つなぎ糸の帯

このところ、着物を着る機会が減っている。オランダの電車はあまりきれいとはいえないので、着物は車で出かけるときのみ限定になるからだ。それに、これからだんだん暑いのか寒いのか、雨なのか晴れなのかはっきりしない天候になるので、二の足を踏むことが多い。でも、明日は久しぶりに着物でディナーの予定。なにしろ、トルコ旅行以来、おなか回りが太って、着ていける洋服がないのだ。着物ならごまかせる、という消極的理由なのが情けないが。

母が昔、色糸をつないで長い糸にし(つなぎ糸と呼ぶ)、帯に織ってもらったものが2本ある。

c0188818_31034.jpg


象牙色の縦糸に様々な色の横糸のつなぎ糸を織り込んだもので、さりげない光沢といろいろな色が入っているため、何にでも組み合わせ万能の帯。2部式なので着付けも楽。軽いし、出番が多い。
母曰く、「どうゆう順番の色の組み合わせにするか考えるのが一苦労だった」


c0188818_3173269.jpg


これは地色が朱色で、糸の結び目もちょっとごつごつして民芸調だ。葛布の帯と写真で見ると似た色調だが、こちらの方は絹らしい光沢と深みがあるので、葛布よりは少しよそいき風になる。藍絣の信州紬に一番合う。
母曰く、「帯が2本できたから、次はつなぎ糸で着物の反物に挑戦なさっては?と呉服屋さんに言われたけど、もうこれで十分。しんどかった。」

明日のディナーは40人ほどの集まりで、ドレス・コードにフォーマルの指定は特にないので、あまり華美にならず浮かない泥藍大島にしようと思う。
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by didoregina | 2009-05-15 20:31 | 着物 | Comments(10)
Commented by ロンドンの椿姫 at 2009-05-16 18:02 x
「つなぎ糸」というのは知りませんでしたが、着物なら先染めの紬にあたるものなのですね。白糸を結んで後染めしてもらう「むすび糸」で作ってもらった私の振袖とはちょっとちがうけど手間は同じで、膨大な時間が掛かったでしょう。私は自分でも少しやったのでよくわかります。身内の心が篭もっているようで、纏うたびに特別な気持ちになりますね。ディナーパーティでも素晴らしい会話のネタになること請け合い。これからもどんどん機会を見つけて締めて下さいね。

ロンドンの地下鉄も汚いので、私は薄い塵除けが必需品です。それに、雨の心配がある時はやはり洗える着物が安心ですので、一枚備えるといいかもしれません。とてもポリには見えない素敵なものもあるらしいですよ。
Commented by REIKO at 2009-05-16 19:54 x
つまりどちらもオリジナルの、世界で1つだけの帯っていうことですね!素晴らしいですね♪
特に最初の写真の帯、色の変化が微妙なので、きっと実物を見たらもっと素敵なのだと思います。
それに、海外で泥藍大島なんて、日本人冥利?に尽きますね。

海外で着物を着て出かけるのは、公共の交通機関が日本ほど綺麗でないので、気を使う・・・と、時々着物雑誌の読者投書コーナーなどでも見かけます。
日本はそのへん、特別に綺麗好きな国民なんでしょうかね?
Commented by bonnjour at 2009-05-17 01:24
すてきな帯で、うっとりします。思い出のこもった帯や着物を母から娘に受け継ぐのは素晴らしいことですね。

でも、海外ではクリーニングがほぼ不可能な着物を着ていく場所やタイミングを選ぶというのは、よくわかります。フランスなんかだと、カクテルパーティの同席者が初めて見るキモノを珍しがり、おつまみで汚れた手で着物をペタペタ触られて気が気ではなかった、というような笑えない体験談を聞いたりします。キモノ専門のクリーニング業者でないと洗えない衣服、というのは彼らの想像を絶するのかもしれませんね。
Commented by Mev at 2009-05-17 02:49 x
美しいですねえ。 さぞかし、つなぎ糸は気が遠くなるほど時間と手間がかかったんでしょうね。すばらしいです!その技と根気!

荒い張りやさんは、日本国内ですら減ってるんでしょうねえ。
Commented by レイネ at 2009-05-17 19:17 x
ロンドンの椿姫さま、「結び糸」という呼び方が正しいのかもしれません。テクニックとしては、短い糸を結んで繋いでいくというのは同じですが、帯と着物では先染めと後染めの違いがありますね。それときっと糸の太さも。呉服屋さんで糸を買って個人が趣味として普通に行うというのは東海地方独特らしいです。なるほど。

ポリ着物、1枚だけ持っていますが、どうも着物を纏う楽しみがないんです。肌触りや重みなどがやはり絹とは違うので、優雅な気分になれなくて。それより洗える着物なら、ウールか浴衣のほうが、わたしは好きです。
Commented by レイネ at 2009-05-17 19:21 x
REIKOさまも着物でお出かけなさいますか?オペラや歌舞伎なら着物人口も多少大いでしょうが、古楽系コンサートだったら非常に目立ちそう。

泥藍大島、さりげなくてちょっと粋なところが好きなんですが、昨晩は少々地味すぎたかな、とも思っています。帯は、季節に合わせて牡丹の素描の帯にしたんです。皆さんからほめてはいただけました。
Commented by レイネ at 2009-05-17 19:30 x
bonnjourさま、お褒めいただきありがとうございます。結局、昨晩は季節柄の牡丹の素描の帯にしました。白地に墨絵でちょっと地味すぎたかも。

パーティに着物っていうのが1番キケンですね、いつ災難が降りかかるか分からないし、即しみ抜きに出せない異国暮らしでは。だから、近場のコンサートやオペラがまあ妥当なセンです。大島は、水分に比較的強いので大いなる見方。ぱっと見の華やかさには欠けますが。
Commented by レイネ at 2009-05-17 19:36 x
Mevさま、母はこういう根気の要する細かい手仕事のホビーが好きみたいです。ちりめん細工とか。

最近は着物のクリーニング技術が向上したらしく、普通は京洗いと呼ばれる丸洗いで済むし、しみ抜きもほとんど何でも可能らしいです。(でもしみ抜きのお値段は結構高い。)だから洗い張りは、昔みたいにシーズンごとにしなくてもいいんです。
Commented by camelstraycat at 2009-06-12 21:29
レイネさま
こんな古いトビにコメントして申し訳ありません。
exciteのネームカードにメール差し上げましたので、読んでいただければと思います。字数が多くて前半しか送れませんでした。承認していただいたら次のを送りますね。

私も着物ばかり着ていたら、お腹周りがモニョもニョ・・なので、益々お出かけには着物をという悪循環?に陥っています(笑)
でもお互いこれからももっと楽しみましょうね!
Commented by レイネ at 2009-06-12 22:52 x
straycatさま、あの紅型帯、写真見ただけでもよだれが出そうなので、実物はさぞ素敵でしょうね。

夏の着物は、色無地単衣、白の夏大島、黒地の絽、浴衣しか持っていませんが、合わせる帯もまだ少ないんです。20日のバロックオペラ鑑賞には何を着ていったらいいのか、天候が不安定なので、当日にならないと決まりません。少なければ少ないなりに、コーディネートに頭を悩ますのも、着物でおでかけの楽しみはあります。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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