パーセル・コンサート@聖マルティヌス教会

作曲家イヤーの威力や恐るべし。パーセルにちなんだコンサートがこのところ目白押しである。
聞いたことがないアマチュア古楽アンサンブルが教会でコンサートを行う、という情報がたまたま目に留まった。地区の教会が毎週発行しているニューズ・レターに載っていたのだ。

「メアリー女王のための葬送音楽」と題するコンサートで、歴史的楽器による演奏、そしてルネッサンスおよびバロック音楽を専門とするプロのソプラノがソロを歌うというふれこみである。
料金の記載はないから、教会と演奏者への気持ち程度の謝礼を寄付すればよいのだろう。
さすがに古楽のさかんなオランダだけあって、アマチュアでこういうコンサートを行うのも少なくない。家からそう遠くもない教会が会場だ。期待して出かけてみた。

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ところが、中で手渡されたプログラム・パンフレットを読むと、パーセルの曲も確かに入っているが、大部分はそれ以外の、わたしにとっては無名の16世紀および17世紀の作曲家の作品が演奏されるようである。

2009年2月8日   H. Martinuskerk
Arno Kerkhof 指揮  Vocaal Emsemble Arabesque 合唱
Bianca Lenssesn ソプラノ
Schutz-Monteverdi Concort 古楽器演奏

古楽演奏は、コルネット(近代のトランペットのようなコルネットとは異なる木管の楽器)2名、トロンボーン(アルト、テナー、バス各1名)3名、ヴィオラ・ダ・ガンバ1名(この人は太鼓も叩く)、オルガン1名のシンプルな構成で、弦楽器はヴィオラ・ダ・ガンバのみ。

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March    
by Henry Purcell (器楽演奏)

I am the resurrection and the life
I know that my Redeemer liveth
We brought nothing into this world    
by Thomas Morley(合唱)

Quemadmodum desiderat cerbus
by Andre Campra(ソロ)

Last will and testament
by Anthony Hoborne(器楽演奏)

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Almighty God
by Thomas Tomkins(合唱)

Man that is born of a woman
In the midst of life
Thou knowest, Lord
by Henry Purcell  (合唱) 

Quemadmodum desiderat cervus
by Sebastien de Brossard(ソロ)
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The funerals
by Anthony Holborne(器楽演奏)

Man that is born of a woman
In the midst of life
Thou knowest, Lord (Henry Purcell)
I heard a voice from heaven
by Thomas Morley  (合唱) 

March by Henry Purcell (器楽演奏)


マーチでは太鼓が葬送の行進リズムを刻み、演奏は管楽器のみ。その出だしがいつも揃わない。ようやく最後のマーチで初めて揃った。
合唱団は男女合わせて14人ほどだろうか。まあ、よくある教会の聖歌隊みたいなものだった。
ソロを歌うソプラノだけプロの歌手である。中年のがっしりした女性なのだが、声質は見かけと異なり少女のような感じで、いかにもルネサッサンス・バロック専門のタイプだ。声量はあまりなく、もちろんノン・ヴィヴラートで歌うのだが、伸びが不足気味。ちょっと一本調子だが、くせがないので聴いていて嫌ではない。

歌の伴奏はオルガンとヴィオラ・ダ・ガンバのみでシンプルだ。一番よかったのは、太鼓とヴィオラ・ダ・ガンバを演奏していた人で、この人がいなかったら芯のないあやふやな印象の演奏会になったと思う。

会場を出るときに、寄付金の形で来場者が妥当だと思う金額を払う。パーセルで釣っておきながら、実際にはその演奏曲目が少なかったのが減点の対象となったから、3ユーロだけ払った。アマチュアのコンサートに支払う金額としては、まあ妥当なセンではないだろうか。
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by didoregina | 2009-02-09 14:44 | バロック | Comments(13)
Commented by zwinker at 2009-02-10 17:28 x
教会でのコンサート、私も何回か懲りましたよ。
教会という建物の構造上仕方ないのかもしれませんが、
まぁ、音がワンワン、出だしは合わない、肝心なメロディーが聞こえない・・・・。
同じようなところがそろわないと、「あぁ、まただぁ」って、残念になりますよね。
Commented by レイネ at 2009-02-11 01:22 x
zwinkerさま、独唱のリサイタルならまだしも、合唱曲は本当にがっかりが続いてます。歌詞も聞き取れないほど響きすぎで。
もう少し大きな聖ヤン教会だと、「マタイ受難曲」は感激できたし、ピアノのリサイタルもよい加減だったんですけど。。。
Commented by Mevrouw at 2009-02-11 08:21 x
迷っていらした教会コンサート行かれたのですね。
教会も音響の良し悪しがあるのですね。たしかに演奏用に作られた建物ではないんですもんねえ。。。。
でもなぜかばっちり音響のいい教会もありますよね。

ガンバは本当に素敵な楽器で、数年前初めて見たとき、私は一目ぼれしました。外見も美しいし、音には深みがあるし。
次男に「やってみない?」とねちっこく声をかけているのですが、
「いや、ぼくはサッカーに専念するよ」とのこと。がっかり。
Commented by レイネ at 2009-02-11 17:39 x
Mevrouwさま、違うのよ、迷ってたのは今週末の「ヴァレンタイン・コンサート」と称するパーセルの歌曲コンサートで(またもやオランダ・バッハ協会)、もう行きません。

古楽器は、なんとなく雅な雰囲気で、触ってみたくなりますね。次男様は、トランペットでしたっけ?スポーツと両立できるのが理想ですね、親としては。
Commented by Mev at 2009-02-11 19:37 x
レイネさま、失礼いたしました。そうでしたか、ヴァレンタインコンサートというのもあったんですね。

今週末はアムステルフェーンでルーマニア国立オペラの「こうもり」を上演するというので、怖いもの見たさ(?)で次男を連れていってみようと思います。
来週金曜はコンセルトヘボウのコノリー(様ってつけるべき??)のヘンデル特集コンサートに行こうと思っています。次男は眠ってしまうかもしれないけど連れて行きます。あ、トランペットは長男です。次男は音楽にはあまり興味がなく、ピアノもメヌエットまででやめてしまいました。
Commented by レイネ at 2009-02-12 16:46 x
Mevさま、ルーマニア人には歌が上手な人が多いけど、東欧のオペラは演出やデコールが垢抜けない印象が強いです。特に引越し公演だといろいろな制約があって、舞台はちゃちいかも。まあ、怖いもの見たさの覚悟ならよろしいのでは。
実は、昨日コンセルトヘボウのサラ様コンサート、チケットをゲットしました。行こうか行くまいか、ずうっと悩んでいたんですが、いっしょに行ってくれる人を見つけ、しかも1泊することに。休憩中にぜひお会いしましょう!
非公開コメントにチェックを入れると、わたしにだけ読めますので、ヒミツのお話はそちらにて。
Commented by bonnjour at 2009-02-12 17:46
教会でのコンサートって演奏者の技量や会場の音響によって、当たりはずれがありますね。

レイネさんもMevさんも、コンセルトヘボウのサラ様コンサートなんて、うらやましいです。コンサート評を後で楽しみにしています!
Commented by sarahoctavian at 2009-02-12 22:53 x
来週のコンサート・・・お2人ともうらやましいかぎりですよ~。私も飛んでいきたい。演目はチェーザレ・アグリッピナ・アリオダンテのアリアですってね。持ってるCDで疑似体験して我慢します。できる限りミーハーして写真もお願い。あ、またすごいドレスだったらどうしよう・・(焦)。いっそのことマリヤーナ様のようなパンツスーツでズボン役になりきってみたらどうかしらん。。
Commented by Mevrouw at 2009-02-13 00:54 x
レイネさま、コンセルトヘボウのチケットもう買われたのですね。素早い。お泊りであればゆっくりできますね。実は私は子供連れなので、本人の体調を整えるぞ、という万全の心構えだけはできておりますが、相変わらず「当日券で」という選択肢なのです。
とにかくがんばるのみです。 
Commented by レイネ at 2009-02-13 07:21 x
bonn, sarah, mevさま(略称で失礼)。はい、皆様のご期待を一身に背負って、わたくし、アムスに出向いてまいります。わたくしにとって記念すべきコンセルトヘボウ・デビューが、サラ様のコンサートというのも因縁めいたものを感じます。
同行する友人の期待も大きく、肩にのしかかる重大な使命を果すべく、病気にだけはならないよういっそう気を引き締めて臨むしだいでございます。
Commented by sarahoctavian at 2009-02-13 15:45 x
冬場特に体調整えてくださいね~。レイネ様もコノリー様も風邪など引きませんように!カサさまやミヤさまと違って彼女は頑丈そうな感じだけど・・。
Commented by レイネ at 2009-02-13 21:29 x
sarahoctavianさま、わたしは風邪でも何でも行くけど、サラ様はバルセロナでの「ポッペア」のすぐ後ですからね。過労とか声の調子が悪くてキャンセルになったりしたら最悪。2年前のマレーナ様のリサイタルは、まさにそのパターンでした。ああ、縁起でもないことを思い出してしまった。。。サラ様は、きっと丈夫よね、健康管理しっかりしてそうだから!でも、これから1週間、はらはら、どきどきだわ。
Commented by Mev at 2009-02-13 21:55 x
世界中をまわるアーチストの方々の健康維持のパワーはすごいのですよね。やはり。プロってそういうことですね、きっと。

私はいまんとこ大丈夫なんですが、思わぬアクシデントが。。。夫がサッカー練習中に肉離れ。動けないみたい。今日のオペレッタはあきらめます。でも、明日のジゼルは日本人プリンシパル中村祥子(現ベルリンプリンシパル)が客演の予定なので、ぜーったい行きます。夫よ明日はひとりでがんばりなさいね。

そうそう、こういう家庭なので高いチケットを前もって買うのはやはり危険だわ。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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