痛恨の「テオドーラ」とトマス・ア・ケンピス

今シーズンは、ヨハネット・ゾマーを極めようとテーマに据えた。
さほど難しいことではない、追っかけるまでもなく、彼女のほうから何度もやって来てくれるのだ。

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          女性歌手にありがちだが、彼女も年齢不詳。
          音楽大学入学が遅れたから、多分わたしより
          ちょっと若いくらい。

新譜が2枚続けて出たばかりだ。
ヘンデルのアリア集で、オーボエ奏者バート・シュネーマンと組んだLove and Madness
まだ買ってないが、いずれゆっくりと。
それから、テオルボのフレッド・ヤーコブスと組んだ、パーセルほかはロバート・ジョンソン、ニコラス・レイニア、ヘンリー・ローズ、ペルハム・ハンフリーという17世紀イギリスの名前を聞いたことのない作曲家による歌曲集With endless teares
これも、そのうちぼちぼちと。

だから、新譜プロモーション真っ盛りのようである。
彼女のサイトを覗くと、なんと10月16日にマーストリヒトの聖母教会で、パーセル他のコンサートをFヤーコブスと行うとある。わたしのスケジュールには書いてない。初耳である。
急いで、チケット・センターに行くと、その日マーストリヒトでそういうコンサートはない、と言われた。少なくともコンピューター・システムには載っていない。

それで、当の教会まで行ってみた。
入り口に、ルルド巡礼のお知らせポスターと並んで、確かに16日のコンサートのお知らせが張ってあるが、時間や値段など詳細が書いてない。教会の塔修築費用寄進者のための特別コンサート、マリアのための歌、とあるのみである。

教会地下にあるショップに行き、係員に尋ねた。
確かにそのポスターは張ってあるが、詳細は知らない、教会のHPを見よ、とのことである。
急いで、家に取って返して、聖母教会のサイトを見ると、詳細が載っていた。
20時開演、入場無料とある。しかし、寄進者に感謝を込めての特別コンサート、とも書いてある。
どうだろう、入り口でチェックがあるんだろうか。特別の合言葉やコードを知らないと入れてもらえないとか。。。
だめもとで、行ってみようと思う。入れるのかどうか、どきどき。

ついでにまた、本人のサイトを見た。
ヘンデルの「テオドーラ」、これは、ペーター・ノイマン指揮ケルン室内合唱団、コレギウム・カントゥシアヌムと組んで、夏ごろロンドンでもやったもので、9日にKempen、10日にケルンでも公演があったばかり。
彼女は、オランダ北東部出身なので、アムステルダム以外に、かの地でのコンサートが多い。
オランダ北部にKampenという場所がある。アイセル湖に程近いハンザ都市である。ここからは遠すぎるので、コンサートのチェックは入れていない。
しかし、9日のはよく読むと、Kempenで、これは、ドイツのケンペンのことではないのか、といやな予感がよぎった。
ケンペンなら、家からそれほど遠くない、義弟が住んでいる町である。よく、オランダのカンペンと間違われるので、「トマス・ア・ケンピスの出身地、ケンペンです」と言うのだ。
ああ、ここでの公演なら、どんなに遅くなっても義弟の家に泊めてもらえたのに!気がつくのが1日遅すぎたのだった。

ヘンデル・イヤーが終わったら、もう一生、上演にまみえることはないだろう。
まさに痛恨の極みである。

トマス・ア・ケンピスの賢言集「キリストにならいて」(「キリストのまねび」)より、以下の言葉を心に留めよう。

「失われた時は還らないことを記憶せよ」

「欲望を棄てよ。そうすれば、お前は平安を見出すであろう」
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by didoregina | 2009-10-11 17:07 | オペラ実演 | Comments(8)
Commented by Mev at 2009-10-12 14:21 x
有名人の秘密のコンサートなんでしょうか。すごいですね。教会で、何の宣伝もせず、しかも入場無料!ぜひ行ってみてくださいね!

ああ、そうです。確かに欲望さえなければ、のほほーんと平和で、何を逸しても悔しがりもしないでしょうし。。。。
Commented by レイネ at 2009-10-12 20:00 x
Mevさま、宣伝なしで、どれだけ人が集まるか興味津々。でも、この教会の信者には周知の事実だったりもするので、当日は早めに行って抜かりのないようにします。
ヨハネット・ゾマー、今シーズンは、上手くいくと7つもの異なるプログラムのコンサート、リサイタル、オペラに行けそうなんです。
Commented by さわやか革命 at 2009-10-12 22:35 x
比べるのもナンですが、私もベルリン古楽アカデミーのチケットを取りそこね、この連休に残念祭りをしようと彼らのCDを聞いたら、却って悔しさと腹立たしさ(自分に対する)がメラメ~ラと燃え上がってしまいました。
平常心、平常心……
と、唱えてみてもやっぱりくやし~いのであります。
Commented by レイネ at 2009-10-12 22:54 x
さわやか革命さま、来年6月、DNOでのコンティの「モレナ山中のドン・キホーテ」というマイナー・バロック・オペラにヨハネット・ゾマーが出演します。ルネ・ヤーコブス、指揮ベルリン古楽アカデミー演奏なので、さわやか革命さんの遺志をついでわたしが観にいきますから、安心して成仏してください!(あ、殺してしまった) 
かえって、燃え上がる火に油を注いでしまったかも。
Commented by アルチーナ at 2009-10-13 09:30 x
ヘンデルアリア集だけでなくイギリスの歌曲集というのも出しているんですね。こちらも興味深いですね・・
とりあえず、16日のシークレットコンサート、入場できる事を願っています。
ああ、欲望は捨てられませんね・・・

それから、アリス・クートのCD、CCCDでないものがありました!
大変失礼致しました・・・
Commented by レイネ at 2009-10-13 17:24 x
アルチーナさま、この人のレパートリーは恐ろしく広くて、ルネッサンスからバロック、バッハまでのみならず、モーツアルトやロッシーニ、はてはドビュッシーのオペラまで歌ってしまいます。でもDNOデビューは遅くて、今年の「恋するエルコレ」だったんです。見逃して悔しいこと分かっていただけます?

アリス・クートのマーラー他歌曲集は超お勧めですから、CCCD以外で手に入れば、ぜひ!
Commented by テオドラ at 2009-10-22 07:57 x
はじめまして aliceさんのブログからきました。
テオドラはパリでマクリーシュ+ガブリエリ を聴きました。
オーケストラと合唱のうまさには驚嘆しました。ソリストのほうがめだたない感じがしました。
Commented by レイネ at 2009-10-22 20:26 x
テオドラ(玲児)さま、ようこそ。パリでの「テオドラ」、ソリストは誰だったのでしょう。わたしが見逃した「テオドーラ」は、ほぼ同じメンバーでCDが出ています。

そちらのブログ、ざっとですが、拝見しました。2005年にブルージュのコンセルトヘボウで聴かれたピアノ・リサイタルのヤン・ミヒールスは、わたしのピアノの先生の先生です。バッハ、古典派から現代物までこなします。
これからもよろしくお願いします。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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