ユトレヒト古楽祭のプログラム

ユトレヒトで毎年8月末から9月始めにかけて開催される古楽祭のプログラム・ブロシャーが届いた。
オンラインでもチェックしたのだが、見にくいため見落とすものもある。やはり、印刷物のほうがじっくり読んで検討できる。
今年のテーマは、ずはり「ルイ14世」で、おフランスのバロックが中心。
アーティスト・イン・レジデンスとして、スキップ・センペ、フィリップ・ピエルロ、ユージェニー・ワルニエが招かれそれぞれ3,4回コンサートを行う。
そのほかの出演者の名前をみても、フランス色が濃く、特にメジャーな大物が多いのが特徴である。
そこには、昨年総裁に就任したクザヴィエ・ファンダムの好みとネットワークが反映されているのだと思う。

朝から晩まで10日間にわたって内容の濃いパフォーマンスが繰り広げられるのだから、毎日がハイライトみたいなものである。各人、好みに従って選んだらよろしい。
わたし好みの一例を挙げると、

8月27日 Capriccio Stravagante - Les 24 Violons (センペ指揮、
       ユディット・ファン・ワンローイ他)
       古楽祭のオープニング・コンサートで、太陽王のためリュリが創設
       した24人の楽団の再現。

8月28日 バーゼルのスコラ・カントルムの教授シャロン・ウェラー女史による、
       バロック・ジェスチャー・シンポジウムの導入講演。
     
       Le gout italien ファビオ・ボニゾーニ指揮ラ・リゾナンツァとロベ
       ルタ・インヴェルニッツィによるカンプラ。

8月29日 ジェド・ウェンツによるバロック・ジェスチャーのデモンストレーションと
       講演。バロック・フルート、フラウト・トラヴェルソのウェンツは、近々
       バロック・ジェスチャー研究で博士号取得見込み。

       ボブ・ファン・アスペレンによるオルガンとチェンバロ、クープランと
       その先達。

       フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のリサイタル、サント・コロ
       ンブ他。

       センペ指揮カプリチオ・ストラヴァガンテが、「フランス風パスティチオ」
       と題してマレ、ルクレール他。
 
8月30日 ピエルロ指揮リチェルカール・コンソートのクープラン。
 
       ニケ指揮ル・コンソ-ル・スピリチュアルによるカンプラ「ヴェニスの
       カーニヴァル」。

8月31日 ラルス・ウルリク・モルテンセンのチャンバロ、クープランとデュフリ。
       
       ピエルロ指揮リチェルカール・コンソートのクープラン「アポテオーゼ」。

       ポール・アグニュー指揮レ・ザール・フロリッサンによるシャルパンティ
       エ他。
       アグニューもついに指揮に手を染めた。しかも、クリスティーのお抱え
       アンサンブルときた。

       ヴィットリオ・ギエルミ指揮イル・スオナル・パルランテによるオブリー
       「ルソン・ド・テネブル」。

9月2日  ルセ指揮レ・タラン・リリックによるクープラン「レ・ナション」。

       ピエール・アンタイのチェンバロでクープランとバッハ。

9月3日  ドロテー・ウォルテルブア女史のバロック・ダンスのワークショップ。

       スキップ・センペのチャンバロでフランスのチェンバロ史を俯瞰する。

       ウェンツの指揮とトラヴェルソでムジカ・アド・レーヌムによるクープラ
       ン、カンプラ他。

       フレッド・ヤーコブスのテオルブ演奏、リュリとクープラン。

9月5日  サヴァールとブランチ!今年も出た、恒例の大御所とのブランチ企画。
 
       ムジカ・アンフィオンのムゼット。

       サヴァール指揮ル・コンセール・デ・ナションによるフランス管弦組曲。


とまあ、ざっと目に付いたものだけ揚げてもこうなんだから、世界最大・最古・最強・最長と自称するだけのことはある内容の古楽祭である。
ああ、疲れた。

今年特に気になるのは、シンポジウムのテーマが「フランスのバロック・ジェスチャー」となっていることだ。
8月28,29,30日と3日間みっちりと、世界各国のバロック・ジェスチャー・エキスパートを招いて、バロック期の劇、オペラ、ダンスの全ての分野にまたがるジェスチャー研究のシンポジウムを行うのだ。
わたしのような素人でも思わず参加したくなる。一般向けの導入講演や基調講演、ワークショップだけにしようか。何だか知らないが、啓蒙されそうだ。どうしようかと、思案中である。    


       
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by didoregina | 2010-06-02 23:27 | バロック | Comments(6)
Commented by さわやか革命 at 2010-06-04 23:22 x
個人的にはピエルロのサント・コロンブ、渋そうですねえ~。ぜひ聴いてみたいもんです。最近は彼のクープランのCDが愛聴盤となっております。
他の公演も豪華なメンツです。本当に通いづめになりそうですね。うらやましいっ!
Commented by レイネ at 2010-06-05 03:33 x
さわやか革命さま、コメントお待ちしてました。今はなき目白バロック祭りもすごいラインナップだなあと、貴ブログ拝読しては感心してましたが、ユトレヒトも元祖・本家古楽祭を名乗る(?)のにふさわしい内容です。
しかし、家からユトレヒトは遠くて平日夜の遠征は無理なので、週末昼間というのを狙うと、あまりたいしたのが残らないんです。。。。
ピエルロは、活動拠点が家の近くなのに、地元での活動は日本遠征ほど熱心じゃないんです。バロック・ジェスチャーのシンポジウムと組み合わせて聴きに行こうと思ってます。

明日は今シーズンの〆で、コープマンとサヴァールの競演です。
Commented by bonnjour at 2010-06-06 06:02
今年のテーマはおフランスのバロックですか。バロック・ジェスチャーをテーマにしたシンポジウムって面白そうですね。ときどき覗くブログに、バロック舞踏に進出した日本在住の音楽家(男性)のページがあるのですが、大変興味深いです。
Commented by レイネ at 2010-06-06 07:11 x
bonnjourさま、バロック・ダンスやジェスチャーに関しては、無知蒙昧なんですが、これを知ることでオペラを別の糸口から解くことができそうな気がして。芸術関係のシンポジウムって、なぜか参加費用が非常に低く抑えられている(3日間通し券が45ユーロ)ので、素人でも興味があったら参加しようかという気にさせるんです。(古楽祭のコンサートも大体18ユーロが相場で、うれしい)

ところで、先日、ブトーの大野さんが大往生されましたね。
Commented by アルチーナ at 2010-06-07 09:51 x
名前は聴けどもそんなにはよく知らないのですけれど・・
こんなに沢山のコンサート、悩みますね~・・・
カプリッチョ・ストラヴァガンテはカッコイイ人が多かったですけれど・・

私も、バロック・ジェスチャーのは興味が有りますのでもし行かれたら、記事を楽しみにしたいと思います。

大野先生・・実は私の通っていた学校の体育の先生をやっていた関係で(流石に私は直接習っていないですけれど・・)毎年、クリスマスに学校で踊ってくれていました。用事がなくても結構、学校には来られていて、良く草むしりをされていたので小学校の頃はてっきり用務員さんかと思っていた!という酷い有様・・・
Commented by レイネ at 2010-06-07 15:22 x
アルチーナさま、古楽の演奏者って、カッコイイというか、独特の雰囲気がありますよね。既成の規格にはまりきらないような。
バロック・ジェスチャーの一般向け講義には参加しようと思います。シンポジウムは、どうしようかな。

大野氏が、学校の体育の先生って、なかなかありえないほど、凄いですね。(わたしの学校にも、体育のほかにダンスという必修科目がありました。私立の女子校特有かも。)
草むしりのように、大地にひっつくような姿勢が、大野氏のブトーの特徴だから、練習も兼ねていたのかもしれませんね。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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