(after) The Fairy Queen 妖精の女王

c0188818_23492863.jpg2009年1月21日
Theater aan het Vrijthof

Muziek- Henry Purcell

Muzikale leiding - Emmanuelle Haïm (12, 16, 17, 18 dec & 7, 10, 11, 13, 24, 25 jan & 4, 7 feb) & Jonathan Cohen (17, 19, 20, 21 & 30 jan)

Assistenten muzikale leiding – Jonathan Cohen, Philippe Grisvard
Regie – Wouter Van Looy
Dramaturgie – Ian Burton
Choreografie & video – Vivian Cruz
Sculpturen – Freija Van Esbroeck
Kostuums – Johanna Trudzinski
Decor – Sascha van Riel
Lichtontwerp – Peter Quasters
Dans - Erika Méndez Ureña, Sheila Rojas, Luis Villanueva, Alejandro Chávez

Solisten - sopranen: Susan Gilmour Bailey, Hanna Bayodi-Hirt, Elise Caluwaerts, Elodie Fonnard – contra-tenor: Owen Willetts – tenoren: Daniel Auchincloss, Ben Breakwell, Simon Wall – bassen: Neill Bellingham, John Mackenzie, Nicholas Warden

Muzikale uitvoering – Le Concert d'Astrée:
Viool – Agnieska Rychlik, Maud Giguet
Altviool – Delphine Millour
Cello – Claire Thirion
Blokfluit – François Lazarevitch, Yann Miriel
Hobo – Yann Miriel, Vincent Blanchard
Fagot – Emmanuel Vigneron
Luit – Laura Monica Pustilnik or Carola Grinberg
Clavecimbel – Philippe Grisvard

Coproduction – Opéra de Lille, La Clef des Chants, Opéra de Dijon, Muziektheater Transparant.

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パーセルの「妖精の女王」は、セミ・オペラ(歌わない台詞と歌と音楽が混在)で、全体にドラマとしての統一的な流れを欠くため、通常のオペラに比べ演出が非常に難しく、上演の機会も少ない。リサイタルで歌の部分だけ歌われたり、音楽部分だけ録音されたCDはあるが。
だから、今回の上演は、タイトルにわざわざ after と入れているように、シェークスピアの「真夏の夜の夢」に題材を採ったパーセルの歌劇をモトにした翻案もの音楽劇と見るほうがいい。
また、長々とクレジットを入れたのも、楽器演奏、歌、ダンス、舞台美術、マスクが渾然一体となり、どれ一つが欠けても不完全になってしまう一風変わったプロダクションだったからだ。今回のプロダクションでは、歌手が主役では全くなかったと言っていい。

主役は、2組の恋する男女(ダンサー)で、準主役は、古楽演奏のコンセルト・ダストレーだった。
歌手たちは、地味なワンピースとシャツにズボン姿で、主役級ダンサーの後方で結構難しい振り付けのダンスをしているので、最初、その他大勢の群舞ダンサーかと思ったくらいだ。それが、朗々と台詞を読みそのあと歌いだしたので、歌手とわかった次第だが、メインには最後までなれなかった。

楽器演奏のみの音楽部分が多い作品だと、どうしても、踊りや舞台装置で視覚を補わないとさびしい舞台になってしまうのでは、という危惧を抱いてしまうものだ。
だが、音楽だけでは、なんとなく水っぽいから、踊りを加えて実だくさんの汁にしてしまおうという発想は、どうにも安易で好きになれない。そのせいで、歌がどうしても添え物的になってしまうからだ。音楽だけで、こってりとしたスープを作り出して満足感を与えることは可能なはずなのに。

それにしても、観客に対して、イマジネーションを使うことを強いる舞台だった。それに慣れるまで結構時間がかかり、その世界に没入できた頃は、終わりに近かった。事前に勉強をした人でないと、楽しめないかもしれない。しかし、玄人が多かったとみえて、ブラーヴォーは、結構飛んだ。
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by didoregina | 2009-01-22 16:46 | バロック | Comments(6)
Commented by アルチーナ at 2009-01-23 09:13 x
上演機会の少ない演目を取り上げてくれるのはありがたいことですが、演奏会形式でも良いのかな?と思うこともありますね。
オーケストラが舞台に載っていると、通奏低音の方たちも良く見えるし・・
Commented by sarahoctavian at 2009-01-23 16:30 x
いいですね~私も見てみたいわ、妖精の女王。セミオペラというジャンル興味あります。「音楽と歌と台詞と舞踏が混同した」バロック時代の総合舞台芸術、オペラの前身的な位置にあるのでしょうか?なるほど、演出家の力量と聴衆の想像力が問われそうな作品ですね。
Commented by レイネ at 2009-01-23 18:12 x
アルチーナ様、作曲家イヤーってお祭には興味がないんですが、そのおかげでマイナーな作品の演奏・上演・録音の機会が多くなるのは大歓迎。
わたしの席からは、オケピットのコンセルト・ダルトレーのメンバーの顔も指揮者もとてもよく見えました。古楽演奏家って、だいたい粋な雰囲気の人が多いんですが、フランス人のせいかかなり美形!の方も3名ほど。本当は、超美形のエマニュエル・ハイム女史の指揮が目当てだったんですが、来てくれませんでした。そのためなのか、当初のチケット代37ユーロ50セントが急遽25ユーロにディスカウントされ、差額も当日払い戻されました。こんなの初めて!
Commented by レイネ at 2009-01-23 18:28 x
sarahoctavian様、 事前にNII-Electronic Library Serviceで見つけた、宇都宮大学国際学部研究論集に高際澄雄さんが書いていらっしゃる「パーセル『妖精の女王』における詩と音楽」を読んで、すこしはお勉強してから出かけたのですが、実際の舞台を見、演奏を聴くと、はあ、なんとも高尚な、という印象でした。いわゆる一般的オペラとは別物なんですね、きっと、パーセルのセミ・オペラは。
でも、古楽演奏家たちが、とても楽しそうに演奏してるのがよくわかりました。
Commented by zwinker at 2009-01-24 04:39 x
古学演奏家、楽器もすべてバロック時代の形のものを使っているのでしょうか。そうだとしたら、音楽をきれいに聞くには、演奏者の腕もそうですが、ホールとの相性は必須ですね。
Commented by レイネ at 2009-01-25 18:38 x
Zwinkerさま、リュートやヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ、リコーダーなどはバロックの形だと見てすぐ分かるのですが、ヴァイオリンとなると、形状は微妙。弦だけガットにしてあるのかな。ホールはまあまあの大きさで、音がよく響いてこなかったという不満はありませんでした。
わたしの書き方が中途半端だったのですが、「水っぽい」と感じたのは演奏ではなく、パーセルの作風のことなんです。メランコリックな音楽なので、水分が多い外気にさらされ体が冷たくなっていくような感覚をおぼえました。


コンサート、オペラ、映画、着物、ヴァカンスなど非日常の悦しみをつづります。


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