Silk Stories「大正キモノ」展@Kunsthal

ロッテルダムのクンストハルで、Silk Stories 大正キモノ 1900 - 1940 という展覧会をやっているので、出かけてみた。もちろんあまり期待しないで。

クンストハルというのは、ボイマンス美術館などのあるミュージアム・パークの中に立つモダンな建物で、常設コレクションはなく、主にモダン・アートの特別展を専門に行う。この前観に来たのは、パティ・スミスのグラフィック展だったと思う。

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          カフェの前に広がる芝生には巨大なウサギの像が。

1900年から1940年くらいまでのキモノ約120点を集めたものだが、さすがに大正時代のセンスでポップさが横溢している。
普段着から晴れ着まで一応ほとんど全ての人生行事に関わるキモノが展示されている。
女性用ののキモノにはそれほどいいなあと思えるものはなかったが、男性用の羽織の裏がすごく凝っていて、数も多い。それからポップでモダンな柄の子供用のキモノがいい。

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           絣模様に野球のバッターが織り出されている!

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           野球の早慶戦を描いた羽裏。

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           海老蔵改め団十郎襲名記念。

古典柄よりも、いかにも当時の社会風潮が現れたプロパガンダ模様、というのもいまどきのキモノにはないパターンで新鮮だった。

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           満州事変を具象モチーフにしているキモノ。

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           ジョージ6世戴冠記念柄の子供用キモノ。

写真撮影はフラッシュさえたかなければOKとのことなので、みんな我も我もと写真を撮っていた。
会場には、英語の着付けヴィデオが流れていて、すごく丁寧に着付けを教えるものだったが、真剣に見入る人が多くて、一時は入場客全員が見てるんじゃないかというくらいの盛況だった。わたしもじっくり見てポイントをつかんだ。
着付けがこんなに手間がかかるものだとは知らなかっただろうから、皆感心していた。
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by didoregina | 2009-04-21 09:28 | 着物 | Comments(8)
Commented by アルチーナ at 2009-04-21 17:23 x
戦争柄の着物は以前雑誌で写真を見たことがありましたが、野球!!それに絣まで!!ビックリしました。
昔の写真を見てみると若干今と着方が違うのじゃないか?とも思う事もあるし(結構、だらしないというか着こなしている!というか・・)柄も大胆ですよね。
歌舞伎なども見ていると着物の柄が本当に大胆で、何故?アシンメトリーな配置を日本人はするようになったのか・・?など本当に見ていて面白いですよね。

あーーーでももしかしたらキャラクター絵が入った(好きじゃないですけれど)洋服や傘、靴、などは既に萌芽があったという事なのかもしれないですね・・
Commented by sarahoctavian at 2009-04-21 18:06 x
ちょっと前にテレビのドキュメンタリー番組でこのテのプロパガンダ着物を収集してる日本人のことを紹介してました。そういう時代だったとは言え、こんなデザインの着物を本当に着た人っていたんでしょうか。だとしたら歩く看板ね。アルチーナさんも仰るようにパターン化された模様や絵柄も、日本におけるマンガチックなキャラクターものの伝統なのでしょうね。
Commented by レイネ at 2009-04-22 00:39 x
アルチーナさま、絣模様のバッターはよく見ないと分からない奥床さがいいんです。
着物の着方にもやはり流行がありますね。今は昔と比べてずいぶんきっちり着ないといけないようになっているようです。それはそれで、気分がしゃっきりしていいものですけど。
もしもお手元に着物があったら、着てお出かけしてみると楽しいですよ。

やっぱり古典柄だけじゃあつまらない、と思う人はいつの時代にもいるから、新作柄が出てくるんだけど、それって時代を映す鏡ですよね。
Commented by レイネ at 2009-04-22 00:48 x
sarahoctavianさま、コレクションとしては面白いんじゃないでしょうか、そういう風なものを集めるっていうのも。
着物って、凝りだすとどうしても人とは違うものが欲しくなるようなので、その人の趣味がモロに反映されますね。わたしは着られないような色柄の着物はいらないわ。でも、実際に着てみないと、似合うか似合わないか分からないのが着物の不思議さで、意外なのが似合ったり、好みの色柄がイマイチ自分とマッチしなかったりで難しいんです。

漫画チックなキャラクター模様が最初に世に出たのはいつごろなんでしょうね。パターン化された伝統柄は、それらとは一線を画していると思いますが。
Commented by bonnjour at 2009-04-22 09:30
元禄小袖や能衣裳なんかでなく、大正時代の着物のコレクションなんてマニアックなテーマの展覧会、さすがですね。

野球のバッターが織り出されている絣は、遠目にみるとルイ・ヴィトン風かも(笑)。プロパガンダ模様の着物は、今ならさしずめTシャツを使うところでしょうか。以前、昔のデザインを紹介した本で「電柱の林立する道路の風景」柄の着物を見て、ぶっ飛びました。あ、でもそれは明治時代の作品だったと思います。電柱が文明開化の象徴だったんでしょうけど、いやはや...。
Commented by レイネ at 2009-04-22 18:12 x
bonnjourさま、正攻法では絶対いかないところがオランダらしいでしょう?同時開催の、デンマーク・オランダのハーフ(?)のデザイナー、Anette Meyerの服飾インスタレーション Icon Dressedという展示もとっても面白かったです。1800年から80年代までの女性服飾の変遷を、同じ花柄の生地で作ったドレス14点で見せるというものでしたが、マネキンが着たドレスは階下に立っていて、透ける床を歩きながら下のドレスを見るんです。壁には、動く写真でドレスが見られて、間にはガートルード・スタイン、エミリー・ディキンスン、アナイス・ニンなどの言葉が引用されていてぴったりとキマっていました。

そうそう、文明開化の象徴、乗り物づくしなんかの柄の着物も展示してありました。清楚な明治・大正の美人画の羽裏も粋で好みです。
Commented by Mev at 2009-04-23 00:16 x
着付けについてですが、そうなんですよ、アメリカ人なんかは特に着付けをなめていて、着物を買ったら自分で着られると思っている。東京ディズニーランドのポスターでミニーが着物を着ている絵が描かれているものがあったのですが、襟が反対でした。。。。
Commented by レイネ at 2009-04-23 00:47 x
Mevさま、クンストハルのお客さんたちは、皆さんそれはまじめに着付けヴィデオに見いってました。日本人の着付け講師が、英語でベタなギャグを交えながら、丁寧に教えるもので、わたしもすっかり感心して見てました。
東京ディズニーランドのお土産で、ミニーちゃんが着物を着ている人形がデスク上、目の前に飾ってあるんですが、彼女はきちんと左前に着ています。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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