船上での食事    トルコでヨット三昧 その2

腹が減っては戦ができないので、腹ごしらえは重要だ。そして、戦場ならぬ船上生活をしていると、信じられないほどおなかがすくので、普段の何倍もの量を食べる。きっと波に揺られるフネの振動が胃の顫動を刺激するに違いない。

まずは、朝食。普段はパンにハム、チーズ、甘い塗り物と紅茶である。
それが、ヨットに乗ると決まってフル・イングリッシュ・ブレックファストが食べたくなる。体が要求するのだ。
しかし、トルコはイスラムの教えを守る人が多い国なので、豚肉の入手は困難だ。ベーコンなんてレストランやホテルの仕入れなど特別ルートでないと手に入らないようだ。そこで、鶏肉および牛肉ソーセージを代用にする。
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クルーザーなのでミニ・キッチンが付いているから、朝と昼は自分達で用意する。
昼食を抜くとこれまた戦意が高揚しないので、しっかり準備する。航行中は戦場なみであるので、朝のうちにツナサンドを作っておいて、操縦しながらほうばるのだ。この準備は、重要である。帆走中は、揺れる船内に長くいると気分が悪くなるから、作っておいたものを外のコックピットでさっと食べないと体が持たない。

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             朝食は、船内サロンでしっかりとる。

ただし、丁度おなかがすいた頃にきれいな入り江に到着して投錨、休憩ができる場合は、しっかり昼食も作る。その場合、冷蔵庫にハンバーグなどがあればいいのだが、冷蔵庫はエンジンがかかっているときと桟橋に電気供給がある場合しか用をなさない。エンジンを使った機走は入り江での投錨と接岸・離岸の時だけ行い、後はなるべく風を動力とする帆走をするのがヨットの醍醐味なので、冷蔵庫はあまり使い物にならない。2週間のうち桟橋に電気設備があったのは、出発港のグチェックと二回寄港したフェティエのみであった。電気の代わりに氷で冷やすという手もあるが、それ以外には町とか村にも寄らなかったのでお店というものがなく、氷の入手も不可能だった。

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             キッチンでハンバーグを焼く。

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             食べるのは外にあるコックピットのテーブル

また、航行中は禁酒が原則であるから、錨を下ろすまでは飲まない、というのが船乗りのマナーである。だから、その晩泊まる場所に到着すると、まずはビールかワインを一杯やりたくなるのが人情だ。そして、地中海地方の国では夕食時間が遅い。夜8時9時頃まで待てないので、ヨットをもやうとすぐにサラダを作る。これもなぜか恒例になっていて、やはり体がヴィタミンを要求するのだと思う。これで基礎体力温存のための腹ごしらえは万全である。

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しかし、人はパンのみにて生きるにあらず。おやつも食べたい。
なぜか塩辛いものと甘いものが交互に欲しくなるのも、船上食生活7不思議の一つである。
そのためにポテトチップスなどの塩味スナック菓子、チョコレートやクッキーなどを大量に買っておく必要がある。

また、船でアイスクリームなどを売りに来る場合もまれにある。
今回は、水上パンケーキ屋さんがやってきた。旦那さんが操縦して奥さんが船上で焼く。1枚5トルコリラと馬鹿げた高値であるが、その手さばきをみていると欲しくなってくる。団子状にした生地を杵棒でごくごく薄くのばすのが独特で、歯ごたえのあるクレープという感じになる。チョコとバナナ、チーズと香草というのを試してみたが、ロケーションが抜群のため味にもなんともいわれぬ雅趣がある気がした。

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by didoregina | 2009-05-14 11:50 | セイリング | Comments(4)
Commented by Mev at 2009-05-14 21:02 x
なるほどー。エンジンかけてないと電気使えないから冷蔵庫もないという覚悟が必要なんですね。クルーザーの旅も慣れないと戸惑うことが多そうですね。 オランダ人はハーリンを船に積んで航海したらしいですけど、ハーリンばかりじゃ飽きたでしょうね。昔は野菜なんかどうしてたんだろう。ザウアークラウトのみかなあ。

そういえばトルコのホテルで朝食は牛肉ハムとソーセージ(しょっぱいやつ)でした。たしかにベーコンは入手が難しそうですね。

船でパンケーキやアイスを売りに来るってすごいなあ。(タイの川でフルーツてんこもりボートのおねえちゃん達が群がってきたことを思い出してしまいました。)One of 海の民の生きる道ってやつですかね。
Commented by レイネ at 2009-05-14 21:50 x
Mevさま、地中海でもセイリングする海域によって、フネも港の設備も様々で、行ってみないと分からないんです。それで、最低1週間分の食料は積み込みます。冷蔵庫が使えるかどうかも分からないから乾物、缶詰、瓶詰め、果物・野菜に大量の飲料水と飲み物です。

外洋の航海、昔は大変だったでしょうね、新鮮な食べ物が手に入らなくて。それで頭にきて反乱なんてよくあったはず。映画「戦艦ポチョムキン」でも、ウジのわいた肉が食卓に上ってましたね。。。

川なら物売り船が来るのもわかるけど、人里はなれた海の上まで、ちゃちい小さな船で来るってのがすさまじいと思いません?
Commented by bonnjour at 2009-05-15 08:20
素晴らしい休日の過ごし方にため息が出ました。しかもトルコまで遠征しちゃうのがすごいです。

昔、勤務先の会社のヨット部が所有するクルーザーに便乗させてもらったことがあるのですが、部員たちのキビキビした動きにひたすら目を見張りながら自分は隅のほうで固まってました(笑)。
Commented by レイネ at 2009-05-15 15:31 x
bonnjourさま、トルコはのんびりできていい、秋休みにまた行きたい、と子供達も気に入ったようです。フランス、スペイン、イタリアだとヨットのチャーター代金が非常に高くなるので、どうしてもクロアチアやギリシャなど東地中海に遠征せざるを得ないのです。でも、もろに塩野七生の世界なのがうれしいんです。

たしかに、フネでは各自の役割分担が決まってるので、条件反射のごとく自動的に動いてしまいますね。
わたしも昔、東京湾でクルーザーに乗せてもらったのが初めてのヨット体験でした。すぐに船酔いしてしまいましたが。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
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