London Calling!

今回のロンドン遠征テーマは「3日間でオペラ3つ」、裏テーマを「節約の限界に挑戦」とした。

ブリュッセルから出ているユーロスターでロンドンへ入るのは、とっても楽だ。街中の駅から街中の駅まで座ったままで行ける。荷物チェックも入国審査も簡単だし、チェックインが出発時間の30分前までOKなので、時間の効率もいい。
朝9時過ぎにマーストリヒトを出て、時差の関係で12時半にはロンドンのセント・パンクロス駅に到着した。ブリュッセルからは2時間丁度である。(そこまでの電車がトラぶって遅れ、途中で止まってしまい乗り換えたので約2時間かかった。11時半発のユーロスターにぎりぎり間に合った。)
お値段は、ベルギー国内の国鉄駅ならどこからでもユーロスター特急代金込みでロンドン往復80ユーロである。マーストリヒトの次の駅がベルギーなので、そこまでの片道2ユーロ40セントを上乗せする。
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ホテルの選定も、安いことと駅から至近であることを最優先した。キングズ・クロスとセント・パンクロス駅はくっついていて地下鉄線も沢山乗り入れているため便利である。ユーロスターから降りて歩いて5分もかからないアーガイル・スクエアの安ホテル。朝食込みシングル・アン・スイートで2泊98ポンドは、かなり安いと思う。もちろん部屋の設備は値段相応である。シャワーから暖かいお湯が出ることを期待したらいけない。まあ、2泊までなら我慢できる。イングリッシュ・ブレックファストはまあまあのボリュームで、歩き回る前のエネルギー補給に最適であった。

初日は、まず歩いて大英博物館へ出かけた。ロンドンには何度か来ているが、ここは今まで訪れたことがなかったのである。国立なので入場料はタダ。ここでアフタヌーン・ティーを食べて昼食兼夕食にしてしまおうという魂胆もあった。

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            ゴールデン・ウィークにセーリングする辺り、
            トルコのクサントスから持ってきたネレイド廟。

上階レストランのアフタヌーン・ティーは18ポンド50ペンスで、よそに比べたらとってもお安いが、倹約を旨とする今回のロンドンでは常軌を逸した値段である。そこで、1階のギャラリー・カフェに行き、上階とほぼ同じ内容のものをセルフで選ぶと、10ポンド40ペンスですんだ。紅茶、ツナときゅうりと胡麻バゲット・サンド、スコーン2個、デーメルの(!)チーズケーキという内容で、普段なら食べきれない量であるが、がんばった。これで、夕飯はもういらない。上階レストランにも、デーメルのケーキ付きウィーン風アフタヌーン・ティーというのがあって15ポンドだが、スコーンはつかない。

展示物は、ギリシャとローマの部屋を選んで見た。
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トルコにはギリシャ、ローマの遺跡が沢山あるが、ここ大英博物館にもいろいろ持ってきてある。訪れたことのある現ボデュルム、昔のハリカルナッソスのモウソレアム(世界7不思議の一つで、霊廟という言葉の語源になった)は、今は廃墟になっているが、残ったものは全部こちらに持ってきたようである。廟の屋根上の馬の像がいい。


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                  ネレイド廟。海の神ネレウスの娘達ネレイドの像。
                  エーゲ海の風をはらんだ服や、足元の魚が
                  海の精らしい爽やかさを運んでくる。

ギリシャ時代の神殿などの遺跡は博物館で見るものではない、という気がする。やはり、現地の太陽の下で、エーゲ海を見下ろす丘の上に建っているのが本来の姿である。現地でいろいろ見ることのできた幸いを思う。

小物では、アクセサリー・デザインが優れているのに目を見張る。ほとんど現在使われている材料とテクニックであるので、ガラスの陳列ケースを下からのぞいたりしてじっくり研究した。(彫金もホビーの一つなのだ。)
中でも素晴らしいのは、エトルリアのアクセサリーである。V&Aのジュエリー部門にあったシュリーマンの説明によると、現在でもまれなロウ付け継ぎ目の見えない高度なテクニックが用いられているという。なによりも、動物モチーフのデザインなど、カルティエのパンサーもきっとインスピレーションをここから得ていると思えるほどの完成度である。エトルリア文化には、謎が多いが、惹かれるものも多い。
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ローマ時代の小物陳列では、眠りの神ヒュプノスのブロンズ像に目を奪われた。
ベルギーの象徴派画家、フェルナン・クノップフの絵 I lock my door upon myself (1891)
でおなじみのブロンズ像に逢えたのだ。

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彼は、自宅にヒュプノスにささげた祭壇をつくり、そこにこのヒュプノスの石膏像を置いていた。


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by didoregina | 2009-04-05 12:52 | 旅行 | Comments(6)
Commented by ロンドンの椿姫 at 2009-04-05 21:18 x
お疲れ様でした。
更新楽しみにしてますね。自分が住んでいる所って、案外知らないことも多いので、他所からいらした方の目を通したロンドンの様子が楽しみです。
後で写真送りますので、お好きなように使ってくださいね。
Commented by レイネ at 2009-04-05 21:25 x
ロンドンの椿姫さま、そちらでは大変お世話になりました。おかげさまで充実の3日間を過ごすことができました。これは病みつきになりそうかも。
カーテンコール写真は、あんなに近くから沢山撮ったつもりなのに、ぼけてたり、視線がこちらを向いていなかったり。。。
Commented by sarahoctavian at 2009-04-06 03:43 x
レイネさん、お帰りなさい!充実した3日間だったことと思います。テーマ「節約の限界に挑戦」もとても興味深い。続きも楽しみにしてます。クノップフは私も憧れた画家の一人。冷たい氷色の瞳が印象的な少女の絵・・あのブロンズ像に逢えたなんてステキだわ。彼は確かブリュージュ出身でした?それでいつか訪れてみたいと思ってたのよね。
Commented by Mev at 2009-04-06 05:40 x
レイネさま。列車でロンドンというのが可能なんですねえ。ベルギー近くという地の利ですね。 アムスから列車というのはちょっと考えなかった。でも調べてみるのも価値ありですよね。

3日でオペラ3つですか!素晴らしすぎる!
涎が出てきそうです。。。。。

大英博物館にはぜひもう一度行きたいです!帝国の略奪品といえばそれまでですが、こうして後世にいい形で残して無料で公開しているということで罪は贖えていると思います。

それではロンドン便りの続きを楽しみにしています。
Commented by レイネ at 2009-04-06 05:44 x
sarahoctavianさま、先発隊戻ってまいりました。一人旅なのにちっとも寂しくなったり退屈したりする暇がありませんでした。
クノップフの絵はブリュッセルの王立美術館に沢山ありますよ。彼、ベルギー人とイギリス人のハーフじゃなかったかな。だから上記の少女の顔がとってもイギリス的だと思えるの。

来年4月のイースターの頃、ブリュッセル(イドメネオ)とアムス(トロイの人々)オペラ・ツアーという話を進めたいと思っています。ぜひご検討ください。
Commented by レイネ at 2009-04-06 05:53 x
Mevさま、列車だと時間のロスが少なくていいわ。だから3日間目いっぱい楽しめました。
でもお宅からならスキポールが近いので、飛行機がやっぱり1番おトクでしょう。わたしも次回は子供を連れて行きます。今回、長男だけ留守番だったのは可哀相でした。(主人は北海でヨット、次男はオーストリアでスノボー、長男は金曜日に生物の実験があったため家に残ったのです。)


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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名前:レイネ
別名: didoregina
性別:女性
モットー:Carpe diem

オランダ在住ですが、国境を越えてベルギー、ドイツのオペラやコンサートにも。
ハレのおでかけには着物、を実践しています。
音楽、美術、映画を源泉に、美の感動を言葉にしていきます。


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