと全然迫力がない。この後に続く船は、皆
           帆を降ろして入港したのでがっかり。
           しかし、きらびやかに信号旗を張り巡らせていたから許す。

旗による信号というものがある。無線などない時代は、離れた船同士のコミュニケーションはこれで
行った。一つの旗の色と模様がアルファベットを表すようになっているのだ。
旗を使った通信で有名な文句は、トラファルガー海戦で、ヴィクトリー号のネルソン提督が飛ばした
檄だ。 
c0188818_19361085.jpg
  
          England expects that every man will do his dutyと読める。

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          インドネシアのデヴァルシ号。
          船員が高い帆柱の帆の上に立って、観客に手を振ったりする。
          帆を降ろした船は、このくらいのサーヴィスをすべきである。   
          さすが、アジアの船はホスピタリティの精神に満ち溢れている。
          船員が小柄ですばしっこいという利点もあるのかもしれない。

c0188818_19454947.jpg


特に海洋フェチではない義妹とその子供達といっしょに見物したので、1時間半くらい見物すると
(その前に2時間半も待ったし)、飽きたようで、アイ川沿いに歩いてみる。人の波は留まるところを
知らず、どこに行ってもよく見えない。わたし達の席は、特等といってもいい場所だったのだ。

今週末いっぱい、船はアムステルダムのアイに停泊しているので、見学(内部も)できる。
月曜日には、また北海運河を通って北海に戻るパレードがある。

    
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by didoregina | 2010-08-20 12:53 | セイリング | Comments(8)
Commented by Mev at 2010-08-20 20:35 x
お天気も最高で、素敵なお祭りだったようですね!在りし日の海洋国オランダ(あ、今でもそういう面があるんですよね)ならではの「船」萌え国民ですよね。 アムステルダム号帰ってきたんですね。綺麗ですねえ。

そういえば、奇しくも先日門司の海洋博物館に行ったんですけど、船舶の旗信号のサンプルがあって、黄と赤かなにかの旗1本で「誰かが海に落ちた」ってのがあって驚きました。そんな信号があるのは日本だけ????
Commented by レイネ at 2010-08-20 22:30 x
Mevさま、まあ、ディズニーランドやカーニヴァルのパレード見物みたいなもので、いい場所を確保するためには、相当な我慢が必要でした。
今でも、特殊な船舶の設計・造船(ハイテク船や一点ものの超高級クルーザー)では、オランダはいいセン行ってますよ。国民の体に流れる血は、海水と同じくらいしょっぱいです。
アムステルダム号は、NEMOの前に今は係留しているVOC船で、クリッパーのアムステルダム市号とは別物なんです。(わたしも、去年まで同じだと思ってた。。。)いかにも17世紀の帆船アムステルダム号の内部を見学して、これで世界一周はキツイんじゃないか、と。アムステルダム市号は、20世紀の帆船ですからもう少しモダン。そして、パレードの先陣を切るのが、晴れがましそうでよかったわ。

Mevさんも海洋フェチですか?
「誰かが海に落ちた」というのは、かなりの緊急事態ですから、一瞬でわかるように工夫されているはず。SOSとかメイデーみたいに、世界共通の旗があるのかもかもしれませんね。調べてみよう。
Commented by momoneko at 2010-08-21 08:21 x
見ごたえのあるイベント!初めて知りました。お隣の国とはいえ知らないことが多いですね。昨年日本のTVで「坂の上の雲」を観て、今年原作を読みなおしてから当時の世界、中でも海軍にちょっと注目していました。歴史に残る船のレプリカなんかが見られるのであれば、私のようなニワカ海洋ファンも楽しめそう。ただし5年に一度、ということは今回見逃したらまた5年待たなくてはならないのですね。いつもながら情報に遅れています…。
Commented by レイネ at 2010-08-21 16:18 x
momomekoさま、今週末は、アイ川に帆船が停泊して内部見学もできますから、まだ、遅くはないですよ。ただ、すごい混雑で、見学もディズニーランドなみの列と待ち時間だと思います。でも、月曜日には、また海に帰るパレードが見られます!
イタリアの「アメリゴ・ヴェスプッチ号」なんて美しい船も来てます。

早速、「坂の上の雲」、読みたい本のリストに入れます。
Commented by 08eMezzo at 2010-08-21 18:48
ヨーロッパの人は主要な帆船の船影を記憶していたり、記載した本を持っていたりする人が結構いますね。
文化を感じさせます。
先日イタリアの機械メーカーのオランダ人スタッフと東京、名古屋で仕事をしました。
新幹線の中で時間があったのでプライベートなことをかなり話せませしたが、
海賊として歴史の舞台でひと暴れするようなオランダ人のアウトロー的な資質に誇りを持っているように感じました。

それにしてもアムスに帆船は似合うだろうなあ。

リンク頂いていきますね。
Commented by レイネ at 2010-08-21 19:36 x
08eMezzoさま、帆船オタクって結構生息数が多いようです。
オランダの黄金時代、帆船による世界貿易でおおいに繁栄したその残り香を、アムステルダムでは嗅ぐことができますよね。大麻の香りと共に。今では植民地も失って小国ですが、どこか大国の思惑にはお構いなしでマイペースのアウトロー的資質は残っているようです。
帆船がアイ川に集結した模様は、海洋フェチならずとも心躍る風景です。

リンクありがとうございます。
Commented by アルチーナ at 2010-08-23 13:40 x
おお!素晴らしい!雲の形もキレイなので陸と人がいなければ、本当に絵のようですね!この間塩野七生の本を読んでいたら、レパントの海戦の同じ月、日に海上にいたい云々と書かれていて、レイネさんを思い出してしまいました。彼女は別に海洋フェチではなくて、本のためにという事のようですが、書くにあたって大分、洋上に出没したようですね。
Commented by レイネ at 2010-08-23 15:03 x
アルチーナさま、お褒めに与り恐縮です。カメラマンの腕前がもうちょっと上がったら、少しになると思うのですが。
塩野さんは、海戦や攻防の様子などを知るために、海上から攻める目的地を眺望したり、同じ航路を通ったりしてますね。たしかに、陸から眺める風景と海上とでは、全く視点も違いますから、歴史上の人物の心境を覗うには不可欠かも。
そして、わたしも次回のセイル・アムステルダムでは、絶対、水上から観覧したいものだ、と思いました。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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