ついに目的達成!   ブライトンからポーツマスへ

ヨットでイギリスに渡る、という第一の目的は達せられたので、最終目的地を決めた。
天候しだいではあるが、ポーツマスには絶対行きたいというのが、家族全員の望みであった。
ポーツマス港の乾ドックに現役艦として鎮座している、トラファルガーの海戦でナポレオン軍をやっつけたネルソンの軍艦、ヴィクトリー号を拝みたいと願っていた。家族揃って、海洋ロマンおたくなのだ。

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映画化されたパトリック・オブライアン原作の「マスター・アンド・コマンダー」は、ガラパゴスの自然や航海の様子、海戦その他の映像が、たまらなく美しい。原作は、海洋ロマン小説として長いシリーズになっているので、映画の続編も作って欲しいものだ。


ブライトンでは、着いた日から悪天候で、翌日は足止めを余儀なくされた。マリーナの中でさえ、波が立ち風が轟々と唸るから、外の海は相当な高波だろう。海沿いに歩いてブライトンの町まで行き、1日観光。海岸から少し離れるとぽかぽかといい陽気で、荒天がウソのようだ。海というのは、だから、陸にいると想像できない世界である。
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     荒天のため、ブライトンに留まるヨットが多く、マリーナは満員。
     オランダから来た47フィートの大きなクルーザーの横に係留させてもらう。


次の日は、波もほとんどなく、風は良好で、まるで地中海のようなのんびりした海だった。
ここまでの航海は、北斎の「神奈川沖浪裏」そのもののような、高くうねる波に翻弄されたのだ。
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   われらのヨット「ツイスト号」も、この絵の舟さながらにツイスト(身をよじる)。


しかし、本日は晴天なり。わたしも途中から楽々と舵をとり、結局ポーツマス入港までずっと、ナヴィゲーター・グィドの指示通り、舵を握った。後で、航跡をナビでみると、理想的なタッキングの様子がよくわかり、グィドに褒められた。波が低かったため、高波を避けずにすんだからだ。

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       風向きが絶好で、ぐんぐん進む。風をはらむ帆の様子と波とを
       見ながら、風向計・深度計にも注意を払いつつ、舵を取る。
       風上に向かうので、ヨットは、かなり傾く。
       澪つくしのような、ブイの間を選んで、深度がある水路を通る。

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       遠くからもよく見える、ポーツマス港のシンボル、スピナーカー・タワー。

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ブライトンで隣に係留していたオランダ人から聞いていたので、ポーツマスの中心にあるマリーナに迷わず入った。
アウトレット・センターの正面でレストランも多く、ヴィクトリー号にも、歩いていけるので、快適だ。その他のマリーナは、対岸にあり、いちいち渡し舟に乗らないと町の中心には行けない。
ヨットに乗る同志、こういう情報交換は、とっても重要だ。

さすがに、ここまで来るベルギーのヨットは少ないらしく、珍しがられる。
「どこの旗?」「ベルギーです」
「海峡を渡って一気にここまで来たのか?」「いや、ブライトンから」と答えると、
「ブライトンからでも、相当な距離だ」
本当に、今日も長い海上の1日だった。

後から到着したヨットの係留は、先に着いた者が助ける。自分のヨットに傷がつくのを防ぐためにも。。。
狭いマリーナでの接岸は、少しの風でも影響を受けるヨットにとって、非常に難しい。
ベルギーから来たのだとわかると、皆「メルシー」と言ってくれるのが、面白かった。
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by didoregina | 2009-08-15 15:05 | セイリング | Comments(2)
Commented by Mev at 2009-08-17 14:31 x
ポーツマス到着までのドラマ、面白く読ませていただきました。地図で見ると、ここからここまで~と、一本で結べる地点間でも、ヨットだと、文字通りの波乱万丈の旅でありましたでしょう。 苦労したら、なお充実感と達成感を味わえたでしょうね。おめでとうございます。
ところで、レイネさんは普段はオランダ語とフランス語を両方使われるんですか?
Commented by レイネ at 2009-08-17 21:06 x
Mevさま、セイリング記、食傷気味かとも思いますが、日記代わりなので記録として残そうと。
本当に、車ならすぐの距離でも、海上を行くとなると、長旅でした。

ベルギーに飛び出した形ではありますが、マーストリヒトは一応オランダに属するので、普段フランス語を使う必要はありません。(ほっと胸をなでおろす)。イギリス人は、ベルギーはフランス語の国だと思うから、「メルシー」になったんじゃない?
マーストリヒト市街地から西に国境を越えると、フラマン地域なのでオランダ語ですが、南に国境を越えると、最初の駅からもうワロン圏で、フランス語のみの世界です。フラマン語(オランダ語)をしゃべる人はフランス語もできますが、その逆はほとんどありえない、と言い切ってもいい。
ベルギーの電車は、ワロン地域を走るときは、車内放送も電光掲示もフランス語のみ。途中からフラマン圏に入ると、オランダ語のみになってしまいます。もう、きっぱりと。そして首都ブリュッセルは、2カ国語地域なので、蘭仏語で案内が入ります。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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