6月は学年末

6月は学年末なので試験シーズン、そして年末と同じくパーティ・シーズンでもある。

主人が通うイタリア料理教室の、学年末試験を兼ねた食事会があった。
合否を賭けるという真剣なものではないので、生徒達の料理の腕前は、まあ、去年とほぼ同じで、特筆すべきものはない。というより、料理のセンスのない人は、何年習おうと進歩しないんだ、ということを改めて知らされた、というべきか。
毎レッスン後の週末に、主人が復習を兼ねて作ってくれる料理のほうが、ずっと美味い。
料理に期待するより、着物を着るチャンスだ!と思って出かけた。

c0188818_3492794.jpg

     カジュアルな食事会に高価な着物は場違い。
     いいお天気でもあったので、浴衣で。
     半襟なし。しかし、名古屋帯と足袋。

c0188818_351465.jpg

     生成りの生紬の帯は、しゃっきりと
     夏らしい締め心地。素描で筍の絵。
     濃い色の浴衣に白っぽい帯で爽快感を。

5月には、とうとう一度も着物を着てお出かけの機会が作れなかった。反省している。
6月は、パーティーが多いので、とにかく着物を着ようと思う。

本日は、ピアノの発表会だった。毎年6月にライクホルト城で行うのだ。
今年は、奏者の人数は少ないが、一人当たりの曲は多かったり長い曲だったりして、時間的には例年と同じくらい。超初心者はもう生徒にいないので、幼稚園に入ったか入らないかの子が練習曲を弾いて聴衆の微笑を誘う、というシーンが見られなかったのが残念。

Angelica
Duvernoy Edude nr.1 en 3
W. Carroll The wood fairies

Jill
Y. Tiersen Comptine d'un sutre ete

Rosalie
Beethoven Fur Elise

Shayan
J. Strauss Persische Mars

Caio
J. S. Bach Prelude
C. Ph. E. Bach Solfegietto
C. Debussy Le petit negre

Tim
J. Brahms 3 Walsen op. 39
F. Chopin Mazurka op. 67 nr. 2
Mazurka op. 7 nr. 2
Mazurka op. 7 nr. 1

F. Heller Etude op. 46 nr.1

David
J. Haydn Deel 1 uit Pianoconcert in D hob. XVIII.11
F. Liszt Liebestraum nr. 1
G. Gershwin Prelude nr. 1

Pauze

Reine
C. Debussy Prelude uit 'Suite Bergamasque'
La plus que lente

Carine
F. Chopin Polonaise in cis op. 26 nr. 1

Chris
J. S. Bach/Busoni Chaconne in d

前半が子供の部で、後半が大人の部である。
多い年には30人くらい参加するのだが、今年は異常に少ない。初心者が淘汰されたのと、大人は別の用事で都合が付かない人が多かったからだ。
初心者は発表会用の曲の準備などできないから、弾く曲から教則本の傾向がわかる。Duvernoyというのが、今回唯一聴けた初心者向け教則本の作曲家だ。
Hellerも練習曲としては、こちらでは有名。ハノンとチェルニーを合わせたような感じだが、ずっとロマン派的な音楽になっているので、弾くのも聴くのもさほど苦痛ではない。

ティルセンの曲は、映画「アメリ」のサウンドトラックで有名だ。ミニマル音楽に属するのだが、センチメンタルでキャッチーなメロディなので、中学生に人気。技術的には易しい曲だが、聴く人の心に迫る度合いが高く、効果的だと思う。

それに対して、今時の発表会で「エリーゼのために」を弾くというセンスがわからない。わたしの子供時代、60年代なら許せる。まだまだ、発表会向けの曲が開拓できていない時代だったからだ。「エリーゼのために」は、ピアノ練習者ならバイエルが終わった頃必ず弾くから、手垢・耳垢にまみれ、誰でも知ってる曲だから皆聞き耳を立てていて、間違えたらすぐにわかるし、上手く弾いてあっと言わせるという成功率はごくごく低いのだ。案の定、ひどい演奏だった。

以前、次男の音楽学校の発表会で、高校生の女の子が「渚のアデリーヌ」(!)を弾いて、わたしをうんざりさせた。今ではその名を覚えている人も少ないだろうリチャード・クレーダーマンが、80年代初めに弾いて有名になった曲である。こんな懐メロでしかも当時からダサかった曲を21世紀になっても弾く人がいる、というのに耳を疑い、こういう曲を生徒が自分で選ぶわけがないから、教師または親の良識を疑った。

シュトラウスの「ペルシャ風マーチ」を弾いたシャイアンという男の子は、フル・ネームがえらく長いので、貴族かなんかの由緒ある家柄なんだろうなと思ったら、師匠のペーターが面白い裏話をしてくれた。
シュトラウスJr.が当時のペルシャのシャーのために作った曲で、シャイアンはそのシャーの末裔だというのだ。だから、この曲は彼のためのものでもある、と。

カイオもティムも小学生なのに、上手く弾く。上がらないというのも羨ましい。

前半のトリは、ダーフィッド。ハイドンの「ピアノ協奏曲」は、ペーターがデジタル・ピアノでオーケストラ・パートを演奏した。デジタルだといろいろな音が出せるから、こういうときは便利だ。
リストもガーシュウィンも、パーフェクトだった。ピアノを習い始めて3年ぐらいしか経っていないというのに、恐るべき子供(中1)である。しかも、この選曲の妙には感心した。古典派のピアノ協奏曲、ロマン派のリスト、そしてジャズの要素の入ったガーシュウィンである。選曲のセンスも才能のうちだと、わたしは確信している。

c0188818_512446.jpg


後半は、わたしのドビュッシーから。2週間後に控えたコンサート(!)のためのリハーサルにしようと、着物で演奏した。草履だと、ペダルの感覚が違う。袖は全然邪魔にならなかった。
前日のレッスンでは、2回弾いて2回とも問題なしだったのに、当日はアガってしまって、ひどい出来だった。しかし、あまり有名な曲でないのが幸いした。この曲を聴きつくしている家族とペーターには「あがりまくって、酷いね」といわれたのに、何人かの人は、「いい演奏でしたね」と言ってくれた。聴いたことがない曲だと、間違えてもわからない。だから、選曲は重要なのだ。

カリンとクリスは、音大出てるし、コンクールや人前で演奏するのにも慣れてるし、安心して聴くことが出来る。この二人には、わたしのコンサートでもゲスト演奏してもらうつもりだ。特にカリンは、あがるということが全くないと、ペーターが太鼓判を押す生徒だ。クリスは、超難曲を選んだから、いくらミスタッチがあっても、一般聴衆にはわからないだろう。

c0188818_523287.jpg

     有松絞りの浴衣は、黒に近い濃紺地に
     白の七宝つなぎ。その中に藤色がところどころに。
     帽子絞りの蝶のような大きな花がアクセント。
[PR]
by didoregina | 2010-06-13 22:13 | 着物 | Comments(8)
Commented by Mev at 2010-06-14 10:37 x
浴衣でピアノ演奏という絵はなかなか好きです!浴衣とドビュッシーというのがまたいい! 草履でペダルも大丈夫なんですね。意外でした。
コンサートがんばってください!
Commented by straycat at 2010-06-14 11:12 x
レイネさん お久しぶりです!

今、横浜の方に帰っているので、久しぶりにブログ友の皆さんのところにお邪魔しているところです。あちらではまだネットに繋げなくて。

浴衣、どちらも素敵ですね。

おまけにもうすぐご自分のコンサートがあるんですか?コンサートというくらいだから、相当なレパートリーをお持ちなんですね、羨ましい・・。ピアノが出来る人は、プロのコンサートに行っても、鑑賞の度合いがちがうでしょうね。コンサート、是非ガンバって下さいね!

有松の浴衣、以前日本に注文したとおっしゃっていたものでしょうか?幾何学模様的な感じが、いいですね。普通の浴衣に比べて、絞りだと裾捌きが良いのではないでしょうか?一見すると小紋風で浴衣とは思えないです、とても素敵。
Commented by レイネ at 2010-06-14 16:33 x
Mevさま、初めて着物(浴衣)着てピアノを弾いてみました。弾くほうとしてはあまり違和感ありませんでしたが。草履でペダル踏むと微妙な調節が難しいので、これから家でも草履はいて練習しようと思います。あがり克服は難しい課題です。。。
Commented by レイネ at 2010-06-14 16:42 x
straycatさま、ロンドン遠征、お疲れ様でした。お写真では、ゴージャスな着物がコヴェント・ガーデンに映えてましたよ。

コンサートという名目のパーティーなんですが。。。レパートリーが増えないのが悩み。習った曲は相当数に上るんですが、新しい曲を練習すると、古いのはどんどん忘れていって。

はい、ネットで買った有松絞りの浴衣は、古典柄で浴衣に見えないところが気に入ってます。薄くてふんわり軽く、着心地もいいです。すべりが悪いので着にくいけど。本当は白っぽい博多の夏帯なんかがいいのですが、浴衣の色が移りそうなので、濃い色の帯を合わせてます。
Commented by ろき at 2010-06-16 16:32 x
イタリア料理にピアノ、すてきだわ~。
いつもながら着物がシック。草履でペダルさばきは大変そうですね。
ドビュッシーの選曲良かったですね。
コンサート+パーティ、楽しそう。記事を楽しみにしています。
Commented by レイネ at 2010-06-16 21:40 x
ろきさま、小学生時代、「ブルクミュラー」が子供っぽくて大嫌いで、ドビュッシーに憧れてました。大人になってからの習い事は、親に押し付けられていやいや、というのではないのですが、練習続ける努力しないと上達もしないんですよね。
コンサート本番1週間前に、ゲネプロをかねて、音楽学校で弾かせてもらうつもりです。アガリ克服には、聴くぞと耳を澄ましてる人前で弾くのがいい、と師匠が言うもので。ああ、だんだんナーヴァスになってきた。。。
Commented by huruhon at 2010-06-16 23:16 x
有松、鳴海絞りの藍の色、いいですねえ。場所や、空気、光によって色が変化しますしね。昔、藍染めの第一人者の佐藤先生と話したことがありますが、もう、子どもを育てるのとまったく同じパッションでしたネ。^^日本の藍は品質もいいんですヨ。レイネさんは、さりげなく着物着ていて素敵です!! 普段から着ているからでしょうね。最初の浴衣もまた、竺仙ぽくて品があります・・・・生紬の感触がまたいいんでよね。世界に誇る織りと染めの文化、これからも世界に宣伝しておいてくださいませね。笑い。最初の旦那さんの料理のコメント、倉橋由美子風にて、笑え、しかも、ピアノのchoiceの話も再度笑えました。私の昔のピアノの先生もまた着物で演奏するのが好きでしたね。なにやら連想してしまいました。笑い。
Commented by レイネ at 2010-06-17 01:55 x
huruhonさま、藍建ては、生き物相手ですから、きっと子供を育てるように毎日気を抜かないようにしないといけないんでしょうね。
母が買ってくれた浴衣は、竺仙のものばかりなんです。だから、有松絞りのは、自分で選んで買いました。明日、テキスタイル関係の人の集まるパーティがあるので、この絞りの浴衣を着て行って、よく見てもらおうと思っています。見る目のある人の集まりには、着物で行く甲斐があるというものです。

ピアノといえば、青柳いづみこさんも、文武(?)両道なので、敬愛しているんです。「無邪気と悪魔は紙一重」でも、素晴らしい文学論を展開しています。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


by didoregina

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

プロフィール

名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


最新のコメント

Vermeerさま、多分..
by レイネ at 01:38
トマスのソロ・コンサート..
by Vemeer at 01:25
Vermeerさま、この..
by レイネ at 20:56
詳細なレポート、楽しく拝..
by Vermeer at 18:02
ロンドンの椿姫さま、それ..
by レイネ at 17:03
大満足のマスタークラスで..
by ロンドンの椿姫 at 23:41
鍵コメさま、ヴェロニカ・..
by didoregina at 18:57
Mevrouwさま、北海..
by レイネ at 18:46
レイネ様も怒涛の更新で、..
by Mevrouw at 23:33
Mevrouwさま、サー..
by レイネ at 22:10
Mevrouwさま、夏の..
by レイネ at 22:05
新作オペラに挑むのは本当..
by Mevrouw at 20:56
クロアチア~ベネチアを自..
by Mevrouw at 20:27
Mevrouwさま、ご高..
by レイネ at 20:19
ようやく一息つける日なの..
by Mevrouw at 19:57
Mevrouwさま、癒し..
by レイネ at 16:49
このところネットからも音..
by Mevrouw at 16:37
斑猫さま、もうすでにパリ..
by レイネ at 16:57
ロンドンの椿姫さま、まさ..
by レイネ at 16:54
こんにちは CT研究会..
by 斑猫 at 00:16

以前の記事

2016年 11月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月

タグ

最新のトラックバック

究極の愛を描いたワーグナ..
from dezire_photo &..
バッハが人類に残したメッ..
from dezire_photo &..
バッハが『ロ短調ミサ曲』..
from dezire_photo &..
ルター派のプロテスタント..
from dezire_photo &..
ダンテの『神曲』 ”地獄..
from dezire_photo &..
ポン=タヴァン派、総合主..
from dezire_photo &..
倉冨亮太さんの繊細な美し..
from dezire_photo &..
ダイナミックで刺激的な多..
from dezire_photo &..
贅沢と快楽に生きる娼婦な..
from dezire_photo &..
バッハとヘンデルの音楽性..
from dezire_photo &..

カテゴリ

全体
バロック
映画
オペラ実演
オペラ映像
オペラ コンサート形式
着物
セイリング
コンサート
美術
帽子
マレーナ・エルンマン
イエスティン・デイヴィス
クイーン
CD
20世紀の音楽
旅行
料理
彫金
ビール醸造所
ベルギー・ビール
ハイ・ティー
サイクリング
ダンス
ハイキング
バッグ
教会建築
カウンターテナー
演劇
未分類

検索

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

音楽
映画

画像一覧